月別アーカイブ: 2024年12月

【思考力、チャレンジ力、創造力】3年生 桐蔭まつり

3年生は、初めての「催す側」に「わくわく」「どきどき」しながら取り組みました。

昨年の自分(たち)を思い出して、どんな「企画」や運営の仕方だったら、特に1・2年生が楽しんでくれるか、を考え、作り、実施しました。

3年1組「自然ワールド」

去年までは上級生の教室を見学して桐蔭まつりを楽しんでいた子どもたちですが,今年はいよいよ開催する側に立つこととなりました。まつり準備の初日,教室は期待と不安に包まれていました。クラスのテーマは「自然」。誰もが親しめる良いテーマです。そして,7班(1班4~5人)に分かれて内容を決めました。1組は,射的,ボーリング,スライムづくり,的あて,つり,輪投げといった低学年の児童が楽しめる内容になりました。やることが決まってからの子どもたちの行動力は実に素晴らしかったです。ある子たちは毎日のように家から材料を持って来てくれました。手持ちが無理な場合はお家の人に頼んで運んでもらってもいました。折り紙の景品を黙々とつくる子も何人もいました。知恵を絞って段ボールの壁作りに挑戦している子たちも。子どもたちのまつりに向かう一途な姿を見ることができました。もちろん時には意見の相違から言い合いや嫌な思いをした子もいたと思います。それも含めてみんなで何かを創ることの手順や醍醐味を知る機会となりました。

このおまつりで,子どもというものはやることが明確でそこに楽しみを見いだすことができれば,こちらが何も言わなくても,自分たちで準備し,工夫し,展開していけるということを実感しました。そのような子どもたちが自分たちの能力をますます発揮できるよう学習環境を整えて,子どもたちを見守り支えていきたいと思いました。

3-2『わくどきルーム』

進行役を立てない全員でのミーティングを重ね、「私はこういう企画・役割で役立ちたい。」と書いた結果、「虫捕り」「お化け屋敷」「射的」「間違い探し」「クイズ」「受付」「説明」に分かれて準備・実施をすることになりました。ですので、どの企画も、クラス全員の想い・アイディアが入っていて、それに応えようとしていました。「自分たちの企画が良ければいい。」という発想になっていなかったので、企画の場所のシェアで揉めることもなく、当日も、たくさん作った手作りの景品・お土産が足りなくなると、他の企画が快く融通してくれて助け合っている姿が素敵でした。

どの企画も、1・2年生に楽しんでもらうための工夫をしていました。例えば、「虫捕り」は、1・2年生の中には虫が好きな人も多いだろうけれど、生きている虫を扱うことはできないルールだということで、どうやって1・2年生に楽しんでもらおうかと考え、段ボールの中からマグネットで、段ボールの上のプラバンで作った虫を動かし、それを捕まえてもらって楽しんでもらおうという発想になりました。「射的」も、輪を通した糸の先に的を下げて滑車のようにし、糸を引くことで的を動かし、喜んでもらう発想に至りました。「お化け屋敷」も「間違い探し」も「クイズ」も、」1・2年生に合わせてレベル別に選べるように用意、実施しました。

子どもたちからは、見るとやるとでは大違い、「丁寧な接客をするとすごく疲れる。」という感想や、「思ったよりも手応えがあった。」という感想が寄せられました。

3年3組テーマ「きけん・こわい」

前文にもありますが、3年生は、初めての「催す側」として参加します。それに向かう子どもたちは「やったー!」、「がんばるぞ!」、「楽しみ!」など、とても前向きで素敵な姿が印象的でした。

3年3組では、今回の桐蔭まつりを桐蔭学園小学校が掲げる6つのキーコンピテンシーの育成を、また、4~6年生に進級していった際に、よりパワーアップしていくための取り組みを目指しました。

・新しいこと(催す側)に挑戦する力〈チャレンジ力〉

・グループごとに企画を考える力〈創造力〉

・自分たちの企画をお客さんの立場になって考える力〈思考力〉

・「自分のやりたい」と「友だちのやりたい」をつなげる力〈思いやり〉

・桐蔭まつりを振り返る力〈メタ認知力〉

・桐蔭まつりを通して自分たちの学習や生活に活かす力〈エージェンシー〉

3年3組のテーマは、全員で話し合い、「きけん・こわい」に決まり、各グループで進めること(グループでやる企画)と、クラス全員で進めること(教室の飾りつけ・看板作り)を決め、準備を進めていきました。

