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1 2025年12月24日  NEW!! 【チャレンジ力】【メタ認知】第5学年おまつり「桐蔭万博」
2 2025年12月24日  NEW!! 【創造力】【エージェンシー】6年間の集大成、社会とつながる桐蔭まつり
3 2025年12月24日  NEW!! 【創造力】【チャレンジ力】【エージェンシー】4年 お祭り
4 2025年12月24日  NEW!! 【思いやり】【チャレンジ力】3年 お祭り 
5 2025年12月12日 【思考力】1年「『探究』学習をどうスタートさせるか?
 
 

【チャレンジ力】【メタ認知】第5学年おまつり「桐蔭万博」

1.テーマ設定

5年生では、「チャレンジ力」と「メタ認知力」の育成を主題とし、おまつりのテーマを「学年じゃないとできないことって何?」と問いかける形で設定しました。 この問いかけの結果、学年テーマを「桐蔭万博」と決定し、各クラスの出し物を学校紹介、映画など趣向を凝らした「パビリオン」として企画・準備を進めました。

2.実行委員会

おまつりに向け、各クラスから数名ずつの実行委員を募集しました。実行委員会は、クラスごとの企画を持ち寄り、集約する中心的な役割を担いました。 また、実行委員会主導で、スタンプラリーや看板作りなどの学年企画を立ち上げ、「学年として運営する」という点を意識しました。

活動期間中は、実行委員会が定期的に会議を開き、以下の2点を確認する「振り返りの場」を設けました。

  1. 学年テーマ「桐蔭万博」とあっているか?
  2. 学年全体で協力してできているか?

この定期的な「確認と振り返り」が、子どもたちが自らの活動を客観視し、修正するメタ認知の機会となりました。

3.本番におけるチャレンジと臨機応変な対応

当日は、集客状況に合わせて教室のレイアウトを変更したり、来場者からのフィードバックを受けて企画内容を修正したりと、状況に応じて自らの行動を修正する姿が多く見られました。 特に、積極的に教室の外に出て呼びかけを行うなど、予期せぬ状況に主体的に対応するチャレンジ精神が発揮されました。

4.活動を通じた学びと次年度への展望

おまつり終了後には、活動を振り返る時間を設定しました。子どもたちの記述からは、準備段階での困難(著作権問題による企画のやり直しや、意見の衝突)や、当日のトラブル(在庫切れ対応など)を乗り越えた達成感が強く感じられました。 また、「来年は6年生」という最終学年を見据え、本実践で得た課題解決力を次へと繋げようとする前向きな姿勢も見られました。

5.子どもたちの振り返りより

最初はあまり人が来てくれなくて、呼び込みで人を増やして、缶バッジが人気で、結構の人が来てくれて、在庫が無かったりする物もあって、缶バッジを予約したのに作ってもらえなかったり、いろいろトラブルがあったけど、みんな前日とか準備を頑張っていて、意見が違って言い合いになったり、著作権の問題で最初からやり直しになったりとありましたが、、そこも頑張って乗り越えていてよかったです!!!!!!みんな頑張ろう!!!!!!!っていう気持ちを感じたので、よかったです!!!!!

受付での準備では、お客さんが楽しめるようにスタンプを用意して、楽しく、回れるようにしました。そして、受付ではお客さんが使ったゴミなどを回収する、ゴミ箱を用意しました。そして5年2組でお客さんが楽しめるように、音楽を流して、盛り上げたいと思い、音楽を流しました。

当日は、パビリオンを説明できるように各パビリオンの内容を確認して、説明の練習をしました。お客さんが楽しく、わかりやすく回れるように、説明をしました。そしてお客さんからわからないことなどを聞かれた時には相手がわかりやすいように答えました。各パビリオンの魅力など伝えることができたと思います。

片付けでは、受付が早く終わったので、違うパビリオンに行き、手伝いをしました。片付けも協力することができたと思い、今回の桐蔭祭りは楽しかったです。

 

 

【創造力】【エージェンシー】6年間の集大成、社会とつながる桐蔭まつり

今までの桐蔭まつりを越える

6年生の桐蔭まつりのテーマは「今までの桐蔭まつりを超える」というものでした。「ただ楽しむ」だけでなく、「社会とのつながり」を意識し、「防災」、「他者理解」、「多文化共生」といった社会の現状と向き合うという、テーマでした。

戸惑いと試行錯誤

とても大きなテーマを前に、何をどう作ればいいのか、具体的なイメージが湧かないまま時間が過ぎていく中で、大きな不安を感じている子も多くいました。
当初のテーマから変更を余儀なくされるチームもありましたが、柔軟に対応し、既に使用していた資材を新しいテーマに活かすなどの工夫を見せました。
資材の不足や、メンバー間の意見の衝突など、起きた問題に対し、児童たちは「チーム」で立ち向かいました。他のグループと協力をしたり、材料を交換し合って自分たちの作りたいものを作ったりするなど、強い団結力が生まれていきました。

桐蔭まつり当日

数週間にわたる葛藤と努力を経て、祭り当日を迎えました。児童たちが創り上げた空間は、来場者の驚きと笑顔に溢れていました。来場者のみなさんからは、「瓦礫を避けるゲームはとても流行っていた」「フォトスポットはクオリティも高く、とても面白かった」といった感想が寄せられ、準備の苦労が大きな喜びに変わりました。楽しさだけでなく、テーマの核心であった「社会貢献」も実現しました。展示を通してテーマへの理解を深めてもらい、募金活動を行い、多くの方々にご協力いただき、3団体へ寄付を行うことができました。

