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桐蔭学園小学校 オンライン授業 ステップ4!

9月1日のオンラインによる全校始業式を合図に,桐蔭学園小学校 オンライン授業ステップ4が始動しました。2020年の一斉休校ではオンライン授業の環境もスキルも乏しい中,「子どもたちに何が必要か?」を合言葉にステップ1を展開しました。そこから1年,私たちが進めてきた教育改革に沿って対面授業もオンライン授業も,一方向性から双方向性へ,そして個別最適な指導と学びに向けて,ますます充実させていきます。

ステップ4では前の記事「桐蔭学園小学校のフルオンライン授業始動!」にあるように,以下のことが特徴です。
1.一人一台のタブレット端末による双方向性を高めたリアルオンライン授業
2.読書の時間から始まるHR,休み時間の交流,昼休みの昼食など,クラス運営もオンライン
3.全校オンラインプログラム「きりりん講座」の展開
4.学校預かりシステムの導入
以下,1つずつ実践報告します。

1.一人一台のタブレット端末による双方向性を高めたリアルオンライン授業
毎日の授業は8時30分の読書の時間から始まります。クラスごとに設定してあるZoomに子どもたちがどんどん参加し,元気な声が響きます。そこからリアルオンラインでの授業が始まります。4年生のある日の時間割は以下の通りです。

   

   

2.読書の時間から始まるHR,休み時間の交流,昼休みの昼食など,クラス運営もオンライン
教員と子どもの双方向だけでなく,子どもたち同士の双方向性も高めていきます。そのため,クラスZoomを立ち上げ,教員が管理する中ではありますが,休み時間や昼休みに自由に子どもたちが会話を楽しんでいます。

3.全校オンラインプログラム「きりりん講座」の展開
桐蔭学園は地域貢献をミッションとするトランジションセンターを有しています。このオンライン授業期間は,総合学園の利を活かして,トランジションセンターと小学校の共同で全校「きりりん講座」を運営します。「きりりん講座」は,オンデマンドとリアルオンラインで構成され,1日4講座ずつ配信されます。学年や学習指導要領の学びを超えたオンラインだからこそのプログラムを充実させています。

      

4.学校預かりシステムの導入
いろいろなご家庭の事情に合わせて,感染症対策を徹底しながら学校預かりを行っています。

   

〈ステップ4で実現したいこと〉
対面,オンラインに関わらず,学校の教育目標である6つのキーコンピテンシーの育成を目指します。そのためにはより子ども同士,子どもと教員の双方向性を高めることが必要です。またコンテンツ(内容)は,学年ごとの授業進度を守りつつも,時間と空間を超えていくオンラインの特徴を活かした教材の提供を目指していきます。教員も子どもたち同様,6つのキーコンピテンシー(チャレンジ力,思考力,想像力等)を活かした学びの環境づくりに取り組みます。

トランジションセンターに関してはこちら→https://www.toin-tc.com/
オンライン授業の取り組みの速報はfacebookで連日配信中→https://www.facebook.com/toin.kind.ele

 

桐蔭学園小学校のフルオンライン授業始動!

『一人一台のタブレット端末で、Zoomとロイロノートで行う双方向授業』+『学校預かりシステムによる居場所確保』

8月24日より始まったパラリンピックの開会式のテーマは「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」でした。空を飛ぶことを恐れる片翼の少女が、多くの仲間たち、周りの支えもあり、勇気をもって飛び立つというストーリーに、私は胸が打たれました。
桐蔭学園の校名にある「桐」には瑞鳥・鳳凰が宿るとされています。その鳳凰が千里万里を天翔る前に、その力を養うのが桐樹の蔭なのです。そのように、「これから羽ばたく子どもたちが力を育む場所になる」という願いが込められたのが「桐蔭」の由来です。
この学校に通うすべての子どもたちが、一人一人どのような飛び方でもいい。全員が、自分の飛ぶ力に自信を持ち、仲間たちから刺激を受け、自由に、夢に向かって飛んでいってほしい。そんな想いと重なり、パラリンピック開会式は記憶に残る思い出となりました。

