子どもたちの日常」カテゴリーアーカイブ

【創造力 チャレンジ力 メタ認知力 思いやり】  教育実践「音楽会」~みんなで一つの作品を創りあげよう~

2月24日(金)に「音楽会」を実施しました。当日はインフルエンザの影響で学級閉鎖をしている学年もあったため、ひとまず3,5,6年生の演奏を発表しました。日を改め、1週間後の3月2日に1,2,4年生、3日に合唱団と鼓笛隊の発表となりました。

以前シンフォニーホールで開催していた「送別音楽会」がコロナ禍で中止となって早4年。歌うことも楽器を演奏することも制限され、授業のスタイルも大きく様変わりした中で、音楽科としても新しいカタチの音楽行事を模索してきましたが、原点に立ち返り普段の授業で取り組んでいることを互いに発表しあうことで、学校生活に溶け込んだありのままの児童の姿を見ていただきたいと考え、会場も高学年が普段授業をしているハーモニーホールでの発表となりました。本番の鑑賞は児童のみでしたが、後日保護者の皆様に限定配信でご覧いただきました。

1年生は、「はるなつあきふゆ」と「きらきら星」を演奏しました。今回の音楽会では授業での積み重ねてきたものを発表するといった視点をとても大切にしたため教科書にある曲から選びました。子どもたちは1年間を通して身に付けた力を最大限生かして自分たちの演奏を振り返りながら改善点を探して表現を深めていきました。子どもたちは「この部分は高音だから思いがいっぱいあるように演奏したい」や「最後は、夜の静けさを表現したいから優しく演奏したい」など様々な創造力を発揮してくれていました。最終的に、「早く本番で演奏したい!!」とやる気いっぱいの気持ちを見せてくれて本番を迎えることが出来ました。

音楽会01 - 1年

2年生は、「こぎつね」と「手のひらを太陽に」を演奏しました。2年生になると学びの積み重ねも広がり、「このフレーズは次に向かうように演奏したい」「休符には、次に進みそうな休符と終わりそうな休符があるから意識したい」「強弱の違いをもっとこだわりたい」「伴奏は電子ピアノではなくて実際のピアノの音色がいい!」などたくさんのこだわりを持って表現を深めてくれました。一つのこだわりからチャレンジ心が生まれてきて、創造力は広がり、友達との演奏にも歩み寄っていける様子が大変嬉しく感じる時間でした。

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3年生は「よろこびの歌」,4年生は「オーラリー」の合唱奏を行いました。子どもたちは、ドイツ語や英語の歌詞をあっという間に覚え、ゴスペルやジャズの世界観も短い時間で自分のものにしていきました。リコーダーの音にも最後までこだわって練習を重ねました。子どもたちの可能性の大きさを、あらためて実感した音楽会でした。この素晴らしい力を、今後もいろいろな場面で発揮していってほしいと思います。

音楽会04 - 3年 音楽会05 - 4年

5年生は2部合唱「マイバラード」と器楽合奏「威風堂々」に取り組みました。合奏では使う楽器をあえて指定せず、旋律と伴奏のパートそれぞれに合う楽器を自分で試しながら、考えていきました。木琴や鉄琴でも音域によってマレットを選び音色を変えてみることで、自分たちだけのアンサンブルを創ることが出来ました。

音楽会06 - 5年

6年生にとっては小学校生活最後となる演奏ですが、今まで学年全体で音楽を作る経験があまりなかったため、とても不安でした。基本に立ち返り「ふるさと」で伝えたい思いをていねいに合唱しました。そして「木星」では各パートの役割を考えながらバランスを工夫し、曲想にあったテンポになるよう演奏しました。また、卒業学年ということで特別に保護者の方に来場して鑑賞していただくことが出来ました。自分の演奏に夢中になりながらも指揮に合わせて合奏することは、これからの学校生活でも大きく役立つ何かを感じ取ることが出来たのではないでしょうか。