祭りを通した学び:6年間の集大成として

今回の桐蔭まつりでの取り組みは、まさに小学校で過ごした6年間で培った力が試される集大成となりました。子どもたちは、仲間と試行錯誤し、困難な状況を乗り越える過程で、創造力・エージェンシーをはじめとした6つのキー・コンピテンシーを大きく成長させました。
この経験は、児童たちがこれから中学校へと進み、社会に出ていくうえで、大きな自信となり、かけがえのない財産となるでしょう。

 

 

 

【創造力】【チャレンジ力】【エージェンシー】4年 お祭り

4年生は、昨年度の経験を生かして「もっと良くするにはどうしたらよいのか」を考え、学年全体のテーマを設定し、そのテーマの要素を入れた企画をクラスで考えるという形で進めていきました。学年全体のテーマは9月までの総合探究で高齢者福祉を学んだことを発展させ、「ユニバーサルデザインな企画を考えよう」としました。

【4年1組】

4年1組は「南国めぐり~寒い季節だからこそ心をあたたかく~」というテーマで、探検型スタンプラリー×ユニバーサルデザインの企画を実施しました。迷路を探検し、チェックポイントのチャレンジをクリアしてスタンプをもらい、ゴールを目指す企画です。

迷路の途中には点字ブロックやピクトグラムで案内するなどのUDの工夫が散りばめられています。

今回、学級会で3年生の時に行った小グループに分かれて各企画を行う縁日・屋台形式ではなく、クラスで1つの企画を行うアトラクション型にチャレンジすることになりました。

準備期間中、チーム間の連携不足や意見の食い違いといった課題に直面しましたが、その都度話し合い、一人ひとりの意見や考えを尊重して解決を目指しました。

子どもたちは、準備から本番までを通して「クラスで協力すれば、難しいことでも乗り越えられる」ということを、学び、成長することができたと思います。

4年2組は「春夏秋冬」をテーマに、4つのブースを作る活動に取り組みました。活動のスタートとなる話し合いでは、それぞれのやりたいことと全体のテーマを共存させつつ、3年生の時よりどう発展したものにできるのかを話し合い、企画テーマが決定しました。

ブースごとの準備では、どの年齢の人が来ても参加しやすい企画のアイデアを出し合い、難易度をお客さんが選べるようにするなど、誰もが楽しめる企画を作り上げていきました。また、細かい作業や大胆な制作など、様々な場面で一人ひとりが自分の得意なことで存分に力を発揮しました。意見がまとまらない場面では、話し合いでお互いの考えを調整し、より良いものを作り上げようとしていました。本番は全員が責任を持って役割を果たし、大成功で終わりました。新しいことに挑戦するために、話し合い、協働した経験は一人ひとりに大きな成長をもたらしてくれたと思います。

【4年3組】

4年3組は学年テーマであるユニバーサルデザイン(UD)の視点をもとに「誰もが楽しめる体験型」の企画を実施しました。風船バレーボール、新聞走り、コイン落とし、ターゲットストライク、感触くじの5つのUD遊びを企画・実行しました。
子どもたちはUDの考え方を理解し、既存の遊びに工夫を加え、創造力を存分に発揮しました。企画・立案から当日にかけ、こういうものをやりたいというエージェンシーと成功に向けたチャレンジ力にあふれていました。加えて準備段階では、クラスのみんなと作業する中で、俯瞰して考えるといったメタ認知的な思考も忘れずに取り組みました。
当日、クラス内は皆の楽しむ様子にあふれ、来場者も満足した笑顔で帰る大成功を収めました。子どもたちはこの協働と創造の経験を通して、大きな成長を遂げられたと思います。

【まとめ・振り返り】

 片付けが終わったあと、今回のおまつりの振り返りを行いました。準備や当日のことだけでなく、次を見据えて今回で得られたこと、次につなげていきたいことをまとめました。上級生の企画を見て、刺激を受けたようです。今回の取り組みで学んだことを生かして、また来年素晴らしいものをみんなで作り上げてもらいたいと思います。

 

【思いやり】【チャレンジ力】3年 お祭り 

3年生の子どもたちは、昨年度までお客さんとしての参加でしたが、今回いよいよ自分たちがお客さんを招いて発表する立場となりました。

桐蔭まつりの準備に当たり、まずは3年生全体で学年の目標(「思いやり」「チャレンジ力」「協力」「みんなを楽しませる」)を確認することから始まり、それらを元に各クラスでテーマ、そして内容を決めました。クラスの話し合いは実行委員が中心になって進めました。各クラス、試行錯誤しながら自分たちのテーマや企画内容を決めていきました。

1組:「自由チャレンジワールド」

クラスを3か所に分け、「おばけやしき&射的」「クラフト」「サバゲー(サバイバルゲーム)」の3つの企画を行いました。それぞれがやってみたいことを表現しつつ、お客さんに楽しんでもらうためにはどうすればよいかを考えて準備を進めました。

2組:「自然」

自然をテーマにして、「魚釣り」「わなげ」「射的」「おばけさがし」「自然クイズ」「スライムづくり」の6つの企画を行いました。各グループの活動や企画の中にどのように「自然」の要素を組み込んでいくかを考えながら準備を進めました。

3組:「サイエンス」

サイエンスをテーマに、自分たちがやりたいことが縁日形式でまとまり、「実験(スライム作り)」「工作(レジン作り・植物の折り紙)」の3つの企画を行いました。当日の企画がスムーズに進むためにどうしればよいか、予備実験を繰り返し、よりよいやり方を模索しながら準備を進めました。

お客さんを迎えたときにどんな対応をするか、前日準備までのところで各グループで話し合っていました。しかし、当日いざお客様を前にすると、想定していなかったことも色々と起こり慌てている様子もありましたが、一人でも多くのお客様に自分たちの企画に触れてもらいたい、楽しんでもらいたいという気持ちで一生懸命おもてなしをすることができました。

まつりが終わり、あっという間に片づけを行うと、はかなさを実感するのと二か月間におよぶ準備が充実していたことを振り返ることができました。この今年の経験を生かし、来年の桐蔭まつりではさらにレベルアップした姿を見せてくれたらと思います。

 

 

【思考力】1年「『探究』学習をどうスタートさせるか?