子どもたちがこれから羽ばたこうと練習をする空は、「晴天のとき」もあれば、「嵐のとき」もあります。新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年春からは、まさに嵐の日々でした。今まで当たり前にできたことが、できなくなり、子どもたちの飛ぶ練習、つまり「学び」が止まる危機でもありました。
その中でも桐蔭学園小学校が挑み続けてきました。

★ステップ1→TOINスタートアッププログラム(2020年4月13日~)
・「できない」ではなく、「やる」が合言葉・1本以上の動画配信(YouTubeを用いて)➡学校紹介や楽しい話題で動機づけ
・郵送での課題のやり取り➡一方向性のコミュニケーション

★ステップ2→TOIN GW プログラム(2020年4月27日~)
・複数の動画配信(YouTubeを用いて)
・ライブ配信(Zoomを使用)への挑戦
・ロイロノートを使い、双方向性の試行

★ステップ3→TOIN オンラインプログラム(2020年5月11日~6月30日)
・ALを止めない!
・Zoomによる朝のHRを行い、通常授業に挑戦。
・全教科動画配信開始(YouTubeを用いて)。 動画総数➡1500本以上
・ロイロノートにより、「課題提出+フィードバック」が可能になる。

※2020年7月より分散登校が始まり、9月より通常登校再開。
9月より全授業で一人一台のタブレット端末を活用した教育を実施。

このように、新型コロナウイルス感染症拡大の状況の中、教員たちが協力し、新しい方法を日々試行錯誤し、保護者の皆さまの支えもあり、進化することができました。ステップ1から3までを実践してきた桐蔭小にとって、フルオンライン授業への切り替えは、いたって自然に選べる選択肢となってきていました。
今回は、ステップ4として始動します。
子どもたちが飛ぶ空が「嵐」であったとき、「不安だ けど 十分に気を付けて飛ぶ。」「木の蔭でもできることがある。」ということを、自信をもって選択できる 環境 があること。これが子どもたちの学びを守ることになります。
現在、9月1日から始まるオンライン授業(ステップ4)にむけて、以下の準備を全力準備中です。

①オンラインならではの体験を!
→毎日午前中3教科ずつ、Zoomによる双方向授業の時間割を作成し、学びを確保。
ロイロノートを用いて、教材の配付、回収をリアルタイムで実施。
→午後は、午前中に学んだ活用・探究の時間に当てるほか、学年全体に学習指導要領を超えたいろいろなオンライン授業ならではの学びへの挑戦。
②オンライン期間における児童の居場所確保
→ご家庭によっては、共働きや医療従事者といったオンライン授業に満足に対応できないと不安をお持ちの場合もあるので、校舎を開き、感染症対策を行い、子どもたちを預かるプログラムで支援。

今後、各学年、どういう取り組みをしたのかを、こちらでどんどん報告させていただきます!
「コロナだから何もできない…」ではなく、「こんな状況だからこんなことができた!」と子どもたちの記憶に残る時間を目指して、教員一同励みます!

●以下、2学期開始のオンライン学習(ステップ4)のフレームワークです。

【2学期オンライン学習のフレームワーク(ステップ4)】
※9/1(水)始業式➡9/2(木)zoomHR➡9/3(金)オンライン授業開始

『オンライン学習のフレームワーク』
・オンライン学習でも,「個-協働-個」の流れをなるべく踏襲。
・必ず個人の理解度を測るために,児童の成果物をロイロで提出するデザインにします。
・提出された課題は,必ず個別または全体にフィードバックします。

以下の組み合わせの中で授業方法を選んでください。基礎的な方法は以下のとおりです。ただし、こればかりではありません。
①Zoomで授業配信+課題+提出+フィードバック(協働がないパターン)
②Zoomで授業を配信+課題+ブレイクアウトルームで協働+課題再考+提出+フィードバック
※基本,双方向性が担保できる学習デザインをご検討ください。