音楽会07 - 6年① 音楽会09 - 6年②

合唱団では「にじ」「たいこをたたきましょう」を演奏しました。アカペラコンテストの直前のなか、別の曲にも挑戦し発表できたことが大変価値ある時間となりました。合唱団では「一人一人が輝ける合唱団」を目標に日々活動に取り組んでいます。どこまで作品にこだわれるか、その結果どれだけ輝けるかは子どもたち次第です。作品の表現もそれによって大きく変わってきます。「『たいこをたたきましょう』がまだ深まってない!」と練習で伝えてくれた6年生の声をきっかけに練習がより深まり、作品が変化していきました。このようなプロセスが素敵な演奏を導き、素敵な音楽会を創り上げてくれたように感じます。

 

鼓笛隊は「マツケンサンバⅡ」、「ぼよよん行進曲」、「新時代」を演奏しました。最近は録音や録画が多く、ようやく生演奏に慣れてきたメンバーですが、各パートの個性を発揮しながらもまとまりのある演奏を目指しました。やはり友だちに聴いてもらうことがとてもうれしく、ライブならではの迫力ある発表となりました。

音楽会10 - 合唱団 音楽会11 - 鼓笛隊

新たな音楽会を経て感じたことは普段の学びがどれだけ大切かということです。これまでは大きな音楽会だったこともありたくさんの練習時間を費やしその日の成功のためにひたすらに練習するという印象がありました。しかし、基本的には授業内で準備をするといった流れで迎える音楽会では普段の授業での積み重ねが大変重要になってきます。

今回の音楽会で子どもたちが精いっぱい演奏できたのは、日ごろから一生懸命授業に取り組んでくれた証であるように感じています。また、一つの発表といった共通の目標を学年全体で持ち、目には見えない「音楽」という作品を創り上げるために前向きな気持ちをもって何度も自分たちの演奏を振り返り、創造力を駆使して作品をつくりかえていく時間はコンピテンシーそのものを育てている時間であることを体感いたしました。

これからも「子ども中心」といった視点を大切に音楽科一同、音楽教育を研鑽していきたいと思います。

 

【チャレンジ力・創造力】冬キャンプで開花したもの

今年度の4年生には2回の宿泊行事がありました。

1回目は10月に行った「夏キャンプ」(1泊)。

これは新型感染症の影響で2年間中止になっていた久しぶりの宿泊行事で、子どもたちにとっては、1年生の夏のサマーキャンプ以来となります。夏キャンプでは、宿泊するために何が必要か、学校生活との違いは何か、実際にやってみようということを意識して行事を組み立てました。

夏キャン1 夏キャン2

 

2回目は2月に行った「冬キャンプ」(1泊)

夏キャンプで培った経験を土台として「自分たちで作っていくキャンプ」を目標に班決めからレクレーションまで、多くのチャレンジを行いました。

 

今回は、その中でも4年生の子どもたちの隠れていた「能力」が開花した件についてお伝えしたいと思います。

ゴミとハイキング1 ゴミとハイキング2 ゴミとハイキング3

「プレパークさかえ」でのゴミ学習、「自然観察の森」でのハイキングの後、大きなホールで「TO MY HERO」というダンスプログラムを実施しました。これは、体全体で自分の気持ちを表現することを目指し「株式会社トゥーマイヒーロー」さんが展開する自己表現プログラムです。

 

始まる前、子どもたちから、「ダンスはちょっと苦手だな…」、「この後は踊りか~ う~ん」のような声が漏れ聞こえてきていました。その気持ちもよく分かります。体を全部使って表現するということは、子どもにとっては高いハードルになることもあると思います。

 

しかしインストラクターの方と事前に打ち合わせをして、「桐蔭の子たちならヤル気に火がついてくれるはず!」と信じていました。

それぐらい、TO MY HEROさんのプログラムは素晴らしいものでした。

 

①今日、この時間でみんなが目指す目標の確認

→各班の班長さんが話し合って決めた「キャンプの目標」を意識することになりました。

Dance① (1) Dance① (2) Dance① (3)

 

 

②様々なアイスブレイクゲームで、子どもたちの表現力と創造力が開放されていく。

→日ごろのペアーワーク、班活動などの経験も生かされ、さまざまな組み合わせの仲間たちと交流することができました。相手の良いところをマネして自分の表現に組み込むチャレンジ力や、表現しても受け入れてもらえる雰囲気を仲間たちが作ってくれている安心感などが相まって、全身を使って表現することって楽しいという気持ちがすくすくと伸びていくことを感じました。

 

