最新の投稿
1 2024年10月8日 【思考力、創造力】 桐蔭学園小学校国語科の「探究」の取り組み
2 2024年9月20日 【思いやり、チャレンジ力】1年生野外活動「清川リバーランド」
3 2024年9月20日 【チャレンジ力、エージェンシー】6年生鎌倉遠足
4 2024年9月6日 【思いやり、エージェンシー】5年遠足 袖ヶ浦海岸「地引網体験」
5 2024年7月19日 【チャレンジ力・思いやり】3年生遠足「相模原麻溝公園」
 
 

【思考力、創造力】 桐蔭学園小学校国語科の「探究」の取り組み

今回は、1年生と3年生の国語で取り組んだ『探究学習』の要素を取り入れた実践について紹介します。

≪1年生≫

4月の入学から9月までの学習を通して文字を書くことから始まり、文節を使った文章づくり、自分の体験を言葉にして表現する活動を行い、「まとめ・表現の力」の土台となる力を育成してきています。

「『は』『を』『へ』をつかおう」や「すきなことなあに」の教材を通し、文章を作る練習を行いました。子どもたちは、自分の思いや感じたことを簡単な文にまとめる活動を行うことで、自分の考えを整理し、言葉で表現する力を身につけていきました。

 

【夏休みの宿題「マイチャレンジ」】

夏休みの宿題として実施した「マイチャレンジ」では、ここまで学習してきた内容をいかし、児童それぞれが自分の興味や関心に基づいた挑戦を行い、その取り組みの様子を日記形式で記録していきました。絵が得意な子は毎日一枚ずつ絵を描き、その絵についての感想や発見をまとめたり、ランニングや体操に挑戦し、その結果や気持ちの変化をまとめたりする子もいました。これまでに経験したことのないような分野に挑戦することを通して、その過程で感じた喜びや困難を言葉にまとめたり、結果的にうまくいかなかったことについても、その経験から得た学びをふり返り、次にどうすればうまくいくかを考えたりと、探究的な問いを自ら立て、次の挑戦につなげていく様子が見られました。

【読解の中での探究的なアプローチ】

『やくそく』という物語の題材の中で、話の展開や登場人物の気持ちの変化に注目しながら物語を読み進め、グループでの音読活動に取り組みました。話の展開や登場人物同士の関わりから状況や気持ちを探究し、物語を自分なりに解釈することに挑戦しました。読み取って考えたことを表現するために、声の大きさや強さなどの使い方を工夫したり、「なぜこのような声で音読したのか」という理由を話し合ったりと、自分たちの表現に工夫を加えていきました。

また、物語の続きを考える創作文づくりの活動では、「この先、このあおむしたちはどうなるだろうか」を考え、物語の展開を自分なりに想像して創作文をまとめました。物語の背後にあるテーマやキャラクターの動機について深く探究する活動を通し、物語の中で問いを見つけ、登場人物や物語の未来を自分なりに考え、表現することに取り組みました。物語の続きを考える過程で、児童は自分なりのアイデアを形にし、それを他者に共有するという「創造的な学び」に取り組みました。

 

≪3年生≫

「言葉の探究」(自分のイメージに近い言葉を「頭の中の引き出し」から探す、探る試み、姿勢)

(1)単元『初めての国語辞典』で、自分で選んだ言葉を自分なりに説明する活動

「消しゴム」という物(言葉)の一つの説明として、「まど みちお」さんの『けしゴム』という詩を紹介し、物(言葉)の説明することのイメージを持ちました。

 

『けしゴム』 まど みちお

「自分が書きちがえたのでもないが

いそいそと消す

自分がよごしたよごれでもないが

いそいそと消す

 

そして、けすたび

けっきょく自分がちびていって

きえてなくなってしまう

 

いそいそと、いそいそと

 

正しいと思ったことだけを

美しいと思ったことだけを

身がわりのようにのこしておいて」

その後、「言葉当てクイズ」をしました。自分で選んだ物(言葉)について、①その言葉の意味を自分なりのイメージで説明→②その言葉の辞書的な意味の説明→③答え合わせという順で一人ひとりがクイズ形式で発表し、答えを共有しました。

(2)夏休みの宿題「夏を感じたものについて書きましょう」

教科書の「夏を感じたものについて書きましょう」について夏休み前に授業で読み合わせをし、各自が「夏を感じたもの」を詩や絵日記や説明文の形で書きました。その中では、1学期にやった「言葉当てクイズ」の学びを活かして文章をまとめてきたり、様子に注目し、擬態語などの表現の工夫をしたりする子もいました。

 

「台所から『シャクッ。』と何かを切る音がする。何だろう?」

と「音の『実況中継』」をして「聴覚」で感じたものを表現し、読んだ人の「聴覚」を呼び起こし、「何だろう?」で自分が思ったことを書き、それによって読んだ人にも「何だろう?」と思わせたり、答えを考えさせたりして引き込み、

 

「少し待つと、赤くてみずみずしいものが運ばれてきた。」

 

と今度は「視覚」に入ってきた情報を書き、読んだ人の「視覚」に「赤くてみずみずしいものが運ばれてきた」と様子を想像させ、

 

「私は『それ』を食べてみた。」

 

で読んだ人に「それで、どうだった?」と思わせ、

 

「うん、『シャキッ。』としていて夏にぴったりだ。」

 

と今度は「触覚・味覚」の感覚を表現し、「五感」のうちの「四感」で「夏の季節感」を伝え、最後に、「(『シャキッ。』としていて)夏にぴったりだ。」と「夏の季節感につながるまとめ」をしていました。

 