・学習の流れは,『話を聞く(自分で考える)⇒自分でやってみる⇒友達とシェアする⇒もう一度自分でやってみる⇒ロイロで提出⇒先生からフィードバック』を基本とします。

・教材や授業内での確認は、ロイロノートを使用。

〈期間〉9/3(金)~9/14(火)の12日間(このうち、授業日は8日間)

〈授業時程〉
・HRに出欠確認を行う(ロイロノート使用)。8:00~8:15までの全員入室確認の朝読書。
・1校時は、8:45に開始,1~4年20分間,5・6年30分間。各学年3校時行います。
・休み時間は、1~4年15分間,5・6年20分間。
・フリータイムは、「子どもたち同士でコミュニケーションをとれる時間」に使用。
・午後には、学年を問わず参加できる「講座」を2コマ行います。

〈その他〉
・フリーな時間も作り、子どもたち同士 のコミュニケーションも大切にしましょう。(少人数ブレイクセッションなど)
・午前中はライブで授業。午後はそれぞれの教科から出た課題・調べ学習などに取り組み、次の日の学習サイクルを作りましょう。

 

4年国語「アップとルーズで伝える!」~自分で理解を深めるって、楽しい!~

「思考力」「チャレンジ力」「メタ認知力」

4年の国語で説明文『アップとルーズで伝える』の学習をしました。
前回学習したことを踏まえて、今回は自分で文章の内容をイメージマップに整理していくことに挑戦しました(「チャレンジ力」)。段落ごとの要点を自分で見つけて書き出し、それに関する情報を文章中から探して整理していきます。

   

最初は「むずかしい…」と戸惑っていた子どもたちも、前の教材のノートや板書を参考にしたり、くり返し文章を読んだりしながら試行錯誤をくり返して図にまとめていきました。途中で先生からのヒントカード(問題)がロイロノートに届くと、それを活用しながらさらにイメージマップを書き進めていました(「思考力」)。

完成したイメージマップを見て、段落同士の関連を発見したり、文章の構造に気づいたりする子も現れ、自分の力で読み取りを深めることができたことに手ごたえを感じているようでした。
この日のふり返りカードには、「すごく難しかったけど、自分でやるのって楽しい!」「家でもやってみよう!」「自分がこれだけ集中できることが分かった」「次こそ頑張る」といった前向きな言葉が並んでいました。

   

次は、完成したイメージマップを使いながら、班で話し合って先生から出されたミッションをクリアしていきます。お互いのイメージマップを見せ合いながら議論を交わします。友だちのイメージマップに有力な情報を発見すると、「これいいね!写していい?」と自分のイメージマップに書き写している子もみられました。意見が分かれたときには、イメージマップを見せ合いながら根拠を熱弁する姿も見られました(「メタ認知力」)。
果たして、先生からのミッションをクリアしながら自分たちの力でこの文章の読みを深め、筆者の言いたいことを理解して要約することはできるのか!?4年生の挑戦は続きます。

 

5年 総合(探究)「農業」

「思考力」「思いやり」「エージェンシー」

5年1学期の探究では、農業を題材として、「なぜ(稲作)農家の人は(稲作)農家をやっているのか?」をテーマに活動を行いました。
探究活動は、「課題の設定」→「情報の収集」→「整理・分析」→「まとめ・表現」→「振り返り」を繰り返しながら進んでいきます。今回の単元では、特に「情報の収集」に重きをおいて取り組みました。

はじめに、「農家の仕事」について自分たちの知っていることを挙げてみました。すると、子どもたちはそのことについて思った以上に知らないことが多いのに気づきました。「知らないこと」について調べ、そこから「知らないこと」が見つかり、また調べ・・・、という活動を繰り返していく中で、農家の仕事の大変さに気づき、驚きの声をあげていました。

   

