投稿者「toin-ke2」のアーカイブ

【思考力】反転授業 ~対面授業とオンライン授業のハイブリット~

実践者:4年科学担当 塩原 一成

 桐蔭学園小学校がアクティブラーニング型授業を取り入れて7年近く経ちます。子どもたちは、得た知識を言葉に変えて、「友だちに伝え」、「相手の意見」も取り入れる様子は、もはや日常です。そんな中、新型コロナウイルス感染症が広がったの影響で2020年より教育方法もガラッと変化することとなりました。ICTの観点から見れば、「YouTubeで配信した1600本授業動画。」「1年生から6年生まで一人一台のiPadの配備。」「ロイロノートスクールを活用したアクティブ双方向授業の導入。」「各家庭とZoomでつないで実施されたオンライン授業。」と、少し前では想像しなかった変化が起こった2年間だったと思います。

 科学を担当している身としては、この学びの場の変化は大変刺激的で、今こそ新しいやり方を取り入れ、子どもたちが今まで以上に科学に触れ、自分で科学の世界を広げるチャンスをつかんでほしいと思っています。
 9月よりオンライン授業が明け、学校に来て、対面授業をすることができるようになりました。科学は実験をして、科学現象を直接目にして、自分の感じた思いや、自分の想像との違いをまとめ、次の不思議へとつなげていく教科です。
学校では、できるだけ実験をたくさんして、仲間たちとたくさん議論して、科学の世界を深めたいと思います。しかし、基礎知識が不十分な状態での実験や話し合いは、あまり効果がありません。そこで、「活動」と「知識」の二つを満たすために、コロナ禍の2年間で得た「新たな力」を使い、反転授業を展開しています。

①学校では、できるだけたくさんの科学活動を取り入れる。
もちろん基礎実験もしますが、「子どもたちが疑問に思った点を深堀する活動」、「新しい実験の導入」なども行っています。

②科学動画を作成し、自宅学習で基礎知識の向上を目指す。
基礎知識は、撮影した科学動画をロイロノートで配信し、児童たちは自宅で閲覧し、所定の課題に取り組み、提出する。 動画にすることで、何度も見ることができ、一度止めてノートに書いたり、飛ばしたりすることもできます。

【ものの温まり方の実践例】
①学校では、できるだけたくさんの科学活動を取り入れる。

p01  p02

p03  p04

 ベーシックな実験ももちろん行いますが、この日は、アルコールランプがどうやってアルコールを吸い上げているのかを実験しました。ポンプなどの動力を使わずどうやって液体が上昇するのかは、興味深い点です。液体の色を変えたら吸い上げる速度が変わるか?アルコールにつける紙を変化させたら吸い上げる速度が変わるか?アルコールを吸わせるものが太いのと細いのではどちらが吸い上げるのが速いか?など、子どもたちはあれこれ実験し、それをiPadでまとめ発表しました。事前学習を行い、実験時間に余裕が生まれたことで取り組めた活動です。

②科学動画を作成し、自宅学習で基礎知識の向上を目指す。
授業で取り組んだ分野の問題プリントをロイロノートで配信します。科学用語確認問題、漢字問題、記述問題など出題しました。下のように子どもたちからどんどんロイロノートで提出されてきました。

p05 p06

配信した問題プリントの解説動画などをロイロノートで配信します。問題の解答はもちろん、どのような表現が良いか、次の実験の注意点なども入れ込みます。これを見れば、問題が理解でき、次回の実験のポイントなども意識することができます。動画は10分程度で作成しました。

家に帰ってからの時間や、土日などの休日に、問題に取り組んだり、その解説を見たりすることで、限られた学校での時間をより効率的に活用することができるようになりました。
子どもたちも、この「反転授業の良さ」と、「この取り組みで気を付けること」が理解できたので、とても助かっています。学校でみんながいないとできない活動をたくさんすることができることが、大変いいところです。より効果を上げるためには、動画や課題に取り組まないと成立しないという点を十分に配慮し、気を付けなければなりません。
4年生の子たちは、よく理解し、前向きに取り組んでくれていてありがたいです。
 

