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【思考力・思いやり】2年 移動動物園

 今回、移動動物園が桐蔭小に来てくださる、ということで、2年生では生活科を中心に移動動物園に来る動物たちの飼育環境について事前学習し、来てくれた当日に動物たちが過ごしやすくなる環境を準備して臨む活動を行いました。その中で、生き物の生態や飼育環境に関心を持って働きかけることができるようになり、生命あるものへの親しみを持ち、大切にしようとする気持ちに気づけるようにすることを目標としていました。その取り組みについてご紹介いたします。

① 国語の授業からの導入

 国語の授業で『どうぶつ園のじゅうい』という説明文を読みました。そこには動物園で働く獣医さんの仕事に対しての工夫や気をつけていることが書かれています。それを基に、動物のサポートをする人の姿勢や心構えについて考え、移動動物園に来てくれる動物たちにとって短時間でも過ごしやすい環境はどういった環境なのかを考えていくことにしました。

② 生活の授業での展開

 移動動物園にやってくる動物たちを紹介しました。名前は聞いたことがあるけれど、どのぐらいの大きさなんだろう?どんなところで育ったんだろう??子どもたちからは「?」がたくさん出てきました。「過ごしやすい環境づくり」をするためには、まずその動物のことを知らなくてはならないことに気づいた子どもたち。ラーニングスペースにある本やインターネットの情報を使って担当の動物についての調べを進めていきます。

③ 情報共有

 各クラスで調べを進める中でわかったことをロイロノートのカードにまとめ、それを印刷して廊下の掲示板に貼って共有することにしました。休み時間にはその掲示板に書かれた内容を熱心に読んでいる姿も…。担当ではない動物についても知ることができ、当日に向けての意識が高まっていきました。

④ 環境づくり

 いよいよ準備に取り掛かります。クラスの枠を越えて担当の動物のすごしやすい環境を作るために材料集めや制作をしていきます。真冬の実施ということで、寒さへの対策も必要と考え、その上でどんなものがあったらいいのかを相談していきました。段ボールでお家を作ったり、水遊びするためのたらいを借りてきたり、営繕部の方から藁をいただいたり……いろいろな方の協力ももらって準備を進めてきました。

⑤ 移動動物園当日

 朝からワクワクした様子の子どもたち。自分たちの用意した環境に動物たちはどんな反応をするのかな?使ってくれるのかな?気に入ってくれるかな?と落ち着かない様子でした。準備を頑張ってきたからこそ、動物たちの過ごし方が自然と気になり、当日の熱心な観察や探究心につながります。1年生同様、ただ「かわいかった!」という感想で終わらず、動物たちの様子をじっくりと観察していました。また、移動動物園の最中にも「こうしたら喜んでくれるかな?」などと試行錯誤して接する姿が見られました。

⑥ ふり返り

 今回の取り組みをしっかりとふり返りカードに書いてふり返ります。「こんな場所が落ち着いたようだった」「思っていたよりもよく動いていた」「今は放っておいてという感じだった」などと動物たちの些細な様子にも目を向けた感想が多く聞かれました。「用意したけれど使ってもらえなかったのはなんでだろう?」と次の課題を早速発見している子もいました。「ほかにもできたことはあったかな?」と考えることで、今回の探究学習がまた次の探究心につながっていきます。

今回、「どうぶつ村」の皆さんと動物たちに協力していただき、子どもたちが動物と一緒に生活するということについて学び考える貴重な機会をいただきました。移動動物園で触れ合っている最中、手の上でうんちをされてしまうという子もいました。また、片づけをしている最中には糞尿に気づいたり、動物たちが遊んでくれて濡れてしまった新聞紙や藁を処理したりと、きれいな部分だけではないことも実感することができ、命あるものと共に生きていくには「かわいい」だけではない側面も見ることができました。こういった気づきが積み重なっていくことで、子どもたちの3年生以降の探究学習がより一層気づきの多い活動になっていくことを期待しています。

 

【思考力 メタ認知力 エージェンシー】後期総合探究

前回の教育実践に引き続き、今回は「昔のくらしとしあわせ-しあわせクロニクル-」「スポーツの力」「桐蔭小起こし」「口に出す言葉の力を考える」の4つのゼミの取り組みについてご紹介いたします。

①「昔のくらしとしあわせ」

このゼミは社会科と特に関連の深いゼミとして、今の自分が“しあわせ”を感じるものについて、歴史的な視点を持って探究的にアプローチしていくゼミです。例えば野球が好きであれば、野球がいつどのようにして始まりどんな変化をして現代の野球に辿り着いたかを調べる中で、昔の人が感じていた野球への思いにも触れていきます。自分の好きな野球が過去、人々にどんな影響を与え発展をしていったのかを調べ考えることで、野球の普遍的な魅力のようなものを自分なりに考えることになると思います。このように、好きなものを歴史的な視点を持って探究することを通じて、“しあわせ”な生き方を考えるきっかけになって欲しいと考えています。

ゼミの取り組みとしては、まずは自分の興味関心の深ぼりをすることから始めました。一人ひとりが自分自身と対話しながら、テーマを設定していきました。また、異学年でのゼミという点を生かして、自分の取り組み状況の報告や困っていることの相談など異学年間で行い、上の学年は下の学年にアドバイスを送れるように努め、下の学年は上の学年の取り組みの仕方を学べるように、3年生から6年生を1名ずつ配置した小グループを設定し、活動を行っています。探究のサイクルを行っていく中で、湧き上がってくる疑問や関心に基づいて自分で調べたり、友達に聞いたりする子どもたちの様子が見られ、探究活動がどんどん深く、広くなっていきました。この探究活動の終着点は新聞作成、またはポスター作成&発表です。調べ進めたものをどのように自分の言葉にして書き、自分の言葉で話すのか、最後まで学びが続いていきます。

②「スポーツの力」

スポーツにはどんな力があるのか。見ること、すること、支えること、知ることなど、スポーツでは自分の適性に応じて、多様な関わりをすることができます。見ることで感動をもらったり、することで達成感やチームでの喜びを味わったり、支えることでチームに貢献する気持ちが芽生えたり、知ることでよりスポーツの世界が広がったり…。スポーツには人を動かす力があります。そんなスポーツの力を、世界で取り組まれている競技を軸に探究し、その魅力を探っていこうというテーマでこのゼミがスタートしました。このゼミのメンバーにはスポーツが大好きな子どもたちが多く集まりました。そのメンバー一人ひとりが自分の大好きな競技を軸にしながらスポーツの力に迫っていく探究を進めていきました。