Dance② (1) Dance② (2) Dance② (3) Dance② (4) Dance② (5)

 

 

③メインのダンス習得プログラム

→曲に合わせて振りを覚えていきます。この段階では体を動かすことや、気持ちを表現することなどの敷居が低くなってきていて、学年のほぼすべての子が汗だくになりながら踊りを覚えていきました。

 

 

④自作のダンス作り

→ダンスの一部を自分たちで作ってみようという時間もありました。曲に合わせて「こういうものはどうか?」「その要素と、この要素を足してみよう!」など、誰がリーダーということではなく、一人一人が主体的に意見を言い、振りが混ざっていく様子は、見ていてとても素晴らしい状態だと思いました。最終的には各チーム1つの振りに決まっていきますが、そこに至るまでのステップがとても大切な時間だったと思います。

Dance③ (1) Dance③ (2) Dance③ (3) Dance③ (4) Dance③ (5) Dance③ (6) Dance③ (7) Dance③ (8) Dance③ (9)

⑤終わってみて

120分のプログラムはあっという間に終わり、多くの子が笑顔で終えることができ、桐蔭小の子たちの、チャレンジ力と、創造力が存分に発揮された空間となり、とても有意義な時間となりました。

また、TO MY HEROの方からの感想を頂いた時、「桐蔭小の子たちは、とても活発で自主的でとても良かったです。」や、「先生たちも一緒に全力でプログラムに参加してくれることはとてもうれしいことです」という言葉を頂きました。先生たちも一緒に楽しむというのは桐蔭小の良いところの一つだと私も思います。

今後も、子どもたちがのびのびと挑戦できる環境を大切にして参りたいと思います。

 

 

 

 

 

造形あそびの日

5月18日に「造形遊びの日」がありました。この行事は、今年で11回目を数える図工科の行事になります。「造形遊び」とは学習指導要領の中にも記載がある図画工作科の領域のひとつです。素材ととことん向き合い、文字通り「遊び」ながら造形表現活動を通して、児童の表現力を豊かにしていくことが目的です。本校では「五感を育む」をテーマにこれまでの活動を行ってきました。

【1年生】『つちとなかよし』『ならべてならべて』

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『つちとなかよし』では、実習田を使って土遊びをしました。始めは「ギャー!」という声が聞こえてきましたが「気持ちいい!」という声も次第に聞こえてきました。最後は、座ったり、寝転んだり、体全体で土を感じていました。

『ならべてならべて』では、10100個の紙コップをならべて遊びました。山のように高く積み上げた子、たくさん重ねてみるとクネクネ動くことに気付いた子、自分の周りに高く積み上げて出てこられなくなってしまった子、様々な「やってみたい」が生まれました。

【2年生】『だんボールに はいってみると?!』

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平らな段ボールを箱にするところから子どもたちの活動がスタートしました。段ボールカッターで思い思いに切り込みを入れたり、カラークラフトテープで飾りつけをしたりしているうちに、どのクラスでも友達と自分の作品をつなげて巨大化するグループが出てきます。その一方で、あくまでも自分のつくりたいものを追及する子たちもいます。そして、教室は見る見るうちに家や乗り物、お店屋さん、プラネタリウムといったものたちで埋め尽くされていきました。子どもたちの「見て!見て!」という笑顔が眩しい時間となりました。

【3年生】『ひもひもワールド』

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「教室をひもとテープで変身させよう」を合言葉に、子どもたちはグループごとに自分たちの教室の各所にひもを張っていきます。仲間たちと目指すべき光景を思い浮かべながら、一本一本ひもやテープを手で結んでいく様子は、まるで職人さんのよう。普段は日用品として使用されているひもやテープが、環境を美しく変化させるアート的な材料になることも子どもたちにとっては新鮮な経験であったと思います。足元にも張り巡らされたテープは足をとられて危ないように見えましたが、子どもたちは不思議とひっかかりません。さすがです。

【4年生】『いつもの場所を包んでみよう』

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新聞紙でいつも自分たちが使用している教室を包む活動を行いました。

世界各所の観光スポットを布で包んでしまうことで有名なアーティストのクリストは、「アートはJOYとBEAUTYだ」という名言を残しています。包むことで、日常の世界を非日常へと変える活動を通し、子どもたちにも大人数で取り組む造形の楽しさや迫力に触れてもらえたらと考えています。