次は、自分たちが「大変そう、困りそう」だと想像したことの中から、その解決方法について1番気になることを選び、調べました。タブレット型PCを導入して半年以上経っているため、子どもたちも手慣れた様子で調べを進めました。しかし、インターネットによる情報収集では、なかなか自分たちの知りたいことの核心にはたどりつけませんでした。そこで、実際に「農」に関係のある方へ、直接インタビューして聞いてみることになりました。

農家の方や農業に関するNPO法人の方へ質問するにあたり、子どもたちは事前に「自分の課題」に関連した質問を1つずつ用意しました。当日は、一般の方へのインタビューということで、緊張している様子もありましたが、全員が自分の言葉で質問をすることができました。

   

   

実際にインタビューすることを経験したことで、子どもたちは「本やインターネットで調べ学習をすること」と、「人から直接話を聞くこと」の大きな違いに気づくことができたようでした。タブレット型PCやスマートフォンといった手軽に情報を得られるツールが身近にある生活だからこそ、それ以外の情報収集の手段にも目を向け、状況に応じて使い分けられるようになってほしいと思っています。

「農」に携わる方々へのインタビューを終えた子どもたちは、次に、自分たちで田植え(6月実施)を行うことで実体験という情報収集を行いました。

   

   

当日は天気にも恵まれ、存分に田植えを体験することができました。今まで調べていたことを実際に自分たちでやってみることができ、とても嬉しそうでした。また、ただ楽しむだけでなく、「苗を傷つけないように持ち方を工夫する必要があるんだ!」、「同じところにたくさん植えすぎると栄養が行き届かなくなるんだね」、「(泥の中が)場所によって温度が違う!」など、田植えをしながらいろいろなことに気づき、学びを深めている様子もみられました。

   

情報の収集が終わった後は、それらを「整理・分析」し、最後に「まとめ・表現」を行います。今回は、タブレット型PCを使い、調べたものをプレゼンテーション形式にまとめて発表しました。得た情報の量が多く、子どもたちはそれらをまとめることやプレゼンテーションに落とし込むことに苦戦していました。今後の探究活動では、自分が探究した課題をどのように整理し、他の人へ表現するかということに焦点を当てて取り組んでいこうと思っています。

☆インタビューにご協力いただいた方々☆
・坂田農園様
https://ja-jp.facebook.com/pages/category/Agricultural-Cooperative/%E5%9D%82%E7%94%B0%E8%BE%B2%E5%9C%92-588659954567618

・川戸農園様
https://kawato-nouen.com/

・青葉みらい農くらぶ様
https://aobamirainou.club/

・桐蔭学園営繕部職員の方

突然のお願いにも関わらずご協力いただきまして、本当にありがとうございました!!

 

七夕子ども会「1年生・2年生交流会!」

「チャレンジ力」「エージェンシー」

七夕子ども会で1年生と交流企画を行いました。2年生が中心となり、ゲームを考えて実施しました。6月に行ったスポーツフェスタでの交流企画に続き、学年を超えて一緒に遊びました。
2年生の運営を希望するメンバーが休み時間に話し合いを続けてきました。話し合いでは自然にiPadを使って説明する様子も見られました。

   

2年生が用意したゲームは2つです。
①○×鬼ごっこ
○×クイズと鬼ごっこを組み合わせました。○×クイズで正解すると鬼になって追いかけます。不正解だと追いかけられるので、どちらになるかハラハラドキドキです。1年生にもわかりやすいように説明をがんばり、最初に2年生がお手本を見せてあげました。

   

   

②「わたし」をさがして
手作りのカードをイス取りゲームの様に音楽が止まったと同時に拾います。拾ったカードには、「わたし」のヒントが書いてあります。名前とヒントを元に1年生を探しに行きます。見つけた1年生とは手をつないでゴールします。ゴールした後には、笑顔で記念撮影をしました。

   

   

お互いにお礼の気持ちを伝えて終了しました。
お互いを知り、楽しい時間を共有し、大満足の1日でした。

七夕の願いもかないますように!