「探究の原動力」は、「探究心」だと考えます。

その事象に対して「探究心」を持っていないのに「探究」の「手続き」や「経験」をするとしたら、それは「課されているから」なのではないでしょうか?

「探究」と「課されている」ことは、本来、矛盾することのように思えます。

では、「探究心」は、どのようなときに出てくる(育つ)のでしょうか?

私たちは、「探究心」を以下のように定義し、以下の3つの「とき」に出てくる(育つ)と考えました。

私たちが考えた〈探究心の定義

「どうなっているんだろう?」「真相」「深い部分」「実際」

知りたいと思うこと

どのような時に?

☆1自分にプラスまたはマイナスの影響(利害)がある(あった)とき

↓↓

もっとあるように探究なくなるように探究

☆2「すごい!」と思った(畏敬の念を持った)とき

ということは、その対象のものに「愛情」がある、ということだから(その「愛情」が探究のエンジンになる)。

☆3「面白い。」「変だなぁ…。」と感じ、「興味」がある場合

自分の認識と違うゾ~…。」

☆1の「現実的探究」は、「自立度が上がるのに比例して行われる探究」だと考えます。ですから、小学1年生には、「探究心」の「☆2」と「☆3」をアシストしよう、と考えました。

ステップ1〈6月〉

一学期に「生活科」の授業で、教材の鉢に、各自が家の人と相談して持ってきた種を蒔き、学校のテラスで水やりをし、育てた際に、観察カードの「吹き出し」で、

「めやはをかんさつして、きづいたことやぎもんにおもったことやすごいとおもったことをかこう!」

と投げかけると、「なぜ、みずやりをするだけでこんなにおおきくなるの?」

「なんで、たねからはながさくの?」という☆2に当たる疑問、気付き、「すごい。」と思ったこと、が寄せられました。

それに対し、まずクラスみんなで討議してみました。

すると、「肥料の玉を入れたじゃん。(だからだよ。)」とか「土も必要だよ。」などの「本に書いてあった。」という知識が披露されました。

それに対し、「え~、でも、水だけでも育つよ。」

という知識も出されました。それに対し、「育たないよ。」という認識も出されました。

そこで、「水だけでも育つ植物」という検索をし、そこから(そのつぼみが国語の教科書の説明文の『つぼみ』でも取り上げられていた)「蓮」を前のスクリーンで共有しました。(1年生には、まだ、各自のiPadで「検索」をすることはできない「前提」のため。)

「でも、このように『なんでたねからはながさくの?』と書いた人がいるけれど、種の中に花の小さいのが折りたたまれたりして入っているの?

と問いかけると、「入っている。」と言う児童や「入っていないよ。芽は入っているけどね。」

と言う児童、「芽や葉っぱの素が入っているだけだよ。」と言う児童が出てきました。

そこで、「じゃあ、後ろに掲示してある、みんなが描いた『種の中の予想図』をもう一度見てみよう。」と話し、確認しました。

添付のように、花の『赤ちゃん』を描いていた児童もいれば、葉や芽の『赤ちゃん』を描いていた児童もいれば、芽や葉の『基』を描いていた児童もいました。

その後、すぐに夏休みに備えての「持ち帰り」期間に入り、授業でのみんなでの「探究」は「小休止」となりました。

ステップ2〈9月〉

夏休みに各自が持ち帰った「鉢植え」の観察の結果、

◇1「ぽんぽんダリアだと思っていた。でも、じつは、けいとうだ。なんでけいとうなのかはわからない。けいとうもきれいだけど。」

◇2「みずやりをまいにちしても、つぼみがつきません。なんでだろう。

くきやははせいちょうしているのに、はながさかないのがふしぎです。」

◇3「つぼみがやっとできました。さいしょは、はなはいきていないとおもったけれど、いきていたので、はなってすごいな、とおもいました。」

というような☆3に当たる「気づき」「発見」「疑問」と☆2に当たる「畏敬の念」が「かんさつはっけんカード」に書かれていたので、それを共有しました。

そして、「『実は』ということは、『本当は』ということだから、『本当はどうなのか』という『真相』に気づいたことになるね。しかも、自分で、ね。まるで、コナンくんみたいだよね。」と「じつは。」の「価値づけ」をしました。

また、授業者の「夏休みの間の探究心」も伝えておいた方がいいと考え、

◆1:一学期に話題になった「蓮」の葉と「種ができたところ」を写した写真と種を割った実物の写真

◆2:シソの茎の断面が四角いことを書いた「まどみちお」さんの詩と実際にシソの茎の断面を写した写真

〈おどろいてしまった立ちがれたシソのくきを切りとってみたら切りくちが四角なのだ〉

《『いわずにおれない』まど・みちおより》を用意しました。

そして、「実は、種の中には、芽の赤ちゃんがいたんだね。生き物ってすごいよね。」と「生命への畏敬の念」と「探究心を持って探究すると『真相』にたどり着ける」ということを、またまた「価値づけ」しました。

ステップ3〈9月〉

以上の「探究心へのレディネス」(探究心の芽生え)を持った状態で、

「今度は、『鉢植え』より大分大きい『学校の周りの『ビオトープ』や『鉄の森』の自然』を観察して、学校の周りの生き物や植物が、実際には自分が今までに思っていたイメージと同じか、違うか、確認してみますか?」と投げかけました。〔ねらいの提示〕

