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1 2025年11月28日 【チャレンジ力】【エージェンシー】【思いやり】5年生 宿泊行事 那須高原
2 2025年11月21日 【思考力・チャレンジ力】5年生 稲刈り
3 2025年10月24日 【チャレンジ力・思いやり】3年 宿泊
4 2025年10月20日 【創造力・エージェンシー・チャレンジ力】6年生 総合探究
5 2025年10月10日 【思いやり・チャレンジ力】4年生鎌倉宿泊学習
 
 

【チャレンジ力】【エージェンシー】【思いやり】5年生 宿泊行事 那須高原

5年生は10月1日から3日にかけて、那須高原で2泊3日の宿泊行事を実施しました。この行事は、那須高原の自然を体験するとともに、農業や酪農といった実践的な活動を通じて多様なキャリアの在り方に触れることを目的としています。また、この宿泊体験を通じて、学校で行われる田植え・稲刈りの学びと関連付け、食や仕事に対する理解を深めることを目指しました。

今回の宿泊行事を通じて、子どもたちはチャレンジ力、エージェンシー、そして地域の方々や友だちへの思いやりを育むことをテーマに取り組みました。

1日目:登山チャレンジ

初日は雨天となりましたが、子どもたちは状況に応じた行動を考えながら計画を調整しました。ロープウェイに乗車し、短時間ではありますが登山を体験しました。「雨でも安全にできる楽しみ方は何だろう?」という声が子どもたちの間から上がり、主体的に次の行動を考える姿も見られました。突然の天候変化にも柔軟に対応し、限られた環境下で最大限楽しむ工夫を見せた姿が印象的でした。

2日目:農業と酪農体験を通じた仕事の学び

地元の農家さんや酪農家さんの協力で、農業と酪農の体験を行いました。農業体験では、ブロッコリーの苗を植えたり、玉ねぎの種を蒔いたりする作業に取り組みました。この活動では、「学校で経験したお米と今回の野菜作り、同じ食べ物だけど別の手間があるんだ!」と驚く声があり、食べ物が作られるという過程について幅広い学びを得ることができました。

酪農体験では、牧草を集めたり、動物にエサをあげたりする作業を通して、動物たちと命のつながりを感じる時間となりました。特に牧草集めでは班で役割分担をして協力し合い、無事に作業を終えることができました。この活動で養われたチャレンジ力と、農家さんや酪農家さんへの敬意は、今後のキャリア観にも大きな影響を与えていくものと思われます。

宿泊体験を通じた多様な交流

宿泊は那須高原の6つのペンションに分かれ、それぞれのオーナーの方と交流しながら、パン作りや木工体験、星空観察などの特別な体験を楽しみました。この活動では、自分で何かを作る達成感を得るとともに、地域の方々と対話することでその仕事に対する情熱や誇りを感じる場にもなりました。また、同じペンションに宿泊する友だちと協力して食事を整えたり、体験活動を円滑に進めたりすることを通じて、互いへの思いやりの心が育まれました。宿泊の最後には子どもたちから「オーナーの方にお手紙を書きたい」「配膳のお手伝いをしました!」という声も聞こえてきました。

3日目:自然と向き合う釣り体験

最終日には渓流釣り体験を行いました。初めての釣りに挑戦する子どもたちは、最初こそ苦戦していましたが、友だち同士でアドバイスを送り合いながらひとつずつ課題を乗り越え、最終的には魚を釣り上げる成功体験を味わいました。この日は特に、自ら考え挑み続けるチャレンジ力と、仲間と助け合う協調性が存分に発揮されていました。

総括

今回の那須高原宿泊行事では、食や地域、仕事に関する学びを通じて、子どもたちはチャレンジ力、エージェンシー、そして思いやりの心を育みました。同時に、学校での稲刈り行事とのつながりを意識し、自分たちが普段口にしているものがどのように作られ、またそこにどのような人々の努力があるのかを理解する機会となりました。この行事で培った学びや経験が、今後の学校生活や将来のキャリア形成に生かされていくことを期待しています。

学校に戻ってから、各ペンションでのことを新聞にし、ペンションの方へお手紙を書きました。子どもたちにとってかけがえのない体験になったようです。お手紙や新聞では各オーナーの方への親しみを感じている様子が印象的でした。

 