 

ラーニングスペース、拡大中!その2

昨年度の3月に、「ラーニングスペース拡大中!その1」の教育実践記事を公開しました。それから約3か月、ラーニングスペースは、ずっと拡大し続けてきました。機能や役割的な拡大ももちろんですが、今回の3か月の間には物理的な拡大もありました。大きく変わってきたところ、ご紹介します!

まず、ラーニングスペースの面積が大幅に拡張されました。以前は廊下(マルチパーパス)部分のみがラーニングスペースだったのですが、その前にあった通常教室3教室もラーニングスペースとして活用できるようになりました。もともと各学年教室の移動計画があり、ちょうどいいタイミングでラーニングスペースもそこと絡めて計画し、この大幅な拡張へつながりました。空間として3教室使えることになり、どのように使うかを検討し、今回は2教室分の壁面を取り外し、以前からのラーニングスペース空間と一体で使えるようにしました。

写真手前の部屋と奥の2部屋の壁が抜かれ、高い天井と相まって非常に開放的な空間になりました。真ん中の部屋はいろいろ検討した結果、壁面を残し、音を遮りたいときに使用する部屋として壁を残しました。
英語で音楽を流すときや、ZOOMで子どもたちが学校外の人たちとの交流をするとき、または教員の会議時など、様々な用途に利用されています。
   

空間が広がったことで、本当に様々な用途で利用されるようになりました。本を読む、学習する、話し合いに使うなど、こちらがイメージしていたものも多くありましたが、中には異学年の待ち合わせ場所に使う、給食を食べすぎてのんびりしている、その日のスピーチの自主練に来る、裁縫や工作に使う、など、想像もしていなかった使い方がたくさん出てきました。
そして何よりいいな、と思っているのはそうしてくる子たちがみんな楽しそうであり、リラックスしている様子です。大人もそうですが、一日中、頑張り続けることはとても大変なことです。途中の息抜きはとても大切です。ほんの数分でも、クッションに座りのんびりぼーっとすることで、その先の頑張りの源になっているのだと思います。
中には、毎朝学校に来て決まったクッションに座って数分過ごして帰る子もいます。本を読むときもあればただただボーっとしているときも、話しかけられて友だちとしゃべっていることもあるのですが、きっと1時間ほどの通学時間が終わり、これから授業に入るための気持ちを落ち着けるルーティンになっているのだな、と思います。
リラックスした空気からは活発な意見交換なども生まれやすくなります。そのため、休み時間など、数人の話し合いがラーニングスペースのあちこちで見られます。中には勉強会をしている子たちもいます。
   

教員の打ち合わせも、下の写真のような様子で行われることもあります。

ラーニングスペース、前回も書かせていただきましたが、まだまだ進化し続けます。子どもたちの意見、先生たちの意見ももちろんですが、今年度より「日本学校図書館学会」の研究推進指定校にも選ばれました。そのため、外部の学校図書館の専門家の方々のご意見やアドバイスもいただきながら、よりよいラーニングスペースへと進み続けます。
次回、また「ラーニングスペース拡大中!その3」でよいご報告ができるように勧めていきますので、どうぞご期待ください!

 

3年 科学 「チョウをそだてよう」

「チャレンジ力」「思いやり」

 3年では「チョウをそだてよう」の単元でモンシロチョウの幼虫を校内のキャベツ畑にとりに行きました。グループごとにチョウの「幼虫→成虫」まで育て観察しました。3年生の子どもたちは生き物好きが多く、裏庭のビオトープへ行って虫や生き物をさがしています。中には、もちろん苦手な子もいます。しかし、観察したり、毎日キャベツをあげたり、フンをそうじしたりすることで、少しずつ愛着がわいてきている子も増えてきました。
      

 科学の授業ではできるだけ本物をみること、自ら体験することを大事にしています。実物を見ることで、新しい発見や疑問も生まれます。「幼虫がこんなにたくさんキャベツを食べると思わなかった」「食べる葉の色でフンの色が違う」「さなぎになるときに糸を出していた」など、教師が教えるのではなく、子どもたちが自ら経験し発見することで知識を得ていくのです。
   