本番では、うまくいったこともあれば、うまくいかないこともありましたが、催す側の気持ちや、同時進行で物事を進めることの大変さを学びとして捉え、皆、一生懸命にがんばっていました。

準備から本番、振り返りと、最後まで前向きに活動していた子どもたちに拍手を送りたい気持ちになる桐蔭まつりでした。

(企画や振り返り文などの一部を掲載いたしました。ご覧いただければ幸いです。)

【3年3組の企画※一部抜粋】

【3年3組児童の振り返り文※一部抜粋】

 

【チャレンジ力 、 思いやり、 エージェンシー】4年生 桐蔭まつり

桐蔭学園小学校では、3年前から「桐蔭まつり」という子どもたちが主体となって作り上げる文化祭を行っています。

今年度からは学校でのコンセプトを元に、各学年でテーマが決まりました。

4年生は、「昨年度取り組んだものを生かしたステップアップ」です。

9月から各クラスで実行委員を決め、それを元に学年➡各クラスのテーマを決めました。

どのような企画にしていくのか自分たちで話し合うにはなかなか難しい場面もありましたが、実行委員が優先順位を考え、仲間を気遣う心を培いながら、なんとか企画を作り上げることができました。学年では「究極の二択」となり、それを元に、1組では「陸と海」、2組では「過去と未来」、3組では「天国と地獄」を表現することになりました。どのようにお客さんに喜んでいただけるのかを考えました。

また、実行委員以外にもクラスのために活動することが自然発生的に生まれ、クラスの企画を彩ってくれました。

【1組(陸と海)】

縁日形式で行うことに決まり、出店ごとに陸か海を表現しました。「スライム作り」,「アクセサリー作り」,「スーパーボールすくい」,「射的」が選ばれました。その中に、「陸」と「海」のアイデアがふんだんに盛り込まれました。

【2組(過去と未来)】

縁日形式で、教室を半分に分け、過去ブースと未来ブースで表現しました。

過去ブースでは、「お米つくり体験」、「昭和の射的」、「桐蔭ピック」でした。

未来ブースでは、「UFO的当て」、「魔法のスーパーボールすくい」、「工作くじ引き」でした。

【3組(天国と地獄)】

教室を半分に分け、天国チームは縁日形式で、「星空すくい」、「プラ板作り」、「スライム作り」、地獄

【3組(天国と地獄)】

教室を半分に分け、天国チームは縁日形式で、「星空すくい」、「プラ板作り」、「スライム作り」、地獄チームは体験型形式で「鬼退治」の企画をおこないました。

当日は、保護者や在校生を中心としたお客様に対して、心をこめておもてなしを行い、どのお客様も笑顔にすることができたと思います。

子どもたちは今回の経験を通して失敗もありましたが、終わった後には笑顔で「大成功」だと晴れ晴れとした顔をしていました。自分たちでいろいろな思いや考えのある友だちと企画を作り出し、実行にうつしていくことは、今後の生活の中で大きな経験となります。大切に心のノートにメモしてほしいなと思います。来年もまた、桐蔭まつりに今回の経験が生かされることと思います。

 

【エージェンシー、創造力】6年生 桐蔭まつり

〇方向性の決定

6年生は、11/30の桐蔭まつりに向けてプロジェクトチームを立ち上げ、「昨年度の桐蔭まつりを超える、今までになかった新たな挑戦」を意識して、数日話し合いました。自分たちが4年生のときにはじまった桐蔭まつり。これまでの経験を振り返りながら、来てくれる人が楽しめるもの、思い出に残るものをどうしたら提供できるか、たくさん話し合いました。そして6年生で決まったことは、《各クラスでの取り組みで、来た人がその世界観に入れるような桐蔭まつり》となりました。

 

〇当日に向けて

3クラス様々な世界観で迎えようとクラスでの準備が始まりました。3クラスの世界観は「忍者の修行」「脱出サバイバル」「ユーモアな世界」となりました。今までの経験を活かしながら、当日までにどんな準備が必要か、役割分担はどうするか、予算はどのように使用するか、子どもたち一人一人が最後の桐蔭まつりを主体的に取り組み、準備が進んでいきます。

