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【思考力・思いやり・エージェンシー】5年生 田植え

5年生の総合学習では、「お米ができるまで」について調べ学習を行ってきました。お米ができるまでにはどんな工程があるのだろう?という問いかけから調べを進めると、「『米』という漢字の中に隠れている八十八は、お米ができるまでにやることの数なんだって!」という声があがりました。お米は長い道のりを経て私たちの口に入っていることに気づいた子どもたちは、主な作業工程について担当を決めてグループに分かれてさらに詳しく調べていくことにしました。すると、田植えの前に苗を踏んで強い苗が育つようにしていることや、どの工程においても昔と今とではやり方が変わって機械化が進んでいること、昔は代掻きを牛や人の足で行っていたこと、米作りは雑草と虫との戦いであること、精米することで消化がよくなること……など、たくさんの知識を得ることができました。自分の担当した作業について新聞にまとめ、学びを共有しました。

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そして6月7日、学園内の実習田で「田植え」を体験しました。前の週は雨で延期になっていたため、「この日はなんとしても晴れてほしい!」と、子どもたちはてるてる坊主を作って空にお願いしてきました。その甲斐あって、無事に田植えを行うことができました。保護者の方にもお手伝いをしていただきながら、子どもたちは張り切って苗を植えていきました。

事前に植栽部の方から、代掻きや苗づくりの写真もいただき、自分たちが行う田植えも多くの工程の一部であることを改めて確認して田んぼに向かいました。泥の中に足を踏み入れると、思っていたよりも深い!泥の中ってあったかい!!と大はしゃぎしながらも、苗を大事に持ち、植栽部の方の指導に真剣なまなざしを向け、一つ一つ丁寧に植えていく子どもたちの姿がありました。自分の足跡にできた穴をしっかりと埋めてから次の苗を植え、少しでも倒れてしまうとそっと支えてまたしっかりと植え直していました。田んぼや苗を大事にする姿がとても印象的でした。

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これまで百科事典や本、インターネットで調べてきた情報と実体験がリンクすることで、子どもたちにとってさらなる大きな学びとなりました。

子どもたちの感想を紹介します。

土ははじめ入った時はグチョグチョして気持ち悪かったけれどだんだん慣れてきました。日向のところはあったかいけれど、日陰は冷たかったので、田んぼは日光によってかなり温度が変わるんだなと思いました。苗の根っこと根っこが絡み合っていたので、うまくちぎらずに分けるのが大変でした。苗を植える時は、でこぼこした泥の中にずぶずぶ入る感触が気持ちよく感じました。稲になっておいしいお餅を作るのが楽しみなので苗の成長が楽しみです。また田植えをやりたいです。(Т.N)

 田植えに入った時の土の感触がグニュグニュしていて、ひき肉をこねる時みたいだった。泥みたいで足にまとわりついてくる感じで足が沈む感触もあった。稲を植えている時には安西さんがアドバイスをくれたので、上手に苗を植えることができた。苗の手触りはニラみたいにツルツルしていて、根っこは頑丈だった。田んぼの水温は割とあたたかかった。田んぼの中を移動する時は、重いものを足で持ち上げているような感じだった。苗が成長してもち米になったらお餅つきをして食べたい。(М.K)

今回田植えを経験して実感したことは、農家さんの苦労です。24時間365日1日も休まず田植えの整理などを、欠かせずやっているのを聞いて、びっくりしました!!(T.R)

水田の泥は普通の泥よりいい感じがした。苗を植えてみた。根っこを入れるのが難しくて、心と腰が折れそうかも…と思った。踏んだところはちゃんと直しておかないといけなかった。踏んだところに植えると埋まらないから。田植えは楽しかった!次この場所に来るのは稲刈りの時だっ!(O.K)

苗の葉っぱをよく見てみると、線がスーッとなっていて、平行線だった。苗を匂ってみると、いいにおいじゃないけれど、山のにおいがした。

毎年豊作になるかわからない中、お米を作ってくれている農家さんに感謝の気持ちが深まりました。これからも農家の人への感謝の気持ちを忘れないようにしたいです!!(T.R)