 同時に小さな生き物の命に向き合うことも大切なことです。毎日お世話をしていると、幼虫のちょっとした変化にも敏感になります。「餌を食べない」「色が変」「動きがおかしい」など、ちょっとでも変わったことがあると子どもたちはびっくりしてとんできます。
お世話をしていく中で、アオムシコマユバチに寄生されてしまったり、うまく羽化できなかったりした幼虫を悲しそうに見つめる子や、「頑張れ!あともう少し」と蛹から出てくるモンシロチョウを緊張した面持ちで見守る子、大空に向かって元気に飛んでいくチョウに「元気でね!」と手を振る子など、小さな命と関わったことで、子どもたちの頭の片隅に少しでも生命の大切さや尊さが残ってくれればと思っています。
   

   

 

《子どもたちの日記》
〇今日、ぼくのモンシロチョウのサナギから成虫(チョウ)が出るところを見ました。出るときにおしりからオレンジのえきたいが2,3てきたれていたので、何かと思ったらそれが科学のじゅぎょうではんめいしました。
〇友だちのサナギも羽化していました。いがいでした。とてもきょうみぶかいです。
自分のチョウが羽化するのを待っています。
〇今日は科学がありました。
今日はモンシロチョウのはなしとスケッチをしました。モンシロチョウのサナギについてやいろいろなことを話してくれました。もともと私は虫がきらいですが、だんだん好きになりました。

 

家庭科室開放!「やってみたい」を大切に

「チャレンジ力」「創造力」

6月から、毎週火・木・金曜日の中休みに家庭科室を開放しています。
道具と材料を用意して、家庭科室に来た子どもたちが「好きなように好きなものを作る」という活動をしています。
主に3年生から5年生の子どもたちが来ています。女の子だけではなく、男の子も来室しています。
6年生も興味はあるようですが、現在は清掃活動や委員会活動と重なってしまい、なかなか来られないというのが現状です。しかし、時間の合間を縫ってきている子たちもみられます。

5年生は、授業では、まだ裁縫について学んでいないので、「初めて針を使う」という子どもたちがほとんどです。「できるところから始める」ということで、予め糸を通した針を用意し、「玉止め・玉結び」からやり方を教えながら教員と一緒に行っています。縫うことで何かができ上がる、ということを楽しんでいます。

「なみ縫い」や「かがり縫い」をやることを楽しんで、フェルトを使ってマスコットやミニクッションを作ったり、小さなポケットを作ったりしています。
      

   

フェルトの作品を1つ作った子は、更に薄手の布を使って枕を作ると言って、あっという間に縫い上げていました。縫い目はまだ上手くいかないようですが、「まずは楽しむこと」を主眼に置き、本人が細かく縫えばもっとでき栄えが良くなるということに段々と気づけばよいと思っています。そのころには縫う技術もきっと上がっているはずです。
   

今、楽しく裁縫活動を楽しんでいる3年生や4年生の子どもたちにとっては、1年後、2年後に家庭科を「学ぶという入り口」になり、現在、家庭科を学んでいる5年生や6年生の子どもたちにとっては、「学んだことを更に発展させる場」になると考えています。1回にできる活動は15~20分くらいですが、この時間を大切にしながら、家庭科を楽しむという気持ちを育んでいきたいと思います。

 

体育行事「スポーツフェスタ」

~「チャレンジ力」「思いやり」「エージェンシー」を育てるために~

6月9日(水)に「スポーツフェスタ」を行いました。この行事は、学年の枠を越えて、多くの仲間たちとスポーツを楽しむ1日です。勝ち負けにこだわらず、純粋にスポーツに挑戦し楽しむこと。普段あまり関わりのない友だちともスポーツをとおして関わること。仲間と協力したり、仲間を励ましたり、応援し合ったりすること。スポーツをとおして笑顔になれること。そんなスポーツの楽しさを存分に味わう行事です。
自分の「チャレンジ力」を高め、関わっている仲間を「思いやり」、そして、学年を越えた集団で活動することで「エージェンシー」を育んでいます。

