【エージェンシー】運動会

今年度の運動会も「子どもたちが中心となり、子どもたちが作り上げる運動会を目指す」というコンセプトのもと実施しました。6年生が昨年度5年生の3月から実行委員会を立ち上げ、小学校最後の運動会をどんな運動会にしたいか話し合いを進めました。その実行委員会の話し合いの中で、大きなテーマとして「オリンピックのような運動会にしたい!」ということになりました。観客も含めて温かい雰囲気の中、フェアプレーを大切にしながら、全力で競技に取り組めるというような運動会。こんなコンセプトで運動会を作っていきたいと実行委員会みんなの気持ちがまとまりました。オリンピックのような運動会で実際にやりたいこととして、「入場」「聖火」「応援」などが挙がりました。その後、教員側の意見も入れながら具体的なプロジェクトを立ち上げました。「開閉会式」「応援」「放送原稿・プログラム」「参加賞・軽食」の4つのプロジェクトを作成し、運動会に向けて具体的な話し合いや準備を進めていきました。このプロジェクトのまとめ役は、5年生から運動会実行委員として頑張ってくれているメンバーに任せました。

「開閉会式」では、実行委員会での話し合いでやっていきたいという意見が出ていた「入場」「聖火」について、実際にどのようにしたら実行していけるのか、教員のサポートのもと考えていきました。「入場」の雰囲気は、オリンピックの開会式の入場みたいにしていきたい。そのためにはどうしたらよいか試行錯誤しました。オリンピックでは国旗を持って入場する人がいる。運動会ではクラス旗を作って入場するのはどうか。そのクラス旗に意気込みを書いてもらったらさらにみんなのやる気がアップするのでは?などと考えを巡らせていき、クラス旗を作成しました。「聖火」はどうしたらよいか。実際に危険が伴うため火は使えない。火を使わないで「聖火」のようなことができないか…。火が使えないのなら大玉を掲げるのはどうか?各クラスカラーの大玉を聖火台のようなところに掲げれば「聖火」っぽくなるのでは?そしたら「聖火」ではなく「聖玉(せいたま)」?「聖火」の点火だから、「聖玉」の点玉??「聖玉 点玉式」だ!というようなひらめきで「聖火」ならぬ「聖玉」のアイディアが膨らんでいきました。競技中の温かい雰囲気を出すために観客の保護者に対して「応援メッセージ」を募るのはどうか?それをアナウンサーが読めば、会場の観客も巻き込んでの一体感を出すことができるのでは?と考えて準備を進めていきました。

「応援」は、運動会で応援を盛り上げて一体感を出していくにはどうしたらよいか、どういう応援があるのかなどを考えたり、調べたりするところから始め、応援団を結成するという流れになりました。各クラス応援団と団長を決定し、どんな応援をするか話し合いや練習が始まりました。応援団で考えた応援を縦割りチームの他の学年のクラスにも伝えていくために、応援のやり方を動画で撮り、それを各クラスで見て応援を覚えてきてもらうことになりました。プログラムにも応援合戦を組み込み、競技の前にチームの一体感を出していくこと、各学年1競技目が終わったあとに途中応援を入れて、もう一度全校の気持ちを引き締めてから後半の競技に全力で向かうようにしていくということになりました。

「放送原稿・プログラム」は、当日アナウンサー係が読むための原稿作りや保護者にも配信するプログラムの作成を進めていきました。各学年の競技を担当している体育の先生に根気強く聞きに行き、競技のやり方や見どころなどを探っていきました。6つのコンピテンシーを大切にしながら運動会に取り組もうということで、それをわかりやすくするために運動会のロゴも作成しプログラムに取り入れました。プログラム作成は〆切に追われながらも、最後までやり遂げ、とても立派なプログラムが完成しました。

「参加賞・軽食」は、全校児童が参加する運動会でどんな参加賞をもらえたら嬉しいか、競技中にどんな軽食があればその後の競技も全力で頑張れるかを考えていきました。話し合いの結果、参加賞は桐蔭学園公式キャラクター「キリリン」がハチマキをして応援旗とバトンを持っている「アクリルキーホルダー」、軽食はアレルギー成分がなくエネルギーチャージに適した「INゼリー」になりました。その後は、「入場門」「横断幕」プロジェクトの追加があり、そちらの準備も進めていきました。

事前のプロジェクトとは別に、運動会当日の係も決めていきました。「審判」「用具」「アナウンサー」「得点」「案内」「入場」「1年生サポート」「応援専属」「応援メッセージ」の9つの係です。これらの係には6年生が全員所属し、当日の運営にあたりました。「案内」係は、予行練習のときにそれぞれの競技がどの場所が見やすいかを記録し、それを図示して保護者に知らせるような取り組みもしました。

今年度の運動会は、事前プロジェクトと当日の係に携わった6年生を中心に、全校児童が一丸となって競技や応援に全力で取り組むことができました。結果は、まさかの全チーム(赤・白・緑)同点優勝という奇跡!!桐蔭学園小学校運動会史上初めてのことだったのではないでしょうか。この運動会を中心で引っ張っていってくれた6年生は大きな成長を遂げることができました。6年生のエージェンシーが最大限発揮された運動会になりました。