田んぼは思ったよりぬるかった。泥がぬるぬるしていて不思議だった。縦と横に綺麗に植えることが難しかったけど、赤い印のあるロープが目印になって便利だった。稲作は天候に左右されるので、大変だと思った。安西さんが苗の管理、田起こし、代かきなどたくさんのことをやってくれたので、田植えが無事にできて良かった。(O.T)

稲や田んぼの良い状態に一週間の間ずっと保管してもらったり、先生や大人の人が色々手伝ってくれたり、田植えのサポートを沢山してもらえたおかげで田植えを出来ました。安西さんから稲の植え方や持ち方を教えてもらって、大変だったけど楽しかったです。ドロは、慣れない時足が沈んで転びそうになって焦りました。(O.M)

3組がやろうとすると小降りの雨が降って(3組だけやれない説?)と思ったけど普通にできた!安斉さんが、稲を植えるときに分かりやすい説明をしてくれ、稲を植える量も教えてくれた。土がなんだかネチョネチョしててちょっと気持ち悪かったけど、段々慣れてくると、そんな事関係なくなった。難しかったけど、稲を植える体験が出来て楽しかった!稲が足りなかったので、おかわりした!おかあさんたちも皆楽しそうだった。(S.M)

 このような経験も伴う学びによって、子どもたちは、今までよりも、「お米を育てる大変さや楽しみな気持ち」に思いを馳せられるようになると思います。

 また稲の成長を見に田んぼに行けるのが楽しみです。

 

【チャレンジ】【思いやり】【エージェンシー】2年生 遠足(王禅寺ふるさと公園)

2年生 遠足(王禅寺ふるさと公園)

2年2組担任 三柴 里江子

 5月25日(水)に、ようやく遠足に行くことができました。

はじめに計画していた5月13日(金)は、残念ながら、雨のために延期になり、25日をずっと楽しみに待っていました。25日は皆、リュックをうれしそうに持ってきて、目一杯楽しんで帰ってきました。

今回の遠足の目的は、自分たちで計画して班活動を楽しむ、ということです。

決められた時間に決められたことをするのではなく、自分たちで時間の配分を考え、何をして遊ぶか考えました。

2年2組では、クラスの席順で決まる生活班で、4人グループを作りました。

話し合いの際には、遊ぶことができる場所と時間を提示し、グループで、何をして遊ぶか、どれくらいの時間を使うか、話し合いました。グループメンバーの特性が出た話し合いでした。リーダーを決めるというのは特に決まっていませんでしたが、役割分担をして、リーダーを決めている班もあり、分単位で細かく計画を立てている班もあり、じっくり地図を見て、どのように遊ぶのが効率的か考える班もありました。

また、昼食後、学年全体で遊具のある広場で遊べる時間が30分あったので、その時間に何をするか、ということも話し合いました。公園の広場なので、サッカーなどの球技は無理と考え、フラフープや長縄、ゴム跳びなどをする計画を立てました。

各班で話し合った結果をロイロノートに提出し、皆で計画を共有しました。

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当日は、出発までに時間があったので、どんな1日にしたいか、話し合いました。出てきた意見は「楽しい1日にしたい。」

楽しい1日にするには、どうしたらいいかな、という投げかけに、

・喧嘩をしない

・ゆずりあい

・誰とでも仲良くする

という意見が出ました。では、どうしたらいいかな、という問いかけには、

・友達をはたいたりしない

・文句を言わない

・自分勝手なことをしない

という意見があがりました。

仲良く過ごすためにはお互いに譲り合うことが必要な面が出てくるけれど、自分の意見が言えないままだと自分がつまらなくなってしまうし、自分の意見だけを通そうとすると、自分は楽しくても、周りの友達は楽しくなくなってしまう。だから意見を出し合って、話し合いで決められるといいね、ということを確認して出かけました。