3 年生  科学「オンライン学習~磁石の不思議~」

 3年科学担当 土居 栄秀
 オンライン授業が続く中、子どもたちの科学の学習は自宅で実験を行っています。オンライン授業では、各自家に持ち帰っている(家にあるものでもよい)磁石を使いながら、「磁石の不思議」について迫っています。実験してみることで、磁石の意外な性質も発見することができ、子どもたちも興味深々に取り組んでいます。
 また、普段から科学の授業では、「本物に触れること」「本物を観ること」を何より大事にしています。まずは、自分でいろいろ試しながら発見していくことの喜びを感じてもらいたいと思っています。

桐蔭学園でのオンライン授業期間は今年度 2 回目となります。1 回目のオンライン期間に発明品(おもちゃ)企画第 1 弾を行いました。そこで、今回、磁石を使った発明品(おもちゃ)第 2 弾を行っています。

p03 p04

磁石の性質を利用して子どもたちの創造力の詰まったものが、ロイロノートの動画でたくさん送られてきています。言葉やテロップでの説明を入れたり、動画に音楽をいれて編集したりと子どもたちがタブレットを操作する技術も同時に上達しているようです。

 

自分で作った発明品をお互いに見合うことで、会いたくてもなかなか会えない友だちのことも、考えられる時間にもなってくれると嬉しいなと感じます。

 

 

読書記録アプリ「Yomumo」開発!

読書担当 石故 裕介

 桐蔭学園では1年から4年生に週に1時間の読書の授業があります。ICT機器が盛んに活用され、画像や映像からの情報収集が容易にでき、力も伸びていきます。それらに加え、東ロボプロジェクトにもあるように今後は「文字から意味を読み取る力」や「抽象的なことを具体的なことに言い直す言語スキル」などが必須となることから3年前より始まった、新しい授業です。その中で、読んだ本を記録する、読書記録カードを書いてきました。「読んだ本をより深く心に刻み、読んだことの価値を高めてほしい」ということや、「のちに振り返ったときにこんな本も読んだな、と思い出してほしい」ということで読んだ本を短い感想とともに書き残しています。

日々読んでいるとなかなか気づきませんが、書き残してみると自分は物語をあまり読んでいないな、ミステリーが好きなんだな、この作者が好きなのか、などの自分の思わぬ読書傾向などもわかり、意外な楽しみにも繋がります。

しかし、これまでの記録カードは紙ベースのため、読書ファイルを手にしたときにしか書けない、書いたものを共有しづらい、どこに書いたか見つけられない、などの課題がありました。そこで、iPadの導入を機に、この記録カードの電子化を検討してきました。

流通している読書記録アプリなどもいくつか調べてみたのですが、学校外の人とつながれてしまったり、小学生にふさわしくない本の情報が検索出来てしまったりと、授業で使うのは難しいということで、当時は実現には至りませんでした。どうしたものか、と考えていた時に、いっそ小学生にふさわしい読書記録アプリを開発してしまおう、ということになりました。

そこで、株式会社ETeqの片山さんにご協力いただき、アプリの開発を進めてきました。片山さんは東京理科大学で先生をしながらSTEAM教育・ICT化教育に関する教材等の開発・コンサルティングを行うETeqの代表をされている方で、今回のアプリ開発に興味を持っていただき、開発をしてくださいました。

6月より開発がスタートし、何度も打ち合わせを重ね、出てきた課題を少しずつ解決し、テストを繰り返し、9月にβ版を子どもたちに実際に使い始めてもらえるところまできました。

実際に使ってみるとまたエラーが発生したり、実際の運用に困るところがあったりしましたので、そちらを修正しながら3か月、運用を進めています。この冬休みにも大きな改修をしていただき、より使いやすくなりました。また、先日、学校にもお越しいただき、子どもたちと直接やり取りをしていただきながらより使いやすいように改修プランもご検討いただきました。

子どもたちも他の人の読んだ本が見られたり、テーマで検索出来たりするのでとても楽しみながら使ってくれています。また、すべての本ではありませんが、本の裏のバーコード(ISBN)をスキャンすると作者名や書名などが自動入力され、表紙画像も出てきます。文字だけだった時よりも視覚的にもわかりやすいですし、入力の手間もかかりません。また使っている様子などはこちらでもお知らせさせていただきますが、Yomumoを使ってこれからもより良い読書体験が進められるようにしていきたいと思います。ご家庭でもぜひどんな本を読んでいるか、共有してみてください。

