日別アーカイブ: 2020年12月14日

桐蔭学園小学校ラーニングスペース 「ようこそ!いそはた水族館!」

本校にはマルチパーパスホールというフリースペースがあります。そこには、学びにつながる種がたくさん散らばっています。
そこを今年度からは「ラーニングスペース(学びに向かう場所)」として子どもたちに提供しています。

今回は、その一角にある「いそはた水族館」を紹介したいと思います。
本校では理科を「科学」と称しています。理科の各専門分野を持つ4人の教師が、子どもたちを科学的観点から、知的好奇心をくすぐる学習指導をしています。

このラーニングスペースの一画にある「いそはた水族館」を管理する磯畑先生は、生物のスペシャリストです。みんなが見たことも無いような生き物を各地を飛び回ってGETしてきては、子どもたちに紹介しています。
   

下の左の写真は、ビーシュリンプです。品種改良をした結果、白と赤のシマシマ模様になった綺麗なエビです。今は子どもたちのアイディアで、クリスマスツリーに見立てた藻を入れました。赤と白のシマシマなエビと藻のクリスマスに向けたコラボレーションになりました。
下の右の写真はマタマタというカメです。普段は落ち葉に擬態していて動きませんが、餌を食べる時だけ、とても素早く動きます。
   

こちらはマリモです。昨年の6年生が教室で育てていたものです。みんなへの紹介文も書きました。今では、この水族館に仲間入りです。飾っていると、子どもたちが集まってきてジーッと眺める子もいれば、自分でその生物を調べて写真のような説明文をじっくりと呼んでいる子もいます。

こちらは食虫植物です。とっても珍しい品種で、生育させるのは難しいのですが、そこは専門家です。しっかりと元気に育っています。虫を食べる植物に子どもたちも興味津々です。
   

理科室にはもっとたくさんの生き物がいますが、このラーニングスペースの良さは、休み時間などに低学年から高学年までが交流しながら一緒に学べるところです。各学年には生き物の知識にとても詳しい子、とても興味をもった子がいます。ラーニングスペースではそんな子たちが大活躍しています。他の学年の子に教えてあげたり、意見交換したりしながら、生き物を通して「学びの輪」ができています。
このような、子どもたちだけの空間を準備することも「学びに向かう力」の育成には大切だと感じています。

 

3年科学・図工・行事「からだいっぱい秋を感じよう!」

一つの木の実がつなぐ子どもたちのストーリー

桐蔭学園の鉄(くろがね)の森に秋の訪れを知らせてくれる「どんぐり」を使って、教科横断的な学びを経験しました。

●3年科学「どんぐりGO!」
「今日は、このどんぐり図鑑(1人1人にどんぐりが調べられる冊子)を使って、この桐蔭学園に落ちているどんぐりの種類を調べてみましょう!」
大自然に囲まれる桐蔭学園は、季節を感じ創造力を目一杯高めることのできるエリアがたくさんあります。
幼稚園から小学校6年まで、科学(理科)の授業で、季節ごとにフィールドワークをしています。

①まずは鉄の森の中へ
「どんぐりGO! First stage スタート!」
   
「うわ!どんぐりたくさん落ちている!」「こっちのは帽子つきだ!」
早速、森の中で、どんぐりを見つけ、楽しそうに子どもたちはどんぐりを拾っていました。
「拾ったどんぐりは、図鑑を見て、どの種類なのか、みんなで調べてみてね。」
   

   

②次は、桐蔭学園実習田の方へ
「次はこちらが Second stageです!」
   
「あれ?さっきと形が違う? すごく細長い!」「こっちにまんまるのがあるよ!」
「ここが夏に5年生がお米を作る田んぼか~」
   
桐蔭学園の「秋」をたくさんGETすることができました!

③そして、ここからが本番です。理科室に帰ってきて、どんぐりたちを分別し、種類ごとにタブレットPCで写真を撮り、自分だけの「どんぐり図鑑」を作ります。
   

   

   
「これとこれは同じ種類だね。」「でもここが少し違うよ? 違いが分かるように写真に撮っておこう」
みんなで話し合いながら、どんぐりたちを仕分けするのは楽しいようで、黙々と分けては写真に記録していました。
レアな形があると、みんなで共有しました。こうやって実際に秋の自然に触れながら、興味を持って見ることができると、ただの知識ではなく、他にも活用できる「生きた知識」の育成につながります。

みんなで集めた、このどんぐりの山。この後いったいどうなるのでしょうか…?
●図工 造形遊びの日

桐蔭学園の自然を駆けまわり、科学の授業でみんなで集めた「どんぐり」たちは、子どもたちの創造力を爆発させる活動に一役買いました。このどんぐりは、「造形遊び」という行事に使います。3年生の造形遊びは、「あつまれ桐蔭の島!~みんなでつくろう秋の島~」と銘打って、自分の想像する自分だけの秋の島を目の前の素材に触れながら作りました。
「あっ!僕がとってきたどんぐりだ!」
「これはコナラかな?ミズナラだな!」
先週科学の授業え自分たちで図鑑を見ながら取ってきた影響もあり、興味津々でどんぐりを手に取りながら、どう使おうかと考えていました。
   

   
科学と図工の融合がフロア全体で起きていました。科学的知識に裏付けされた物体を、芸術・造形活動に活用する心の動きは、教科横断的活動学習の良いところで、子どもたちののめり込む深さは桁違いです。
   

   

午前中は個人で自分の思い描く秋の島を作りましたが、午後は、各自が作った島を友だちとつなげる活動を入れました。「それぞれの良さが光る島を、どうやってつないでいくか?」これもとてもより思考となりました。

「うわぁ~ キミの島、いいね!なるほどそうやってどんぐりを使うのか~」
「これを、ここに使ったら、2つの島をつなぐいい感じの橋になるんじゃない?」
「真ん中に置くモニュメントのために一緒にねんどをこねよう!」
「これはみんなの島につながるいのちの木ね♪」
   

   

数週間にわたる大きな思考の流れが創造力を刺激し、その成長を支えます。科学科の教員と図工科の教員がそれぞれ協力し、見事に融合しました。とても3年生が作ったとは思えない素晴らしい島がたくさんできました。あらためて子どもたちの創造力が無限大なことに驚かされました。
例えば、松ぼっくりが落ちているのを見た時、子どもたちは「この松ぼっくりは種なのかな?そして何か作れないかな?」という発想になるのに間違いありません。