公園では、初めに外周を1周して、改めて、公園内の施設を確認しました。その後、各班に分かれて活動開始。順調に計画通りに楽しく遊べている班がある一方で、グループからはぐれてしまう子や、やりたいことの折り合いがつかず班員が分かれてしまう班、喧嘩が始まってしまった班も出てきました。

しかし、人が集まれば、意見の違いが出てきてしまうのは当然のこと。そこでどうすればよいか考え解決できるようにする、というのが今回の目的の一つでもありました。なぜ、意見がぶつかってしまったのか、解決するためにはどうすればよいのか、トラブルがあった班は自分たちで話し合いをしました。子どもたちは、自分が嫌だと思ったこと、逆に相手への配慮が足りなかったこと、今後はどうすればいいのか、といったことについて、自分の考えを出して話し合い、和解して、その後は仲良く遊ぶことができました。

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「楽しかったことも喧嘩をしてしまったことも全部大切な経験、喧嘩をしてしまった班もあったけれど、自分たちで解決することができた。今日の経験は次につながるよ。」という話が低学年総括主任よりありました。喧嘩をしてしまった子どもたちも、どこか誇らしげに挙手し、自分が頑張ったことを心の中で認められたようでした。

頑張って計画を立てたけれど、計画通りに物事を進めるのは割と難しいということ、でも、計画を立てておくことで見通しを持って活動ができること、計画とずれてしまったとしても、グループで遊んでみたら楽しかったこと、意見が合わなくて喧嘩をしてしまったとしても、話し合いで解決できることなど、今回の遠足で、子どもたちは、自分たちで計画を立て実行することと共に、人との交わり方を学ぶことができたように思います。

今回の経験を活かして、秋の遠足もまた、グループでよりよい活動ができるように支援を重ねてまいります。

 

【思考力】【チャレンジ力】3年社会科「学校のまわりを探検しよう。」

単元「私たちのまち」の中の「学校のまわり」では、実際に歩いて感じ、目で確認する活動を行いました。「探検の準備をする」→「探検に行こう」→「探検の振り返りをしよう」の流れで行いました。

〇探検の準備をする:「探検の課題を立てる」

配られた自分専用の白地図を見て、学校の位置を確認し、探検のイメージをしました。(お楽しみ感をもたせるためルートは明かさずに。)班に分かれて探検の課題(単元の学習面でどんなことに注目して歩きたいか)について話し合い、探検をするときの約束(気を付けること)も確認し合いました。また、楽しむための工夫も話し合い、充実した探検になるようにしました。この工夫の話し合いを行うことで、意欲が引き立たされ、主体的になれたと思います。

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〇探検に行こう:「歩いたところに印と地図記号を書く」

お天気も良くまだ夏前であるため、探検には適した時期でした。本日の課題は、探検バッグに挟んだ近隣の白地図に①通った道に線を引いていく、②見つけたものを地図記号で書いてみる。(記号がわからない場合は、後で調べられるように記す。)

出発後、上り坂と下り坂を繰り返しました。「学校ってどんなところにあるのかなあ?」という質問も投げかけました。角を曲がった時に「地図を見てー。」と声かけをすると、「えー今どこ?」「ここだよ!」などの声が聞こえてきたり、「えー、わからない。」という声もありました。地図記号も、書けている人もそうでない人もいました。

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入学して以来現在までコロナ禍を生きる3年生にとって、今回の探検はワクワクする行事の1つだと思うので、大人数での街歩きには心配もありました。しかし、探検の約束を意識し、危険な行為は殆どなく、楽しい探検となりました。また、今回は保護者の方にサポートもいただき、安全に終えられたことに感謝いたします。

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〇探検の振り返り:「探検から気付いたことは何か」

探検中に描き込んだ白地図を完成させました。みんなで①方位記号を描き、②通った道に線を引き、③地図記号とその位置を確認しました。その後、④探検をして気付いたこと、を発表してもらいました。発表では、この地域の特徴を捉えた発言が見られ、次の「市の様子」へも繋がるまとめができました。本単元において実際にまち探検をしたことは、大変有意義であったと感じることができました。

