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桐蔭学園小学校 オンライン授業 ステップ4!

9月1日のオンラインによる全校始業式を合図に,桐蔭学園小学校 オンライン授業ステップ4が始動しました。2020年の一斉休校ではオンライン授業の環境もスキルも乏しい中,「子どもたちに何が必要か?」を合言葉にステップ1を展開しました。そこから1年,私たちが進めてきた教育改革に沿って対面授業もオンライン授業も,一方向性から双方向性へ,そして個別最適な指導と学びに向けて,ますます充実させていきます。

ステップ4では前の記事「桐蔭学園小学校のフルオンライン授業始動!」にあるように,以下のことが特徴です。
1.一人一台のタブレット端末による双方向性を高めたリアルオンライン授業
2.読書の時間から始まるHR,休み時間の交流,昼休みの昼食など,クラス運営もオンライン
3.全校オンラインプログラム「きりりん講座」の展開
4.学校預かりシステムの導入
以下,1つずつ実践報告します。

1.一人一台のタブレット端末による双方向性を高めたリアルオンライン授業
毎日の授業は8時30分の読書の時間から始まります。クラスごとに設定してあるZoomに子どもたちがどんどん参加し,元気な声が響きます。そこからリアルオンラインでの授業が始まります。4年生のある日の時間割は以下の通りです。

   

   

2.読書の時間から始まるHR,休み時間の交流,昼休みの昼食など,クラス運営もオンライン
教員と子どもの双方向だけでなく,子どもたち同士の双方向性も高めていきます。そのため,クラスZoomを立ち上げ,教員が管理する中ではありますが,休み時間や昼休みに自由に子どもたちが会話を楽しんでいます。

3.全校オンラインプログラム「きりりん講座」の展開
桐蔭学園は地域貢献をミッションとするトランジションセンターを有しています。このオンライン授業期間は,総合学園の利を活かして,トランジションセンターと小学校の共同で全校「きりりん講座」を運営します。「きりりん講座」は,オンデマンドとリアルオンラインで構成され,1日4講座ずつ配信されます。学年や学習指導要領の学びを超えたオンラインだからこそのプログラムを充実させています。

      

4.学校預かりシステムの導入
いろいろなご家庭の事情に合わせて,感染症対策を徹底しながら学校預かりを行っています。

   

〈ステップ4で実現したいこと〉
対面,オンラインに関わらず,学校の教育目標である6つのキーコンピテンシーの育成を目指します。そのためにはより子ども同士,子どもと教員の双方向性を高めることが必要です。またコンテンツ(内容)は,学年ごとの授業進度を守りつつも,時間と空間を超えていくオンラインの特徴を活かした教材の提供を目指していきます。教員も子どもたち同様,6つのキーコンピテンシー(チャレンジ力,思考力,想像力等)を活かした学びの環境づくりに取り組みます。

トランジションセンターに関してはこちら→https://www.toin-tc.com/
オンライン授業の取り組みの速報はfacebookで連日配信中→https://www.facebook.com/toin.kind.ele

 

桐蔭学園小学校のフルオンライン授業始動!

『一人一台のタブレット端末で、Zoomとロイロノートで行う双方向授業』+『学校預かりシステムによる居場所確保』

8月24日より始まったパラリンピックの開会式のテーマは「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」でした。空を飛ぶことを恐れる片翼の少女が、多くの仲間たち、周りの支えもあり、勇気をもって飛び立つというストーリーに、私は胸が打たれました。
桐蔭学園の校名にある「桐」には瑞鳥・鳳凰が宿るとされています。その鳳凰が千里万里を天翔る前に、その力を養うのが桐樹の蔭なのです。そのように、「これから羽ばたく子どもたちが力を育む場所になる」という願いが込められたのが「桐蔭」の由来です。
この学校に通うすべての子どもたちが、一人一人どのような飛び方でもいい。全員が、自分の飛ぶ力に自信を持ち、仲間たちから刺激を受け、自由に、夢に向かって飛んでいってほしい。そんな想いと重なり、パラリンピック開会式は記憶に残る思い出となりました。

子どもたちがこれから羽ばたこうと練習をする空は、「晴天のとき」もあれば、「嵐のとき」もあります。新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年春からは、まさに嵐の日々でした。今まで当たり前にできたことが、できなくなり、子どもたちの飛ぶ練習、つまり「学び」が止まる危機でもありました。
その中でも桐蔭学園小学校が挑み続けてきました。

★ステップ1→TOINスタートアッププログラム(2020年4月13日~)
・「できない」ではなく、「やる」が合言葉・1本以上の動画配信(YouTubeを用いて)➡学校紹介や楽しい話題で動機づけ
・郵送での課題のやり取り➡一方向性のコミュニケーション

★ステップ2→TOIN GW プログラム(2020年4月27日~)
・複数の動画配信(YouTubeを用いて)
・ライブ配信(Zoomを使用)への挑戦
・ロイロノートを使い、双方向性の試行

★ステップ3→TOIN オンラインプログラム(2020年5月11日~6月30日)
・ALを止めない!
・Zoomによる朝のHRを行い、通常授業に挑戦。
・全教科動画配信開始(YouTubeを用いて)。 動画総数➡1500本以上
・ロイロノートにより、「課題提出+フィードバック」が可能になる。