多くの児童が、「行きたい!」と言いました。

結果、以下のような「探究材料」を共有することができました。

ーーーーーーーーーーー

〈「フィールドワークビオトープではっけんしたこと」の用紙より抜粋〉

・虫は、ちかづいただけでにげるから、虫は目がいいんだなぁ、とおもいました。

・なんでわたしのずぼんの上にのってきたのかな。てんとう虫がわたしをすきなのかね。

・じつは、こけは、水にぬれているときはつるつるで、水にぬれていなかったら、ざらざらでした。

・じつは、バッタのつのは、あかだった。まえにきたときは、はっぱがすくなかったのに、きょうは、くさがおおかった。

・バッタのじゃんぷするあしのはじまりをもつと、にげられないことがわかった。

・バッタにはねがあるのはわかっていたけれど、4まいもあるのはしらなかった。

・バッタがあんなにはやいとおもわなかった。

・ちゃいろのバッタもいるんだとびっくりした。

・どんぐりがみどりだった。

・ちょうちょがはやくてつかまえられなかった。

・しょっかくがながかった。

・ショウリョウバッタのしっぽがながかった。

・ショウリョウバッタの子どもにきばが生えていたのがすごい。

・ちょうちょがいがいとはやい!

どんぐりがみどりで、下にとげみたいなものがあった!

・コケはみどりのものだとおもっていたら、じつは、ちかくから見たら、しょくぶつだった。

・なんしゅるいもあった。しろいコケがきれいだった。

・いろんなコケがまざってみどりのもだとおもいこんでいたのかも…。

・どんぐりのぼうしがとれたのがすごいとおもった。

・つかまえてすうふんたつと、なついてくることがわかった。しょくぶつはちがうのに、せいちょうはおなじくらいのスピードだった。

・ありがありにのっている?!

・はっけんしたことは、ばったのあしがはやかったことです。

・はっけんしたことは…ちょうちょのもようは、てんとうむしみたいにてんてんをしていた。

はやいし、たかいし、とおくへとべるし、すごくほそいよ。つかまえるのがむずかしいのに、

じぶんのようふくにとまったから、一かいだけでしたが、そのバッタだけちゃいろだったよ。

すごくみどりでくさみたいだったから、あんまり見えなかったよ。

【くろがねのもりフィールドワーク】

・ふつうだったらどんぐりは一つなのに、二つついているどんぐりがあって、びっくりしました。

・はっぱをたべてる虫もいました。

・このきのこはきのぼうについてる。

・ここはもりの中だから、たいようが見えないよ。

・このきのこは、さわるとすぐくずれてしまうきのこです。

・あんまり見つけられなくて、日かげにありました。

・日なただとかれちゃうとおもいました。

・きのこにもいのちがあって、たいようからかくれているの?

・この虫、わたをもって、どこへはこぶんだろう?

・バッタはびんをひっくりがえしてもおちてこない。

ありはびんをひっくりがえすとおちちゃう。

・じつは、どんぐりの中はかたい。なにかが入っていた。

・きのこがやわらかかった。うらはスポンジのようでした。においは、とてもくさかったです。

・中にめがありました。うらにきいろいものがありました。

・花にきみどりのみがなっていました。きっと花がさくじゅんびをしているとおもいました。

・どんぐりのぼうしからはが出るとおもっていたけど、ぼうしがなくてもはが生えていて、びっくりした。

・くものすがあってもくもがいなくて、ふしぎにおもった。

・ほそい木がはっぱがすくなかった。

・コオロギにしっぽがついててびっくりしました。

・うしろあしにとげが一ぽん一ぽん生えててびっくりしました。

・しょっかくがながくて、びっくりした。

・まゆの中に白いたまごが入っていました。

・どうぶつらしいのがほったあながあった。もしかしたら、どうぶつがそこでねたのかも。

・せみのなきごえがなにかをいっているようにきこえた。

・ラベンダーみたいな花でもみどりのみがついていてふしぎだなぁとおもいました。

・みどりのはっぱは、「ささかなぁ?」とおもったけど、わかりませんでした。

・はっぱをめくったらだんご虫やしらない虫もいました。

・草や木があるところはあついのに、草や木がないところはすずしかった。

・日にあたるときはあつかったけど、日かげだと、けっこうすずしかった。

・木は一かい目より大きかった。

・木がとても大きくて、大きくて、見たら、あとちょっとでくもにとどきそうでした。

ーーーーーーーー

 

これらの「発見」をクラスで共有し、その中の幾つかの「発見」に対し、「探究」へとつながる「道しるべ」が見出されました。例えば、

◎「むしは、ちかづいただけでにげるから、むしはめがいいんだなぁ。」という「予想」に対し、「どうやって確かめる?」と問うたところ、「物を置いて実験してみる。」などの考えが出されました。「でも、それで、物をよけたとしても、『音』でよけたのかもしれないよ。」という考えも出されました。

◎「(落ちていた)どんぐりがみどりだった。」という「発見」に対しては、「どんぐりは茶色。」という「これまでの自分たちの常識」とは違う「発見」だったので、「木に付いているときは緑色で、落ちてから茶色になる。」という「予想」と、「木に付いているときに茶色になって落ちるのだけど、強風などで、緑色のうちに落ちてしまったのではないのか?」という「予想」が出て、「次のフィールドワークで確認しよう!」ということになりました。(これぞ、まさに、「探究」。)