【思考力・チャレンジ力】5年生 稲刈り

5年生は一年を通して「米」に大きく関わっていきます。第一幕は【田植え】。今回はその第三幕【稲刈り】を行いました。晴天の下、多くの保護者や営繕部の方々に見守られながらの活動となりました。
 田植えの時とは違い、かたくなった土や、自分たちが植えた苗の大きな成長に驚きながら、子どもたちは稲刈りの作業に夢中になって取り組んでいました。三クラス総勢約90名での作業でしたが、想像以上の稲の量。そこで、チームに分かれて協力しながら進めました。稲刈りチームは鎌を使って稲をどんどん刈っていきます。一本ならやわらかい稲も、何本も束ねて刈るとかなりの力が必要で、軍手と長靴が欠かせませんでした。袈裟懸けチームは刈り取られた稲を束ね、縄でしっかりと縛って物干しざおに掛けていきます。どの作業も大変でしたが、互いに声を掛け合い、笑顔で取り組む姿が印象的でした。この田植えから始まる一連の活動は、【第二幕・社会科の学習】にもつながっています。社会科では10月ごろから「米作りのさかんな地域」という単元に取り組み、米作りの過程や効率化・安全面の工夫を学びながら、現代の社会課題や今後の展望について考えを深めました。今年は米の高騰が連日ニュースで取り上げられたこともあり、子どもたちの関心はとても高く、「米の高騰を抑える方法って、備蓄米を放出する以外にもあるの?」「どうして農家さんはもっと米を作らなかったの?」など、自ら問いを立てる姿が見られました。これらの問いをもとに、地理的な条件や歴史的な背景を調べ、また、生産者(農家)、消費者、環境保護団体などさまざまな立場の視点から情報を集めて考察しました。友達との意見交流を通して、最初の考えを修正したり、より深めたりする児童の姿も多く見られました。

 今回の稲刈り体験では、「実際にやってみたからこそ感じること」が加わり、社会課題への自分なりの考えを一層明確にすることができました。
子どもたちからは、「ほぼ一年をかけて行う米作りはとても大変だと感じた。桐蔭の田んぼだけでもこの大変さだから、農家さんはもっと苦労していると思う。」「米作りは苗を植えたり除草したり、稲を刈って干したりと重労働。だからこそ米の高騰につながっているのかなと思った。」といった、体験を通して学習内容を結びつけた感想が聞かれました。そして、今年は第四幕【調理実習】へと続きます。自分たちで刈り取った稲を脱穀・精米し、精米されたもち米を使って「おこわ」を作る予定です。「植える」「育てる」「刈る」「食べる」という一連の流れを自分たちの手で体験することで、子どもたちはさまざまな視点から考え、感じ、思いを深めていくことでしょう。営繕部の皆様をはじめ、ご協力いただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。

《子どもたちの感想文より》

黄金色の稲穂を刈る作業は、予想以上に重労働で腰が痛くなりました。そして、その刈った、稲を束ねるのも、かなりの力が必要でとても疲れました。この大変さを身をもって体験したことで、スーパーや、お米屋さん、インターネットのショップで見るお米一粒一粒が、どれほどの手間と汗の結晶であるかを実感し、お米を作る素晴らしさを感じました。これからは、食べ物への感謝の気持ちを持って残さずいただこうと思いました。

 私は今回の行事で、食のありがたみを改めて知りました。お米は簡単に育つと思っていましたが、とてもたくさんの工程がありました。毎日のお水の管理や、雑草抜きなど、米作りの一年に欠かせない作業を間近で見て、本当に良い学びになりました。さらに、こんなに多くの作業と多くの稲を普段3人で作業していらっしゃると聞いて改めてすごいなと感じました。この場を設けてくださった先生方、営繕の方々に感謝します。

 私は学校の授業で、はじめて稲刈りをしました‼️初めは、どうやってやるのか分からなかったけど、先生や友だちに教えてもらってだんだんできるようになりました鎌を使って稲を切るのは難しかったけど、きれいに刈れたときはとても嬉しかったですお米ができるまでにはたくさんの人の手がかかっていることもわかりましたこれからはお米を食べるときに感謝の気持ちで食べたいです

 

【チャレンジ力・思いやり】3年 宿泊

3年生 宿泊学習 ~箱根での1泊2日~

9月26日(金)~27日(土)、3年生は神奈川県箱根へ1泊2日の宿泊学習に行きました。今回子どもたちが達成しようと気を付けたものは「思いやり」と「チャレンジ力」です。親元を離れての生活を通して、友だちと助け合い、挑戦することを大切にしました。

