カテゴリー別アーカイブ: 探究

【チャレンジ、思いやり、エージェンシー】6年生 鎌倉校外学習

6月29日の水曜日に、6年生は鎌倉へ校外学習に出かけました。ゴールデンウィーク前より準備を進め、この日を迎えました。

今回の校外学習は、子どもたち自身が行き先や見学ルート、交通手段等を考え、自分たちで決めた行程表に沿って古都鎌倉を見学してまわるというものでした。これは、秋に予定している修学旅行(京都)の練習でもあります。子どもたちだけでなく、私たち教員にとっても初めての経験でしたので、約2か月の期間をかけて準備を進めました。

まず、鎌倉の歴史的背景についての概略を学んだのち、共通の課題としての「鶴岡八幡宮の8つの謎を解く」に取り組みました。謎解きをする中で生じた新たな興味や関心を、さらに調べ学習へとつなげ、その上で各自が行きたい場所の希望を決めました。この行きたい場所は、同じ見学班の友だちに説明できる形にまとめました。その上で、同じ見学班の友だちと相談して、それぞれの班が行く場所を選びました。

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次に子どもたちが取り組んだのが、見学ルートの設定です。使用可能な交通機関の区間はある程度制限したものの、鎌倉駅前をスタートして昼食場所である鎌倉大仏を経由して鶴岡八幡宮にたどり着くルートを、子どもたち自身で考えていきました。考えたルートは、拝観料や交通費、飲み物代などの予算、それぞれの時間配分を書き入れた行程表にまとめていきました。

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( 行程表の例 )

 

見学のルートが概ね決まった頃からは、集合班の打ち合わせも加わりました。今回の校外学習は、同じ方面の子どもたちがグループとなり、公共の交通機関を利用して自分たちで現地に向かわねばなりません。現地集合時間に到着しているためには、何時の電車に乗り、どこで乗り換えなければならないのか、乗り遅れると次の電車は何時なのか等、様々な角度からシュミレーションした上で、それぞれの班が集合時間を決め、集合班カードを仕上げていきました。

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このような準備を重ね当日を迎えましたが、自由散策でしたので、安全面では少なからず心配もありました。そこで今回は、子どもたちが普段の学習でも使用しているロイロノートを使って、今いる場所等の連絡をしてもらうようにしました。定期的な連絡だけでなく、「インスタ映え選手権」と称して、子どもたち自身が見学先で撮影した写真の提出箱もロイロ上に設けました。子どもたちからは、目一杯楽しんでいる様子が伝わってくる写真が、次々に送られてきました。子どもたちの様子をリアルタイムで把握することができたので、私たち教員にとっても安心材料の1つになりました。

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見学時間や移動時間の読み違いから予定通りの見学場所をまわることができなかったり、途中道に迷いかけ通りすがりの方のご助言をいただいたり、想定以上の暑さに体力が持たなかったり等、班それぞれにいろいろな経験をしたようですが、最後鶴岡八幡宮にたどり着いたひとりひとりの顔は、すがすがしい達成感に満ち溢れていました。学校にもどってからは、ポスターセッションの形で今回の校外学習のまとめを行っていく予定です。

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5年 総合(探究)「農業」

「思考力」「思いやり」「エージェンシー」

5年1学期の探究では、農業を題材として、「なぜ(稲作)農家の人は(稲作)農家をやっているのか?」をテーマに活動を行いました。
探究活動は、「課題の設定」→「情報の収集」→「整理・分析」→「まとめ・表現」→「振り返り」を繰り返しながら進んでいきます。今回の単元では、特に「情報の収集」に重きをおいて取り組みました。

はじめに、「農家の仕事」について自分たちの知っていることを挙げてみました。すると、子どもたちはそのことについて思った以上に知らないことが多いのに気づきました。「知らないこと」について調べ、そこから「知らないこと」が見つかり、また調べ・・・、という活動を繰り返していく中で、農家の仕事の大変さに気づき、驚きの声をあげていました。

   

次は、自分たちが「大変そう、困りそう」だと想像したことの中から、その解決方法について1番気になることを選び、調べました。タブレット型PCを導入して半年以上経っているため、子どもたちも手慣れた様子で調べを進めました。しかし、インターネットによる情報収集では、なかなか自分たちの知りたいことの核心にはたどりつけませんでした。そこで、実際に「農」に関係のある方へ、直接インタビューして聞いてみることになりました。

農家の方や農業に関するNPO法人の方へ質問するにあたり、子どもたちは事前に「自分の課題」に関連した質問を1つずつ用意しました。当日は、一般の方へのインタビューということで、緊張している様子もありましたが、全員が自分の言葉で質問をすることができました。

   

   

実際にインタビューすることを経験したことで、子どもたちは「本やインターネットで調べ学習をすること」と、「人から直接話を聞くこと」の大きな違いに気づくことができたようでした。タブレット型PCやスマートフォンといった手軽に情報を得られるツールが身近にある生活だからこそ、それ以外の情報収集の手段にも目を向け、状況に応じて使い分けられるようになってほしいと思っています。

「農」に携わる方々へのインタビューを終えた子どもたちは、次に、自分たちで田植え(6月実施)を行うことで実体験という情報収集を行いました。

   

   

当日は天気にも恵まれ、存分に田植えを体験することができました。今まで調べていたことを実際に自分たちでやってみることができ、とても嬉しそうでした。また、ただ楽しむだけでなく、「苗を傷つけないように持ち方を工夫する必要があるんだ!」、「同じところにたくさん植えすぎると栄養が行き届かなくなるんだね」、「(泥の中が)場所によって温度が違う!」など、田植えをしながらいろいろなことに気づき、学びを深めている様子もみられました。

   

情報の収集が終わった後は、それらを「整理・分析」し、最後に「まとめ・表現」を行います。今回は、タブレット型PCを使い、調べたものをプレゼンテーション形式にまとめて発表しました。得た情報の量が多く、子どもたちはそれらをまとめることやプレゼンテーションに落とし込むことに苦戦していました。今後の探究活動では、自分が探究した課題をどのように整理し、他の人へ表現するかということに焦点を当てて取り組んでいこうと思っています。

☆インタビューにご協力いただいた方々☆
・坂田農園様

https://ja-jp.facebook.com/pages/category/Agricultural-Cooperative/%E5%9D%82%E7%94%B0%E8%BE%B2%E5%9C%92-588659954567618

・川戸農園様

https://kawato-nouen.com/

・青葉みらい農くらぶ様

https://aobamirainou.club/

・桐蔭学園営繕部職員の方

突然のお願いにも関わらずご協力いただきまして、本当にありがとうございました!!