〇まとめ

来てくれる人のために、安心安全で楽しんでもらえるものを考えてきました。学級会をひらいてアイディアを出し合い、やってみたけど失敗し、それを踏まえて次を考える。そうして子どもたちが試行錯誤して生み出されたものが、たくさんのお客さんに楽しんでもらえただろうと思います。それでも反省点はたくさんありましたが、この経験が子どもたちのこれからの糧のひとつになっていくのだと思います。次は、中学校での取り組みとなります。どんな文化祭となるか楽しみです♪

 

【思考力 チャレンジ力 メタ認知 】5年生  桐蔭まつり

今年の5年生の桐蔭まつりのテーマは「5年生だからこそできること」です。3年次より桐蔭まつりを 二 度経験している子どもたちにとって今回のテーマは初めての挑戦でした。

5 年生全員で1つのものを作り上げていくということが、子どもたちにとってもなかなかイメージがつかない中、何度も意見を出し合い話し合いながら、「新しいものとは何か」を模索しながらスタートしました。

まつりの話し合いを進めていくと、これまで自分たちがやってきたことが基盤として当然あるため、これまでに経験したことや、どこかで見てきた方へとイメージが寄ってしまいます。経験を基にすることは決して悪いことではありませんし、経験を活かしていくことはとても大事なことです。しかし、それでは4年生でやってきたことと何ら変わりはありません。その都度、今回のテーマである「5年生だからできること」これまでにない新しいものを生み出し、挑戦するという気持ちをくり返し確認していくことで、徐々に具体案が出てくるようになりました。

時間をかけての話し合いの結果、「時間的空間」を教室内で表現することに決定しました。その中で当初は「過去、現在、未来」という空間を作ってみてはどうかという案でしたが、それらをイメージ化させていくと「現在」という空間を表現することがどうしても難しく、学年全員で再考した結果、「縄文、江戸、昭和、未来」という4つの空間に挑むことになりました。

クジや射的など屋台などのようなイメージしやすいものではなく、時代に合わせた空間を作っていくというこれまでにない取り組み。いきなり難しい課題に向き合った子どもたちは必死に考え考えアイディアを絞り出しだします。この瞬間こそが子どもたちの思考がより活発になる瞬間です。

「縄文、江戸、昭和、未来」どの時代も経験したことがありません。

想像だけでは作られるものではないため、それをリアルに表現していくためには、その時代の雰囲気や生活をよく調べ、よく知ることがまず必要になってきます。調べたことをもとに話し合いを進めていくわけですが、これには子どもたちもかなり苦戦している様子でした。お客さんがきて、そこでどんなことをやってもらうのかというのがこれまで子どもたちが経験してきた進め方です。そうではなく、空間を先に作るということですので苦戦するのも当然です。でも、そこは柔軟かつ発想力豊かな子どもたちです。互いにアイディアを出し自分たちでイメージをどんどん膨らませていきました。

 

「縄文」は、縄文時代に使っていた家を作ってみたい。設計図を子どもたちが考えそれに必要な材料や自分たちができるところとそうでないところを考えていきます。自分たちが先日刈った稲を使えば雰囲気を出せるかな?でもどうやって藁を積んでいけばいいのか。

考えたことを実現させていくためにどうすればよいかを子どもたちは考えます。

 

「江戸」では、籠や茶屋、お城を作りたい。ダンボールで作れるのかな。かごは人が乗れるものにしてみたい。設計図が必要だし、ダンボール以外の材料も必要になってくるかも。

 

「昭和」は、代議員のお母さんたちやお父さんお母さんにアドバイスをもらうのはどうか。バブルってなに?華やかなイメージ?暗いイメージ?

