講義型の授業では、得た知識を自分のために活用することが多いです。
たとえば、ノートをとることが少し苦手な子が「自分のノートは自分では読めるから、これで良い。」という場面。たしかに、知識がその子の中で完結するものであれば、後で振り返った時、自分が思い出すことができるのならば、それも理解できますね。
学習で得た知識を仲間へ伝える思いが育まれたとき、そこで得た知識は、自分だけではなく、他の誰かと共有したい知識へと進化します。
今聞いて、思いついた内容、不思議に思った内容を、誰かに伝えたい。
そんな気持ちが、成長の大きな一歩です。
新しい知識に触れるだけでも、充実するような場面で、さらに、この面白さ、新たな疑問を仲間に伝えたい!この気持ちがあふれる授業が成立しているとき、子どもたちの発言は仲間をも巻き込む要素を持ったものへとレベルアップします。
そして、その仲間の発言を受け、自分に無かった意見や、さらに新たな疑問といった「刺激」がクラス全体に広がります。
このようなアクティブラーニング型授業を成立させるためには、いくつかのトレーニングも必要です。
ただ話し合わせるのは時間がもったいないですね。
みんなに発表しているのに、仲間が聞いてくれない環境なら、形だけの発表となってしまいますね。
そこで、4年生では、朝のHRの時間に、「1分間スピーチ」と「トークタイム」という取り組みを常時活動として行っております。
それは上記の生きたアクティブラーニング型授業を目指す上で、基礎トレーニングとなる要素も含まれた活動の一つとなります。
◆一分間スピーチ
ロイロノートで提出したプレゼンテーション資料を使いながら1分間「自分が好きなこと・最近面白いと感じていること」についてスピーチを行っています。
【ポイント】
・伝えたい内容を1分間という時間を意識し、まとめて、スピーチすること。
・どのような伝え方が、より多くの仲間に伝わるかをみんなで学ぶ空間を作ること。
・スピーチ後、一人一人、発表者に対してお手紙を書くこと。
・スピーチを聞く姿勢はどのようなものが良いかを考えること。
◆トークタイム
AとBの2人組のペアを作り、その相手に対して1分間話続ける活動をトークタイムと呼んでいます。これはグループワークなどをする際に、いつもとは違う仲間とも話し合いができるための基礎トレーニングにもなります。
お題は例えば「土日にあった楽しかったこと」とします。まずはトークのための資料を作成します。そしてAの子が1分間話をします。続いて、Bの子が1分間話をします。
実際にやってみると、一分間話し続けるということは意外と難しいです。
【ポイント】
・1分間話し続けること。
・時間内に資料を作ること。
・聞くときの姿勢を意識すること。
この2つの取り組みを続けていくと、何気ない日常の現象からも、「あっ… これトークタイムで伝えようかな」とか「この経験、みんなに伝えたい!」という気持ちが生まれます。
日常は楽しませてもらうものではなく、自分で楽しいものを見つけることができれば、世界が素敵に映りますね。
そのような「眼」を獲得してほしいと願っております。
4年学年主任 塩原 一成