そして、「ウリ科の一年生つる草。水分に富んで、甘い。実は、夏の代表的な果物。」と辞書の説明も載せて、「スイカ」に「夏を感じたこと」を表現していました。

 

 

同じ「スイカ」の「スイカ割り」の観点から「夏はスイカ ザクザク食べて、種を『プッ』ってふき出すのがおもしろい。」という感じで「夏の楽しい季節感」を表現してきていた子もいました。

 

 

また、「そうめん」を

 

「暑い夏の昼。今日も食べたい白いめん。つゆに入れて、ツルツル食べる。口はさっぱり、冷たくなる。」

と「擬態語」も使ってイメージを表現し、「『暑い夏』に食べたくなる」という「冷たくてさっぱりした食べ物」で「夏の季節感」を表現していました。

 

また、「夏の海」で、

「岩についている藻を食べていました。」

という「魚の様子」を観察して書き、

「捕まえられそうだったのに、届きませんでした。またいると、いいです。」

と、その魚への「捕まえてみたかった…。」という想いを「事実」を書いて「またいると、いいです。」とダメ押しをして表現していました。

 

また、他の人が、「とんぼ」についても、同じように、「思ったより~だった。」という感覚を

「飛んだり、とまったり。なかなか飛ばないと思ったら、追い付けないくらいブ~ンと飛ぶ。」

 

と表現していました。

 

 

(3)夏の季節感を「五・七・五」の「十七音」で表現した(教科書に掲載されている)「俳句」の表現効果を考える

 

「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」

 

という松尾 芭蕉さんの句。季語は「蝉」だから、「夏」の様子・季節感を表現した俳句。

「蝉の声」という「音」は、「ハウリング」して、「エコー」みたいにその余韻が耳に響く。その「夏特有の騒々しさ」を、ただ「うるさい。」と大雑把にとらえて終わらずに、その余韻が消えていく感じを、「どこに消えていくのか?」と一歩踏み込んで「心の目と耳」で「探究」し、(周りが閑かだから?)「岩にしみ入っていくようだ…。」ととらえ、それを「岩にしみ入る蝉の声」と「十二字」で表現しているところにも気付きました。

また、「『蝉の声』と書いてあるのに、なんで『閑かさ』で始まっているのだろう?」ということを考えてみました。「蝉の鳴き声以外の生活音などがしないほど『閑か』だから、芭蕉さんは、蝉の声が岩にしみ入っていくように感じられるほど『蝉の声の余韻』に集中していたのではないか?」というような解釈になりました。

 

他にも、小林 一茶さんの句では、「夏山」の頂上に近付いてきて、「疲れた~。」とか「頑張るぞ~。」とよくある感想・気持ちを書いたのでは、どういう「疲れ」や「頑張る」気持ちなのかがわからないので、

 

「一足づ(ず)つに海見ゆる」

 

と「状況描写」をすることで、その「達成感」も「疲れ」も「あと少しだ。頑張るぞー。」という気持ちも合わせて「夏山登山で感じていること」を表していたり、

 

与謝 蕪村さんの

 

「菜の花や 月は東に 日は西に」

の句などは、「菜の花」の東に「月」が、西に「お日様」があると詠んでいることから、「菜の花」は、作者の視野いっぱいに咲いている情景が目に浮かぶ句となっていることにも気付きました。

 

さらに、そんな「夏の季節感」を書いた昔の有名な文章として、「枕草子」(清少納言さん)の

 

「夏は夜がすてきだ。月が出ていればもちろん、闇夜でも、ホタルがいっぱい飛び交っている様子。また、ほんの一つ二つ、ほのかに光っていくのもいい。雨の降るのも、また、いい。」

 

という季節感(現代語訳)を紹介。

 

「秋に感じるもの(秋の季節感)」も

 

「秋は夕暮れがいい。夕日が赤々と射して、今にも山の稜線に沈もうという頃~すっかり日が落ちてしまって、風の音、虫の音などがさまざまに奏でるのは、もう言葉に尽くせない。」

 

と紹介し、参考にしてもらいました。

 

こうした学習を通して、絵で表現することができる部分と絵では難しい部分があることを知り、言葉による表現の精度を上げるにはどうすればよいかを考えていきました。自分の見たもの、聞いたこと、感じたこと、考えたことなどを、どんな言葉を選んで表現すればよいか考え深めることで、(「子どもらしい」)、しかし「一歩踏み込んでみた」表現ができるようになってきました。

 

「夏~秋の俳句・詩(子どもたちの作品)」

〈夏〉

・暑い夏 アイスを食べて 元気出る

・くたビーチ サンダルさらわれ 砂だらけ

・暑い日は 涼しい風が いい感じ

・太陽が 雲にかくれて 涼しいな

 

〈夏 VS 秋〉

・太陽はジメジメと 風はヒューヒューと

どちらも負けてはいないが そろそろ

風の方が 強いんじゃない

いやいや太陽も 負けてはいない

 

〈秋〉

・風がヒューヒュー 涼しいな

夜の風は 気持ちいな

朝の風は寒いけど

それはそれで ちょっといい

・紅葉だ 木々に染み入る 秋色が

・雨の後 空いっぱいの うろこ雲

・おとなりの 声が聞こえる 風さやか

・夕暮れで 森の中から 鈴の音

・朝起きた。布団を取ると、少し寒い。

まだ寝たいけど、外に出る。

フューフュー風が吹く。

みんな長袖を着ている。

電車に入ると、温かい。

・さわさわと シロダモの実が おどってる

 

〈日常〉

・トントンと ほうちょうの音 聞こえるよ

・遠足で 時間割なし うれしいな

 

 