子どもたちは思い思いに机や椅子などを組み、教室内に起伏をつくりながら包んでいきました。新聞紙という単一素材ですが、無限の想像力により洞窟、滑り台、お化け屋敷など多様な空間が広がっていきました。

【5年生】『光と場所のハーモニー』

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光と材料を合わせて、ハーモニーホールを変身させる活動を行いました。子どもたちの前には様々な材料や光源が並んでいます。まずは思い思いに材料を手に、光の前に置いていました。予想外の光の表現に驚く声も聞こえてきます。次第に、ペンを使って着色し始めるグループも出てきました。様々な材料の特徴を生かしながら試行錯誤している様子が見られました。様々な色の光をならべて児童が思う「いい感じ」を見つけることができたグループや、キャンプファイヤーをつくり、なんだかホッとするような空間をつくりだしたグループなどがありました。最後はみんなで鑑賞タイム。いつもとは違うハーモニーホールを堪能しました。

【6年生】『世界をかえてみようーインスタレーションに挑戦ー』

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絵画や彫刻のように、アートのジャンルの1つに「インスタレーション」というものがあります。比較的歴史の浅いジャンルにはなりますが、現代美術の表現手法としては地位を確立しており、「作品単体ではなく、空間を含んだ造形表現」を行うことが特徴です。

今回は、グループごとに慣れ親しんだ校舎から1箇所を選び、自由にイメージをひろげていきました。教室を宇宙にしたり、廊下が水族館になったり、階段が巨大な滑り台になったり、日頃の授業ではできないさまざまな表現が生まれました。

空間を演出することは、今後中高生活や大人になってもさまざまな場面で必要な素養になります。そういった時に今回感じたことが少しでも生きれば良いと考え題材を設定しました。

ICTが発達した現代社会を生きる子どもたちだからこそ、泥んこ遊びをしたときの土の暖かさ、新聞紙をちぎったときの感覚、友達と夢中になってつくった形の面白さなど、手触りのある、暖かい感覚を大切にしていってほしいと願って題材設定をおこなっています。普段の図工室の授業ではなかなか実施しづらい規模の大きな活動を通し、そういった造形感覚はもちろんのこと、人と協力しながら表現する喜びなども味わってもらえればと考えています。

 

ラーニングスペース、拡大中!その2

昨年度の3月に、「ラーニングスペース拡大中!その1」の教育実践記事を公開しました。それから約3か月、ラーニングスペースは、ずっと拡大し続けてきました。機能や役割的な拡大ももちろんですが、今回の3か月の間には物理的な拡大もありました。大きく変わってきたところ、ご紹介します!

まず、ラーニングスペースの面積が大幅に拡張されました。以前は廊下(マルチパーパス)部分のみがラーニングスペースだったのですが、その前にあった通常教室3教室もラーニングスペースとして活用できるようになりました。もともと各学年教室の移動計画があり、ちょうどいいタイミングでラーニングスペースもそこと絡めて計画し、この大幅な拡張へつながりました。空間として3教室使えることになり、どのように使うかを検討し、今回は2教室分の壁面を取り外し、以前からのラーニングスペース空間と一体で使えるようにしました。

写真手前の部屋と奥の2部屋の壁が抜かれ、高い天井と相まって非常に開放的な空間になりました。真ん中の部屋はいろいろ検討した結果、壁面を残し、音を遮りたいときに使用する部屋として壁を残しました。
英語で音楽を流すときや、ZOOMで子どもたちが学校外の人たちとの交流をするとき、または教員の会議時など、様々な用途に利用されています。
   

空間が広がったことで、本当に様々な用途で利用されるようになりました。本を読む、学習する、話し合いに使うなど、こちらがイメージしていたものも多くありましたが、中には異学年の待ち合わせ場所に使う、給食を食べすぎてのんびりしている、その日のスピーチの自主練に来る、裁縫や工作に使う、など、想像もしていなかった使い方がたくさん出てきました。
そして何よりいいな、と思っているのはそうしてくる子たちがみんな楽しそうであり、リラックスしている様子です。大人もそうですが、一日中、頑張り続けることはとても大変なことです。途中の息抜きはとても大切です。ほんの数分でも、クッションに座りのんびりぼーっとすることで、その先の頑張りの源になっているのだと思います。
中には、毎朝学校に来て決まったクッションに座って数分過ごして帰る子もいます。本を読むときもあればただただボーっとしているときも、話しかけられて友だちとしゃべっていることもあるのですが、きっと1時間ほどの通学時間が終わり、これから授業に入るための気持ちを落ち着けるルーティンになっているのだな、と思います。
リラックスした空気からは活発な意見交換なども生まれやすくなります。そのため、休み時間など、数人の話し合いがラーニングスペースのあちこちで見られます。中には勉強会をしている子たちもいます。
   