◎「このきのこは、…あんまりみつけられなくて、ひかげにありました。ひなただとかれちゃうとおもいました。きのこにもいのちがあって、たいようからかくれているの?」という「予想」に対しては、「日なたにもあるのかなぁ?」、「きのこに命があるのかなぁ?」「じゃあ、引き抜くと死んでしまうの?」「草にも命があるのかなぁ?」「じゃあ、踏まれると痛いの?」「髪の毛は切っても痛くないから生きていない?」「生きていないのに、なぜ、伸びるの?」などの会話がありました。

これらの「探究材料」の価値は、児童本人(たち)が気付いた、発見した事象である、ということです。(私たち授業担当者が提示したのは、「自然(生き物,植物)」という(探究の)枠だけです。)

かと言って、「探究心」の醸成をせずに「自然観察」をして「疑問に思ったことを書きましょう。」と投げかけるだけだったとしたら、「どんぐりはなんで茶色なの?」などという「素朴な疑問」を持つに止まり、(そもそも「どんぐり」が「茶色」であることに「理由」などないので、)「探究」へとは発展しなかったのではないかと考えます。

それが、☆2のように「すごいと思ったこと」、☆3のように「自分の認識と違うこと」を見付ける喜び(探究心)を味わう姿勢で「フィールドワーク」をしたことにより、緑色のどんぐりが落ちていた際に何も考えずに素通りするのではなくて、「これ、どんぐり?」と自分の今までの常識「どんぐり=茶色」と違う事象を意識し、「どんぐりだとしたら、まだ緑色のうちに風か何かで落ちちゃったの?それとも落ちてから『緑色→茶色』になるの?」という「自分の認識にはなかったこと」を「探究」しようという「探究の材料」を得ることができたのではないかと思います。

実際、このような「探究の材料」ならば、この後、本で調べたり、ネットで探したりしたとしても、そこに書いてある漢字や言葉の意味さえ大人が教えてあげれば、小学1年生でも「探究」をすることはできますし、「書いてあることに専門知識が含まれていたりすれば自力での『探究』は難しい」としても、少なくともこのように、「(本校では3年~始まる)『探究』に向けて、大切な『探究心』(「『すごい。』と思う」「変だなぁ…。」と思う心)を育てることができるのではないか」と考えて行っています。

 

【思考力・思いやり】2年生 町探検

子どもたちが生活をする日々の社会は学年が上がるとともに、家庭や学校といった小さな単位から、自分達が住む地域、そしてより広い社会へと拡張されていきます。

2年生生活科では、「自分たちが生活している場所にはどんなところがあるのだろう?」という視点でまずは学校内を探検しました。「発見メガネ」をかけることを意識すると、いつも当たり前にあるものも「なんでここにこれがあるんだろう?」という発見に変化していきます。その変化を楽しみながら、身の回りの探検の範囲を広げていき、今回は学校を飛び出して、普段登下校で使わせていただいている新百合ヶ丘駅と青葉台駅・江田駅方面の2方面に町探検に行きました。

事前学習では、まずは大半の児童が利用しているスクールバスの経路を思い起こしながら、学校の周辺にありそうなものを予想し、その後実際に青葉区と麻生区の地図をみながら実際にあるものについて調べていきました。予想と実際に地図をみて発見したことはシンキングツールにまとめました。

「学校の周りには緑がいっぱいあるね!」「遠足でいったこどもの国も青葉区なんだ!」「桐蔭学園ってすぐ隣は川崎市なんだね!」「新百合ヶ丘の駅の周りには銀行がいっぱいある!」「新百合ヶ丘は大学が2つ並んであるよ!」など、とにかくたくさんの気づきを得ることができました。地図上での発見から、どんな街なのかのイメージも広がっていきます。

さて、実際に行ってみるとどうなのでしょうか…?

11月12日は新百合ヶ丘駅周辺、26日は青葉台駅周辺へ探検に向かいました。

両日とも事前の予想と地図で調べたことを頭に入れつつ、実際に発見したことをメモしながら町を歩いてみました。

「あっ、薬屋さんあった!」「ラーメン屋さん発見!」「美容院が多いね!」など、地図だけではわからなかったたくさんのことに気づくことが出来ました。また、「これ、僕の町にもある」など、自分の住んでいる街との比較も自然とおこなわれていました。日常生活は私たち大人でも、自分の生活に密接なお店・施設は意識されますが、関わりの薄いお店などはあまり気に留めないものです。今回のように、町全体を学習という視点でみることで、普段はあまり関心のない施設にも興味をもつことができたのは学びのひとつとなりました。

私立小学校は多様なエリアから通学してきているため、「学校がある町」という意識を持ちづらい側面がありますが、今回実際に見学をできたことで子どもたちのなかにも学校周辺地域への意識が高まったのではないかと考えます。

※青葉台駅探検の際は、移動範囲も広いことから各クラスの保護者の方にもボランティアをお願いし、横断歩道の確認など移動中の安全確保にご協力いただきました。

新百合ヶ丘駅、青葉台駅ともに同じ「急行がとまる規模の駅」ですが、2箇所ともに実際に見学をすることで、街の雰囲気は異なる点があることもわかってきます。学校に戻ったあとはまとめの活動をおこないました

3年生になると社会の授業が始まり、そして本校では今年度から始まった3〜6年合同探究ゼミも開始されます。今回の街探検で経験したフィールドワークの基本である「予想→資料調査→実地調査→まとめ」という流れは今後のカリキュラムにおいても生かされる学習形式となります。ともすればタブレットの中でいろいろなことが完結してしまう世の中ではありますが、今後もしっかりと現地、現物から得られる経験を大切にしながら子どもたちがより広い世界へ進んでいくことをサポートしていきたいと考えます。

 