【思いやり、チャレンジ力】1年生野外活動「清川リバーランド」

先日、清川リバーランドにて野外活動を実施いたしました。清川リバーランドは、自然の中で自由に活動できる環境が整っているだけでなく、施設がコンパクトにまとまっているため、教員が目を配りやすく、安全に活動を進めることができました。また、複数の席が炉を囲んで配置されていることから、保護者同士も交流を深めやすい環境が整っており、野外活動に適した素晴らしい場所でした。

川の中で泳いでいる魚を手づかみで捕まえる企画は、子どもたちにとって大きなチャレンジでした。最初は魚を捕まえるのが難しく、何度も失敗する場面もありましたが、子どもたちは諦めることなく、互いに思いやりを持って声を掛け合いながら、協力してチャレンジを続けました。最終的にはみんなが魚を捕まえることができ、その瞬間の歓声は子どもたちの喜びと達成感に満ちていました。この活動を通して、仲間との協力の大切さや自然の中で過ごす楽しさを存分に感じました。

川遊びの際には、安全を最優先に考え、保護者の皆さまにも多大なご協力をいただきました。川の流れや水深を確認しながら、子どもたちは自由に遊び、自然の中での探索や発見を楽しむ姿が見られました。また、水の音を聞き、水の動きを眺め、水に触れ、森のにおいを感じ、そしてバーベキューと五感をフルに活用し、自然の中でさまざまな遊びを見つけることができました。

 

その後のバーベキューでは、子どもたちが保護者の方と協力しながら、食材を焼いたり、準備を手伝ったりしました。保護者の方々にとっても交流の場となり、子どもたちと一緒に活動を楽しみながら、家庭ではなかなか経験できないような共同作業を通して、親子の絆を深める貴重な機会となりました。子どもたちが食事の準備に関わる姿は、普段とは違った頼もしさを感じました。

 

活動終了後、学校に戻ってからは、子どもたちと一緒に振り返りの時間を持ちました。自然の中での体験を通じて感じたことをグループごとにまとめ、発表を行いました。この振り返りの時間は、遠足での楽しい思い出を共有するだけでなく、今後の活動にどう活かしていくかを考える良い機会となりました。これからも、子どもたちの成長を願っています。

 

【チャレンジ力、エージェンシー】6年生鎌倉遠足

6年生の鎌倉遠足では、子どもたちが自分たちで見学場所を設定し、行き方を調べ、行程表を作って実行することに挑戦しました。

子どもたちが行程を考えるにあたり、今回は『鎌倉×探究』と銘打ち、色々な教科で「鎌倉」について学習する事前学習を行いました。歴史的な観点だけでなく、算数的な観点や科学的な観点などから鎌倉について調べ、見学地のイメージを広げていきました。また、当日に取り組める活動として英語で「外国人観光客に英語でインタビューしてみよう」や、総合で学習を進めているSDGsの観点から「由比ヶ浜の清掃活動をしよう」など、多角的な見方で鎌倉について学習し、興味を広げていきました。

その後、それぞれの教科で学習したことから「行ってみたい場所」のイメージを広げ、それらを持ち寄り、グループごとに見学ルートを話し合っていきました。それぞれの行ってみたい場所を回るためにはどんな順序で回ればいいか、どのような移動手段が最適か、移動のために必要な費用はいくらかなど、必要な情報をGoogleマップや乗換案内などを活用して集め、行程を作っていきました。班内では、それぞれが調べるところを分担して上手に進めていきました。

また、今回は現地集合、現地解散という初めての動きだったので、自宅の最寄り駅から鎌倉駅までの移動経路についても、集合班を作り、自分たちで調べました。集合班は、最寄り駅が近い児童が集まったグループです。グループごとにチェックポイントまでの経路とそこから鎌倉駅までの経路を調べました。何時に集まれば時間に余裕をもって動くことができるか、どこに集まればみんなが迷わずに集まれるかなど、自分たちの動きに不安な要素が出ないよう細かく確認を行っている様子が見られました。

当日の移動や見学マナーについては、学年全体で考えていきました。自分たちだけで行動することになるので、一般の方がたくさんいる中でも、ルールやマナーをしっかり守って行動できるようにしたい、という気持ちを持っている子が多くいました。そのために、「切り替えを素早くすること」「自分以外の周りの様子に目を向けていくこと」を普段の学校生活の中から心がけて取り組んでいきました。

7月2日(火)天気にも恵まれて遠足当日を迎えました。集合班での集合では、多少のトラブルがありつつも、全員が無事に辿り着くことができました。現地では、これから見学に向かうにあたって以下の確認を行い、グループごとに出発しました。

○事前に作成した行程表に沿って行動する。

○現地に到着したら写真を撮り、ロイロノートで先生に報告する。

○各グループに1つスマーフォンを渡し、予定に変更があった場合や緊急時には速やかに先生に連絡する。

子どもたちは、渡されたスマートフォンで地図を確認しながら、それぞれの目的地に向かっていきました。午前中は見学時間が多くあったので、電車やバスを使って少し遠い見学地を目指していきました。

昼食前には、鎌倉大仏のある高徳院に集合し、クラス写真を撮りました。その後、高徳院の近くにある味亭で「とりめし御膳」をいただきました。日差しのある中、午前中に色々な見学地を回った子どもたち。少し疲れた様子を見せていた子もいましたが、おいしいご飯を食べてすっかり元気を取り戻したようです。「ごちそうさま」のあいさつをすると、残りの時間を確認しながら午後の見学に向かっていきました。午後の見学は午前中より時間が短かったので、長谷寺や小町通りなど、昼食場所や集合場所近くの見学地を選んでいるグループがほとんどでした。