また、こちらのアプリは今後は日本全国の他の小学校でも活用できるように検討中です。桐蔭学園小学校での活用が日本に広がっていくかもしれないこと、とても楽しみです。

 

3年生 算数「折ったり、区切ったりして見てみよう!~タングラムをロイロノートでやってみよう~」

3年算数担当 船曳 巧頌

3年生を対象に、オンライン期間の午後に希望者に「算数の部屋」という講座を開設しています。今回は、オンライン期間に入って、3回目の講座でした。30人の子どもたちが参加しました!

「タングラム」は、ホテルや民宿にも置いてある子どもも大人も楽しめるパズルです。これを算数的な視点から考え、いろいろな形を作っていきます。

まず、初めにA4の用紙を用意してもらい、「どんな形かな?」と復習から入りました。「2回だけ折って正方形を作ってみよう。」と投げかけたところ、「意外と難しい。」という声が子どもたちから聞こえました。
でも、正方形の特徴を思い出してみると、「すべての辺が同じ長さ」ということにたどり着きました。
「同じ辺の長さを作るには…?」
「そうだ!斜め(対角線上)に折ることで、辺が重なり4辺とも同じ長さになる♪」

 


そんなところからスタートし、タングラムの理解を深めていきました。タングラムは正方形を意図的に区切った形や直角二等辺三角形や正方形、そして平行四辺形などの決まった形があります。

オンラインであったので学校に教科書を置いてしまっている子もいたので、タングラムをロイロノート上でも使えるようにしました。

 

IMG_1065  IMG_1067

ロイロノートには、画像を回転させる機能があります。置きたい向きにできるように、回転させられるようにしました。回転の機能の問題上、どうしてもできない向きがあるので、その向きにできるように予備の物も用意しました。

また、子どもの中には、その形を複製の機能を使って「いくつか、使っていいならこれもできたよ!」と教えてくれました。
「先生が複製をすることを予想していなかったよ…。」
子どもたちは、大人の発想をいつも超えてきます。
子どもたちのあっぱれな取り組みでした。

 

以下のように、子どもたちはタングラムやロイロノートの機能を使って、いろいろな形作りをしました。

  

 IMG_1069 IMG_1068

 

 

「Hello Korea! 6年生韓国英語交流プログラム」

「Hello Korea! 6年生韓国英語交流プログラム」
「韓国」って聞くと、みんなどんな事を思いうかべるかな?
そんな大まかな発問に6年生の子どもたちからは、
「韓国料理」「KPOP」「日本に近い」「北朝鮮」「イカゲーム」「わからない」…
率直な答えが飛び交います。韓流ドラマや音楽が好きな子も多い中なので明るい印象もあれば、ニュースなどで聞いた印象を正直に共有してくれました。
 

「そんな韓国の小学校と桐蔭学園の6年生が、今年初めて繋がることになりました。」

今年度の6年生は英語科の探究プログラムの一環として桐蔭学園では初めての交流先となる韓国の「Yeoul Elementary School」と繋がる機会を頂きました。

桐蔭学園小学校英語科の探究カリキュラムでは、自己紹介や好きな事、自国文化紹介等を通し、プレゼン等を用いて学校外(海外)の人と主体的に交流できる機会から本当の言語を学ぶ喜びを感じてほしいと考えています。

まずは簡単に韓国について知っていること・知らないこと・韓国の小学生としてみたいことなどを出し合いました。(隣国であれど、やはり知らない事が多いことにみんな気付かされます。)

そして早速、自己紹介の準備を始めました。まだ会ったことのない相手先の小学生も同じように準備をしているらしいと伝えると、それぞれ自分らしいページを作り上げていきます。その後はグループに分かれて、自分や学校、日本について、韓国への質問などを一つに合わせたプレゼンファイル作成に取り組みました。(中央の写真 Group Introduction)

私たちはまだ作成に取り掛かっている最中でしたが、一足先に、韓国からのグループ紹介ファイルが届きました。個人で読んだり、グループの仲間に聞いて英語を解読しています。(両端の写真)