【チャレンジ力】【エージェンシー】【思いやり】5年生 宿泊行事 那須高原

5年生は10月1日から3日にかけて、那須高原で2泊3日の宿泊行事を実施しました。この行事は、那須高原の自然を体験するとともに、農業や酪農といった実践的な活動を通じて多様なキャリアの在り方に触れることを目的としています。また、この宿泊体験を通じて、学校で行われる田植え・稲刈りの学びと関連付け、食や仕事に対する理解を深めることを目指しました。

今回の宿泊行事を通じて、子どもたちはチャレンジ力、エージェンシー、そして地域の方々や友だちへの思いやりを育むことをテーマに取り組みました。

1日目:登山チャレンジ

初日は雨天となりましたが、子どもたちは状況に応じた行動を考えながら計画を調整しました。ロープウェイに乗車し、短時間ではありますが登山を体験しました。「雨でも安全にできる楽しみ方は何だろう?」という声が子どもたちの間から上がり、主体的に次の行動を考える姿も見られました。突然の天候変化にも柔軟に対応し、限られた環境下で最大限楽しむ工夫を見せた姿が印象的でした。

2日目:農業と酪農体験を通じた仕事の学び

地元の農家さんや酪農家さんの協力で、農業と酪農の体験を行いました。農業体験では、ブロッコリーの苗を植えたり、玉ねぎの種を蒔いたりする作業に取り組みました。この活動では、「学校で経験したお米と今回の野菜作り、同じ食べ物だけど別の手間があるんだ!」と驚く声があり、食べ物が作られるという過程について幅広い学びを得ることができました。

酪農体験では、牧草を集めたり、動物にエサをあげたりする作業を通して、動物たちと命のつながりを感じる時間となりました。特に牧草集めでは班で役割分担をして協力し合い、無事に作業を終えることができました。この活動で養われたチャレンジ力と、農家さんや酪農家さんへの敬意は、今後のキャリア観にも大きな影響を与えていくものと思われます。

宿泊体験を通じた多様な交流

宿泊は那須高原の6つのペンションに分かれ、それぞれのオーナーの方と交流しながら、パン作りや木工体験、星空観察などの特別な体験を楽しみました。この活動では、自分で何かを作る達成感を得るとともに、地域の方々と対話することでその仕事に対する情熱や誇りを感じる場にもなりました。また、同じペンションに宿泊する友だちと協力して食事を整えたり、体験活動を円滑に進めたりすることを通じて、互いへの思いやりの心が育まれました。宿泊の最後には子どもたちから「オーナーの方にお手紙を書きたい」「配膳のお手伝いをしました!」という声も聞こえてきました。

3日目:自然と向き合う釣り体験

最終日には渓流釣り体験を行いました。初めての釣りに挑戦する子どもたちは、最初こそ苦戦していましたが、友だち同士でアドバイスを送り合いながらひとつずつ課題を乗り越え、最終的には魚を釣り上げる成功体験を味わいました。この日は特に、自ら考え挑み続けるチャレンジ力と、仲間と助け合う協調性が存分に発揮されていました。

総括

今回の那須高原宿泊行事では、食や地域、仕事に関する学びを通じて、子どもたちはチャレンジ力、エージェンシー、そして思いやりの心を育みました。同時に、学校での稲刈り行事とのつながりを意識し、自分たちが普段口にしているものがどのように作られ、またそこにどのような人々の努力があるのかを理解する機会となりました。この行事で培った学びや経験が、今後の学校生活や将来のキャリア形成に生かされていくことを期待しています。

学校に戻ってから、各ペンションでのことを新聞にし、ペンションの方へお手紙を書きました。子どもたちにとってかけがえのない体験になったようです。お手紙や新聞では各オーナーの方への親しみを感じている様子が印象的でした。

 

【思考力・チャレンジ力】5年生 稲刈り

5年生は一年を通して「米」に大きく関わっていきます。第一幕は【田植え】。今回はその第三幕【稲刈り】を行いました。晴天の下、多くの保護者や営繕部の方々に見守られながらの活動となりました。
 田植えの時とは違い、かたくなった土や、自分たちが植えた苗の大きな成長に驚きながら、子どもたちは稲刈りの作業に夢中になって取り組んでいました。三クラス総勢約90名での作業でしたが、想像以上の稲の量。そこで、チームに分かれて協力しながら進めました。稲刈りチームは鎌を使って稲をどんどん刈っていきます。一本ならやわらかい稲も、何本も束ねて刈るとかなりの力が必要で、軍手と長靴が欠かせませんでした。袈裟懸けチームは刈り取られた稲を束ね、縄でしっかりと縛って物干しざおに掛けていきます。どの作業も大変でしたが、互いに声を掛け合い、笑顔で取り組む姿が印象的でした。この田植えから始まる一連の活動は、【第二幕・社会科の学習】にもつながっています。社会科では10月ごろから「米作りのさかんな地域」という単元に取り組み、米作りの過程や効率化・安全面の工夫を学びながら、現代の社会課題や今後の展望について考えを深めました。今年は米の高騰が連日ニュースで取り上げられたこともあり、子どもたちの関心はとても高く、「米の高騰を抑える方法って、備蓄米を放出する以外にもあるの?」「どうして農家さんはもっと米を作らなかったの?」など、自ら問いを立てる姿が見られました。これらの問いをもとに、地理的な条件や歴史的な背景を調べ、また、生産者(農家)、消費者、環境保護団体などさまざまな立場の視点から情報を集めて考察しました。友達との意見交流を通して、最初の考えを修正したり、より深めたりする児童の姿も多く見られました。