まず、自分自身がどんなスポーツに興味があるのか、また興味があるスポーツの中でも特にどんなことに関心があるのか調べ考えていきました。またその中でもよりイメージが広がりやすい事柄を取り出し、そこから第1段階の探究テーマを設定し、そのテーマついて調べ深め、自分の考えを書く活動を行っていきました。一つのテーマで探究をしていく中で、新たな疑問や関心が浮かび上がることを大切にしながら、次の探究へとつなげていきました。

ある児童は、自分の好きなスポーツ選手を調べ深めていく中で、その選手の生活スタイルに興味関心をもち、その中でも特に気になった食生活を探究しました。また、スポーツごとに大切にする食生活は違うのかなど他のスポーツとの比較を行っていました。

ある児童は、自分の好きなスポーツは世界で競技人口が多いということがわかったので、反対に競技人口が少ないマイナーなスポーツは何なのか、そしてなぜその競技が取り組まれているのかというような方向性で探究を深めていっていました。

1/27(火)に5・6年生がゼミ内発表を行いました。今まで取り組んできた探究の内容をまとめ、自分の提案や考えをポスターセッション形式で発表しました。その発表を聞いた3・4年生はスポーツに関する新たな視野が開けたようでたくさんの気付きがあったようです。5・6年生は実際に聞いてもらう活動をとおして、自分のポスターや原稿を改善していくことによって、より多くの人たちに自分の探究内容がもっと効果的に伝わるものになるのではないかと感じた人が多くいたようでした。5,6年生に関しては全体発表が残されています。より多くの人たちにスポーツの力が伝わるような発表内容になるように一人ひとりが早くもポスターや原稿内容の改善に励んでいます。

③「桐蔭小起こし」

「豊か」と聞いたときに、皆さんは何を想像しますか?辞書で調べると、「ゆとりが見えるほど満ち足りた状態であること。」と出てきます。子どもたちからは「自然、落ち着く場所、人がたくさんいること、平和、お金があること、くろがねの森、おいしいご飯を食べること」など、様々な意見がありました。このように、「豊か」と言っても感じ方、考え方、重視することが人によって異なります。

このゼミでは、異なる人がたくさん集まる「桐蔭学園小学校」を豊かにするために、自分たちでできることを考え、探究し、実行していきます。

初めてのゼミでは1枚の絵からスタートしました。絵を見て「見てわかること(see)・思ったこと(think)・不思議に思ったこと(wonder)」の3点を全体でKWL(シンキングツール)にまとめました。次は個人で、学校内で豊かだと思うところを探しKWL(シンキングツール)にまとめました。それぞれの目の付けどころが異なり、価値観や考え方・考え方の違いに気が付くことができました。そして、裏庭に焦点を絞り、「豊かにするために自分がやりたいこと」を考えました。

自分がやりたいことをグループ内で発表し、それぞれのグループでやりたいことを絞りました。実現するために必要な情報を収集し、整理分析し、まとめとして 「企画書」を作成しました。

ベンチづくり・花壇の復活・ビオトープ復活・看板づくりの4つを実行することにしました。子どもたちの「やりたい」気持ちを尊重しつつ、現実的に可能かどうかを厳しく吟味しています。「桐蔭学園小学校を豊かにする」ということは学校にいる全員に関わる活動になるので、子どもたちが自分の活動に責任感を持って取り組めるかが大切です。

実際の活動に入ると、子どもたちは目を輝かせながら一生懸命に活動に取り組んでいました。ビオトープでは余分な竹を切ったり、落ち葉を集めたりと汗をかきながら一生懸命に活動していました。

ある一人の児童が「この竹で何か作れるかも?」と言い、アイパッドで「竹で作れるおもちゃ」を調べ、早速作っていました。それが豊かにつながるか聞くと「いらなくなったものを再利用することは地球にとって豊かだと思うし、このおもちゃで喜んでくれる人がいたら学校は豊かになると思う!」と伝えてくれました。彼は竹トンボを作成しているのですが、なかなかうまく飛ばず、飛ぶためにどのようにすればよいかを調べていました。これがまさに探究なのではないかを思いました。

また、実は、花壇の復活は途中からでたアイデアです。ビオトープの復活のために伐採をしていたところ、花壇が発見されたのです。「こんなところに花壇があったんだ!」「ここに花を植えたら自然が豊かになって見栄えも良くなる!」という発言から、花壇を復活させることになりました。ただ、花を植えるだけではなく、「科学に活用したり、花をしおりにして配ったりすることで自分たちの学びに繋がり豊かになる」と考えたそうです。

現在、子どもたちはメンテナンス時期や方法、ルール、怪我の防止など様々な問題に直面し、豊かを継続させるためにどのように進めていくかを考えています。また、豊かになったかどうかをどのように調べるかも検討しています。

自分たちの学校は自分たちで豊かにする。その為には自分の意見を持ち、尚且つ、他者の考え方や感じ方に目を向ける必要があります。また「自分たちでできた!」という成功体験が、今後の未来を担っていく子どもたちの探究心にもつながると考えました。ゼミの児童を中心にみんなで桐蔭学園小学校をもっと豊かにしていきたいです。

 

 

④「口に出す言葉の力を考える-お笑いや歌詞など-」

わたしたちは毎日、友だちと会話したり音楽を聴いたりして、たくさんの言葉にふれて生活をしています。言葉は、人の気持ちを動かしたり、考えを広げたりと様々な力を持っています。子どもたちも、色々なところで受け取った言葉に背中を押されたり元気をもらったりする経験があると思います。なぜ、言葉だけで人の感情を動かしたり考えを広げたりすることができるのか、言葉が持つ不思議な魅力について考え、その力について自分なりの考えを持てるようになることを目指し、日々の学習に取り組んでいます。

まずは、「言葉の力とは何か」について、これまでの自分自身の経験をもとに考えをまとめ、異学年グループで共有することで、多様な視点に触れる機会を取りました。その後、「友だちの言葉でうれしかった経験」を共通課題にして自分が言葉によって心を動かされた経験をふり返りました。自分が感じた思いについて、「なぜ」そう思ったのか、その答えに対してさらに「なぜ」を繰り返して深く自分の考えを掘り下げていくことで、探究の問いの立て方について、みんなで考えていきました。

その後、自分が探究したいテーマについてウェビングを用いて関心を広げ、その中から自分が突き詰めていきたい問いを見つけ出していきました。これらの活動は個人での思考とグループでの共有や意見交換を行き来しながら考えを深めていきました。

個人で深めたい問いが決まった後は、情報の集め方についての確認も行いました。様々な情報収集の方法を挙げ、そのメリット・デメリットを検討し、自分が必要だと思う方法でそれぞれ情報収集を行い、自分の考えを深めるための材料を集めました。また、その集めた材料を使い、子どもたちが立てた問いについて、仮説を立てる、比較する、分類する、歴史的背景を調べる、因果関係を考えるなど、問いを深めるための思考方法について共有しました。また、定期的にグループ内で進捗状況を確認し合ったり、中間発表としてここまでの成果を発表し、フィードバックを送り合う機会を取ったりして各自の探究の深め方を考えていきました。