1日目

学校を出発した子どもたちは、まず「森のふれあい館」へ。クイズラリーではグループごとに森の中を巡りながら協力し、クイズを解きました。クラフト作りでは自然素材を使って思い思いの作品を仕上げました。午後はビジターセンターでのフィールドワークです。センターの方に説明を受けながら、森の中を歩き、植物や虫を見つけ、自然に親しみました。班活動で、仲間同士で声をかけあって、楽しく過ごすことができました。

(クイズラリー)

(クラフト作り)

(フィールドワーク)

その後、宿泊先のホテルでの生活が始まりました。食事や入浴の場面では、友だちのことを考えて順番を守ったり、自分の役割を果たしたりと「思いやり」の心を実践する姿が多く見られました。

 

2日目

朝はまず部屋の整理整頓から始まりました。自分の荷物だけでなく、友だちのことも気にかけながら協力して片付けを行い、出発準備を整えました。その後、おいしく朝食をいただき、ホテルを出発しました。

次に訪れたのは「生命の星・地球博物館」です。学芸員さんの話に熱心に耳を傾けて、班での見学では迫力ある恐竜の化石や鉱物の展示に目を輝かせていました。昼食をとった後、一路学校へ。帰りのバスでは、楽しかった活動を振り返りながら友だち同士で感想を語り合う姿が見られました。

わずか1泊2日ではありましたが、子どもたちは集団生活の中で思いやりを持って行動すること、また新しい体験に挑戦することの大切さを実感しました。これからの学校生活にも、この経験が大きな力となりそうです。

学校に帰ってから、行動班とホテル班での振り返りを行い、学んだことを各班でまとめました。これからの宿泊行事に大きくつながりそうです。

(行動班)                     (生活班)

国語では、個人の記録として、ロイロノートで一番の思い出を日記にまとめました。

行動班では、一緒に行動した仲間と楽しかった思い出を振り返り、活動の様子を大きな紙にまとめました。

 

 

【創造力・エージェンシー・チャレンジ力】6年生 総合探究

本校では、今年度より教科と絡めた探究学習を進めていく中で、学年に応じて段階的に探究テーマを設定し取り組んでいます。各学年の段階としては、3年次「パラスポーツ(障がい)」、4年次「福祉(高齢者)」5年次「福祉(外国人、貧困)」6年次「私たちがつくる多様で豊かな未来のまち(興味・関心×多様性)」と設定しています。

その中で、今年度の6年前期の総合探究では、「多様で豊かな私たちの未来のまちづくり」というテーマに向けて、まずは過去と現在の暮らしの比較から暮らしの違いに着目し、次に私たちを取り巻く環境の変化、そして時代背景に伴う暮らしの変化や物について調べ話し合ってきました。また、本テーマである「多様で豊かな私たちの未来のまち」という誰もが見たことも経験もしたこともない空間について、1人1人がどのように捉えているのかを確認しながら進めてきました。例えば、「豊かなまちとはどんなまちなのか」「誰にとって豊かなまちなのか」を考えていく際に、そもそも「豊か」とは何かという疑問が子どもたちから生まれました。「豊か」といっても人によって内容も基準にも違いがありますが、そこで共通していたのは、便利なものが増えることで生活はより豊かになっていくのではないかという考えでした。また、それらの便利なものは、自分だけではなく、外国人やお年寄り、小さな子どもや障がいを持っている方々にとっても便利であるということ、また、人類と共に生きるすべての生き物にとっての便利なものであることも全体で確認しながら進めていきました。

未来のまちづくりへ向けての第一段階の取り組みとして「生活を豊かにする便利なもの作り」という課題にまずは挑むことになりました。何もない状態から新たなものを生み出す活動は、決して簡単なことではありません。しかし、子どもたちの発想や世界感はいつもこちらの予想も超えてきます。自分たちのイメージが具体的な形となり、そこに便利なものの説明が詳しく加えられることでよりそのものが輝きを放ちます。そんな子どもたちの考えたものを授業参観でのポスターセッションで保護者の皆様に観ていただきました。

第一段階では、「こんなものがあればいいな。」「こんなのあると面白いな。」と、自由な発想のもと具体的なものつくりの経験を踏みました。いよいよ最終段階の「多様で豊かな私たちの未来のまちづくり」についての話し合いが始まります。

まずは、「多様で豊かな私たちの未来のまち」の「多様」「豊か」とは何かに着目し、それらを構成していく要素を全体で絞っていく話し合いの時間を設けました。この時点では、子どもたちの考えは様々で、それらをたくさん挙げていきながら、豊かなまちのイメージを広げていきます。また、それと併せて未来のまちを想像した時に、まちや社会を取り巻く課題・問題についても考えていくことにしました。理由としては、今後予想される社会問題や環境問題、あらゆる状況におかれている人々の生活に目を向けることで、自己中心的な解釈ではなくより広い視点で考えていけること、さらに一時的に豊かなまちではなく、持続可能なまちつくりを意識しながら子どもたちは話し合いを進めてきました。

