月別アーカイブ: 2025年1月

【思考力・エージェンシー】社会科 探究:「健康なくらしとまちづくり(ごみはどこへ)」

社会科では、「多角的に見て、情報収集していく」ことを重点目標として、各学年探究活動をおこなっています。その中で、今回は四年生の単元「健康なくらしとまちづくり(ごみはどこへ)」で行った探究活動の実践をご紹介いたします。

まず、昔は「そのままうめたてられていた」を知った子どもたちはびっくりしていました。その様子から、ごみの捨て方の変化に気づき、収集車が来てくれるからごみが回収され、臭いや町の景観が守られていることに改めて気づかされていました。そして、収集の仕事をしている人の一日、収集車について、ごみの種類とゴミを減らす方法(リサイクルなど)を学んでいきました。収集日と収集できるごみの種類が書かれたゴミの分け方、出し方についての表は「〇時までに出してください」や「資源の持ち去り禁止」の記述をあえて隠すことをし、なぜその記述が載っているのか、だれのための記述なのかを考えることなどを行いました。四年生なので、学びを進める中で、自分が見聞きした情報がたくさん出てきます。その中には、リサイクル以外にいろいろなゴミを減らす方法があるということ、収集車は二人乗りじゃないといけないんだということ情報、そしてエコバックってリサイクルなの?以前より段ボールがスーパーに置かれていないのはなんでだろう?などの疑問や気づきから、いろいろな人が関わっているのでは?と投げかけたり、現在世界で注目されているニュースを提示したりしながら、授業を広げていきました。

そこで、夏休みには地域のごみをへらすための工夫を調べたり、自分たちでできるごみをへらすための方法を考えたりして、宿題をおこないました。スーパーの中にはプラゴミの回収を行っていたり、コンビニの中にはペットボトルを回収してポイントを貯める取り組みが行われていたりするなどの調べを提出してくれました。自分たちでできる「ごみをへらすための方法」の単元では、ごみを使った便利グッズ(筆箱や巾着袋)を制作した児童やニンジンの皮、白菜の芯など普段は捨てる生ごみを使って作ったスープなどを調理した児童、段ボールから紙を作り出した児童もいました。この学年の児童の特徴として、「まずやってみよう」ということが存分に発揮された宿題でした。

単元の最後には、自分たち一人一人がごみの量自体を減らすための方法を、授業で学んだこと、自分で調べたこと、友達の提出した宿題から考え、シンキングツールのクラゲチャートでまとめました。その上で「ごみをへらすために大切なこと」をはがき新聞(B6版用紙)に書いていきました。ごみの回収作業の人の視点で改めて調べてまとめた児童、地域の人の視点でまとめた児童、そして実際にゴミを捨てる自分たちが、どうごみを扱わなければいけないかについてまとめていました。

自分たちにとって実はすごく身近な存在である物には、いろいろな人や施設、団体が関わっていることを知り、そして調べを進めると、自分なりに考えたり、友達の考えから学びを深めたりしながら、学習できました。現在では、「では、もっと身近に見える水はどうやって作られ、どう処理されているの?」「日本に多い災害への対策を、自分の住む地域ではどうしているの?」と、まずは子どもたちがquestionを持って授業に臨んでいる姿が見えています。

 

【思考力・メタ認知力】稲を育てよう(秋)

『稲刈りをして思ったことは、田んぼに行く前までは機械を使って稲刈りをすると思っていましたが、カマを使って稲刈りをしたので少し驚きました。切ってみると、茎の部分が筒のようになっていてそこで土から水を吸収しているんだと思いました。今では機械化が進み人力でする事が少なくなってきているので、人力でやっていた昔の人は大変だったんだと思いました。』

上記は稲刈りの後に児童が書いた振り返りです。総合では稲を育てることに取り組んできましたが、そこから子どもたちは科学科の「植物の仕組み」や社会科の「農業」と結び付けて考えていることがわかります。

今年度の5年生の総合では「イネを育てよう」というテーマで進めてきました。稲を田んぼやバケツ稲で育てることを通して、探究的に学びを進めてきました。課題設定、情報収集、整理・分析、まとめ・表現という探究サイクルを子どもたちが自立的に回し、自身の学びを深めてきました。稲刈りにおいても「バケツ稲と田んぼの稲の育ち方の違いは何だろう?」「田んぼの稲は稲刈りした後、どのようになっていくのだろうか?」などとそれぞれが課題をもって稲刈りに臨みました。田んぼの管理は、営繕の安西さんに支援していただいているので、大きく育ちました。一方でバケツ稲は教室近くにおいてあり、自分たちの力だけで育てました。実際に育てることで、できた穂は大きく異なっており、「どうして田んぼの稲はこんなに育つのだろう?」「どうすればよかったのかな?」と自然と自分たちの育て方を振り返っていました。