 

【思考力 メタ認知力 エージェンシー】後期総合探究

桐蔭学園小学校では2025年度から3~6年生の総合的な学習の時間を「総合探究」としました。総合的な学習の時間をより探究的な学びとし、子どもたち一人ひとりが自律的に探究サイクルを回して学習を深められるように、というねらいを実現するための対応となります。前期総合探究・後期総合探究と活動内容を分け、前期総合探究では学年・学級単位で協働的に探究活動を行い、後期総合探究では一人ひとりの「やりたい」気持ちを原動力に、個人で探究活動を行います。それにより、チームと個人とでより主体的・対話的で深い学びが実現できるように取り組んでいます。

10月からの後期総合探究では、児童一人ひとりの興味関心に応じた探究活動を支援するために、教員の専門性を生かした11のゼミテーマを設定しました。11のゼミテーマは以下の通りです。

「マンガ・アニメ-世界に誇る日本文化-」

「くらしの中の便利なもの-未来・発明・特許など-」

「昔のくらしとしあわせ-しあわせクロニクル-」

「スポーツの力-世界をつなぐ競技-」

「桐蔭学園小学校起こし-豊かな小学校を創り出そう-」

「ひみつをときあかせ!生活の中の数と形-将来、数や形を学ぶことって、何の役に立つの?-」

「デジタルの世界-身近なデジタルのなぜ?を解き明かす-」

「口に出す言葉の力を考える-お笑いや歌詞など-」

「文字による言葉の力を考える-文学作品を中心に-」

「音ってすごい-くらしにひそむヒミツ-」

「比べてみよう日本と世界-数字や文字から考えてみよう-」

子どもたちはこれらの中からゼミを選び、そのゼミのテーマと自分の興味関心を結び付けて探究活動を進めています。探究した内容は、3・4年生は新聞の形にまとめます。5・6年生はポスターにまとめ、ポスターセッションを行うことになっています。

今回の教育実践では、「マンガ・アニメ-世界に誇る日本文化-」「ひみつをときあかせ!生活の中の数と形-将来、数や形を学ぶことって、何の役に立つの?-」「音ってすごい-くらしにひそむヒミツ-」の取り組みの様子をお伝えいたします。

①「マンガ・アニメ-世界に誇る日本文化-」

今や日本の漫画やアニメが国際的にも高い評価を受けていることは周知の事実です。そして、日本政府もコンテンツ産業として、アニメ・ゲーム・音楽などの海外展開を強力に推進しています。このゼミのテーマは、「漫画やアニメ作品に対する理解を深め、その人気に迫ることで国際的な視野を養う」ということです。

まず、好きな分野(作品、作画、アニメ制作など)に分かれて語り合う時間を設けました。自由に意見を交換することで、考え方が広がりテーマを決めるきっかけ作りができました。そのようにしてテーマを決めていく中で、ゼミの子ども達の探究するテーマは大きく二つに分かれました。「個別の作品の内容について」が8割で、「(漫画の)描き方や(アニメの)制作について」が2割です。そして、テーマ(問い)を探究するための手立てをクラゲチャートで探り、材料がそろったところで3・4年生は新聞の作成、5・6年生はポスターセッションに向けた準備に取り掛かりました。3年生にとっては4年生が、5年生にとっては6年生が、取り組みの良い刺激になっているようです。また、どの子どもたちも自分の好きなものを調べているので思い思いに集中して取り組んでいます。その姿に新しい学びの可能性を感じています。

 

②「ひみつをときあかせ!生活の中の数と形-将来、数や形を学ぶことって、何の役に立つの?-」

このゼミでは算数や数学を学ぶことによって、将来、何に役立つのかということを考え、調べ深めることによって、算数の知識を増やし、算数にさらに興味を持ってもらえたらと考えてスタートしました。ゼミには算数が好きな子、興味を持っている児童が多く集まり、意欲的に活動に取り組んでいます。

子どもたちは、テーマとして、今まで学習してきた算数の内容の中から興味のあるものを選びます。例えば「小数」を選び、「小数がもし無かったら」などの仮定をします。その後は、仮説を立てて、検証していくという流れになります。3~6年生での活動となるので、それぞれの学年に合った発表形式を取ることになります。現在、3・4年生は新聞作りに、5・6年生はポスターセッションに向けてポスター作りと2000文字程度の発表内容作りに取り組んでいる最中です。

ある児童は「単位とは何か?」というテーマで取り組みました。

色々な国の単位について触れ、単位の歴史について考え、どのような流れで現在使われている単位にたどり着いたのかを解き明かしていきます。

ある児童は「小数がなくなったら」というテーマで取り組みました。

世の中に小数が存在しない場合、どうなってしまうのかという疑問からスタートしています。小数が無い場合、分数でどれ位カバーできるのかについて考え、想像し、様々な角度から小数について考えています。

1/27(火)には5・6年生がゼミ内発表を行いました。

このゼミ内では、4人グループが作られています。基本的に3~6年生が一人ずつ入るようにしています。グループでは、自分が迷っている内容を相談したり、発表内容を聞いてもらってアドバイスをもらったりすることができます。それぞれの学年の子たちが自分にできることをやったり、他学年の子にアドバイス等を送って助けたりしています。どの子も自分の中間発表などを振り返り、全体発表がより良いものになるように真剣に取り組んでいます。

③「音ってすごい-くらしにひそむヒミツ-」

音は、理科、音楽、社会、環境、福祉など生活に直結しているため、問いが生まれやすく、調べたり、試したり、考えたりすることが自然につながるのではないかと考え、このテーマを設定しました。

このゼミでは、まず、人が出す音、物が出す音、機械音、自然の音など、日常の音に着目することからはじめました。心地よい音やうるさい音など気持ちとかかわってくるもの、チャイムやアラームなど、くらしでの役目があるもの、場所による音の違いなどを調べていきました。

次に、音のヒミツを体験するミニ実験を行いました。学校の中の音探し、ストロー笛を使った音の変化の実験、ティッシュを使って振動の見える化実験、キーボードの高音と低音はどちらが遠くまで響く?場所によって音の残響はどう変わる?など、簡単な実験を行う中で、自分が不思議だと思ったことや、もっと知りたいことを見つけ、自分だけの問いを考えます。その問いの内容と深め方を仲間へプレゼンすることで、自分のやりたいことが明確になり、新たな疑問も生まれてきました。今はそれぞれが新聞やポスター作りの仕上げに取り組んでおります。

 