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造形あそびの日

5月18日に「造形遊びの日」がありました。この行事は、今年で11回目を数える図工科の行事になります。「造形遊び」とは学習指導要領の中にも記載がある図画工作科の領域のひとつです。素材ととことん向き合い、文字通り「遊び」ながら造形表現活動を通して、児童の表現力を豊かにしていくことが目的です。本校では「五感を育む」をテーマにこれまでの活動を行ってきました。

【1年生】『つちとなかよし』『ならべてならべて』

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『つちとなかよし』では、実習田を使って土遊びをしました。始めは「ギャー!」という声が聞こえてきましたが「気持ちいい!」という声も次第に聞こえてきました。最後は、座ったり、寝転んだり、体全体で土を感じていました。

『ならべてならべて』では、10100個の紙コップをならべて遊びました。山のように高く積み上げた子、たくさん重ねてみるとクネクネ動くことに気付いた子、自分の周りに高く積み上げて出てこられなくなってしまった子、様々な「やってみたい」が生まれました。

【2年生】『だんボールに はいってみると?!』

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平らな段ボールを箱にするところから子どもたちの活動がスタートしました。段ボールカッターで思い思いに切り込みを入れたり、カラークラフトテープで飾りつけをしたりしているうちに、どのクラスでも友達と自分の作品をつなげて巨大化するグループが出てきます。その一方で、あくまでも自分のつくりたいものを追及する子たちもいます。そして、教室は見る見るうちに家や乗り物、お店屋さん、プラネタリウムといったものたちで埋め尽くされていきました。子どもたちの「見て!見て!」という笑顔が眩しい時間となりました。

【3年生】『ひもひもワールド』

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「教室をひもとテープで変身させよう」を合言葉に、子どもたちはグループごとに自分たちの教室の各所にひもを張っていきます。仲間たちと目指すべき光景を思い浮かべながら、一本一本ひもやテープを手で結んでいく様子は、まるで職人さんのよう。普段は日用品として使用されているひもやテープが、環境を美しく変化させるアート的な材料になることも子どもたちにとっては新鮮な経験であったと思います。足元にも張り巡らされたテープは足をとられて危ないように見えましたが、子どもたちは不思議とひっかかりません。さすがです。

【4年生】『いつもの場所を包んでみよう』

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新聞紙でいつも自分たちが使用している教室を包む活動を行いました。

世界各所の観光スポットを布で包んでしまうことで有名なアーティストのクリストは、「アートはJOYとBEAUTYだ」という名言を残しています。包むことで、日常の世界を非日常へと変える活動を通し、子どもたちにも大人数で取り組む造形の楽しさや迫力に触れてもらえたらと考えています。

子どもたちは思い思いに机や椅子などを組み、教室内に起伏をつくりながら包んでいきました。新聞紙という単一素材ですが、無限の想像力により洞窟、滑り台、お化け屋敷など多様な空間が広がっていきました。

【5年生】『光と場所のハーモニー』

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光と材料を合わせて、ハーモニーホールを変身させる活動を行いました。子どもたちの前には様々な材料や光源が並んでいます。まずは思い思いに材料を手に、光の前に置いていました。予想外の光の表現に驚く声も聞こえてきます。次第に、ペンを使って着色し始めるグループも出てきました。様々な材料の特徴を生かしながら試行錯誤している様子が見られました。様々な色の光をならべて児童が思う「いい感じ」を見つけることができたグループや、キャンプファイヤーをつくり、なんだかホッとするような空間をつくりだしたグループなどがありました。最後はみんなで鑑賞タイム。いつもとは違うハーモニーホールを堪能しました。

【6年生】『世界をかえてみようーインスタレーションに挑戦ー』

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絵画や彫刻のように、アートのジャンルの1つに「インスタレーション」というものがあります。比較的歴史の浅いジャンルにはなりますが、現代美術の表現手法としては地位を確立しており、「作品単体ではなく、空間を含んだ造形表現」を行うことが特徴です。