※2020年7月より分散登校が始まり、9月より通常登校再開。
9月より全授業で一人一台のタブレット端末を活用した教育を実施。

このように、新型コロナウイルス感染症拡大の状況の中、教員たちが協力し、新しい方法を日々試行錯誤し、保護者の皆さまの支えもあり、進化することができました。ステップ1から3までを実践してきた桐蔭小にとって、フルオンライン授業への切り替えは、いたって自然に選べる選択肢となってきていました。
今回は、ステップ4として始動します。
子どもたちが飛ぶ空が「嵐」であったとき、「不安だ けど 十分に気を付けて飛ぶ。」「木の蔭でもできることがある。」ということを、自信をもって選択できる 環境 があること。これが子どもたちの学びを守ることになります。
現在、9月1日から始まるオンライン授業(ステップ4)にむけて、以下の準備を全力準備中です。

①オンラインならではの体験を!
→毎日午前中3教科ずつ、Zoomによる双方向授業の時間割を作成し、学びを確保。
ロイロノートを用いて、教材の配付、回収をリアルタイムで実施。
→午後は、午前中に学んだ活用・探究の時間に当てるほか、学年全体に学習指導要領を超えたいろいろなオンライン授業ならではの学びへの挑戦。
②オンライン期間における児童の居場所確保
→ご家庭によっては、共働きや医療従事者といったオンライン授業に満足に対応できないと不安をお持ちの場合もあるので、校舎を開き、感染症対策を行い、子どもたちを預かるプログラムで支援。

今後、各学年、どういう取り組みをしたのかを、こちらでどんどん報告させていただきます!
「コロナだから何もできない…」ではなく、「こんな状況だからこんなことができた!」と子どもたちの記憶に残る時間を目指して、教員一同励みます!

●以下、2学期開始のオンライン学習(ステップ4)のフレームワークです。

【2学期オンライン学習のフレームワーク(ステップ4)】
※9/1(水)始業式➡9/2(木)zoomHR➡9/3(金)オンライン授業開始

『オンライン学習のフレームワーク』
・オンライン学習でも,「個-協働-個」の流れをなるべく踏襲。
・必ず個人の理解度を測るために,児童の成果物をロイロで提出するデザインにします。
・提出された課題は,必ず個別または全体にフィードバックします。

以下の組み合わせの中で授業方法を選んでください。基礎的な方法は以下のとおりです。ただし、こればかりではありません。
①Zoomで授業配信+課題+提出+フィードバック(協働がないパターン)
②Zoomで授業を配信+課題+ブレイクアウトルームで協働+課題再考+提出+フィードバック
※基本,双方向性が担保できる学習デザインをご検討ください。

・学習の流れは,『話を聞く(自分で考える)⇒自分でやってみる⇒友達とシェアする⇒もう一度自分でやってみる⇒ロイロで提出⇒先生からフィードバック』を基本とします。

・教材や授業内での確認は、ロイロノートを使用。

〈期間〉9/3(金)~9/14(火)の12日間(このうち、授業日は8日間)

〈授業時程〉
・HRに出欠確認を行う(ロイロノート使用)。8:00~8:15までの全員入室確認の朝読書。
・1校時は、8:45に開始,1~4年20分間,5・6年30分間。各学年3校時行います。
・休み時間は、1~4年15分間,5・6年20分間。
・フリータイムは、「子どもたち同士でコミュニケーションをとれる時間」に使用。
・午後には、学年を問わず参加できる「講座」を2コマ行います。

〈その他〉
・フリーな時間も作り、子どもたち同士 のコミュニケーションも大切にしましょう。(少人数ブレイクセッションなど)
・午前中はライブで授業。午後はそれぞれの教科から出た課題・調べ学習などに取り組み、次の日の学習サイクルを作りましょう。

 

4年国語「アップとルーズで伝える!」~自分で理解を深めるって、楽しい!~

「思考力」「チャレンジ力」「メタ認知力」

4年の国語で説明文『アップとルーズで伝える』の学習をしました。
前回学習したことを踏まえて、今回は自分で文章の内容をイメージマップに整理していくことに挑戦しました(「チャレンジ力」)。段落ごとの要点を自分で見つけて書き出し、それに関する情報を文章中から探して整理していきます。

   

最初は「むずかしい…」と戸惑っていた子どもたちも、前の教材のノートや板書を参考にしたり、くり返し文章を読んだりしながら試行錯誤をくり返して図にまとめていきました。途中で先生からのヒントカード(問題)がロイロノートに届くと、それを活用しながらさらにイメージマップを書き進めていました(「思考力」)。

完成したイメージマップを見て、段落同士の関連を発見したり、文章の構造に気づいたりする子も現れ、自分の力で読み取りを深めることができたことに手ごたえを感じているようでした。
この日のふり返りカードには、「すごく難しかったけど、自分でやるのって楽しい!」「家でもやってみよう!」「自分がこれだけ集中できることが分かった」「次こそ頑張る」といった前向きな言葉が並んでいました。

   

次は、完成したイメージマップを使いながら、班で話し合って先生から出されたミッションをクリアしていきます。お互いのイメージマップを見せ合いながら議論を交わします。友だちのイメージマップに有力な情報を発見すると、「これいいね!写していい?」と自分のイメージマップに書き写している子もみられました。意見が分かれたときには、イメージマップを見せ合いながら根拠を熱弁する姿も見られました(「メタ認知力」)。
果たして、先生からのミッションをクリアしながら自分たちの力でこの文章の読みを深め、筆者の言いたいことを理解して要約することはできるのか!?4年生の挑戦は続きます。