【思考力】低学年-生活科「移動動物園」探究学習について

1年生の国語科『うみのかくれんぼ』の発展学習として行われた、「移動動物園」と連動した授業実践についてご紹介します。

単にかわいい動物と触れ合うだけでなく、子どもたちが「小さな研究者」として目を輝かせた、その学びの裏側にある工夫と成果をご報告いたします。

1. 実践の背景と工夫

教科書を飛び出し、「本物」で学ぶ

国語の授業で学習した「問い(なにが)」と「答え(どのように)」という文章構成。これを定着させるために、実際に学校へやってくる「移動動物園の動物たち」を題材にしました。

架空の動物ではなく、「明日、会える動物」について調べることで、子どもたちの中に「飼育員さんに質問したい!」「友達に教えたい!」という目的意識が生まれました。

「情報の海」で溺れさせない環境づくり

低学年の子どもたちにとって、分厚い図鑑から必要な情報を探し出すのは至難の業です。そこで本実践では、教師が事前に必要な情報のページを「切り抜き資料」として準備しました。

あえて情報を限定することで、子どもたちは迷うことなく「文章を読んで、欲しい情報を見つける」という本来の学習活動に集中することができました。これは、情報過多な現代において必要な情報を取捨選択する「環境設定」の一つです。

2. 子どもたちの姿と成果

「ただ見る」から「観察する」へ

事前の国語学習を経たことで、当日の移動動物園における子どもたちの目の色が明らかに違っていました。

「かわいかった」という感想だけで終わらず、

  • 「図鑑には『硬い草を食べる』って書いてあったけど、本当にバリバリ音がする!」
  • 「ウサギの足の裏はどうなっているのかな?」
    といった、書かれている言葉(知識)と目の前の事実(実体験)を結びつけようとする姿が見られました。

 

  1. この授業を通して、子どもたちが手に入れたもの

今回の授業は、単に「動物と遊んで楽しかった」という思い出づくりだけではありません。教室での勉強と、実際の体験をセットにしたことで、子どもたちに3つの大きな成長が見られました。

① 「知っている」からこそ、もっとよく見える

国語科で知識と視点を持ってから生活科(動物とのふれあい)へ移行したことで、子どもたちの活動の質が向上しました。

国語(調べる)⇨ 生活(確かめる)

何も知らずに見るのと、「ここはどうなっているのかな?」と知りたくて見るのとでは、深い洞察への可能性が違います。 国語の授業で事前によく調べていたからこそ、子どもたちの目は「ただ眺める」のではなく、「真剣に観察する」目になっていました。 「勉強したことを確かめに行く」という目的があったからこそ、いつもの行事が何倍も充実した学びの時間に変わったのです。

② 本と実物の「答え合わせ」が生む感動

本で読んだことを、自分の目で確かめる。この「あ!本に書いてあった通りだ!」という感動こそが、学びの原点です。 また、「本にはこう書いてあったけど、実際はちょっと違ったよ」「なんでだろう?」という不思議に出会えるのも、実体験ならではの良さです。 「調べる→確かめる→また不思議が見つかる」という経験は、これからの学年で必要となる「自分で学ぶ力」の土台になります。

③ 「好き」を追求する力

クラス全員で同じことを覚えるのではなく、一人ひとりが「自分がもっと知りたい動物(推し動物)」を決めて取り組みました。 自分で決めたことだからこそ、子どもたちは驚くほどの集中力を発揮します。「好き」という気持ちが、一番のやる気スイッチになることを、子どもたちが改めて教えてくれました。

「1年生だから難しい」ではなく、適切な支援と興味を引き出す仕掛けがあれば、1年生でも高度な思考と表現が可能であることを、子どもたちが証明してくれました。
今後も、一つの教科にとらわれず、教科書の学びを教室の中だけで完結させず、豊かな実体験と往還させることで、子どもたちの「確かな学力」と「豊かな感性」を育んでまいります。

 

【思考力】1年「『探究』学習をどうスタートさせるか?

「探究の原動力」は、「探究心」だと考えます。

その事象に対して「探究心」を持っていないのに「探究」の「手続き」や「経験」をするとしたら、それは「課されているから」なのではないでしょうか?

「探究」と「課されている」ことは、本来、矛盾することのように思えます。

では、「探究心」は、どのようなときに出てくる(育つ)のでしょうか?

私たちは、「探究心」を以下のように定義し、以下の3つの「とき」に出てくる(育つ)と考えました。

私たちが考えた〈探究心の定義

「どうなっているんだろう?」「真相」「深い部分」「実際」

知りたいと思うこと

どのような時に?

☆1自分にプラスまたはマイナスの影響(利害)がある(あった)とき

↓↓

もっとあるように探究なくなるように探究

☆2「すごい!」と思った(畏敬の念を持った)とき

ということは、その対象のものに「愛情」がある、ということだから(その「愛情」が探究のエンジンになる)。

☆3「面白い。」「変だなぁ…。」と感じ、「興味」がある場合

自分の認識と違うゾ~…。」

☆1の「現実的探究」は、「自立度が上がるのに比例して行われる探究」だと考えます。ですから、小学1年生には、「探究心」の「☆2」と「☆3」をアシストしよう、と考えました。

ステップ1〈6月〉

一学期に「生活科」の授業で、教材の鉢に、各自が家の人と相談して持ってきた種を蒔き、学校のテラスで水やりをし、育てた際に、観察カードの「吹き出し」で、

「めやはをかんさつして、きづいたことやぎもんにおもったことやすごいとおもったことをかこう!」

と投げかけると、「なぜ、みずやりをするだけでこんなにおおきくなるの?」

「なんで、たねからはながさくの?」という☆2に当たる疑問、気付き、「すごい。」と思ったこと、が寄せられました。

それに対し、まずクラスみんなで討議してみました。

すると、「肥料の玉を入れたじゃん。(だからだよ。)」とか「土も必要だよ。」などの「本に書いてあった。」という知識が披露されました。

それに対し、「え~、でも、水だけでも育つよ。」

という知識も出されました。それに対し、「育たないよ。」という認識も出されました。

そこで、「水だけでも育つ植物」という検索をし、そこから(そのつぼみが国語の教科書の説明文の『つぼみ』でも取り上げられていた)「蓮」を前のスクリーンで共有しました。(1年生には、まだ、各自のiPadで「検索」をすることはできない「前提」のため。)

「でも、このように『なんでたねからはながさくの?』と書いた人がいるけれど、種の中に花の小さいのが折りたたまれたりして入っているの?

