5年生の総合学習では、「お米ができるまで」について調べ学習を行ってきました。お米ができるまでにはどんな工程があるのだろう?という問いかけから調べを進めると、「『米』という漢字の中に隠れている八十八は、お米ができるまでにやることの数なんだって!」という声があがりました。お米は長い道のりを経て私たちの口に入っていることに気づいた子どもたちは、主な作業工程について担当を決めてグループに分かれてさらに詳しく調べていくことにしました。すると、田植えの前に苗を踏んで強い苗が育つようにしていることや、どの工程においても昔と今とではやり方が変わって機械化が進んでいること、昔は代掻きを牛や人の足で行っていたこと、米作りは雑草と虫との戦いであること、精米することで消化がよくなること……など、たくさんの知識を得ることができました。自分の担当した作業について新聞にまとめ、学びを共有しました。
そして6月7日、学園内の実習田で「田植え」を体験しました。前の週は雨で延期になっていたため、「この日はなんとしても晴れてほしい!」と、子どもたちはてるてる坊主を作って空にお願いしてきました。その甲斐あって、無事に田植えを行うことができました。保護者の方にもお手伝いをしていただきながら、子どもたちは張り切って苗を植えていきました。
事前に植栽部の方から、代掻きや苗づくりの写真もいただき、自分たちが行う田植えも多くの工程の一部であることを改めて確認して田んぼに向かいました。泥の中に足を踏み入れると、思っていたよりも深い!泥の中ってあったかい!!と大はしゃぎしながらも、苗を大事に持ち、植栽部の方の指導に真剣なまなざしを向け、一つ一つ丁寧に植えていく子どもたちの姿がありました。自分の足跡にできた穴をしっかりと埋めてから次の苗を植え、少しでも倒れてしまうとそっと支えてまたしっかりと植え直していました。田んぼや苗を大事にする姿がとても印象的でした。
これまで百科事典や本、インターネットで調べてきた情報と実体験がリンクすることで、子どもたちにとってさらなる大きな学びとなりました。
子どもたちの感想を紹介します。
土ははじめ入った時はグチョグチョして気持ち悪かったけれどだんだん慣れてきました。日向のところはあったかいけれど、日陰は冷たかったので、田んぼは日光によってかなり温度が変わるんだなと思いました。苗の根っこと根っこが絡み合っていたので、うまくちぎらずに分けるのが大変でした。苗を植える時は、でこぼこした泥の中にずぶずぶ入る感触が気持ちよく感じました。稲になっておいしいお餅を作るのが楽しみなので苗の成長が楽しみです。また田植えをやりたいです。(Т.N)
田植えに入った時の土の感触がグニュグニュしていて、ひき肉をこねる時みたいだった。泥みたいで足にまとわりついてくる感じで足が沈む感触もあった。稲を植えている時には安西さんがアドバイスをくれたので、上手に苗を植えることができた。苗の手触りはニラみたいにツルツルしていて、根っこは頑丈だった。田んぼの水温は割とあたたかかった。田んぼの中を移動する時は、重いものを足で持ち上げているような感じだった。苗が成長してもち米になったらお餅つきをして食べたい。(М.K)
今回田植えを経験して実感したことは、農家さんの苦労です。24時間365日1日も休まず田植えの整理などを、欠かせずやっているのを聞いて、びっくりしました!!(T.R)
水田の泥は普通の泥よりいい感じがした。苗を植えてみた。根っこを入れるのが難しくて、心と腰が折れそうかも…と思った。踏んだところはちゃんと直しておかないといけなかった。踏んだところに植えると埋まらないから。田植えは楽しかった!次この場所に来るのは稲刈りの時だっ!(O.K)
苗の葉っぱをよく見てみると、線がスーッとなっていて、平行線だった。苗を匂ってみると、いいにおいじゃないけれど、山のにおいがした。
毎年豊作になるかわからない中、お米を作ってくれている農家さんに感謝の気持ちが深まりました。これからも農家の人への感謝の気持ちを忘れないようにしたいです!!(T.R)
田んぼは思ったよりぬるかった。泥がぬるぬるしていて不思議だった。縦と横に綺麗に植えることが難しかったけど、赤い印のあるロープが目印になって便利だった。稲作は天候に左右されるので、大変だと思った。安西さんが苗の管理、田起こし、代かきなどたくさんのことをやってくれたので、田植えが無事にできて良かった。(O.T)
稲や田んぼの良い状態に一週間の間ずっと保管してもらったり、先生や大人の人が色々手伝ってくれたり、田植えのサポートを沢山してもらえたおかげで田植えを出来ました。安西さんから稲の植え方や持ち方を教えてもらって、大変だったけど楽しかったです。ドロは、慣れない時足が沈んで転びそうになって焦りました。(O.M)
3組がやろうとすると小降りの雨が降って(3組だけやれない説?)と思ったけど普通にできた!安斉さんが、稲を植えるときに分かりやすい説明をしてくれ、稲を植える量も教えてくれた。土がなんだかネチョネチョしててちょっと気持ち悪かったけど、段々慣れてくると、そんな事関係なくなった。難しかったけど、稲を植える体験が出来て楽しかった!稲が足りなかったので、おかわりした!おかあさんたちも皆楽しそうだった。(S.M)
このような経験も伴う学びによって、子どもたちは、今までよりも、「お米を育てる大変さや楽しみな気持ち」に思いを馳せられるようになると思います。
また稲の成長を見に田んぼに行けるのが楽しみです。