教員の打ち合わせも、下の写真のような様子で行われることもあります。

ラーニングスペース、前回も書かせていただきましたが、まだまだ進化し続けます。子どもたちの意見、先生たちの意見ももちろんですが、今年度より「日本学校図書館学会」の研究推進指定校にも選ばれました。そのため、外部の学校図書館の専門家の方々のご意見やアドバイスもいただきながら、よりよいラーニングスペースへと進み続けます。
次回、また「ラーニングスペース拡大中!その3」でよいご報告ができるように勧めていきますので、どうぞご期待ください!

 

家庭科室開放!「やってみたい」を大切に

「チャレンジ力」「創造力」

6月から、毎週火・木・金曜日の中休みに家庭科室を開放しています。
道具と材料を用意して、家庭科室に来た子どもたちが「好きなように好きなものを作る」という活動をしています。
主に3年生から5年生の子どもたちが来ています。女の子だけではなく、男の子も来室しています。
6年生も興味はあるようですが、現在は清掃活動や委員会活動と重なってしまい、なかなか来られないというのが現状です。しかし、時間の合間を縫ってきている子たちもみられます。

5年生は、授業では、まだ裁縫について学んでいないので、「初めて針を使う」という子どもたちがほとんどです。「できるところから始める」ということで、予め糸を通した針を用意し、「玉止め・玉結び」からやり方を教えながら教員と一緒に行っています。縫うことで何かができ上がる、ということを楽しんでいます。

「なみ縫い」や「かがり縫い」をやることを楽しんで、フェルトを使ってマスコットやミニクッションを作ったり、小さなポケットを作ったりしています。
      

   

フェルトの作品を1つ作った子は、更に薄手の布を使って枕を作ると言って、あっという間に縫い上げていました。縫い目はまだ上手くいかないようですが、「まずは楽しむこと」を主眼に置き、本人が細かく縫えばもっとでき栄えが良くなるということに段々と気づけばよいと思っています。そのころには縫う技術もきっと上がっているはずです。
   

今、楽しく裁縫活動を楽しんでいる3年生や4年生の子どもたちにとっては、1年後、2年後に家庭科を「学ぶという入り口」になり、現在、家庭科を学んでいる5年生や6年生の子どもたちにとっては、「学んだことを更に発展させる場」になると考えています。1回にできる活動は15~20分くらいですが、この時間を大切にしながら、家庭科を楽しむという気持ちを育んでいきたいと思います。

 

桐蔭学園小学校ラーニングスペース 「ようこそ!いそはた水族館!」

本校にはマルチパーパスホールというフリースペースがあります。そこには、学びにつながる種がたくさん散らばっています。
そこを今年度からは「ラーニングスペース(学びに向かう場所)」として子どもたちに提供しています。

今回は、その一角にある「いそはた水族館」を紹介したいと思います。
本校では理科を「科学」と称しています。理科の各専門分野を持つ4人の教師が、子どもたちを科学的観点から、知的好奇心をくすぐる学習指導をしています。

このラーニングスペースの一画にある「いそはた水族館」を管理する磯畑先生は、生物のスペシャリストです。みんなが見たことも無いような生き物を各地を飛び回ってGETしてきては、子どもたちに紹介しています。
   

下の左の写真は、ビーシュリンプです。品種改良をした結果、白と赤のシマシマ模様になった綺麗なエビです。今は子どもたちのアイディアで、クリスマスツリーに見立てた藻を入れました。赤と白のシマシマなエビと藻のクリスマスに向けたコラボレーションになりました。
下の右の写真はマタマタというカメです。普段は落ち葉に擬態していて動きませんが、餌を食べる時だけ、とても素早く動きます。
   