と問いかけると、「入っている。」と言う児童や「入っていないよ。芽は入っているけどね。」

と言う児童、「芽や葉っぱの素が入っているだけだよ。」と言う児童が出てきました。

そこで、「じゃあ、後ろに掲示してある、みんなが描いた『種の中の予想図』をもう一度見てみよう。」と話し、確認しました。

添付のように、花の『赤ちゃん』を描いていた児童もいれば、葉や芽の『赤ちゃん』を描いていた児童もいれば、芽や葉の『基』を描いていた児童もいました。

その後、すぐに夏休みに備えての「持ち帰り」期間に入り、授業でのみんなでの「探究」は「小休止」となりました。

ステップ2〈9月〉

夏休みに各自が持ち帰った「鉢植え」の観察の結果、

◇1「ぽんぽんダリアだと思っていた。でも、じつは、けいとうだ。なんでけいとうなのかはわからない。けいとうもきれいだけど。」

◇2「みずやりをまいにちしても、つぼみがつきません。なんでだろう。

くきやははせいちょうしているのに、はながさかないのがふしぎです。」

◇3「つぼみがやっとできました。さいしょは、はなはいきていないとおもったけれど、いきていたので、はなってすごいな、とおもいました。」

というような☆3に当たる「気づき」「発見」「疑問」と☆2に当たる「畏敬の念」が「かんさつはっけんカード」に書かれていたので、それを共有しました。

そして、「『実は』ということは、『本当は』ということだから、『本当はどうなのか』という『真相』に気づいたことになるね。しかも、自分で、ね。まるで、コナンくんみたいだよね。」と「じつは。」の「価値づけ」をしました。

また、授業者の「夏休みの間の探究心」も伝えておいた方がいいと考え、

◆1:一学期に話題になった「蓮」の葉と「種ができたところ」を写した写真と種を割った実物の写真

◆2:シソの茎の断面が四角いことを書いた「まどみちお」さんの詩と実際にシソの茎の断面を写した写真

〈おどろいてしまった立ちがれたシソのくきを切りとってみたら切りくちが四角なのだ〉

《『いわずにおれない』まど・みちおより》を用意しました。

そして、「実は、種の中には、芽の赤ちゃんがいたんだね。生き物ってすごいよね。」と「生命への畏敬の念」と「探究心を持って探究すると『真相』にたどり着ける」ということを、またまた「価値づけ」しました。

ステップ3〈9月〉

以上の「探究心へのレディネス」(探究心の芽生え)を持った状態で、

「今度は、『鉢植え』より大分大きい『学校の周りの『ビオトープ』や『鉄の森』の自然』を観察して、学校の周りの生き物や植物が、実際には自分が今までに思っていたイメージと同じか、違うか、確認してみますか?」と投げかけました。〔ねらいの提示〕

多くの児童が、「行きたい!」と言いました。

結果、以下のような「探究材料」を共有することができました。

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〈「フィールドワークビオトープではっけんしたこと」の用紙より抜粋〉

・虫は、ちかづいただけでにげるから、虫は目がいいんだなぁ、とおもいました。

・なんでわたしのずぼんの上にのってきたのかな。てんとう虫がわたしをすきなのかね。

・じつは、こけは、水にぬれているときはつるつるで、水にぬれていなかったら、ざらざらでした。

・じつは、バッタのつのは、あかだった。まえにきたときは、はっぱがすくなかったのに、きょうは、くさがおおかった。

・バッタのじゃんぷするあしのはじまりをもつと、にげられないことがわかった。

・バッタにはねがあるのはわかっていたけれど、4まいもあるのはしらなかった。

・バッタがあんなにはやいとおもわなかった。

・ちゃいろのバッタもいるんだとびっくりした。

・どんぐりがみどりだった。

・ちょうちょがはやくてつかまえられなかった。

・しょっかくがながかった。

・ショウリョウバッタのしっぽがながかった。

・ショウリョウバッタの子どもにきばが生えていたのがすごい。

・ちょうちょがいがいとはやい!

どんぐりがみどりで、下にとげみたいなものがあった!

・コケはみどりのものだとおもっていたら、じつは、ちかくから見たら、しょくぶつだった。

・なんしゅるいもあった。しろいコケがきれいだった。

・いろんなコケがまざってみどりのもだとおもいこんでいたのかも…。

・どんぐりのぼうしがとれたのがすごいとおもった。

・つかまえてすうふんたつと、なついてくることがわかった。しょくぶつはちがうのに、せいちょうはおなじくらいのスピードだった。

・ありがありにのっている?!

・はっけんしたことは、ばったのあしがはやかったことです。

・はっけんしたことは…ちょうちょのもようは、てんとうむしみたいにてんてんをしていた。

はやいし、たかいし、とおくへとべるし、すごくほそいよ。つかまえるのがむずかしいのに、

じぶんのようふくにとまったから、一かいだけでしたが、そのバッタだけちゃいろだったよ。

すごくみどりでくさみたいだったから、あんまり見えなかったよ。

【くろがねのもりフィールドワーク】

・ふつうだったらどんぐりは一つなのに、二つついているどんぐりがあって、びっくりしました。

・はっぱをたべてる虫もいました。

・このきのこはきのぼうについてる。

・ここはもりの中だから、たいようが見えないよ。

・このきのこは、さわるとすぐくずれてしまうきのこです。

・あんまり見つけられなくて、日かげにありました。

・日なただとかれちゃうとおもいました。

・きのこにもいのちがあって、たいようからかくれているの?

・この虫、わたをもって、どこへはこぶんだろう?

・バッタはびんをひっくりがえしてもおちてこない。

ありはびんをひっくりがえすとおちちゃう。

・じつは、どんぐりの中はかたい。なにかが入っていた。

・きのこがやわらかかった。うらはスポンジのようでした。においは、とてもくさかったです。

・中にめがありました。うらにきいろいものがありました。

・花にきみどりのみがなっていました。きっと花がさくじゅんびをしているとおもいました。

・どんぐりのぼうしからはが出るとおもっていたけど、ぼうしがなくてもはが生えていて、びっくりした。

・くものすがあってもくもがいなくて、ふしぎにおもった。

・ほそい木がはっぱがすくなかった。

・コオロギにしっぽがついててびっくりしました。

・うしろあしにとげが一ぽん一ぽん生えててびっくりしました。

・しょっかくがながくて、びっくりした。

・まゆの中に白いたまごが入っていました。

・どうぶつらしいのがほったあながあった。もしかしたら、どうぶつがそこでねたのかも。

・せみのなきごえがなにかをいっているようにきこえた。

・ラベンダーみたいな花でもみどりのみがついていてふしぎだなぁとおもいました。

・みどりのはっぱは、「ささかなぁ?」とおもったけど、わかりませんでした。

・はっぱをめくったらだんご虫やしらない虫もいました。

・草や木があるところはあついのに、草や木がないところはすずしかった。

・日にあたるときはあつかったけど、日かげだと、けっこうすずしかった。

・木は一かい目より大きかった。

・木がとても大きくて、大きくて、見たら、あとちょっとでくもにとどきそうでした。

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これらの「発見」をクラスで共有し、その中の幾つかの「発見」に対し、「探究」へとつながる「道しるべ」が見出されました。例えば、