最終集合地点は朝の集合と同じ鎌倉駅西口広場です。集合時間に少し遅れるグループもありましたが、全員が無事に集まれました。最終集合で集まった子どもたちの様子からは、計画通り進められたことの満足感が溢れ、充実した活動となったことが伝わってきました。帰りも集合班で帰宅しましたが、大きなトラブルもなく、安全に自宅に帰っていきました。

後日、朝学習の時間を使って鎌倉遠足の振り返りを行いました。事前の行程表づくり、当日の班行動、集合班などの観点で自分たちの取り組みを振り返り、良かった点や今後の改善点を整理していました。今回の経験を、これからの学校生活の中で意識したいことや、1月にある京都修学旅行でもやりたいことにつなげている様子もありました。ぜひこの経験を活かし、子どもたちの学校生活がよりよいものになってほしいと願っております。

 

【思いやり、エージェンシー】5年遠足 袖ヶ浦海岸「地引網体験」

6月28日(金)に5年の遠足が実施されました。当日の天候は大雨ではありましたが、現地の方と連絡を取り合い、天候は悪いが比較的波は穏やかであるということで、当初の予定通り地引網体験を決行いたしました。

外は大雨ですが、移動のバス内では、歌を歌ったり、クイズ大会をしたりと子どもたちはとても楽しそうに過ごしていました。約 1 時間半ほどで現地に到着し、みんなで袖ヶ浦海岸まで向かいます。道中、雨が弱まることもなく本当に地引網ができるのだろうかと子どもたちも半ば不安な様子。しかし、現地に付くと、悪天候にも関わらず、現地のスタッフの方々が、明るく迎え入れ、準備も早朝よりしてくださっていました。

綱の引き方の説明を受けたあと、二手に分かれて綱に繋がれた網を引いていきます。あまり速く引いてしまうと、水中の網が浮き上がってしまうので、できるだけゆっくりと引くことや二手に分かれているので、もう一方の列とスピードを揃えることを意識しながら引いていきます。思った以上に重たい綱を子どもたちも一生懸命引いていきます。一列に並び「最後尾まで引いたらまたスタート位置に戻り」をくり返し、ようやく網の端の部分が見えてきました。子どもたちは、網に何が入っているのか興味津々で、思わず手が止まってしまいます。スタッフの方に「手が止まっているよー。まだまだ引いてー」と声を掛けられて、子どもたちはハッとしてまた綱を引き始めます。雨でなかなか力が入らない中、

力を振り絞って綱を引き、ついに大きな網が海岸に引き上げられました。

ふくらんだ網に子どもたちが集まると、スタッフの方が急に「みんな離れて!」と子どもたちを網から遠ざけます。なぜだろうと網の中を覗くと、そこには大きな体で尾尻に毒を持ったエイが入っていました。水族館で見たことのあるエイとは違い、間近で見るエイに子どもたちも驚いているようでした。エイの他には、たくさんのシラス、ホウボウ、イカが入っていました。想像以上にたくさん入っていて、子どもたちは雨も気にせず興奮している様子でした。

その後、雨の当たらないところに移動して、事前に用意してくれていた魚を捌く体験をしました。最初にスタッフの方に捌き方を教えてもらい、慣れない包丁を使いながら魚を捌いていきます。滑る魚をしっかりと抑え、魚を三枚におろしていきます。慎重に包丁を動かす子どものたちは皆真剣です。上手く 3 枚におろした魚は、スタッフの方が炭火で焼いてくれました。この味も子どもたちにとっては思い出となったようです。

学校行事では、教室での机上では学ぶことのできないことがたくさんあります。自分の目でみて体で感じること。友だちとの関わりの中で考えること。そして、行事を終えた後にふり返り。それらすべてが今後の生活や自分たちの力として活かされていくことと思われます。5年生の学年テーマは「自ら考えて判断し行動する」です。今回の遠足では、悪天候という状況の中で、子どもたちそれぞれが最善な方向を目指して判断し行動する場面をたくさん目にすることができました。また、このような状況では自分のことでいっぱいになってしまい、なかなか他者に目を向ける余裕がありません。そんな中でも、他者のことを考えた思いやりのある行動、みんなと一緒に頑張ろうとするエージェンシーを育てることのできた行事となりました。

 

【チャレンジ力・思いやり】3年生遠足「相模原麻溝公園」

3年生の遠足が、6月27日(木)に相模原麻溝公園にて実施されました。

事前準備では、どこへどのようなルートで巡るか、時間内で最大限楽しむ方法を、班で話し合いました。どの班でも、お互いの意見を尊重しながら、相談を重ねる姿が見受けられました。

当日は、ちょうど梅雨の晴れ間。さまざまな緑の中に青や白のアジサイが見事にさきほこり、風の気持ち良い日になりました。

まず、最初に、ふれあい動物広場で、モルモットへの餌やり体験や動物園の見学をしました。子どもたちは、モルモットの体は温かくて柔らかだけれど爪は案外鋭いことを発見したり、モルモットのトクトク

という心臓の鼓動を感じたり、鳥が羽を広げた時に意外な色があらわれることを見つけたり、突然「おはよう」と話しかけるオウムに驚いたりしながら、活動を楽しんでいました。

自分が感じたことは、それぞれがシートにまとめます。「体が真っ白でくちばしの赤い鳥が気に入りました」「空気がきれいで、土や草のにおいがする」「えさをたべるモルモットの口元がかわいい」「クジャクの羽がとにかくきれい」、など文章や絵で上手に表現していました。