今回は、グループごとに慣れ親しんだ校舎から1箇所を選び、自由にイメージをひろげていきました。教室を宇宙にしたり、廊下が水族館になったり、階段が巨大な滑り台になったり、日頃の授業ではできないさまざまな表現が生まれました。

空間を演出することは、今後中高生活や大人になってもさまざまな場面で必要な素養になります。そういった時に今回感じたことが少しでも生きれば良いと考え題材を設定しました。

ICTが発達した現代社会を生きる子どもたちだからこそ、泥んこ遊びをしたときの土の暖かさ、新聞紙をちぎったときの感覚、友達と夢中になってつくった形の面白さなど、手触りのある、暖かい感覚を大切にしていってほしいと願って題材設定をおこなっています。普段の図工室の授業ではなかなか実施しづらい規模の大きな活動を通し、そういった造形感覚はもちろんのこと、人と協力しながら表現する喜びなども味わってもらえればと考えています。

 

1年生「学校探検」

4月27日(水)に、1・6年生の学校探検が行われました。

入学当初、朝のお迎えに来てくれたり、休み時間に一緒に遊んでくれたりしている6年生と一緒に学校探検に行けることをとても楽しみにしていた1年生。「どんなところに行くんだろう。」「早く学校探検の時間にならないかな。」とワクワクがとまりません。

1時間目の授業が終わると、6年生のお兄さんお姉さんが1年生教室に来てくれました。

今回の学校探検は、校舎内の10か所を回るスタンプラリーを6年生が企画してくれました。ラーニングスペースや図工室など、授業や休み時間に訪れたことがある場所だけでなく、理科室やPC室など、これまでに入ったことのない教室にも入ることができました。

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こちらは理科室での様子です。

理科室では、スライムづくりです。白衣を着た6年生のお姉さんが作り方の説明をしてくれました。一緒に回ってくれている6年生のサポートもあり、無事に完成させることができました。

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図工室では、工作をしました。使える材料や道具がくじ引きで決まる面白いやり方で活動に取り組みました。難しい作業は6年生が手伝ってくれたり、一緒になって作ってくれたりする様子も見られました。

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他にも音楽室や体育館ロビー、執務室などの教室を巡りました。6年生と一緒に夢中で歩き回っていたので、あっという間に時間が過ぎてしまいました。6年生のみなさんが各教室でたくさんの企画を用意してくれたため、学校探検の時間内にすべての場所を回り切ることができなかったグループもありましたが、教室に戻ってきた1年生はみんな満足した表情をしていました。

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学校探検のあとは、6年生とお弁当タイムです。校舎の屋上で6年生と一緒にお弁当を食べました。学校探検ですっかり仲良くなった1年生と6年生、楽しいお昼の時間を過ごしました。お昼を食べ終わったあとはそのまま屋上で昼休みを過ごし、一緒に遊びました。1年生にとっては夢のような時間でした。

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5時間目には、学校探検中に行った場所で、「おもしろい!」と思った場所を紹介してもらいました。見つけたものの絵を描き、「どこで」「何を」「見つけてどう思ったか」などを入れて、文章を書きました。自分の興味があるものを見つけたことを書いていたり、これまで見たことのないような大きさのものを見つけたことを書いたりと、子どもたちは思い思いにまとめていました。

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「どうして楽しい時間はあっという間にすぎていくんだろう?」

帰りに1年生からつぶやきが聞こえました。子どもたちが感じたことはたくさんあったようです。「うれしい!」「たのしい!」「おもしろい!」を、6年生とともに体験でき、子どもたちにとって、とても素敵な1日になったようです。

学校探検が終わったあとも休み時間に6年生が1年生教室に遊びに来てくれており、楽しい交流が続いています。

 

6年生「学校探検」

6年担当 瀬山 郷平、玉井 悠也、渡部 彩子

4月27日(水)に6年生が1年生に校舎内を案内して回る学校探検が行われました。「1年生が楽しく終われる学校探検」を目標に、どのように案内をしたり、案内をした場所でどんなことをしたりするのか、自主的に話し合いを重ねました。