◎「むしは、ちかづいただけでにげるから、むしはめがいいんだなぁ。」という「予想」に対し、「どうやって確かめる?」と問うたところ、「物を置いて実験してみる。」などの考えが出されました。「でも、それで、物をよけたとしても、『音』でよけたのかもしれないよ。」という考えも出されました。

◎「(落ちていた)どんぐりがみどりだった。」という「発見」に対しては、「どんぐりは茶色。」という「これまでの自分たちの常識」とは違う「発見」だったので、「木に付いているときは緑色で、落ちてから茶色になる。」という「予想」と、「木に付いているときに茶色になって落ちるのだけど、強風などで、緑色のうちに落ちてしまったのではないのか?」という「予想」が出て、「次のフィールドワークで確認しよう!」ということになりました。(これぞ、まさに、「探究」。)

◎「このきのこは、…あんまりみつけられなくて、ひかげにありました。ひなただとかれちゃうとおもいました。きのこにもいのちがあって、たいようからかくれているの?」という「予想」に対しては、「日なたにもあるのかなぁ?」、「きのこに命があるのかなぁ?」「じゃあ、引き抜くと死んでしまうの?」「草にも命があるのかなぁ?」「じゃあ、踏まれると痛いの?」「髪の毛は切っても痛くないから生きていない?」「生きていないのに、なぜ、伸びるの?」などの会話がありました。

これらの「探究材料」の価値は、児童本人(たち)が気付いた、発見した事象である、ということです。(私たち授業担当者が提示したのは、「自然(生き物,植物)」という(探究の)枠だけです。)

かと言って、「探究心」の醸成をせずに「自然観察」をして「疑問に思ったことを書きましょう。」と投げかけるだけだったとしたら、「どんぐりはなんで茶色なの?」などという「素朴な疑問」を持つに止まり、(そもそも「どんぐり」が「茶色」であることに「理由」などないので、)「探究」へとは発展しなかったのではないかと考えます。

それが、☆2のように「すごいと思ったこと」、☆3のように「自分の認識と違うこと」を見付ける喜び(探究心)を味わう姿勢で「フィールドワーク」をしたことにより、緑色のどんぐりが落ちていた際に何も考えずに素通りするのではなくて、「これ、どんぐり?」と自分の今までの常識「どんぐり=茶色」と違う事象を意識し、「どんぐりだとしたら、まだ緑色のうちに風か何かで落ちちゃったの?それとも落ちてから『緑色→茶色』になるの?」という「自分の認識にはなかったこと」を「探究」しようという「探究の材料」を得ることができたのではないかと思います。

実際、このような「探究の材料」ならば、この後、本で調べたり、ネットで探したりしたとしても、そこに書いてある漢字や言葉の意味さえ大人が教えてあげれば、小学1年生でも「探究」をすることはできますし、「書いてあることに専門知識が含まれていたりすれば自力での『探究』は難しい」としても、少なくともこのように、「(本校では3年~始まる)『探究』に向けて、大切な『探究心』(「『すごい。』と思う」「変だなぁ…。」と思う心)を育てることができるのではないか」と考えて行っています。

 

【思考力・思いやり】2年生 町探検

子どもたちが生活をする日々の社会は学年が上がるとともに、家庭や学校といった小さな単位から、自分達が住む地域、そしてより広い社会へと拡張されていきます。

2年生生活科では、「自分たちが生活している場所にはどんなところがあるのだろう?」という視点でまずは学校内を探検しました。「発見メガネ」をかけることを意識すると、いつも当たり前にあるものも「なんでここにこれがあるんだろう?」という発見に変化していきます。その変化を楽しみながら、身の回りの探検の範囲を広げていき、今回は学校を飛び出して、普段登下校で使わせていただいている新百合ヶ丘駅と青葉台駅・江田駅方面の2方面に町探検に行きました。

事前学習では、まずは大半の児童が利用しているスクールバスの経路を思い起こしながら、学校の周辺にありそうなものを予想し、その後実際に青葉区と麻生区の地図をみながら実際にあるものについて調べていきました。予想と実際に地図をみて発見したことはシンキングツールにまとめました。

「学校の周りには緑がいっぱいあるね!」「遠足でいったこどもの国も青葉区なんだ!」「桐蔭学園ってすぐ隣は川崎市なんだね!」「新百合ヶ丘の駅の周りには銀行がいっぱいある!」「新百合ヶ丘は大学が2つ並んであるよ!」など、とにかくたくさんの気づきを得ることができました。地図上での発見から、どんな街なのかのイメージも広がっていきます。

さて、実際に行ってみるとどうなのでしょうか…?

11月12日は新百合ヶ丘駅周辺、26日は青葉台駅周辺へ探検に向かいました。

両日とも事前の予想と地図で調べたことを頭に入れつつ、実際に発見したことをメモしながら町を歩いてみました。

「あっ、薬屋さんあった!」「ラーメン屋さん発見!」「美容院が多いね!」など、地図だけではわからなかったたくさんのことに気づくことが出来ました。また、「これ、僕の町にもある」など、自分の住んでいる街との比較も自然とおこなわれていました。日常生活は私たち大人でも、自分の生活に密接なお店・施設は意識されますが、関わりの薄いお店などはあまり気に留めないものです。今回のように、町全体を学習という視点でみることで、普段はあまり関心のない施設にも興味をもつことができたのは学びのひとつとなりました。

私立小学校は多様なエリアから通学してきているため、「学校がある町」という意識を持ちづらい側面がありますが、今回実際に見学をできたことで子どもたちのなかにも学校周辺地域への意識が高まったのではないかと考えます。

※青葉台駅探検の際は、移動範囲も広いことから各クラスの保護者の方にもボランティアをお願いし、横断歩道の確認など移動中の安全確保にご協力いただきました。

新百合ヶ丘駅、青葉台駅ともに同じ「急行がとまる規模の駅」ですが、2箇所ともに実際に見学をすることで、街の雰囲気は異なる点があることもわかってきます。学校に戻ったあとはまとめの活動をおこないました

3年生になると社会の授業が始まり、そして本校では今年度から始まった3〜6年合同探究ゼミも開始されます。今回の街探検で経験したフィールドワークの基本である「予想→資料調査→実地調査→まとめ」という流れは今後のカリキュラムにおいても生かされる学習形式となります。ともすればタブレットの中でいろいろなことが完結してしまう世の中ではありますが、今後もしっかりと現地、現物から得られる経験を大切にしながら子どもたちがより広い世界へ進んでいくことをサポートしていきたいと考えます。

