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子どもたちが安心して過ごせる環境づくりに向けた「認め合い」の実践(4年)

子どもたちが、学校で自分の力を存分に発揮し、成長していくには、まずクラスが子どもたちにとって「安心して過ごせる場」であることが求められていると考えています。
例えば、授業中に発言したときに、その内容が認められず、周りから笑われたり、強く否定されたりしては、次にもう一度挙手しようとする意欲も下がってしまいます。それでは、子どもたちがのびのびと成長することはできません。
そこでクラスで大切にしたいことは、「互いを認め合う」ということです。
「今まで出会った方で印象深い人を思い浮かべてください。」と言われると、「厳しかった方を思い浮かべるかもしれませんが、多くは「自分を認めてくれた方」を思い浮かべるのではないでしょうか。人は「認められる」ことで、自分に自信を持ち、自己肯定感を育むことができます。成長途上のこどもたちにとって、「認められる」ことは非常に重要なことです。「認めること」を、大人だけではなく、子どもたち同士でできる環境を作ることが重要です。私たち教員は「その子自身が相手を認められる人になってほしい」と願い、子どもたちの間に「互いを認め合う」活動を取り入れるようにしています。

例えば、帰りの会の時に、「友だちの良いところ」を発表し合います。発表で名前が挙がった子は、自分の頑張りが認められたことで喜びを感じます。また、発表した子もクラスで称賛します。なぜかというと、「友だちの良いところ」は意識しないと見つけられないからです。人は、悪いところに目が行きがちです。良いところは意識していないと気づくことができません。よって、発表した子は認めてくれる友達がいるからこそ発表できるのです。だから、発表してくれた人をみんなで称賛します。このように続けていくことで、互いの悪い点を指摘し合うのではなく、良い点を認め合っていこうとする雰囲気がクラスの文化として培われていきます。このようにして、クラスが子どもたちみんなの「安心して過ごせる場」となっていくのです。

◎「認め合い」を視覚化したもの。木の葉っぱや星、太陽など、クラスごとの特徴が表れています。
      

◎以下の画像は、児童が夏休みに書いた絵日記です。「認め合い」を実践していくために、互いの書いた絵日記を読み合い、良かった点を付箋に書いて貼り合いました。一生懸命に取り組んだ自分の絵日記に、みんなから「認める」コメントが集まることで、どの子も喜んでいました。
      

8月下旬に登校してきた4年生の子どもたちに「これからクラスをどのようにしていきたいですか?」と問いかけました。すると、子どもたちからは「思いやりのあるクラスにしていきたい」「個性を大切にするクラスがいい」「助け合うクラス」「自分に自信を持つ」「行動で表していくクラス」「安心できるクラス」などといった意見が出されました。


黒板に掲示されたホワイトボードの写真は、子どもたちから出た意見を班ごとにまとめたものです。多くのボードの中心に「安心できるクラス」というものがありました。
学校という場が、子どもたちにとって「安心できる場」になってほしいという想いがあることが改めてわかりました。
子どもたちは成長している過程であり、「自分」を構築していく中では、やはり「自分に自信が持てる」ような「安心して過ごせる場」が大切なのだと言えます。
小学校で身につけさせたい6つのキーコンピテンシーの「思いやり」「メタ認知力」「エージェンシー」に大きく関わっているとても大事な「心」を育てる部分だと思います。

 

6年 リーダーシップトレーニング 探究(クラス目標)の実践報告

探究活動を通じたクラス作りを紹介します。クラス活動が円滑に進むために、各クラスで「クラス目標」を作ります。それぞれの学年に応じて、先生と話し合ったり、児童だけで学級会を開いて自分たちで考えたりして、その年の自分たちの成長に役立てます。
以下は、6年生の実践です。シンキングツールやホワイトボードを活用しながら、学級会で意見を共有しました。

◆学級の様子「クラス目標決め」
クラス目標が4回の学級会を経て決まりました。最終的に子どもたちに、「満場一致」「それだよね」といった雰囲気が沸き上がり、とても素晴らしい決まり方でした。思考ツールを使いながら個の思いを深め、グループ→クラスの話し合いと進みました。大まかな流れは以下のとおりです。