自分たちが生活している桐蔭学園の白地図に、まずは個人で自分の考えるまちのマップを作成しました。その後は、「個から協働へのステップ」に入ります。全体を3つのグループに分けて、互いの考えを共有しながらグループでまちをつくっていきます。それぞれの考えを1つのものに落とし込んでいく作業は大変時間を要します。1学期末にスタートした話し合いは夏休みに入ってからも続きました。夏休み中は、対面での話し合いはできないため、ロイロノートの共有ノート機能を活用しながら話し合いを進めました。夏休みということもあってなかなか全員が揃っての話し合いが出来なかったようですが、3グループ共に少しずつまちができあがっていくのが見て取れました。

夏休み中にマップはある程度形になり、2学期にはそこからまちの説明方法の検討に入りました。3つのグループ中、2グループはマップをもとにジオラマを制作しての説明、1グループは巨大なマップの制作とおすすめエリアのミニチュア模型での説明することとなりました。

限られた制作時間ではありましたが、第一段階として取り組んでいた「生活を豊かにする便利なもの」の経験と、あらゆる視点から課題に迫るための話し合いをしたことで、それぞれのまちのコンセプトが明確になりました。そのため、制作過程においては、どのグループも同じ方向性のもと、スムーズに進めることができました。ただ、紙面上でのイメージはできていたものの、それらを具体物に変換させていくことの難しさを子どもたちは感じていたようで、イメージをどのように形にしていけばいいのか、グループごとに対話を重ねながら進めていました。

総合探究の前期最終日にはそれぞれが作ったポスターやジオラマ、ミニチュアを提示しながら、グループ全員で「私たちが考えた、多様で豊かな私たちの未来のまち」を紹介することが出来ました。

【今回の総合探究「多様で豊かな未来のまち」を終えて】

本校では、先の見えないVUCAの時代を生き抜くために子どもたちが「自律的な学習者」になるように育成することを目指して取り組んでいます。そのための資質・能力として6つのキーコンピテンシーを掲げ、それを具体的に教科の学習まで落とし込んで実施しています。また社会の急速な変化に対応するためには、自ら問題を発見し、柔軟な解決策を見つける力が求められおり、その中で批判的思考力や問題解決能力、そしてコミュニケーションスキルといった、現代社会で必要とされる力を育むために、「探究的な学び」が重要な役割を果たすことを考え、4 年前より「総合」のカリキュラムから見直しをはじめ、今年度より新しいカリキュラムのもと「総合探究」として取り組んできています。

また、総合科は各教科との横断的な学びを集約する教科でもあります。そのため、今回の学びにおいても、社会科、理科などの教科との関わりなどを子どもたちに意識して学習することを取り入れてきました。そうした学びを集約した形として、中間発表としてのプチポスターセッションと最終発表(ポスターセッション、模型、動画、ジオラマ)の時間を設けました。

その上で、子どもたちは本テーマと自らの生活を結び付けながら考えつつ、誰も見たことも経験もしたことのない未来を創造する楽しさや、夢、希望を感じながら最終テーマの目標に到達することができたよう思います。これは、最終テーマにのみ焦点を合わせての展開ではなく、探究学習において最も重要である「課題の設定(本質的な問い)」を大事にし、段階を踏んだ展開があったからだと実感しています。

さらに、今回のテーマのように何もないところから新たなものを生み出そうとする取り組みを何度も取り入れています。実際にはそれらの活動を苦手とする子もいますが、そんな時も、グループ内での相互のやり取りや他者の考え、価値観を知ることで、自らの思考の幅を広げ価値観を見出すヒントともなったのではないかと感じています。

今回の総合探究の実践を終えて、たくさんの対話がありました。たくさんの課題がありました。そんな中、「個⇨協働⇨個」の取り組みによって互いに認め合う文化の向上と、自ら考え生み出す力を今後も育てられたのではないかと感じています。

この経験を、次への学習や生活そして自らの生き方に活かしていけることを期待したいと思います。

 