 

【思考力・チャレンジ力】5年生 稲刈り

5年生は一年を通して「米」に大きく関わっていきます。第一幕は【田植え】。今回はその第三幕【稲刈り】を行いました。晴天の下、多くの保護者や営繕部の方々に見守られながらの活動となりました。
 田植えの時とは違い、かたくなった土や、自分たちが植えた苗の大きな成長に驚きながら、子どもたちは稲刈りの作業に夢中になって取り組んでいました。三クラス総勢約90名での作業でしたが、想像以上の稲の量。そこで、チームに分かれて協力しながら進めました。稲刈りチームは鎌を使って稲をどんどん刈っていきます。一本ならやわらかい稲も、何本も束ねて刈るとかなりの力が必要で、軍手と長靴が欠かせませんでした。袈裟懸けチームは刈り取られた稲を束ね、縄でしっかりと縛って物干しざおに掛けていきます。どの作業も大変でしたが、互いに声を掛け合い、笑顔で取り組む姿が印象的でした。この田植えから始まる一連の活動は、【第二幕・社会科の学習】にもつながっています。社会科では10月ごろから「米作りのさかんな地域」という単元に取り組み、米作りの過程や効率化・安全面の工夫を学びながら、現代の社会課題や今後の展望について考えを深めました。今年は米の高騰が連日ニュースで取り上げられたこともあり、子どもたちの関心はとても高く、「米の高騰を抑える方法って、備蓄米を放出する以外にもあるの?」「どうして農家さんはもっと米を作らなかったの?」など、自ら問いを立てる姿が見られました。これらの問いをもとに、地理的な条件や歴史的な背景を調べ、また、生産者(農家)、消費者、環境保護団体などさまざまな立場の視点から情報を集めて考察しました。友達との意見交流を通して、最初の考えを修正したり、より深めたりする児童の姿も多く見られました。

 今回の稲刈り体験では、「実際にやってみたからこそ感じること」が加わり、社会課題への自分なりの考えを一層明確にすることができました。
子どもたちからは、「ほぼ一年をかけて行う米作りはとても大変だと感じた。桐蔭の田んぼだけでもこの大変さだから、農家さんはもっと苦労していると思う。」「米作りは苗を植えたり除草したり、稲を刈って干したりと重労働。だからこそ米の高騰につながっているのかなと思った。」といった、体験を通して学習内容を結びつけた感想が聞かれました。そして、今年は第四幕【調理実習】へと続きます。自分たちで刈り取った稲を脱穀・精米し、精米されたもち米を使って「おこわ」を作る予定です。「植える」「育てる」「刈る」「食べる」という一連の流れを自分たちの手で体験することで、子どもたちはさまざまな視点から考え、感じ、思いを深めていくことでしょう。営繕部の皆様をはじめ、ご協力いただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。

《子どもたちの感想文より》

黄金色の稲穂を刈る作業は、予想以上に重労働で腰が痛くなりました。そして、その刈った、稲を束ねるのも、かなりの力が必要でとても疲れました。この大変さを身をもって体験したことで、スーパーや、お米屋さん、インターネットのショップで見るお米一粒一粒が、どれほどの手間と汗の結晶であるかを実感し、お米を作る素晴らしさを感じました。これからは、食べ物への感謝の気持ちを持って残さずいただこうと思いました。

 私は今回の行事で、食のありがたみを改めて知りました。お米は簡単に育つと思っていましたが、とてもたくさんの工程がありました。毎日のお水の管理や、雑草抜きなど、米作りの一年に欠かせない作業を間近で見て、本当に良い学びになりました。さらに、こんなに多くの作業と多くの稲を普段3人で作業していらっしゃると聞いて改めてすごいなと感じました。この場を設けてくださった先生方、営繕の方々に感謝します。

 私は学校の授業で、はじめて稲刈りをしました‼️初めは、どうやってやるのか分からなかったけど、先生や友だちに教えてもらってだんだんできるようになりました鎌を使って稲を切るのは難しかったけど、きれいに刈れたときはとても嬉しかったですお米ができるまでにはたくさんの人の手がかかっていることもわかりましたこれからはお米を食べるときに感謝の気持ちで食べたいです

 

【思考力・エージェンシー・思いやり】2年 情報探究

iPadでプログラミングをして、レゴを実際に動かしてみよう!

授業の概要

小学2年生を対象に、iPadとレゴ「WeDo2.0」を用いた情報探究の授業を行いました。子どもたちは、身近な生活に隠された「仕組み」に興味を持ち、それをプログラミングとレゴブロックで再現する活動を通して、プログラミング的思考力や問題解決能力を育むことを目指した探究活動をしました。

単元の目標

以下の3つの観点があります。

【知識・技能】

WeDoのプログラミングアイコンの機能を理解し正確に操作すること、そしてレゴブロックの特性を理解し、意図した形に組み立てられるようになることを目指しました。

【思考・判断・表現】

プログラミングの試行錯誤や調整を通じて課題解決に取り組む力、そして結果を予想し、仮説を立てながら学びを深める力を養うことを重視しました。

【主体的に学習に取り組む姿勢】

粘り強く課題に向き合う姿勢や仲間と協力してチームの一員として活動する姿勢を大切にしました。

授業の展開

授業は、まず「身近な『仕組み』に気づく」という導入から始めました。信号機や自動ドアといった日常生活のシステムについて話し合い、「私たちの生活の中にもプログラム的な仕組み(プログラミング)がある」ということに子どもたちが興味を持てるように促しました。その後、WeDoの基本操作を体験しました。

展開は、ミッションチャレンジと自由な探究という二つの段階で進めました。「車を一定距離動かす」などといった簡単なミッションに挑戦するミッションチャレンジでは、グループで協力し、試行錯誤しながらプログラムを調整する中で、課題達成の喜びを分かち合いました。次に、自由な探究(オリジナルミッション作成)では、「日常生活に役立つ仕組み」をテーマに、今ある仕組みに工夫をしてみたり、オリジナリティを加えてみたりして、自分たちで課題を設定し取り組みました。この段階では、試作と改良を繰り返すことで、より良い解決策を追求する姿が見られました。

子どもたちの学びと考察

この実践を通して、子どもたちは知識や技能だけでなく、より深い学びを体験しました。

プログラミング的思考力が育ち、プログラムが思い通りに動かない時には「なぜだろう?」と原因を探り、自ら修正する姿が多く見られました。これは、論理的に物事を捉え、課題を解決する力の育成につながっています。

また、協働性も大きく向上しました。グループ活動では、それぞれが役割を分担し、積極的に意見を交換し合う姿が見られました。「この部分を担当したい」「こういう風に作ってみない?」といった自発的な発言から、チームの一員として貢献しようとする高い意識がうかがえました。