こちらはマリモです。昨年の6年生が教室で育てていたものです。みんなへの紹介文も書きました。今では、この水族館に仲間入りです。飾っていると、子どもたちが集まってきてジーッと眺める子もいれば、自分でその生物を調べて写真のような説明文をじっくりと呼んでいる子もいます。

こちらは食虫植物です。とっても珍しい品種で、生育させるのは難しいのですが、そこは専門家です。しっかりと元気に育っています。虫を食べる植物に子どもたちも興味津々です。
   

理科室にはもっとたくさんの生き物がいますが、このラーニングスペースの良さは、休み時間などに低学年から高学年までが交流しながら一緒に学べるところです。各学年には生き物の知識にとても詳しい子、とても興味をもった子がいます。ラーニングスペースではそんな子たちが大活躍しています。他の学年の子に教えてあげたり、意見交換したりしながら、生き物を通して「学びの輪」ができています。
このような、子どもたちだけの空間を準備することも「学びに向かう力」の育成には大切だと感じています。

 

4~6年 課外活動 鼓笛隊「次世代吹奏楽練習!」

一人一台のタブレットPCを持つようになって2か月が経ちました。
早くもオンラインやデジタル環境に親和していく子どもたちですが、それに伴い、今まであったものも大きく変化しています。

こちらは4~6年生の希望者による課外活動「鼓笛隊」です。
金管・木管・打楽器など多彩な楽器を奏でる「鼓笛隊の練習」にも、タブレットPCが導入されています。

こちらはパート練習の様子ですが、合奏用の音源をそれぞれのタブレットPCを使って流し、それに合わせて練習をしています。
   

   
タブレットPCを使ったパート練習について子どもたちに聞いていみると、
「何度も何度も同じところを同じリズムで練習できるので、とても練習しやすいです!」
とのこと。たしかに、デジタル機器の強い一面を活かした良い練習です。
   
パートリーダーたちも、タブレットPCを上手に使い、どこの、どの音がずれているのか、どこを意識するとよいのかをロイロノートで共有しながらメンバーを導いています。

パート練習を終えた後は、みんなで合奏練習です。
この時も、記録撮影チームが合奏の様子を撮影し、どこがずれているのか、自分のパートのハーモニーはどうかなどの確認に活用しています。
      
桐蔭小の3つの課外活動「鼓笛隊」「合唱団」「鉄~KUROGANE~」は、それぞれタブレットPCを取り入れた次世代の取り組みに挑戦しています!!

 

4年・5年・6年 課外活動 合唱団 「コロナ禍においてもできること」

例年、合唱団ではさまざまな「対面での発表」を行っていました。しかし、今年度は新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響で、そのような発表が難しい状況です。そこで、「今の状況でもできること」と題して子どもたちにも企画を考えてさせながら、活動を継続しています。そこで大きな役割を果たしてくれたのがタブレット端末を使った「ロイロノート」での取り組みです。「ロイロノート」を使って企画を提出することでみんなの意見を共有し、共に考えていくことができます。さまざまな企画から、「すぐできるもの」、「時間をかけて行うもの」と分けて考えていきました。

第一弾として「自分たちの歌声を録音したものをお昼の放送で流す」という企画を実施することになりました。放送委員の子どもたちを中心に団員みんなと企画を共有し、その後「録音と同時に録画も行い、動画も制作しよう!」と企画が広がっていきました。今回の録音曲は「地球星歌」という曲です。「あなたの毎日が世界をつくり、愛する想いが地球へと広がる。」という、この歌詞に一人一人の想いをのせて無事にやり遂げることが出来ました。
今回の活動で、子どもたちが「自分たちで企画を考えて、共有し、実行し、やり遂げることができた」という流れができたことが一番の収穫でした。活動を振り返り、第2弾の企画へとつながるよう子どもたちと活動していきたいと感じました。

      

 

ホームルーム活動(4年) 『Trick or Treat!』 ハロウィーン企画

4年の子どもたちからの発案で、ハロウィーンにちなんだ企画が行われました。
3組は、2日間にわたってスタンプラリーを行いました。
企画した子どもたちはこれまでに3週間ほど、休み時間に話し合い、準備を進めました。その話し合いの中で、
「ただスタンプを集めるだけでは面白くないかも…」
と話し合いが進み、ラリーを謎解き形式に変更したり、企画を行うときに企画者が仮装をして雰囲気づくりをしたりする意見が出ました。試行錯誤を重ね、実行することになりました。準備不足かもしれないと不安を抱えながら、当日を迎えました。