また、この学校探検を行う前には、1週間ほど、登校してきた1年生をお出迎えして朝の準備のお手伝いをしました。1年生が安心して学校生活が送れるようサポートに努め、1年生との信頼関係を大切にしていました。

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お迎えとお手伝いの様子です。触れ合っていると1年生も6年生も自然と優しい笑顔がこぼれていました。

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準備では特別な時間は作らず、掃除を分担して時間を作り出したり、空いた時間を利用したりして、子どもたちが自ら進めていきました。

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当日は1年生と一緒に回るチームと各教室でおもてなしをするチームに分かれ、図工室やPC室、音楽室などをめぐるスタンプラリーを行いました。1年生が迷子にならないように、楽しめるように、6年生ひとりひとりが1年生の気持ちに寄り添いながら声をかけている様子が数多く見受けられました。

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子どもたちの振り返りでは、「準備は大変だったけれど、やってよかった」「一年生が楽しいと言ってくれて手ごたえが感じられた」というような内容が多く見受けられました。また、「1年生にアンケートを取ってもよかった」「もっと一年生との交流企画をつくりたい」「もっと楽しそうな雰囲気にできた方がよかった」など、次はどうした方が良いのかを振り返ることができているのは、自分たちの手で企画・実施できた手ごたえを感じることができたからだと思います。

学校探検後も、6年生のフロアに1年生が来たり、6年生が1年生のところに行ったりと、交流を続けている様子が見られています。

以上

 

 

【思考力】反転授業 ~対面授業とオンライン授業のハイブリット~

実践者:4年科学担当 塩原 一成

 桐蔭学園小学校がアクティブラーニング型授業を取り入れて7年近く経ちます。子どもたちは、得た知識を言葉に変えて、「友だちに伝え」、「相手の意見」も取り入れる様子は、もはや日常です。そんな中、新型コロナウイルス感染症が広がったの影響で2020年より教育方法もガラッと変化することとなりました。ICTの観点から見れば、「YouTubeで配信した1600本授業動画。」「1年生から6年生まで一人一台のiPadの配備。」「ロイロノートスクールを活用したアクティブ双方向授業の導入。」「各家庭とZoomでつないで実施されたオンライン授業。」と、少し前では想像しなかった変化が起こった2年間だったと思います。

 科学を担当している身としては、この学びの場の変化は大変刺激的で、今こそ新しいやり方を取り入れ、子どもたちが今まで以上に科学に触れ、自分で科学の世界を広げるチャンスをつかんでほしいと思っています。
 9月よりオンライン授業が明け、学校に来て、対面授業をすることができるようになりました。科学は実験をして、科学現象を直接目にして、自分の感じた思いや、自分の想像との違いをまとめ、次の不思議へとつなげていく教科です。
学校では、できるだけ実験をたくさんして、仲間たちとたくさん議論して、科学の世界を深めたいと思います。しかし、基礎知識が不十分な状態での実験や話し合いは、あまり効果がありません。そこで、「活動」と「知識」の二つを満たすために、コロナ禍の2年間で得た「新たな力」を使い、反転授業を展開しています。

①学校では、できるだけたくさんの科学活動を取り入れる。
もちろん基礎実験もしますが、「子どもたちが疑問に思った点を深堀する活動」、「新しい実験の導入」なども行っています。

②科学動画を作成し、自宅学習で基礎知識の向上を目指す。
基礎知識は、撮影した科学動画をロイロノートで配信し、児童たちは自宅で閲覧し、所定の課題に取り組み、提出する。 動画にすることで、何度も見ることができ、一度止めてノートに書いたり、飛ばしたりすることもできます。

【ものの温まり方の実践例】
①学校では、できるだけたくさんの科学活動を取り入れる。

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 ベーシックな実験ももちろん行いますが、この日は、アルコールランプがどうやってアルコールを吸い上げているのかを実験しました。ポンプなどの動力を使わずどうやって液体が上昇するのかは、興味深い点です。液体の色を変えたら吸い上げる速度が変わるか?アルコールにつける紙を変化させたら吸い上げる速度が変わるか?アルコールを吸わせるものが太いのと細いのではどちらが吸い上げるのが速いか?など、子どもたちはあれこれ実験し、それをiPadでまとめ発表しました。事前学習を行い、実験時間に余裕が生まれたことで取り組めた活動です。