韓国から届いた後は、より一層「もっとこうして伝えたい」が増えていきます。

そしてさらに、韓国の小学校から突然サプライズの贈り物『「Culture Box」という紙が貼られた大きな段ボール』が桐蔭学園小学校に届きました。

中を開けてみると、韓国のお菓子や伝統的な遊び遊具、シールやペンなどの文房具が詰まっていました。桐蔭学園小学校の6年生は思いがけない贈り物に大喜びです。これにより、どんどん韓国が身近になっていきました。
「何か自分達も素敵なお返しをしよう!」桐蔭学園小学校の子どもたちも韓国の小学生が日本からもらって喜ぶものを考えみようということになりました。そこでは「一人ひとりの一言メッセージを人数分付けて送りたい」、「折り紙で鶴を全員分作って送りたい」という新しい温かな発想も生まれました。あまり時間もない中、あっという間に全員分の鶴が折られました。一言メッセージでは、英語で書く以外にも、韓国語を調べて書く子もいました。どんな反応をしてくれるかな、喜んでくれるかな、会った事のない相手だからこそ想像が膨らみました。

お互いに送り合うものが届き、ついにzoomでの対面が実現しました。
韓国ではちょうどこの時期、新型コロナウィルス感染症の状況がひどく、直前まで実現可能か不確定でしたが、無事に全員繋がることができました。

各クラスでスタンバイ。
韓国語が向こうから聞こえるだけでもザワザワ、
韓国の小学生から日本語が聞こえたときには笑顔が溢れ、
英語が聞こえると一生懸命耳を傾け聞き取ろうとし、
伝えたいことがあるときには精一杯の英語で。
Culture Boxのお礼や感想、また質問など、アドリブで会話をつなぎました。
そしてこちらから送った日本の遊具の一つ「けん玉」を韓国の小学生に披露しました。技が決まると韓国の小学生から温かな拍手と喝采が。6年生、みんな嬉しそうです。
韓国側の送ってくれた遊具も披露してもらいました。その中の一つに、“あやとり”が含まれており、「日本と同じだ!」と多くの子が驚きました。違う国ですが、同じような文化(遊び)があることを生の体験として知った瞬間でした。
最後のクラスでは、こちらの給食も紹介することができました。こちらも全てアドリブだったので、立候補した子どもたはそれぞれ自分の言葉で給食の紹介をしてくれました。

今回の活動を終えてすぐに6年生から感想を寄せてもらいました。その一部がこちらです。
「韓国のみんなが思っていたより親切で優しかった。」
「教室がカラフルで素敵だった。」
「韓国の方はコロナがひどくてズームしづらかったけど、今日できてよかった。」
「日本語で言ってくれたのが印象に残って、とても嬉しかった。」
「今度は実際に会って話してみたい。」

  

「喜んでくれた、優しかった、日本語を使ってくれてた、会ってみたい、またやりたい。」
6年生の子どもたちから聞こえた嬉しい感想です。
これこそ、語学を学ぶ醍醐味ではないかと改めて実感させてもらいました。
語学は他者がいるからこそ成り立ち、伝えたいという気持ちが芽生えてこそ、心と言語が豊かに育まれます。さらに英語を第二言語として学ぶもの同士だからこそ安心して英語を発話できると思います。
韓国に抱いていた最初の印象と変わった子も多くいたかもしれません。言語を通し、自らが歩み寄ることで広がっていく世界をこれからも一層楽しんでいってほしいと願います。
Thank you so much to Yeoul Elementary School Korea, for this wonderful experiences.