お弁当を食べた後は、お楽しみのフィールドアスレチックです。小さな林の中に魅力的なアスレチックが点在しており、子どもたちの目が

輝きます。アスレチックの中には少し難易度の高いものもありましたが、「怖くてこれ以上進めない!」というお友達に対して、「大丈夫だよ!まず左足を次の丸太にかけて、手でロープをつかんで!」「頑張れ!そこは乗り越えるより、くぐったほうがいいよ!」など、前向きで的確なアドバイスを送る姿が多く見られました。助けてもらいながらクリアできた子どもたちは、次に困っているお友達のサポートにまわります。子どもたち同士のチャレンジとサポートが素敵にリンクして、絆が深まる良い時間になりました。

林には、クワガタやキラキラのカナブン、マイマイカブリなどもいて、昆虫採集に夢中になる子どもたちもいました。

良い天気のもと、子どもたちの豊かな表情が印象的な一日となりました。

 

 

 

【思考力、チャレンジ力】英語科 探究:自己紹介

英語科では、1年生~6年生まで「自己紹介」を探究テーマにして学んでいます。

自分のことを伝えるために必要な英語表現や内容を、学年があがることに少しずつ内容を増やしたり、表現技法を変えたりして行っています。

 

1年生は、入学したてということもあり、あいさつのHello.と自分の名前My name is … を元気に言って自己紹介をします。テキストLet‘s Go 1 にあるThe Hello Songをみんなで歌いながら、My name is の部分は指名された児童が1人で元気に歌います。そして1人で歌った児童は立ち上がって次の友達を指名しに回ります。歌を聞く側は「静かに聞く、相手のことを見る」ことで、相手が発表しやすい環境作りを頑張っています。繰り返し何度も練習して堂々と発表してほしいと思います。

2年生は、Hello.と名前の他に、自分の歳、住んでいるところ、好きなものをひとつ紹介します。自分で英語をカードに書くことも難しいので、教員が黒板に手本を書いたり、教科書からスペリングを調べたりして一生懸命に書こうとしています。そして自分の自己紹介を覚えて、みんなの前で発表しました。自分のことなのですぐに覚えていました。発表する人はBig Voice・Eye Contact・Smileに気を付けて、聞く側は静かに聞く、相手のことを見るなど、相手が発表しやすい環境作りを心がけようという話を全体でしてから始めました。実際の発表ではドキドキするようで声が小さくなってしまったり笑顔が出なかったりとみんな反省があるようでした。これから毎年少しずつレベルアップした内容で何度も練習して堂々と発表してほしいと思います。友だちの発表は真剣に聞き、みんなの前で英語で一生懸命発表すること自体に大きな拍手を送っていました。

3年生は、「自己紹介をプレゼンテーションする」ことにチャレンジしました。まず英語で原稿を書くために、アルファベットを復習し、ローマ字とは異なる英語の名前の書き方を練習しました。自分の住んでいるところや好きなものも、頑張って英語で書いてみました。発表内容のI’m in the 3rd grade.の文は発音が難しく、何度も発音練習をして覚えました。それから、発表用のロイロカードを作りました。自分で絵を描いたり、画像を選んだり、自分で写真を撮ってきたり、どうすればみんなにうまく伝えられるかを工夫しながら楽しく取り組みました。最後にリハーサルをして、お友だちの発表のいいところを見つけて、お互いに参考にしました。本番では、スクリーンに画像を映しながら、リハーサルよりも上手に堂々と発表できました。また、お互いの発表を聞く姿勢にも気を配ることができました。発表後のふりかえりでは、自分がよくできた点と、来年もっと頑張りたい点について考えました。

4年生は、「自己紹介を楽しむ」として相手に伝わりやすい自己紹介カードを作成しました。4年生では、I like ~.とIlike~, too.と好きなことを2つ紹介します。4年生ともなるとi-padの使い方に長けている子も多く、ロイロノートの絵カードの機能だけでなくcanvaというアプリを使用しながら動画も入れ込んで自己紹介カードを作成する子などもおり、色合いや雰囲気、字体にもこだわったりして内容も自分の好きな世界観で自分らしいものを表現していました。また、全体発表の前にグループ内でお互いに発表し合い、それぞれの自己紹介を「①相手の目を見て話すことができた。②声の大きさを考えて話すことができた。③失敗を怖がらずに発表することができた。④英語で発表することを楽しめた。⑤友だちの発表をしっかり聞けた。」の5つの観点で評価し合いました。自分とグループのメンバーの振り返りを行って最終的にはロイロで解答共有し、自分の発表には振り返りコメントもいれてもらうことで発表したら終わりではなく、自分の発表を客観視できる形にしました。

5年生は、「自己紹介を伝える」ために、相手に伝わりやすい自己紹介カードの作成に加えて、ぺアで発表を行い、それを録画し、自分の発表を客観視する活動を行いました。5年生では内容にI can~.の一文も加わることから、自分の得意なことを紹介するため、canvaを使いこなしている子や絵が得意な子はイラストを全て手書きしたり4コマ仕立てに表現したりするなど、個性の際立つ自己紹介カードが多く見られました。また、ペア発表の際には、画面越しの相手に伝わるようにしっかりカメラに目線を合わせて、カード内を指さして説明するようにゆっくり話すなど、全体発表の時より、一定の相手を意識して自分のことを理解してもらおうと気持ちを込めて発表する姿がありました。