 今回の稲刈り体験では、「実際にやってみたからこそ感じること」が加わり、社会課題への自分なりの考えを一層明確にすることができました。
子どもたちからは、「ほぼ一年をかけて行う米作りはとても大変だと感じた。桐蔭の田んぼだけでもこの大変さだから、農家さんはもっと苦労していると思う。」「米作りは苗を植えたり除草したり、稲を刈って干したりと重労働。だからこそ米の高騰につながっているのかなと思った。」といった、体験を通して学習内容を結びつけた感想が聞かれました。そして、今年は第四幕【調理実習】へと続きます。自分たちで刈り取った稲を脱穀・精米し、精米されたもち米を使って「おこわ」を作る予定です。「植える」「育てる」「刈る」「食べる」という一連の流れを自分たちの手で体験することで、子どもたちはさまざまな視点から考え、感じ、思いを深めていくことでしょう。営繕部の皆様をはじめ、ご協力いただいたすべての方々に心より感謝申し上げます。

《子どもたちの感想文より》

黄金色の稲穂を刈る作業は、予想以上に重労働で腰が痛くなりました。そして、その刈った、稲を束ねるのも、かなりの力が必要でとても疲れました。この大変さを身をもって体験したことで、スーパーや、お米屋さん、インターネットのショップで見るお米一粒一粒が、どれほどの手間と汗の結晶であるかを実感し、お米を作る素晴らしさを感じました。これからは、食べ物への感謝の気持ちを持って残さずいただこうと思いました。

 私は今回の行事で、食のありがたみを改めて知りました。お米は簡単に育つと思っていましたが、とてもたくさんの工程がありました。毎日のお水の管理や、雑草抜きなど、米作りの一年に欠かせない作業を間近で見て、本当に良い学びになりました。さらに、こんなに多くの作業と多くの稲を普段3人で作業していらっしゃると聞いて改めてすごいなと感じました。この場を設けてくださった先生方、営繕の方々に感謝します。

 私は学校の授業で、はじめて稲刈りをしました‼️初めは、どうやってやるのか分からなかったけど、先生や友だちに教えてもらってだんだんできるようになりました鎌を使って稲を切るのは難しかったけど、きれいに刈れたときはとても嬉しかったですお米ができるまでにはたくさんの人の手がかかっていることもわかりましたこれからはお米を食べるときに感謝の気持ちで食べたいです

 

【チャレンジ力・思いやり】3年 宿泊

3年生 宿泊学習 ~箱根での1泊2日~

9月26日(金)~27日(土)、3年生は神奈川県箱根へ1泊2日の宿泊学習に行きました。今回子どもたちが達成しようと気を付けたものは「思いやり」と「チャレンジ力」です。親元を離れての生活を通して、友だちと助け合い、挑戦することを大切にしました。

1日目

学校を出発した子どもたちは、まず「森のふれあい館」へ。クイズラリーではグループごとに森の中を巡りながら協力し、クイズを解きました。クラフト作りでは自然素材を使って思い思いの作品を仕上げました。午後はビジターセンターでのフィールドワークです。センターの方に説明を受けながら、森の中を歩き、植物や虫を見つけ、自然に親しみました。班活動で、仲間同士で声をかけあって、楽しく過ごすことができました。

(クイズラリー)

(クラフト作り)

(フィールドワーク)

その後、宿泊先のホテルでの生活が始まりました。食事や入浴の場面では、友だちのことを考えて順番を守ったり、自分の役割を果たしたりと「思いやり」の心を実践する姿が多く見られました。

 

2日目

朝はまず部屋の整理整頓から始まりました。自分の荷物だけでなく、友だちのことも気にかけながら協力して片付けを行い、出発準備を整えました。その後、おいしく朝食をいただき、ホテルを出発しました。

次に訪れたのは「生命の星・地球博物館」です。学芸員さんの話に熱心に耳を傾けて、班での見学では迫力ある恐竜の化石や鉱物の展示に目を輝かせていました。昼食をとった後、一路学校へ。帰りのバスでは、楽しかった活動を振り返りながら友だち同士で感想を語り合う姿が見られました。

わずか1泊2日ではありましたが、子どもたちは集団生活の中で思いやりを持って行動すること、また新しい体験に挑戦することの大切さを実感しました。これからの学校生活にも、この経験が大きな力となりそうです。

学校に帰ってから、行動班とホテル班での振り返りを行い、学んだことを各班でまとめました。これからの宿泊行事に大きくつながりそうです。

(行動班)                     (生活班)

国語では、個人の記録として、ロイロノートで一番の思い出を日記にまとめました。

行動班では、一緒に行動した仲間と楽しかった思い出を振り返り、活動の様子を大きな紙にまとめました。

 

 

【創造力・エージェンシー・チャレンジ力】6年生 総合探究

本校では、今年度より教科と絡めた探究学習を進めていく中で、学年に応じて段階的に探究テーマを設定し取り組んでいます。各学年の段階としては、3年次「パラスポーツ(障がい)」、4年次「福祉(高齢者)」5年次「福祉(外国人、貧困)」6年次「私たちがつくる多様で豊かな未来のまち(興味・関心×多様性)」と設定しています。

その中で、今年度の6年前期の総合探究では、「多様で豊かな私たちの未来のまちづくり」というテーマに向けて、まずは過去と現在の暮らしの比較から暮らしの違いに着目し、次に私たちを取り巻く環境の変化、そして時代背景に伴う暮らしの変化や物について調べ話し合ってきました。また、本テーマである「多様で豊かな私たちの未来のまち」という誰もが見たことも経験もしたこともない空間について、1人1人がどのように捉えているのかを確認しながら進めてきました。例えば、「豊かなまちとはどんなまちなのか」「誰にとって豊かなまちなのか」を考えていく際に、そもそも「豊か」とは何かという疑問が子どもたちから生まれました。「豊か」といっても人によって内容も基準にも違いがありますが、そこで共通していたのは、便利なものが増えることで生活はより豊かになっていくのではないかという考えでした。また、それらの便利なものは、自分だけではなく、外国人やお年寄り、小さな子どもや障がいを持っている方々にとっても便利であるということ、また、人類と共に生きるすべての生き物にとっての便利なものであることも全体で確認しながら進めていきました。

