9月、コロナ禍でできていなかった縦割りの清掃活動「地区別清掃」が、ようやく再開しました。
毎週火曜日の給食後、約20分間、1年生から6年生が、住んでいる地区ごとに一つのグループになり、活動します。
小学校では、災害時に備えて、年に数回、縦割りの地区別メンバーで帰宅する機会を設けています。そのメンバーで清掃活動をすることで、同じ利用駅、あるいは近い利用駅の異学年の友だちを認識することができ、地区別下校もスムーズに行われます。
清掃場所は、教室、特別教室、階段、ホール、下足箱など学校のすべての場所で、16の地区別グループに割り当てられています。
清掃の方法は教室によって若干異なりますが、高学年の子どもたちが自ら考えて行っています。
「江田スクールバスグループ」の教室掃除を例に挙げますと、雑巾班・黒板班・ほうき班の3つに分かれ、その役割を週ごとにローテーションしています。雑巾班は、教室横の小さな流しで雑巾を絞り、床や壁を拭くことが仕事。6年生は、1年生に雑巾の絞り方を丁寧に教えます。はじめは手こずっていた1年生が、あっという間に上手に絞れるようになっていく様には驚きました。
「ごみはここに集めてね」「私、ちりとりやるね」などお互い声を掛け合いながら、ほうき班も手際よく仕事を進めます。黒板を消す達人たちが、黒板消しでピカピカに磨き上げる姿も見事です。
縦割り清掃をする上で、高学年のリーダーシップは不可欠。低学年にわかりやすく掃除の仕方を教えるにはどうしたらよいか、みんなが気持ちよく動けるための声かけの仕方は?など、それぞれが考えを巡らせ、低学年はそれらに答えることでフォロワーシップを身につけていきます。
縦割りにすることで、低学年だけでは掃除が難しいところも、中・高学年が一緒に行い、サポートすることで、より丁寧に行うことができる、というメリットもあります。
清掃の終わりには、それぞれの清掃場所で、6年生を中心に振り返りの時間を設けています。
「〇〇さんが、机をきれいに並べていた」「〇〇くんがほうきの使い方を教えてくれた」「今度は棚のホコリもきれいにしたい」「床の黒い汚れは消しゴムで消えますか?」など、子どもたちの発言を聞いていると、率先して汚れを見つけ、工夫してきれいにしようとする気持ちや、友だちの良いところを見つけようとする気持ち、優しさに感謝する気持ちなどが伝わってきます。
時には小さなトラブルもありますが、それらもまた、年の離れた仲間とのコミュニケーションを学ぶ良いチャンスと考えます。
先日、トイレを清掃してくださっている業者の方へ「ありがとうございます」という声をかける4年生を見かけました。自ら清掃をすることで、その大変さを知り、人の立場に立って物事を考える心が育ってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。
縦割り清掃を通じての子どもたちの成長を、これからも楽しみに見守っていきたいと思います。