【思いやり・チャレンジ力】4年生鎌倉宿泊学習

    9月19日(金)・20日(土)に4年生は宿泊学習を行いました。鎌倉を宿泊地とし、観音崎自然博物館と新江ノ島水族館で活動をしました。

 この宿泊は海をテーマとしており、4年生社会科にある水の単元と結びつけながら事前学習を進めていきました。授業の中で、「水の循環」というキーワードを学び、自分たちの健康なくらしにはきれいな水が欠かせず、きれいな水を確保し続けるためには水源や川だけでなく、きれいな海も保たれていかなければならないことに気付きました。そこで、宿泊に向けて海をテーマにした探究的な調べ学習を行い、現在、どのような問題が海にあるのかを1人1人が調べていきました。

 こうした学びをした上で実際に海の様子を、ビーチコーミングを行うことで観察することにしました。ビーチコーミングでは観音崎自然博物館のスタッフ・ボランティアの方々が専門的な知識を持っており、貝や生き物、植物、岩石など様々な質問に答えていただけました。ビーチコーミングをしていると、「ここにもあるよ」「きれいなシーグラスだなぁ」と子どもたちはたくさんのきれいなシーグラスや陶器の破片を見つけました。一方で、「なんでこんなものまで落ちているのだろう」「シーグラスや陶器が貝殻より多いかも知れない」と、思っている以上に人工物がたくさん漂着していることに気付きました。きれいなものやめずらしいものも実はもとをただすと海洋ゴミであり、事前に調べてみたことと実際の様子を目にしたことで実感を持って海洋ゴミの問題を捉えることができました。

 ビーチコーミングが終わったあとは、観音崎自然博物館の中で展示の見学と海藻標本づくり、博物館の方から三浦の海と水産業についてレクチャーを受けました。展示にはタッチプールや相模湾の深海から見つかった生き物の標本など、この場所でしか見られない貴重なものをたくさん見ることができました。この体験したことや見学したこと、学べたことを、国語で学んだ新聞づくりを生かしてB5判のはがき新聞にまとめました。タイトルは「観音崎自然新聞」です。

 2日目には新江ノ島水族館へ行き、グループで見学を行いました。大迫力の相模湾大水槽など、深海から海岸の生き物まで、多岐にわたる海の生命について学んでいきました。イルカショーでは飼育員の方と息ぴったりなイルカの姿に目を輝かせていました。たくさんの展示がされていますが、単に生き物を観察するだけでなく、その背景にある生態系や科学研究、環境問題まで、幅広い視点での学びができました。

 また、クラスメイトと一泊をともにするということも、宿泊学習の大きな学びです。一泊とはいえ、寝食を共にすることは普段の生活とは違って、少し我慢が必要なことも出てきますので、仲間への思いやりの気持ちを意識する必要があります。まずは自分がどんなことに気を付けたいかを考え、それがどのキーコンピテンシーに関わるのかをまとめました。そしてそれを持ち寄って話し合い、部屋ごとに具体的にどんなことに気を付けて、部屋での活動をどのようにしたいかを話し合いシンキングツールでまとめ、それを室員表としました。スケジュールを自分たちで守ることや整理整頓など、声を掛け合って取り組む様子が見受けられました。

 夜はレクリエーションで、クラスごとに考えたレクを学年みんなで行いました。それぞれのクラスが限られた時間の中で話し合い、持ち時間と会場の様子といった条件を考えて、これならば学年全員で楽しくできるのではないか、というものを決めていきました。1組は絵しりとり、2組はビンゴ大会、3組は大根抜きとロープウェーゲームを行い、大いに学年全体で盛り上がり、楽しく宿舎で過ごすことができました。

 一人ひとりが課題を見つけ探究した探究心。学年みんなで楽しむために知恵を出し合ったレクリエーション企画。今回の宿泊学習は、子どもたちの旺盛なチャレンジ力に満ちていました。同時に、寝食を共にする中で生まれた、仲間を気遣う思いやりの心は生きた学びとなり、今後の生活にきっと生きていくものになると思います。

 

【思考力・エージェンシー・思いやり】2年 情報探究

iPadでプログラミングをして、レゴを実際に動かしてみよう!