②科学動画を作成し、自宅学習で基礎知識の向上を目指す。
授業で取り組んだ分野の問題プリントをロイロノートで配信します。科学用語確認問題、漢字問題、記述問題など出題しました。下のように子どもたちからどんどんロイロノートで提出されてきました。

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配信した問題プリントの解説動画などをロイロノートで配信します。問題の解答はもちろん、どのような表現が良いか、次の実験の注意点なども入れ込みます。これを見れば、問題が理解でき、次回の実験のポイントなども意識することができます。動画は10分程度で作成しました。

家に帰ってからの時間や、土日などの休日に、問題に取り組んだり、その解説を見たりすることで、限られた学校での時間をより効率的に活用することができるようになりました。
子どもたちも、この「反転授業の良さ」と、「この取り組みで気を付けること」が理解できたので、とても助かっています。学校でみんながいないとできない活動をたくさんすることができることが、大変いいところです。より効果を上げるためには、動画や課題に取り組まないと成立しないという点を十分に配慮し、気を付けなければなりません。
4年生の子たちは、よく理解し、前向きに取り組んでくれていてありがたいです。
 

3 年生  科学「オンライン学習~磁石の不思議~」

 3年科学担当 土居 栄秀
 オンライン授業が続く中、子どもたちの科学の学習は自宅で実験を行っています。オンライン授業では、各自家に持ち帰っている(家にあるものでもよい)磁石を使いながら、「磁石の不思議」について迫っています。実験してみることで、磁石の意外な性質も発見することができ、子どもたちも興味深々に取り組んでいます。
 また、普段から科学の授業では、「本物に触れること」「本物を観ること」を何より大事にしています。まずは、自分でいろいろ試しながら発見していくことの喜びを感じてもらいたいと思っています。

桐蔭学園でのオンライン授業期間は今年度 2 回目となります。1 回目のオンライン期間に発明品(おもちゃ)企画第 1 弾を行いました。そこで、今回、磁石を使った発明品(おもちゃ)第 2 弾を行っています。

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磁石の性質を利用して子どもたちの創造力の詰まったものが、ロイロノートの動画でたくさん送られてきています。言葉やテロップでの説明を入れたり、動画に音楽をいれて編集したりと子どもたちがタブレットを操作する技術も同時に上達しているようです。

 

自分で作った発明品をお互いに見合うことで、会いたくてもなかなか会えない友だちのことも、考えられる時間にもなってくれると嬉しいなと感じます。

 

 

読書記録アプリ「Yomumo」開発!

読書担当 石故 裕介

 桐蔭学園では1年から4年生に週に1時間の読書の授業があります。ICT機器が盛んに活用され、画像や映像からの情報収集が容易にでき、力も伸びていきます。それらに加え、東ロボプロジェクトにもあるように今後は「文字から意味を読み取る力」や「抽象的なことを具体的なことに言い直す言語スキル」などが必須となることから3年前より始まった、新しい授業です。その中で、読んだ本を記録する、読書記録カードを書いてきました。「読んだ本をより深く心に刻み、読んだことの価値を高めてほしい」ということや、「のちに振り返ったときにこんな本も読んだな、と思い出してほしい」ということで読んだ本を短い感想とともに書き残しています。

日々読んでいるとなかなか気づきませんが、書き残してみると自分は物語をあまり読んでいないな、ミステリーが好きなんだな、この作者が好きなのか、などの自分の思わぬ読書傾向などもわかり、意外な楽しみにも繋がります。

しかし、これまでの記録カードは紙ベースのため、読書ファイルを手にしたときにしか書けない、書いたものを共有しづらい、どこに書いたか見つけられない、などの課題がありました。そこで、iPadの導入を機に、この記録カードの電子化を検討してきました。