   

初日の企画後、クラスからは「もう終わり!?」「楽しかった!」「もう少しやりたい!!」という声が聞こえ、参加者も企画者も大満足の様子でした。ただ、その後、今回の企画を振り返り、参加者からも意見をもらうと、やはりまだまだ改善の余地があることが判明しました。企画したメンバーは次の休み時間にすぐに集まって、明日に向けての作戦会議を始めました。

      

「事前に説明していたからスムーズに始められてよかった!」
「謎解きが難しすぎた…?」
「隠していた紙がわかりづらかったね…」
良い意見も厳しい意見も素直に受け止め、翌日に向けて改善できるところがないか探っている様子でした。
そして2日目。企画者は変更点や昨日の様子を踏まえた注意点を伝えてスタート!
前日に比べると周りのことを見ながらチームで協力して謎を解いていく姿が見られました。

休み時間はあっという間にすぎ、ハロウィーン企画は無事に終了しました。
その後の振り返りでは、今回うまくいったところやうまくいかなかったことを踏まえて、今度の遠足やクリスマス子ども会に生かせそうな提案を出している子がいました。今回のイベントは、子どもたちにとって気づきの多い時間になったようでした。また、今回の企画者たちへクラスの子どもたちから労いの言葉も多く、企画した子どもたちは大きな達成感を得た様子でした。

      

   

 

課外活動(5・6年) 『伝えたい!』 鉄~KUROGANE~

5・6年の希望者で構成されているソーランチーム「桐蔭学園小学校 鉄~KUROGANE~」です。今年度の練習方法、発表の場に当初は苦労していました。しかし、タブレット端末との親和性がとても高く、練習方法を工夫するようになってからは、活動の幅が広がりました。

★タブレットを使った「新しい活動!」
70名のメンバーは、1人1台のタブレットを持っていて、ロイロノートというソフトでお互いの意見を交換することができます。ソーランを踊るときのポイントや、新しい企画、本番演舞の反省や振り返りなどを、ロイロノートに提出して、それぞれの意見を共有しています。

「今回の演舞は、この点が良かったけれど、この部分が良くなれば、相手にもっと伝わる演舞になる。」➡「その部分を良くするためには、このような練習方法を導入してはどうか?」
➡「その方法は、こんなデメリットがあるので、この方法はどうか?」

のようにタブレット上でメンバーが意見交換をしています。
今では、

「次の目標は〇〇で行きましょう!」➡「そうすると、こんな企画をするのはどうだろう?」➡「それならこんなことも出来るかもしれない!」

と子どもたち同士でやり取りをしています。

ソーランという共通のつながりがある子たちなので、意見を共有してからの多様性の豊かさと、行動につなげる推進力がとても高く、タブレットは彼らのそういった力を「具現化」させてくれる強いツールとなっています。
10/26(月)からの練習では、子どもたちの投票(ロイロノートのアンケート機能)によって決まった新曲の発表があり、さっそく踊りの練習をしました。

   

5年生と6年生とがペアになり、それぞれが持っているタブレットを見ながら、どういう振りなのかを子どもたち自身が分析していく活動をしています。

ロイロノートの中に資料箱という共有できる場所があります。そこに演舞の動画を入れておき、子どもたちは自分のタブレットにダウンロードして視聴します。子どもたちは、リピートして何度も観たり、再生速度を変えて分析したりするなど、あっという間に機能を使いこなしています。

実際の合同でのペア練習は20分ほどでしたが、驚くほど新曲が踊れるようになっていました。先生が全体に教えるより、はるかに早く習得していました。

「この振りはどうやって体をうごかせばいいんだ?」「ここは右手が上かな」「この決めポーズ合ってる?」

という、自分たちでの教え合いが始まっていました。

   

総勢70名の35ペアで、35台のタブレットがフル稼働です。
これも新しい「鉄~KUROGANE~」のカタチです。新しい「子どもたちの勢い」を感じる今日この頃です。