授業の概要

小学2年生を対象に、iPadとレゴ「WeDo2.0」を用いた情報探究の授業を行いました。子どもたちは、身近な生活に隠された「仕組み」に興味を持ち、それをプログラミングとレゴブロックで再現する活動を通して、プログラミング的思考力や問題解決能力を育むことを目指した探究活動をしました。

単元の目標

以下の3つの観点があります。

【知識・技能】

WeDoのプログラミングアイコンの機能を理解し正確に操作すること、そしてレゴブロックの特性を理解し、意図した形に組み立てられるようになることを目指しました。

【思考・判断・表現】

プログラミングの試行錯誤や調整を通じて課題解決に取り組む力、そして結果を予想し、仮説を立てながら学びを深める力を養うことを重視しました。

【主体的に学習に取り組む姿勢】

粘り強く課題に向き合う姿勢や仲間と協力してチームの一員として活動する姿勢を大切にしました。

授業の展開

授業は、まず「身近な『仕組み』に気づく」という導入から始めました。信号機や自動ドアといった日常生活のシステムについて話し合い、「私たちの生活の中にもプログラム的な仕組み(プログラミング)がある」ということに子どもたちが興味を持てるように促しました。その後、WeDoの基本操作を体験しました。

展開は、ミッションチャレンジと自由な探究という二つの段階で進めました。「車を一定距離動かす」などといった簡単なミッションに挑戦するミッションチャレンジでは、グループで協力し、試行錯誤しながらプログラムを調整する中で、課題達成の喜びを分かち合いました。次に、自由な探究(オリジナルミッション作成)では、「日常生活に役立つ仕組み」をテーマに、今ある仕組みに工夫をしてみたり、オリジナリティを加えてみたりして、自分たちで課題を設定し取り組みました。この段階では、試作と改良を繰り返すことで、より良い解決策を追求する姿が見られました。

子どもたちの学びと考察

この実践を通して、子どもたちは知識や技能だけでなく、より深い学びを体験しました。

プログラミング的思考力が育ち、プログラムが思い通りに動かない時には「なぜだろう?」と原因を探り、自ら修正する姿が多く見られました。これは、論理的に物事を捉え、課題を解決する力の育成につながっています。

また、協働性も大きく向上しました。グループ活動では、それぞれが役割を分担し、積極的に意見を交換し合う姿が見られました。「この部分を担当したい」「こういう風に作ってみない?」といった自発的な発言から、チームの一員として貢献しようとする高い意識がうかがえました。

さらに、粘り強さも身につきました。複雑なプログラムや組み立てに何度も失敗しながらも、諦めることなく挑戦を続けました。うまくいかない経験も、子どもたちの「できた!」という達成感をより大きなものにしていると感じました。

見取り

子どもたちの活動は、ルーブリック評価に基づいて多角的に行いました。プログラミングデータや組み立ての完成度だけでなく、課題解決に向けた試行錯誤の工夫や、仲間との協働的な関わり方についても重視しました。これにより、個々の成長を具体的に把握することができました。

今後の展望

今後は、さらに複雑なミッションや、他の教科と連携した探究活動を取り入れることで、子どもの学習意欲と探究心をさらに引き出していきたいと考えています。

 

【チャレンジ力・思考力・メタ認知力・思いやり】1年生 野外活動

この野外活動の「ねらい」の一つは、「五感をはたらかせること」でした。

そのために、「魚のつかみ捕り」「川遊び」をすることのできる「清川リバーランド」さんでの「野外活動」を、今年も行うことにしました。

とはいえ、一般的に「川遊び」には危険も伴いますので、事前に、「生活科」の授業で「安全学習」を行い、当日も保護者の方々にご同伴いただき、「安全」を見守っていただくサポートをしていただきました。また、保護者の方々には、バーベキューの準備と片付けのご協力もいただきました。

その結果として、1年生たちが「どう五感をはたらかせたのか」を、彼らが後日書いた「シンンキングツール」へのメモとそのメモを基に書いた「絵日記」から抽出し、ここにお載せします。

【絵日記の文章に複数の記載があった内容】

・「水が流れる音が気持ち良かった」こと

・「つかみ捕りのニジマスが『にゅるっ』としていて動きが素早くて捕まえづらかった」こと

・「川の水が冷たかった」こと

・「小さなカニや魚が見つかった」こと

・「葉っぱを川に流して遊んだ」こと

・「川の浅いところで友だちとすべり台みたいに水に流れて遊んだのが楽しかった」こと

・「川で水を掛け合って遊んだ」こと

・「つかみ捕りをしたニジマスをバーベキューで焼いたら、しょっぱくてやわらかくておいしかった」こと

「野外活動」を通して、以上のように、「五感をはたらかせること」ができました。

 

【創造力・エージェンシー】6年生 鎌倉遠足

1.事前準備

 今回の6年生の遠足のテーマは「鎌倉遠足×教科」としており、遠足の行程や目的に「各教科の視点」を持って取り組みました。そのため、これまで6年間で学習してきたことを元に「教科の視点ってなんだろう?」ということを考えるところから始めました。