 

「未来」では、家族の方もここにいる人みんなが経験していない時代。どんな建物があっ

て、どんな地球になっているのか。地球ではなく他の星で生活しているのかも。

 

自分たちのイメージが広がっていく中、それを形にしていくことの難しさの壁に何度もぶち当たりました。そんな時も子どもたちは投げ出すことなくねばり強く取り組んでいました。自分たちだけでは難しい作業においては、お手伝いをしてくれている保護者の方々や先生たちからの手助けも借りながら、桐蔭まつり前日の時間ギリギリまでこだわりを持って進めることができました。

当日は、たくさんのお客さんに来ていただき、自分たちが作った空間を存分に楽しんでいただけました。今回の桐蔭まつりの子どもたちの取り組みをみて、改めて子どもたちの力の無限の可能性を感じることができました。また、そんな子どもたちの発想力や創造力をさらに駆り立てることが出来たのは、陰で支える保護者の皆様のご支援とご協力があってのことだと感じています。

今回の桐蔭まつりは、子どもたちもも保護者の皆様も全員が一体となって臨むことができたからこそ、主役である子どもたちが輝けるものとなったのだと実感しています。

子どもたちは見事にテーマ「5年生だからこそできること」を達成させました。

今回の桐蔭まつりで得た力と、5 生年全員、そして保護者も巻き込んだ団結力を 6 年生でさらに発揮できることを期待しています。

 

【チャレンジ力・思いやり・エージェンシー】野外活動 ㏌ こどもの国

11月15日(金)に、2年生は横浜市青葉区にある「こどもの国」へ行きました。

今回の野外活動では、子どもたちが自分たちで行事を作り上げることをねらいとし、「野外活動をどんな思い出にしたいか」ということを考えることから始めました。話し合いの結果、「友だちと仲良くグループ行動をして、楽しい思い出にしたい。」「友だちとのグループ活動を通して、学べる野外活動にしたい。」という目標ができました。

1学期の遠足では学年が始まって間もなかったということから、普段から一緒に活動をしている生活班で活動しましたが、今回は、班を作るところから自分たちで行いました。子どもにとって、班を自分たちで作るのは思っている以上に難しいことです。なので、目標を達成するためには班でどんな様子で話し合いができたらよいのか、そして、そのためにはどんなことを大切にしながら班決めをしたらよいのか、逆算して考えていけるようにしました。どんな班にしたいかを子どもたちと確かめたところ、「みんなが意見を言えて、しっかり話し合いができる班」「思いやりを持って、安全に行動できる班」などが出てきました。それが実現できそうな班を自分たちで考えて組んでいきました。なかなか声のかけられない子には「こっちにおいで」という呼びかけをする子もいて、子どもたちは試行錯誤しながらもお互いの気持ちを大切にしながら班を作れていたと思います。

班ができたら、班活動をどのように進めていくか考えました。話し合いをする中で大切にしたいことを子どもたちと確かめる中で、「一人ひとりの希望が叶うように」「無理のない計画を立てる」「一人ひとりが責任を持って話し合いに参加する」ことを大切にしようとなりました。限られた時間で、班のみんなが、こどもの国の中を楽しく効率よく回るためにはどうすればよいか。お小遣いの一人当たり500円をどのように使うか。自分だけの意見を押し通すのではなく、あるいは、自分だけ我慢してしまうのではなく、班のみんなの意見を取り入れてみんなが満足できるようにするにはどうすればよいか。何度も話し合いを重ねました

当日は天気の影響で、活動時間が短くなったり、集合場所や昼食場所が変更になったり、予定とは違う部分もあったものの、しっかり話し合いをしたおかげで、時間を見ながら班で協力して活動をすることができました。思ったよりも時間がかかってしまったり、逆に思ったよりも時間が余ったりして、行きたい場所や遊びたいことが計画通りにできた班ばかりではありませんでした。しかし、計画を立てるときに、地図とにらめっこして、どんなところにどんなものがあるか、移動時間は何分くらいかかるか、と考えていた子どもたちは、計画を少し変えて、臨機応変に活動することができました。また、当日になってできると思っていたことができなかったときも、班で話し合って、別の活動に切り替えた班もありました。

こども動物園、自転車乗り場、こども遊牧場など、園内の様々な場所で自由に活動を行い、子どもたちの充実した表情が各所で見られました。また、当日にいくつか変更があり、予定通りにはいかないことが多い中、事前にグループで考えた目標を意識しながら、行動することができていた班が多かったように感じました。

子どもたち自身で計画を立て、行き先ややることを決めるのは春に続いて2回目の試みでしたが、1回目のズーラシアよりもパワーアップし、成長できたことを子どもたち自身も感じられた野外活動だったと思います。はじめに立てた目標の通り、みんなが楽しく幸せな1日になったのではないかと思います。また、目標達成のためにどうしたらよいか、ということへの気づきのある、学びの多い野外活動となりました。