流通している読書記録アプリなどもいくつか調べてみたのですが、学校外の人とつながれてしまったり、小学生にふさわしくない本の情報が検索出来てしまったりと、授業で使うのは難しいということで、当時は実現には至りませんでした。どうしたものか、と考えていた時に、いっそ小学生にふさわしい読書記録アプリを開発してしまおう、ということになりました。

そこで、株式会社ETeqの片山さんにご協力いただき、アプリの開発を進めてきました。片山さんは東京理科大学で先生をしながらSTEAM教育・ICT化教育に関する教材等の開発・コンサルティングを行うETeqの代表をされている方で、今回のアプリ開発に興味を持っていただき、開発をしてくださいました。

6月より開発がスタートし、何度も打ち合わせを重ね、出てきた課題を少しずつ解決し、テストを繰り返し、9月にβ版を子どもたちに実際に使い始めてもらえるところまできました。

実際に使ってみるとまたエラーが発生したり、実際の運用に困るところがあったりしましたので、そちらを修正しながら3か月、運用を進めています。この冬休みにも大きな改修をしていただき、より使いやすくなりました。また、先日、学校にもお越しいただき、子どもたちと直接やり取りをしていただきながらより使いやすいように改修プランもご検討いただきました。

子どもたちも他の人の読んだ本が見られたり、テーマで検索出来たりするのでとても楽しみながら使ってくれています。また、すべての本ではありませんが、本の裏のバーコード(ISBN)をスキャンすると作者名や書名などが自動入力され、表紙画像も出てきます。文字だけだった時よりも視覚的にもわかりやすいですし、入力の手間もかかりません。また使っている様子などはこちらでもお知らせさせていただきますが、Yomumoを使ってこれからもより良い読書体験が進められるようにしていきたいと思います。ご家庭でもぜひどんな本を読んでいるか、共有してみてください。

また、こちらのアプリは今後は日本全国の他の小学校でも活用できるように検討中です。桐蔭学園小学校での活用が日本に広がっていくかもしれないこと、とても楽しみです。

 

3年生 算数「折ったり、区切ったりして見てみよう!~タングラムをロイロノートでやってみよう~」

3年算数担当 船曳 巧頌

3年生を対象に、オンライン期間の午後に希望者に「算数の部屋」という講座を開設しています。今回は、オンライン期間に入って、3回目の講座でした。30人の子どもたちが参加しました!

「タングラム」は、ホテルや民宿にも置いてある子どもも大人も楽しめるパズルです。これを算数的な視点から考え、いろいろな形を作っていきます。

まず、初めにA4の用紙を用意してもらい、「どんな形かな?」と復習から入りました。「2回だけ折って正方形を作ってみよう。」と投げかけたところ、「意外と難しい。」という声が子どもたちから聞こえました。
でも、正方形の特徴を思い出してみると、「すべての辺が同じ長さ」ということにたどり着きました。
「同じ辺の長さを作るには…?」
「そうだ!斜め(対角線上)に折ることで、辺が重なり4辺とも同じ長さになる♪」

 


そんなところからスタートし、タングラムの理解を深めていきました。タングラムは正方形を意図的に区切った形や直角二等辺三角形や正方形、そして平行四辺形などの決まった形があります。

オンラインであったので学校に教科書を置いてしまっている子もいたので、タングラムをロイロノート上でも使えるようにしました。

 

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ロイロノートには、画像を回転させる機能があります。置きたい向きにできるように、回転させられるようにしました。回転の機能の問題上、どうしてもできない向きがあるので、その向きにできるように予備の物も用意しました。

また、子どもの中には、その形を複製の機能を使って「いくつか、使っていいならこれもできたよ!」と教えてくれました。
「先生が複製をすることを予想していなかったよ…。」
子どもたちは、大人の発想をいつも超えてきます。
子どもたちのあっぱれな取り組みでした。

 

以下のように、子どもたちはタングラムやロイロノートの機能を使って、いろいろな形作りをしました。

  

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