6年生は、「名前・学年・年齢・好きなこと(その理由や好きなことの説明)・できること(その理由)・挨拶・(聞いてくれた)お礼」の英語表現を定型文を一部混ぜつつも、自分なりに思考して英文を作り、ジェスチャーを交えながらペアで練習し、ロイロでビデオに撮ることから始めました。そして実際にクラスで発表して段階を経てチャレンジしました。人前で発表する際の、「伝え方・見え方の工夫や方法(映像や写真の活用・資料準備)」「言語自体以外の部分の重要性(ジェスチャーや抑揚など)」について実感するよい機会となるよう、シンキングツールやロイロを使いながら自己と他人からの振り返りを重要視し、単なる「英語の自己紹介」という意味合いでなく「自己表現・自己発表」をする場としています。

 

【思考力、創造力、メタ認知力、エージェンシー】4年生 科学

桐蔭学園では、理科の授業を「科学」として取り組んでいます。

3年生から観察や実験を中心にして、自然科学を学んでいます。4年生になって、「予想」と「比較(比べる)」に意識して取り組んでいます。予想したり、比較したりするものは、ロイロノートにて提出します。

4月からは以下のような単元に取り組みました。

小学校の敷地には、山や田畑、裏庭があるため、フィールドワークに授業時間内で行くことができます。

4月には、まず「春を探し」に裏庭や畑に行きました。また、4年生ではヘチマの観察をしています。

5月に入り気温が上がるころには、裏庭にある百葉箱を観察し、自分たちで晴れ、曇り、雨の気温の変化を観測し、「一日の気温の変化」を折れ線グラフで表しました。雨がちな時期には、「地面を流れる水のゆくえ」をグラウンドに出て観察し、グラウンドや裏庭にある土の粒による水のしみこみ方の違いを実験しました。

観察や実験を行う際の「予想→実験・観察」の様子の実践をご紹介します。

 

①ヘチマの観察

・これから蒔く種の予想(昨年度はホウセンカであったので、その比較)※ロイロノート

・種の観察カード

・発芽した種の観察→今後の成長の予想

・ロイロノートにて今後の予想

②天気の違いによる気温の違いについて

・晴れの日と曇り日のちがい

・折れ線グラフの作成(ゴールデンウイーク中の課題)→ワークシートに記入して作成。

※折れ線グラフのかき方などについては、算数の授業と合わせて行いました。

③地面を流れる水のゆくえについて

・雨の日にグラウンドに行って、どのように流れるのかを調べました。

・雨水の流れ方を予想しました。

(雨水のゆくえ)               (雨水の流れる場所)

・雨水のしみこみ方について予想ました。

・小学校の周りの土や砂を集め、水のしみこみ方の実験をして確かめました。

このように科学の授業では、自分たちの身の回りにある不思議を観察し、実験して解き明かすことを大切にしています。

 

【6年算数×探究活動】6年算数の授業で取り組んでいる『探究活動』

6年算数の授業で取り組んでいる『探究活動』について紹介します。

〇算数での探究活動とは?

『統計的探究プロセスとは,元々の問題意識や解決すべき事柄に対して,統計的に解決可能な問題を設定し,設定した問題に対して集めるべきデータと集め方を考え,その計画に従って実際にデータを集め,表などに整理した上で,集めたデータに対して,目的やデータの種類に応じてグラフにまとめたり,統計量を求めるなどして特徴や傾向を把握し,見いだした特徴や傾向から問題に対する結論をまとめて表現したり,さらなる課題や活動全体の改善点を見いだしたりするという一連のプロセスである。』小学校学習指導要領 解説より

とあります。「元々の問題意識や解決すべき事柄」について解決を図る探究活動は1年かけて取り組んでいきます。

1学期の取り組みの目的は『自分の知識や興味関心の幅を広げること・調べたことをまとめて発表すること』としました。それに向けて,まず教員が例を示した事柄がどういうことなのか?を考えました。そして,自分たちがこれまで習ってきた内容や知っている知識や興味のある事象の中から1つに絞り,それが将来どのようにつながっているのか,どういう分野に活用されているのか,などの情報を集めてまとめる活動を行いました。

 

○教員からの事例

①もしも円周率が「3」で計算された世界だったら…?

 円周率は,3.1415926535…と,現在は105兆桁まで計算されているどこまでも続く神秘的な数の一つです。そんな円周率が「3」としてすべて扱われたら,どのような世界になってしまうか,を子どもたちに問いかけました。5年生で習った円周率3.14が「もしも3だったら?」なんて聞かれて,「先生,何を言ってるの?」「どういうこと?」と困惑しているようすでした。中には,「計算が簡単になる。」と答えている子もいました。(確かに…)話を分かりやすくするために,子どもたちに円形のものと言えばどんなものがあるかを聞きました。すると,自転車のタイヤ・お金・ボール・めがね・フラフープ…など様々なものがあがりました。その円形のものが円周率3の世界ではどのようになってしまうかを,シンキングツール~キャンディチャート~を用いて,予想を立てて考えました。

そして,実際にどんな世界になってしまうのか情報を集めて答え合わせをしました。すると,円が正六角形となってしまうあべこべな世界になってしまうことが分かりました。自転車のタイヤが正六角形ならおしりが痛くなってしまいます。子どもたちもそんな世界は嫌だと嘆いていました。

 

②“東京ドーム1つ分”ってどれくらい?