 

 

5年総合(探究)「職業について考えてみようPart1(業界・業種)」

5年担任 渡部 彩子

2学期の総合学習では、「業界・業種」を題材に探究活動を行いました。
今回の活動のゴールは「就職説明会」です。自分が調査した業界・業種についてクラスや学年のみんなに向けて説明会を行い、その業界に就職してもらうことを目指します。

 

まずは、「興味のある、やってみたい、ワクワクする業界」について、クラスで説明会を行います。
業界の調査、資料作成と発表は、同じ業界を選択した仲間とグループを組んで取り組みます。説明を聞いてくれる人たちに「就職したい!」と思ってもらえるよう、自分たちがその業界の仕事、そして魅力を知るところからはじめました。
説明会実施にあたり、業界の魅力を説明する「就職情報誌」を作成しました。その業界で実際に仕事をしている人になりきって作成します。

 

そして、作成した「就職情報誌」をもとに、クラス内で発表を行いました。

次は「どんな魅力を感じているのか知りたい業界」について、クラスをこえて学年全体で説明会を行います。まずは、1つ目で作成した「就職情報誌」について振り返り、2回目の説明会に向けて、情報誌作成に必要な要素や魅力的な書き方について考えました。そして、次の情報誌作成にあたって取り入れたいことをロイロノートのダイヤモンドランキングにして整理しました。

次に、実際に情報誌に盛り込む内容を、どのような順で書いていくと伝わりやすいのかを考えてプロット図を作成しました。

各個人でこのような振り返りと情報誌作成に向けた下準備をしたところで、実際にグループで集まって情報収集や情報誌作成等、説明会へ向けた準備を行いました。

>

いざ2回目の説明会。今回は学年全員の前での説明会です。子どもたちは、多少緊張している様子はあったものの、2回目の説明会ということで、1回目を踏まえて資料(情報誌)を作りこんだことが自信となったのか、どのグループも立派に説明することができました。

この2学期は、「まとめ・表現」、特に、「資料作成」に重きをおいて活動を行いました。今回は、「自分の業界に就職してもらうにはどうすればいいのか」を出発点とし、そこに必要な内容や表現方法について、2回の説明会を通して学習しました。3学期は、この2度の説明会を経て「就職したい!」と思った業界へ実際に就職し、その業界に属する職業について個人で探究活動を行っていきます。

 

2年生活科「お世話になっている方々へ!」

担任 小林 勉

 2年生になって、生活科の取り組みは「えだまめの栽培」から始まりました。桐蔭学園には畑があり、植栽の方々が手入れをしてくださっています。『豆まき→成長の観察→収穫→家庭でどのように食べたのか』という流れで学習は進みました。この流れの中で、植栽の方が日々自分たちの「えだまめ」を世話してくださっていることに子どもたちは気が付きました。そこで、収穫の最後に大きな声でお礼を言うことができました。

自分たちが毎日学校生活をしている中で、他にもお世話になっている方がいることに目が向くようになりました。そこで、初めに出てきたのが毎日登下校で乗るスクールバスの運転手さんでした。「運転手さんはどんな仕事をしているのだろう」「運転手さんはどんな気持ちで自分たちをバスに乗せてくれているのだろう」など、そんな気持ちから『お世話になっている方々について考えよう』という単元が進みました。

 

ロイロノートでお仕事について考え、意見を出し合い、実際にインタビューしてみようということになりました。実際に自分たちの疑問をインタビューして、疑問が解決した子どもたちの様子はとても充実した感じで、「今日から心を込めてあいさつしなくちゃね。」「バスに乗ったら、静かにしなくちゃね。」などという声が聞かれました。

次に、給食の方はどんな仕事をしているのだろうということになり、同じように給食の方たちのお仕事を考え、疑問点をインタビューして解決しました。

そして、最後には「お礼のお手紙」を作り、運転手さんと給食の方に渡すことができました。

>

すると、学校生活の中で自分たちが何かできないかと考える子も出てきました。そこで、学校の中でできる「おしごと」についての取り組みが始まりました。
自分で仕事を考え、計画し、実行しました。12月の短縮中から1月にかけて実践しました。毎日取り組む子ややることを忘れてしまって声をかけられる子もいましたが、振り返りを行うと「続けて取り組みたい」とみんなが感じていました。ゴミ拾いを仕事にした子は、「いつもは気が付かなかったゴミに気が付くようになった。家でごみを拾っていたら、お母さんに褒められた。」、グラウンドに落ちていたボールを拾うことを仕事にした子は、「高学年の人がえらいねと言ってくれて、うれしかった。」など、うれしそうな表情で話してくれたのが印象的でした。
3学期の最後には、「学校→家」に目を向けて、家族にはどのようにお世話になっているのかを考えさせ、感謝の気持ちが伝えられたらと思います。