自分たちのバケツ稲は、脱穀、籾摺りとすべて手作業で行いました。田んぼの稲は機械で脱穀を行う様子を見学させてもらいました。また宿泊学習では、大きな機械(トラクターやコンバイン)で大量の稲が袋詰めされるところも見学できました。多くの体験活動を通して、子どもたちなりに植物としての稲や農家さんの日常、社会の問題と幅広い学びが得られたようでした。

現在はICTも発達し、子どもたちにとっても「情報」は容易に手に入る状況になっております。しかし、実際にやってみることで、得た情報がそのまま役に立つわけではなく、ギャップが存在することを肌で感じることができました。「調べたら簡単に育つ」ということはなく、実践するにはもっと詳細な情報、今の自分たちに必要な情報があることに気づきました。

以下、他の児童の振り返りです。

私が今回稲刈りをしてみてわかったことは、農家さんは私たちのために頑張っているということです。なぜそう思ったかというと、稲を一つ一つ刈っていくという大変な作業を体験したからというのと、脱穀や乾燥などを見たり体験したりして農家さんが自らの手で私たちが食べるお米を作っていることがわかったからです。私は今の日本のお米の自給率が低下し

てるようなのでもっとお米の自給率が増えるようにお米の魅力を色々な人に伝えたいです。

 

稲刈りしている時は楽しかったけどくしゃみが出ました。稲の根元を刈らないといけないので腰が疲れました。2人で協力しながらやりました。稲の穂が結構落ちていてその落ちた穂が靴の中に入ってかゆかったです。1人目は稲を刈って2人目はその刈った稲をまとめる係でした。稲をまとめる時はうまく結べませんでした。でも楽しかったです。

稲を刈る前の田んぼは、ところどころ動物に潰されていましたが、無事に穂が黄金色になっていました。

鎌で稲を切るときは、根本を刈りました。切るときはジョキッと音がしました。稲を束ねる人と協力して、手際よくできました。刈った後、はさがけという稲を干す作業もしました。干した稲はカサカサしていて、触るとかゆくなりました。

稲を育てて、色々なことを学べて良い経験になりました。

 

【シンキングツールの活用】1,2年生 桐蔭祭

【1年生】

1年生にとっては初めての「桐蔭まつり」です。桐蔭まつりが近づいてだんだんと学校内に「桐蔭まつり」の雰囲気が広がるにつれて、1年生のみんなのワクワクも膨らんでいくのが見ていてわかるほどでした。お兄さんお姉さんが教室の前に貼ってくれたポスターを見てどんな企画がどのクラスで行われる予定なのかをメモして当日回る順番を計画したり、休み時間に準備中の3年生以上の教室を探検して様子を覗きに行ったりして首を長くして当日を待っていました。

待ちに待った桐蔭まつり当日。1・2年生は「まつりを たのしもう!」というテーマの下、お客さんとして企画を回ったり遊んだりする中で桐蔭まつりの学びを体験します。おうちの人やお友だちと一緒に目一杯楽しんでいる姿がどの企画でも見られました!時間が足りなくなるほど、あっちこっちに行って一生懸命に遊びまわっていました!お兄さんお姉さんにたくさん優しくしてもらったことも嬉しかったようです。

そんな1年生が翌登校日にふり返りを行った際に書いたふり返りカードをいくつかご紹介します。「来年はどんな面白い企画があるのかな?」「3年生になったらどんなことをしようかな?」と今年楽しい「桐蔭まつり」を創ってくれたお兄さんお姉さんへの「ありがとう」の気持ちと併せて、今から1年後・2年後を楽しみにしている様子が伝わってきます。誤字脱字もありますが、子どもたちの想いをそのままお届けいたします。

 

 

【2年生】

2年生は、校舎内の各所で行われていたおまつりの準備の様子を見て、おまつりをとても楽しみにしていました。また、2年生教室前にあるラーニングスペースを保護者会の方々が飾り付けているのを、自分から手伝いたいと言う子どももいました。それだけ自分たちもおまつりをやってみたい!という気持ちを持っている様子があったので、おまつりを楽しむ一方で、来年度から自分たちが企画をする立場でもあることから、

①来てくれた人を楽しませるための工夫は何だったか。
②来てくれた人を楽しませるために働いている人たちの様子はどうだったか。

という視点を持っておまつりを見学できるときっと来年に役立つよ、というやり取りをして当日を迎えました。

おまつりの当日は、「〇年生の企画がすごかったよ!」「〇年生のとっても面白かった!」と笑顔を輝かせておまつりに参加している様子が見受けられました。

後日の振り返りでは、Xチャートに上述の2つの視点の振り返りを書き、それを繋げて1つの文章にまとめました。来年は自分が桐蔭まつりの主人公の1人として、振り返ったことを生かして力を発揮してもらいたいと思います。