よくテレビなどでも大きさを比較されるときに,「東京ドーム○○個分」という表現が使われます。私も子どものころからずっと気になっておりました。子どもたちに提示した例は,富士山が噴火したときに出る溶岩は13億㎥、これは東京ドーム何個分だと思うかというものでした。子どもたちは口々に「50個分」「100個分」「いや1000個分だ!」と言っていました。正解は「東京ドームおよそ1048個分」だそうです。…子どもたちも,なんだかすごそうだけど実際はどのくらいだ?と考えていました。

そこで,今回はシンキングツール~Yチャート~を使って,「実際の大きさ」「いつからそういう使われ方をしてきたのか」「他に大きさを比べるよい例はあるか」をまとめていきました。

 

以上,2つの例を示したあとに,子どもたちは自分が習ってきた知識をまとめるために,シンキングツール~ウェビング~を活用しました。その中から,「これを調べてみたい」「これって何だろう」「どういうところに繋がっているのだろう」というものを1つに絞り,インターネットで検索したり,ラーニングスペースで資料を調べたりして進めています。

6月現在ではここまで活動しています。このあと,子どもたちは自分が調べた内容・発見・結果・もっと調べてみたいと思ったことなどをレポートにまとめて,発表をしあう予定です。今回は,自分の興味のあるものを調べ進めましたが,本来は,「元々の問題意識や解決すべき事柄」に対して,情報を集め解決を図ります。今回の活動を2学期や3学期での活動につなげてまいりたいと思います。

 

 

【思考力】自分たちで作る運動会

「自分たちで作る運動会」に向けて、最初に「どのような運動会にしたいか」というコンセプトを考えていきました。自分たちが楽しむだけでなく、見ている人たちにも楽しんでもらいたいという思いをもっている子が多く、話し合いの結果、「観客を楽しませる運動会」を目指していくことに決まりました。

その後は、5・6年生有志メンバーで運動会プロジェクトチームを結成しました。今年度のプロジェクトチームは、子どもたちからの意見を集めた結果、「パンフレットチーム」「放送関係チーム」「撮影チーム」「観覧席チーム」「特別活動チーム」「学年競技チーム」に分かれました。

パンフレットチームは、運動会プログラムをまとめたパンフレットを作成しました。各学年の競技内容を調査し、集めた情報を整理して競技紹介のページを作っていきました。また、全学年にイラストを募集し、表紙や挿絵を入れ込み、オリジナルのパンフレットを完成させました。

観覧席チームは、来場した保護者のみなさんがどこで見たらより見やすくなるかを考え、配置案を出してくれました。また、ご高齢の方や体が不自由な方のために優先席を作るアイデアを出し、希望されたご家庭に渡すリボンも作成しました。

放送関係チームは、競技中に盛り上がるBGMについて各学年に調査し、リクエストがあった曲を選曲し、学年ごとに振り分けていきました。

撮影チームは、より近くで競技を頑張る子どもたちの姿を捉えたいという想いで、撮影方法について試行錯誤をしていました。当日はタブレットを使って動画や写真を撮影しました。児童が撮影した動画は、インスタグラムでも使われています。

学年競技チームは、自分たちが作る学年競技について、競技内容やルールを話し合って決めていきました。運動会練習期間で実際に競技に取り組みながら、少しずつ改善点を見つけ、修正を繰り返していきました。

「特別活動チーム」は、課外活動である鼓笛隊や桐蔭ソーラン 鉄~KUROGANE~の演奏や演舞を運動会の中で実施できないか、できるとしたらどの場面なのか、検討しました。課外活動担当の先生にもオファーを出し、運動会という舞台で披露する下準備を進めていきました。

このように、6年生の有志が中心となり、運動会運営に関わる面で自分たちができることは何かを考え、準備を進めていきました。

 

運動会当日は、いくつかの係に分かれ、当日の運営に携わりました。

用具係は、用具を準備するだけでなく、各学年の競技がスムーズにできるようにてきぱきと用具の出し入れを行うことができました。審判係は、ルールを守れているか、正確に順位を出すためには、どのような配置や動きが良いのかを予行練習の時から考え、本番で活かすことができました。放送係は、競技名やルール説明だけでなく、競技中の状況を瞬時に把握し、見ている人がわかりやすいように実況することができました。応援係は、自分のチームを、身を乗り出しながら、全力で応援していました。得点係は、審判から預かった勝敗を得点にし、得点板に反映していました。1年誘導・サポート係は、1年生に優しく、目線を合わせながら競技の始まる場所に誘導したり、競技外でのサポートをしたりしました。

また、係の子どもたち以外で応援グッズをつくり、一人一人が運動会を盛り上げようとする姿が見られました。

運動会は、最高学年の6年生を中心とした「鼓笛隊」・「鉄」の演奏・演舞で始まりました。楽しい運動会が始まる幕開けのような時間を演出してくれました。

3年生による「ひっぱれひっぱれ3年生」では、綱を自分の陣地まで持ってくる競技で、白熱した試合が見られました。「大玉たくはいびん」では、大玉を落とさないようにクラスの団結力が試される種目でした。

2年生による「障害物リレー」は、障害物を乗り越えながらクラスでバトンを繋いでいくリレーでした。「ぼうとりがっせん」では、一生懸命に棒を取り合う姿に応援もヒートアップしていました。

1年生による「力を合わせて」では、保護者の方々と1年生が力を合わせて大玉を送る競技です。みんなで声を出し合いながら協力する姿がありました。「ダンシング玉入れ」は、かわいらしいダンスと玉入れを融合させた見る人を癒す演目となりました。

4年生による「綱引き大合戦」は、大綱を使い、迫力ある綱引きが行われました。「走れ!!借り物競争2024」では、保護者の方の協力もあり、借り物競争が成立することができました。

5年生による「サプライズペアチャレンジレース」は、くじを引き、保護者の方と5年生でミッションをし、クリアしていくレースでした。「ムカデリレー」では、4種類のムカデでバトンを繋ぎ、ゴールを目指しました。