さらに、粘り強さも身につきました。複雑なプログラムや組み立てに何度も失敗しながらも、諦めることなく挑戦を続けました。うまくいかない経験も、子どもたちの「できた!」という達成感をより大きなものにしていると感じました。

見取り

子どもたちの活動は、ルーブリック評価に基づいて多角的に行いました。プログラミングデータや組み立ての完成度だけでなく、課題解決に向けた試行錯誤の工夫や、仲間との協働的な関わり方についても重視しました。これにより、個々の成長を具体的に把握することができました。

今後の展望

今後は、さらに複雑なミッションや、他の教科と連携した探究活動を取り入れることで、子どもの学習意欲と探究心をさらに引き出していきたいと考えています。

 

【チャレンジ力・思考力・メタ認知力・思いやり】1年生 野外活動

この野外活動の「ねらい」の一つは、「五感をはたらかせること」でした。

そのために、「魚のつかみ捕り」「川遊び」をすることのできる「清川リバーランド」さんでの「野外活動」を、今年も行うことにしました。

とはいえ、一般的に「川遊び」には危険も伴いますので、事前に、「生活科」の授業で「安全学習」を行い、当日も保護者の方々にご同伴いただき、「安全」を見守っていただくサポートをしていただきました。また、保護者の方々には、バーベキューの準備と片付けのご協力もいただきました。

その結果として、1年生たちが「どう五感をはたらかせたのか」を、彼らが後日書いた「シンンキングツール」へのメモとそのメモを基に書いた「絵日記」から抽出し、ここにお載せします。

【絵日記の文章に複数の記載があった内容】

・「水が流れる音が気持ち良かった」こと

・「つかみ捕りのニジマスが『にゅるっ』としていて動きが素早くて捕まえづらかった」こと

・「川の水が冷たかった」こと

・「小さなカニや魚が見つかった」こと

・「葉っぱを川に流して遊んだ」こと

・「川の浅いところで友だちとすべり台みたいに水に流れて遊んだのが楽しかった」こと

・「川で水を掛け合って遊んだ」こと

・「つかみ捕りをしたニジマスをバーベキューで焼いたら、しょっぱくてやわらかくておいしかった」こと

「野外活動」を通して、以上のように、「五感をはたらかせること」ができました。

 

【思考力・メタ認知】5年生 遠足

6/27(金)に5年生の遠足が行われました。「今日はどんな魚が獲れるか楽しみだね。」

今回の目的地は、神奈川県中郡二宮町袖が浦海岸(湘南地引網市五郎丸)です。目の前に広がる相模湾を前に、市五郎丸代表の大谷さんから現地での注意点などについてレクチャーをしていただいてから活動をスタートしました。

「この網、結構長いね。」「200mくらい沖に延びているらしいよ。」

子どもたちは網を引き終わったらスタート地点まで素早く移動し、また力いっぱい網引きを開始します。どう動いたら効率的か、作業しながら考え、行動を修正しました。動きに修正を加えて、ローテーションなどが大分上手になってきました。しかし、この日は天気が良く、気温も高かったため、子どもたちの足には徐々に疲れがたまっていきました。

ようやくゴールが見え始め、子どもたちは最後まで集中を切らすことなく、仲間と協力して網を引き終わることができました。引き終わった後、子どもたちは地元の漁師の方たちにチームワークの良さや、作業の丁寧さ、素早い行動などを褒めてもらうことができました。そして、網の中から現れた魚たちの姿に子どもたちは大興奮でした。

この日は、シラスが大漁でした。「獲れたてのシラスはこんなに透き通っているんだね。」子どもたちの新発見です。「シラスは何の幼魚だっけ?帰ったら調べてみよう!」

獲れたての魚を一匹ずつ、名前、特徴などについて漁師の方が丁寧に説明をしてくださいました。「図鑑で見たことがある!」「こんな形をしていたんだね。」「えー、こんな魚も獲れるの?」子どもたちの興味が広がっています。

この日は、シラスの他にも、ハナダイ、キス、カマス、サバ、タカノハダイ、ホウボウ、ハコフグなどが獲れました。エイや小型のサメなども獲れることがあるそうです。

たくさん運動をした後のお昼ご飯は格別の味でした!

終了後、代表の大谷さんから最近の水産業について、現状や課題などについて詳しく話をしていただきました。後日、この日のことを振り返る時間を作りました。「地引き網の時に、その場で動かずに綱引きのようにすれば、もっとスムーズにいったかも。」とか「天気を事前にチェックしておけば水分が足りなくなることはなかったかも。」などと、一人一人が遠足を振り返っていました。今後の行動や生活にきっと役立つことでしょう。そして、子どもたちが今後、魚の生態や、日本の漁業について興味を強く持ち、調べ深めてくれることを期待しています。

子どもたちの作業の様子を見守ってくださった、市五郎丸のスタッフの方々、観光バスの運転士の方々、旅行会社の方、本当にありがとうございました。

今回の地引き網体験では体験を通して、「地引き網の漁師さんの大変さや、やりがいについて考えよう」という課題がありました。後日教室で子どもたちは以下のような生活記を書きました。

~地引き網の仕事をしている人たちは本当にすごいと思いました。なぜなら地引き網はとても重く、舟は小さくて大きな波に揺られていたからです。地引き網の人たち以外でも力や暑さに関係なくやらなければいけない仕事をやっている人たち(大工さんや農業の方など)はとても頑張っているのだなと感じました。~

~地引き網を引くと、とても重くて大変でした。「これを毎日やっている漁師さんはすごいな。」と思いました。~

~網は重く、諦めそうになっている人もいました。しかし、「頑張ろう。」、「あとちょっと。」と自分に言い聞かせている人がいっぱいいました。これが地引き網の良いところなのかもと思いました。「頑張る」ことが漁師さんの目標なのだと思います。「魚を食べてもらう人に笑顔になってほしい」という気持ちがあるから漁師さんは「頑張れる」のではないでしょうか。僕はこの地引き網で深く考えさせられました。~

~振り返って思ったのは、こんなに大変なことを毎日やっている漁師さんのことです。私たちは一日やっただけで疲れてグダーとなっていたのに、これより気温が高くてもやっている漁師さんがすごいなあと思いました。

~釣りと地引き網の違いは、1匹ずつ獲れるかいっぱい獲れるかだと思いました。地引き網は網の設置に時間や手間がかかるけれど、魚を逃がすことなくたくさん獲ることができます。漁師さんは地引き網の設置が大変だけれど、魚はたくさんとれるので、釣りに比べると地引き網の方がやりがいがあるのでは、と思いました。~