今年度は、「2学年交流」を実施し、隣り合う学年の仲間と一緒にスポーツを楽しみました。当日は天気に恵まれ、気温が30℃を越える真夏日でしたが、どの学年も一生懸命にスポーツを楽しみ、充実した汗を流していました。

(1年生と2年生の交流)
      

(3年生と4年生の交流)
      

(5年生と6年生の交流)
      

自然と笑顔も溢れ、よい雰囲気で活動を終えることができ、思い出に残る1日になったように思います。この「スポーツフェスタ」での仲間とのつながりを今後の学校生活に活かし、さらに楽しい学校生活につないでいってほしいと思います。

 

「造形遊びの日」

 桐蔭学園小学校では「造形遊びの日」という行事を実施しています。
 「造形遊び」とは表現活動の一つで、作品の完成を目的とせず、「子どもたちが、遊ぶように」造形活動を行う中で、素材の扱い方や表現の工夫などを自ら発見し、表現を深めていくことを目的とした活動になります。
 本校図工科では「五感を育てる」ことをテーマにこの活動に取り組んでいます。
 昨年度からは、それに加え6つのキーコンピテンシーのひとつである「創造力」を育む場のひとつとして活動内容もさらに検討を重ねています。
 ICTを多様に活用するようになった教育現場の中で、手を動かし、素材と格闘し、仲間と相談しながら一つの活動に取り組むことは、私たち人間に備わった「創造力」を育てる格好の機会でもあります。
 今年度は天候に恵まれず、多くの学年が室内活動となりましたが、それでも子どもたちは思う存分活動をし創造力を発揮していました。
 将来、どのような職業につき、どのような活動をするにしても、何かを「表現をする」場面は必ず訪れます。自らが作り手とならずとも、「ものづくりの楽しさ」を理解しているかどうかは、社会を生きる上で大切な要素だと私たちは考えます。その心構えを少しずつ学校生活の中で育めればと思います。
 ひたすら新聞紙と格闘すること、真っ暗な教室でライトを灯してみた時に見えた美しさ、自分の作品が陽光の下で風に舞う美しさ、そういった心の動く体験を幼少期にたくさんしていることは心の奥底で表現力の基盤をり、成長してからも大きく役立つと考えています。

当日の活動の様子を一部ご紹介します。ご覧ください。

【1年】色水あそび
 ペットボトルに赤・青・黄の三原色の絵の具をといてオリジナルの色水を制作しました。
また、もう一本は色ペンで絵を描きました。その後、2本のペットボトルを建物に見立て、街をつくっていきました。(後日晴れた日にグラウンドで並べてカラフルな影を楽しむ予定です)

      
 

【2年】新聞紙遊び・地球と教室に描いてみよう
①ラーニンスペースに設置されたスズランテープを起点に、新聞紙をちぎってつなげていきました。普段見慣れた場所が大きく変わっていく面白さに、子どもたちの制作スピードも加速していきました。
②校舎裏の駐車場や教室で大きな絵を描きました。巨大なキャンパスなので手先ではなく体をつかって絵を描くことができました。

      
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【3年】つなげてみよう
本来は屋上で行う予定でしたが、悪天候のため室内で実施しました。不織布をつなげて教室をカラフルに彩りました。

      
 

【4年】新聞紙あそび
「異世界へ」をテーマに、毎日使用している教室を変身させていきました。

      
 

【5年】光のキレイをさがそう
ハーモニーホールの照明を落とし、その中で活動を行いました。
光と素材を組み合わせることでうまれる様々な光を生かして造形物を制作しました。

      
 

【6年】風の通り道
見えない風を可視化する活動です。校舎内の様々な「風が通る場所」を探し、そこに造形物を設置することで風の動きを表現しました。