6年生による「大玉&台風の目」は、ペアの友だちと息を合わせ、お互いに声を掛け合いながら、大玉転がしとぐるぐる回る台風の目を全力で競技に向き合う姿がありました。「クラス対抗リレー」では、どのチームも「負けたくない、勝ちたい」と感じさせるほどの熱気と応援で、観ている人たち全員が夢中になりました。6年生の「まっすぐな気持ち」が現れた競技となりました。まさに、体で表す「体現」を示してくれました。

片付けも、5,6年生のおかげでスムーズに終えることができました。

自分のやりたいことを形にするには、難しさや楽しさがあることを改めて感じることができた運動会でした。

 

【思考力・メタ認知力】稲を育てよう

「これは何でしょう?わかった人は答えを言わずに立ってね」

上記は今年度最初の総合の授業の発問です。最初は「何!?」とわからなかった子たち。ただ、1枚1枚写真を見せていくと徐々にわかる子が増えてきます。「わかった!」と立つ子もいれば、「あれ?さっきはわかったけど、今の写真はわからない…」と逆に座ってしまう子もいます。子どもたちの理解が目で見て分かることがよかったです。

今年度1学期の5年総合のテーマは「イネを育てよう!」です。稲を育てることを通して、その育て方を調べたり、営繕の方に直接質問してみたり、調べたことを体験したりといろいろな学びのかたちを経験することで、探究的な学びのプロセスを子どもたちが身に付けられるようにしています。

まずは一人ひとりに「自分の育苗箱」を渡し、育てる活動を行います。稲は子どもたちが思った以上に育てることが難しく、水やりを怠ってしまい枯れさせてしまう子もいました。一方、日々稲のことを気にかけて育てている子の苗は元気に育ちました。枯れさせてしまった子には、その原因を考えさせた上で、こちらで育てていた別の苗を渡し「今度は元気に育てられるといいね」と伝えます。枯れさせて失敗することを経験した子は、そのことでより育てる意識が高まっていきます。

稲の育て方について調べていくと、稲を育てる方法として「バケツ」と「田んぼ」があることを知ります。「どっちにチャレンジする?」と聞くと子どもたちは「両方」とすぐに答えました。よって、両方の育て方にチャレンジ。子どもの「やりたい」を実現していきます。

「田んぼ」で育てる方法を調べていくと、今度は「田起こし」「畔塗り」「代かき」など知らない言葉に出会います。その内容を本やインターネットで調べていきますが、写真付きでわかりやすくなっているはずが、イマイチどうするものなのか理解できていない様子。一緒に動画をみたことで、初めて理解できたよう。その上で聞きます。

「代かき、やってみたい?」

調べて理解できたことを自ら実践できる場があることで、子どもたちの「やってみたい!」の意欲がより高まっていきます。

「代かきをする前の田んぼの様子も見てみたい。」ということで、田起こしを終えた田んぼを見に行きました。「ところでみんなは何を見に行くの?」と問うと「土の様子」。「なんで?」と問うと「田起こしでどれくらい土が細かくなっているかを確かめたい。」「どうなってると思う?」「水を入れる前だからきっと固い土だと思います。」「細かく砕いたんだから、こんなに小さな粒になっているよ。」と調べたことを踏まえていろいろな仮説がどんどん出てきます。その上で見に行きました。

「土は思った以上にごろっとしていました。」「畝の間には水たまりになっているところもありました。」その土を拾い上げてみせると「うわ、汚い!」という子どもたち。でも、こちらがさわっていると徐々に触れ始める子どもが増えてきます。自分の手で土の感触を味わいます。「表面にある土と少し掘ってみた土では、大きさや様子が全く異なり、掘った土は粘土状でした。」そういったことも実際に見て、触れてみたことで発見がすることができたようです。

代かき体験の日。今日は実際にはだしで田んぼの中に入ります。どろどろの中に入るのは、子どもたちにとってかなり抵抗があるようで、みな一様になんとも言えない表情をしながら入っていきます。

「うわっ、なにこれ!?」「気持ちわるっ。」と最初はなりますが、数歩進むと「いや、意外に気持ちいい」「楽しい!」という声に変わっていきました。耕耘機のハンドルを持ち、その振動を感じたり、動きが見られたりするのはかなり新鮮だったようで、とても楽しそうでした。

田植え当日。前日大雨でしたが、この日は見事に晴れました。5年学年スタッフを中心にサポートの教員がついたり、営繕の方も数名いたりして充実したサポートをしていただきました。それだけでなく、今年度は5年保護者の方にお手伝いを公募したところ、たくさんの方が参加してくださり、親子行事のような様子となりました。田植えの仕方も、事前に調べ学習で学んでいた子どもたちですが、実際にやるとなるとやはり簡単ではないことを子どもたちも良く知っており、営繕の方の説明・実演を熱心に聞いていました。

代かきの時には、一人ひとり田んぼに入りましたが、田植えはクラスの半分が一斉に入ります。友だちと感覚を共有できることがうれしいようで、笑顔がいっぱいでした。

①植える場所を手でならす。②苗を3,4本鉛筆のように持つ。③根っこが折れないように気をつけて田んぼに深く差して植える。➃植え終えたら一歩下がってまた①へ。説明は聞いたけれど、それでもわからないから近くにいる保護者にたくさん質問します。体験型の学びをすると、探究的な情報収集の在り方が自然とそこかしこで見られました。そのこともあとで子どもたちと共有します。

育苗箱から代かき、田植えとこれまでの流れの中で、子どもたちは楽しみながら確かな学びを得ています。今後は、体験したことも含めて1学期のこれまでの総合の学びをまとめ・発表する活動に進みます。どんな発表になるのか、今から楽しみです。

ここまでの学びを振り返りカードに書きました。

シンキングツールを使うと…

記録する観点に気づいたことで、内容がとても充実しました。