 その後、今回の鎌倉遠足がどのような視点を持っていけば教科との繋がりを見つけられるか考え、それに則って見学場所を検討していきました。

 次は、見学したい場所や交通機関を調べ、どのようにすれば自分のいきたいところに行くことができるのか、班で話し合いながら自分たちだけのオリジナル行程を作成しました。集合場所である鎌倉駅まで自力で向かい、交通費や移動時間を計算するなど、遠足の計画から実行まですべてを自分たちで進めていきました。

2.遠足当日

 当日は、満員電車での移動や横浜駅での乗り換えに苦戦したり、バスを乗り過ごしてしまったりと、いくつかのハプニングもありました。しかし、児童たちは班のメンバーと協力したり、駅員さんに道を聞いたり 、班長のiPadに頼りながら自分たちで道を確かめたり…と、トラブルに臨機応変に対応しました。全員が時間を意識して行動できたことで、予定通りに目的地に到着することができました。

 鎌倉では、鶴岡八幡宮でのお参りや、由比ヶ浜での海の観察 、高徳院での大仏見学 など、計画した行程を巡りました。由比ヶ浜では、シーグラスやイカやふぐなどが打ち上げられているのを見つけたり、波で靴が濡れてしまうというハプニングなどもありました。時には元々計画をしていた行程の一部を飛ばしたり、偶然出会った美しい光景に足を止めて見てみたり、各々の視点で鎌倉遠足を楽しんでいました。また、道中に外国人の方に挨拶をして会話をするという目標を達成し、一番印象に残ったという児童もいました。

3.遠足の振り返り

 遠足後、児童たちはこの経験を振り返り、文章にまとめました。計画を立てるのに時間がかかり前日までかかってしまったことや 、もっと早く予定を決めればよかったという反省の声 、バスの乗り場を事前に調べておくべきだったという意見 など、行程作成の難しさを実感したようです。一方で、班で協力して予定通りに行動できたこと、仲間といるからこそ楽しい遠足になったという感想も多く見られました。

この遠足での経験は、次の修学旅行に向けた貴重な学びとなりました。児童たちは、今回の反省を活かして、より良い計画を立て、さらに充実した旅にしていきたいと意欲を見せています 。この経験を通して、子どもたちはまた一歩大きく成長しました。

 

【思考力・メタ認知】5年生 遠足

6/27(金)に5年生の遠足が行われました。「今日はどんな魚が獲れるか楽しみだね。」

今回の目的地は、神奈川県中郡二宮町袖が浦海岸(湘南地引網市五郎丸)です。目の前に広がる相模湾を前に、市五郎丸代表の大谷さんから現地での注意点などについてレクチャーをしていただいてから活動をスタートしました。

「この網、結構長いね。」「200mくらい沖に延びているらしいよ。」

子どもたちは網を引き終わったらスタート地点まで素早く移動し、また力いっぱい網引きを開始します。どう動いたら効率的か、作業しながら考え、行動を修正しました。動きに修正を加えて、ローテーションなどが大分上手になってきました。しかし、この日は天気が良く、気温も高かったため、子どもたちの足には徐々に疲れがたまっていきました。

ようやくゴールが見え始め、子どもたちは最後まで集中を切らすことなく、仲間と協力して網を引き終わることができました。引き終わった後、子どもたちは地元の漁師の方たちにチームワークの良さや、作業の丁寧さ、素早い行動などを褒めてもらうことができました。そして、網の中から現れた魚たちの姿に子どもたちは大興奮でした。

この日は、シラスが大漁でした。「獲れたてのシラスはこんなに透き通っているんだね。」子どもたちの新発見です。「シラスは何の幼魚だっけ?帰ったら調べてみよう!」

獲れたての魚を一匹ずつ、名前、特徴などについて漁師の方が丁寧に説明をしてくださいました。「図鑑で見たことがある!」「こんな形をしていたんだね。」「えー、こんな魚も獲れるの?」子どもたちの興味が広がっています。

この日は、シラスの他にも、ハナダイ、キス、カマス、サバ、タカノハダイ、ホウボウ、ハコフグなどが獲れました。エイや小型のサメなども獲れることがあるそうです。

たくさん運動をした後のお昼ご飯は格別の味でした!