①昨年5-3でできるようになったこと/課題 黒板一面に書き出す。
   

②6年でこんなクラスだったらいいなということ付箋に書き出しダイアモンドランキング作成。(付箋を1人10~15枚程度は使っていました。)
   

   

③ ②で一番上に選んだもの/こんなことがあったら嫌だなと不安に思うこと/その対策、をYチャートに書き出しました。
   

   

④6年のクラスとしてどうする?という問いかけがありました。
→クラス目標を決めて取り組みたいと意見がまとまりました。

⑤クラス目標に向けたキーワードを②③をもとに班(4~5名)で話し合い、ピラミッドチャートを作成しました。

⑥ ⑤のピラミッドチャートを元に班ごとに発表しました。
   

⑦ ⑥をもとにクラスで目標の文言の話し合いを行いました。
   

⑧ キーワードを検討しピラミッドチャートでクラス目標を決定しました。
⇒最初はピラミッド三段で考えていましたが、最終的に2段案が出され、満場一致で納得し決定しました。
   

   

クラス・ピラミッドの頂点は、クラス目標の理想形として「楽しかったクラス」となりました。目標ですが、過去形なところが斬新です。卒業を迎える(達成)時をイメージして出てきた言葉です。
この下に「笑顔」「行きたい」「男女仲良く」「協力」があります。それぞれ言葉はシンプルですが、②でクラス総数400個程度のキーワードの思いが詰まった最後の4つのキーワードです。
個の部分で思考ツールを使って考えを深めていたので、その後の班での話し合いがしっかりしたものだったと思います。そして、前日の話し合いが煮詰まっていただけに、当日は最終的にクラスみんなが達成感を得たフィナーレでした。

以上です。

 

5年 生き方探究(キャリア教育)の実践報告

本校の総合学習では、3つの柱を作り、取り組んでいます。その3つは、「環境・生命」「リーダーシップトレーニング」「キャリア(生き方)教育」です。5年生になると、本格的な「探究」活動が始まります。まずは、「求める」ことを大切にして、「探求」から始まります。やがて、学びが深まるにつれて、「求める」ことから「究める」ことへとつながっていきます。5年はまず「米」の学習をします。「生命」のテーマにつながる「探究」です。そして、6月には「田植え」を行い、現在も「米の調べ学習」に取り組み、深めています。秋には稲を収穫し、冬のもちつきへとつながります。
今回は、同時進行で取り組んでいる「生き方を探求しよう」という「探究活動」の実践報告です。まずは「自己理解」をしっかり行おうということから、「他の人の生き方」を参考にする「探求」が始まりました。そこで、「人生の先輩」として、音楽ディレクターの方や絵本ナビの編集者の方などから、「自分の好きなことを生かして現在の仕事をしている」というお話をビデオでいただきました。この取り組みの区切りとして、現在、テニスのトレーニングコーチをしている卒業生の小澤宏幸氏にZoomを使った生の声を聴く機会を得ました。以下、5年学年主任の吉川慎司教諭による「生き方探究」の説明と、小澤氏を迎える前説と当日の様子です。
【7月7日の実践~卒業生 小澤 宏幸氏を迎えて】
(指導概要)

(当日の前説プリント)


Zoomでの様子

ワークシートに書き込む

質疑応答を考える

 

6/12(金) 1年生と6年生によるZOOMでの交流活動(探究活動)

6年生の企画により、1年生とのZOOMによる交流活動が行われました。時間帯で数グループに分けて、交流会を行いました。
6年生は、これまでリーダーシップトレーニングの一環として、1年生に「学校の魅力を伝えよう」というテーマで探究活動を行ってきました。「学校へ行くのが楽しみだな」と思ってもらえることを今回の目標にして準備をし、自分たちの取り組んできたことが1年生に伝わるように練習をしました。自分の話し方、話すスピード、表情などに工夫をしてできるように、当日に備えました。この交流会を通じて、他の友だちの様子などからの学びもたくさんあったようでした。
7月から登校を再開します。6年生は、実際に1年生に会うのが楽しみになったようでした。とてもよい経験と学びになったようです。