未来のまちづくりへ向けての第一段階の取り組みとして「生活を豊かにする便利なもの作り」という課題にまずは挑むことになりました。何もない状態から新たなものを生み出す活動は、決して簡単なことではありません。しかし、子どもたちの発想や世界感はいつもこちらの予想も超えてきます。自分たちのイメージが具体的な形となり、そこに便利なものの説明が詳しく加えられることでよりそのものが輝きを放ちます。そんな子どもたちの考えたものを授業参観でのポスターセッションで保護者の皆様に観ていただきました。

第一段階では、「こんなものがあればいいな。」「こんなのあると面白いな。」と、自由な発想のもと具体的なものつくりの経験を踏みました。いよいよ最終段階の「多様で豊かな私たちの未来のまちづくり」についての話し合いが始まります。

まずは、「多様で豊かな私たちの未来のまち」の「多様」「豊か」とは何かに着目し、それらを構成していく要素を全体で絞っていく話し合いの時間を設けました。この時点では、子どもたちの考えは様々で、それらをたくさん挙げていきながら、豊かなまちのイメージを広げていきます。また、それと併せて未来のまちを想像した時に、まちや社会を取り巻く課題・問題についても考えていくことにしました。理由としては、今後予想される社会問題や環境問題、あらゆる状況におかれている人々の生活に目を向けることで、自己中心的な解釈ではなくより広い視点で考えていけること、さらに一時的に豊かなまちではなく、持続可能なまちつくりを意識しながら子どもたちは話し合いを進めてきました。

自分たちが生活している桐蔭学園の白地図に、まずは個人で自分の考えるまちのマップを作成しました。その後は、「個から協働へのステップ」に入ります。全体を3つのグループに分けて、互いの考えを共有しながらグループでまちをつくっていきます。それぞれの考えを1つのものに落とし込んでいく作業は大変時間を要します。1学期末にスタートした話し合いは夏休みに入ってからも続きました。夏休み中は、対面での話し合いはできないため、ロイロノートの共有ノート機能を活用しながら話し合いを進めました。夏休みということもあってなかなか全員が揃っての話し合いが出来なかったようですが、3グループ共に少しずつまちができあがっていくのが見て取れました。

夏休み中にマップはある程度形になり、2学期にはそこからまちの説明方法の検討に入りました。3つのグループ中、2グループはマップをもとにジオラマを制作しての説明、1グループは巨大なマップの制作とおすすめエリアのミニチュア模型での説明することとなりました。

限られた制作時間ではありましたが、第一段階として取り組んでいた「生活を豊かにする便利なもの」の経験と、あらゆる視点から課題に迫るための話し合いをしたことで、それぞれのまちのコンセプトが明確になりました。そのため、制作過程においては、どのグループも同じ方向性のもと、スムーズに進めることができました。ただ、紙面上でのイメージはできていたものの、それらを具体物に変換させていくことの難しさを子どもたちは感じていたようで、イメージをどのように形にしていけばいいのか、グループごとに対話を重ねながら進めていました。

総合探究の前期最終日にはそれぞれが作ったポスターやジオラマ、ミニチュアを提示しながら、グループ全員で「私たちが考えた、多様で豊かな私たちの未来のまち」を紹介することが出来ました。

【今回の総合探究「多様で豊かな未来のまち」を終えて】

本校では、先の見えないVUCAの時代を生き抜くために子どもたちが「自律的な学習者」になるように育成することを目指して取り組んでいます。そのための資質・能力として6つのキーコンピテンシーを掲げ、それを具体的に教科の学習まで落とし込んで実施しています。また社会の急速な変化に対応するためには、自ら問題を発見し、柔軟な解決策を見つける力が求められおり、その中で批判的思考力や問題解決能力、そしてコミュニケーションスキルといった、現代社会で必要とされる力を育むために、「探究的な学び」が重要な役割を果たすことを考え、4 年前より「総合」のカリキュラムから見直しをはじめ、今年度より新しいカリキュラムのもと「総合探究」として取り組んできています。

また、総合科は各教科との横断的な学びを集約する教科でもあります。そのため、今回の学びにおいても、社会科、理科などの教科との関わりなどを子どもたちに意識して学習することを取り入れてきました。そうした学びを集約した形として、中間発表としてのプチポスターセッションと最終発表(ポスターセッション、模型、動画、ジオラマ)の時間を設けました。

その上で、子どもたちは本テーマと自らの生活を結び付けながら考えつつ、誰も見たことも経験もしたことのない未来を創造する楽しさや、夢、希望を感じながら最終テーマの目標に到達することができたよう思います。これは、最終テーマにのみ焦点を合わせての展開ではなく、探究学習において最も重要である「課題の設定(本質的な問い)」を大事にし、段階を踏んだ展開があったからだと実感しています。

さらに、今回のテーマのように何もないところから新たなものを生み出そうとする取り組みを何度も取り入れています。実際にはそれらの活動を苦手とする子もいますが、そんな時も、グループ内での相互のやり取りや他者の考え、価値観を知ることで、自らの思考の幅を広げ価値観を見出すヒントともなったのではないかと感じています。

今回の総合探究の実践を終えて、たくさんの対話がありました。たくさんの課題がありました。そんな中、「個⇨協働⇨個」の取り組みによって互いに認め合う文化の向上と、自ら考え生み出す力を今後も育てられたのではないかと感じています。

この経験を、次への学習や生活そして自らの生き方に活かしていけることを期待したいと思います。