終了後、代表の大谷さんから最近の水産業について、現状や課題などについて詳しく話をしていただきました。後日、この日のことを振り返る時間を作りました。「地引き網の時に、その場で動かずに綱引きのようにすれば、もっとスムーズにいったかも。」とか「天気を事前にチェックしておけば水分が足りなくなることはなかったかも。」などと、一人一人が遠足を振り返っていました。今後の行動や生活にきっと役立つことでしょう。そして、子どもたちが今後、魚の生態や、日本の漁業について興味を強く持ち、調べ深めてくれることを期待しています。

子どもたちの作業の様子を見守ってくださった、市五郎丸のスタッフの方々、観光バスの運転士の方々、旅行会社の方、本当にありがとうございました。

今回の地引き網体験では体験を通して、「地引き網の漁師さんの大変さや、やりがいについて考えよう」という課題がありました。後日教室で子どもたちは以下のような生活記を書きました。

~地引き網の仕事をしている人たちは本当にすごいと思いました。なぜなら地引き網はとても重く、舟は小さくて大きな波に揺られていたからです。地引き網の人たち以外でも力や暑さに関係なくやらなければいけない仕事をやっている人たち(大工さんや農業の方など)はとても頑張っているのだなと感じました。~

~地引き網を引くと、とても重くて大変でした。「これを毎日やっている漁師さんはすごいな。」と思いました。~

~網は重く、諦めそうになっている人もいました。しかし、「頑張ろう。」、「あとちょっと。」と自分に言い聞かせている人がいっぱいいました。これが地引き網の良いところなのかもと思いました。「頑張る」ことが漁師さんの目標なのだと思います。「魚を食べてもらう人に笑顔になってほしい」という気持ちがあるから漁師さんは「頑張れる」のではないでしょうか。僕はこの地引き網で深く考えさせられました。~

~振り返って思ったのは、こんなに大変なことを毎日やっている漁師さんのことです。私たちは一日やっただけで疲れてグダーとなっていたのに、これより気温が高くてもやっている漁師さんがすごいなあと思いました。

~釣りと地引き網の違いは、1匹ずつ獲れるかいっぱい獲れるかだと思いました。地引き網は網の設置に時間や手間がかかるけれど、魚を逃がすことなくたくさん獲ることができます。漁師さんは地引き網の設置が大変だけれど、魚はたくさんとれるので、釣りに比べると地引き網の方がやりがいがあるのでは、と思いました。~

 

 

 

 

【チャレンジ力・思いやり】3年生遠足「相模原麻溝公園」

6月26日(木)に相模原麻溝公園にて3年生の遠足が行われました。

今回の遠足の主なねらいは,班活動を通して協力することの大切さを学び、友達との交流を深めることです。

3年生になって初めての遠足。子どもたちが期待に胸を膨らませている中、当日は天候に恵まれ全ての活動を予定通り行うことができました。

現地に着くと、広々とした芝生の広場が子どもたちを迎えてくれました。その光景を目にしただけで、一気に開放的な気分になります。そして,草木の生い茂る小道を通り抜けたその先に「ふれあい動物広場」があります。そこで子どもたちはモルモットにエサをあげる貴重な体験をしました。膝にのったモルモットはフワフワで,餌のニンジンをポリポリおいしそうに食べています。始めは恐る恐る触れていた子も、その可愛さにどんどん笑顔になっていきました。

触れ合い体験の1回の人数は限られているので、待っている間動物園を見学したり、クイズラリーで公園一帯を探検したりしました。特にクイズラリーでは、友だちと協力して公園に関する問題の答えを一生懸命探しました。汗だくになって歩き回ったおかげで,公園のことをよく知ることができました。

そして、あっという間にお昼の時間になりました。お弁当は芝生広場にレジャーシートを敷いて食べました。日差しは強かったものの時折吹く風が心地よく、どの子も満足そうにお昼の時間を楽しんでいました。

お昼の後は自由行動です。フィールドアスレチックでは大小様々な遊具に挑戦している子どもたちの姿がありました。かなり難しい遊具もあって、登ったはいいが降りられなくなった子もいましたが,そんな時は友だちの声掛けに勇気をもらい頑張って克服することができました。また、展望台に上って優雅に360度のパノラマ風景を眺める子どもたちもいました。

3年生の子どもたちにとって今回の遠足は、動物と触れ合うことで小さく弱いものに対する思いやりを芽生えさせ、アスレチックなどの経験で挑戦することの楽しさや友達との助け合いを学んだ思い出に残る一日だったと思います。そして、班活動で仲間と過ごすことで、友達の今まで見えていなかった良いところが見られたり、新しい考え方に触れたりすることができました。動物園を回っている時、お弁当の時、友達を待たなければならないこともあったことでしょう。そんな時、友だちを急かすことなく思いやりの心で待ってあげていた子がたくさんいました。そういう交流の中からまた新たな友情が芽生えるのだと思います。今回の経験がきっと教室でも活かされることを期待しています。