11

 

 

2年生図工「わくわく おはなしゲーム ~すごろく作り~」

授業者 大井勇輝

すごろくは、「サイコロを振り、出た目の数だけ進む」という単純で分かりやすいルールで、誰でも遊ぶことができるゲームです。アイディア次第では、表現する世界を様々な方向へ広げたり、工夫して仕掛けを作ったり、おもしろさを深めたりすることができます。始めに、みんなですごろくで遊びましたが、何とこのすごろく、私(授業者)が小学生の頃に作ったすごろくなのです!初めてすごろくで遊ぶ子もいたので、ルールを確認しながら何度も遊びました。どのグループも自然と笑顔が生まれます。これもすごろくの持つ魅力のひとつなのかもしれません。

09  07

本題材で作るのは「ただマス目を進ませるすごろく」ではなく、マス目にストーリーのある『おはなしゲーム』です。ルールはすごろくと同じですが、自分で考えたお話をきっかけに、マスの内容やもっと面白くなる工夫を取り入れられるように子どもたちが考えられるようにしました。そこで、今回使用したのがシンキングツール【フィッシュボーン】です。フィッシュボーンを使って、自分で作ったお話に合ったマスの内容や工夫を考えました。「すすむマス」「もどるマス」「やすむマス」「もっと楽しんでもらう工夫」という4つの観点に分けて多面的にゲームの内容を考えていきます。友だちとシンキングツールを見せ合いながら、自分たちが作ったお話について自然と相談する姿が見られました。
 

次の授業では、家でマスが進む設計図を考えてきた子、家で作ってきたすごろくで遊ぶ子、マスの内容だけではなく形や色も工夫している子、マスの順番を考えながら並べる子、様々な子どもたちの姿が見られました。まだ作り始めたばかりですが、「作る⇔遊ぶ」を繰り返しながら試行錯誤し、よりよい作品を作りたいという思いが、子どもたちの中で広がっているようです。完成に向け、もっと楽しんで取り組みたいと思います。

03

01

 

 

 

1年算数「どんぐりの かずは なんこ? ~おおきいかず~」

数科 櫻庭 弘基

 算数で「おおきいかず」の単元に取り組みました。

子どもたちが、大きな数をより深くまなべるように、1校時分を使って、学校にある田んぼや裏山に行き、班で協力してどんぐり拾いをしました。

《どんぐり拾いの様子》

</

その次の算数の時間に、各班で拾ったどんぐりの数を協力しながら数えました。子どもたちは、

数え間違いがないように、工夫していました。
「印をつけてかぞえようよ。」
「まとまりをつくってかぞえてみよう。」
という声が聞こえてきました。

この授業のねらいは、『2位数や簡単な3位数について、10のまとまりに着目し、「10が何こといくつ」という数の構成を基に数をとらえること』としています。全部の班が10のまとまりに着目すると数えやすいことに気づき、協力してどんぐりを数えることができました。(ちなみに1番どんぐりの数が多かった班は158こでした。)

《拾ったどんぐりを数える様子》

10のまとまりをつくって数える活動を通して、「10を単位とした数」の大きさをみることができるようになり、「40は10の4こ分」、「10が6こで60になる」という数の構成について理解を深めてほしいと思っています。

数の構成を活用して数の数え方を考えることで、数を認識するときのよさや楽しさを感じ、日常生活に生かしてくれればと思います。

 

 

【思考力】反転授業 ~対面授業とオンライン授業のハイブリット~

実践者:4年科学担当 塩原 一成

 桐蔭学園小学校がアクティブラーニング型授業を取り入れて7年近く経ちます。子どもたちは、得た知識を言葉に変えて、「友だちに伝え」、「相手の意見」も取り入れる様子は、もはや日常です。そんな中、新型コロナウイルス感染症が広がった影響で2020年より教育方法もガラッと変化することとなりました。ICTの観点から見れば、「YouTubeで配信した1600本授業動画。」「1年生から6年生まで一人一台のiPadの配備。」「ロイロノートスクールを活用したアクティブ双方向授業の導入。」「各家庭とZoomでつないで実施されたオンライン授業。」と、少し前では想像しなかった変化が起こった2年間だったと思います。

科学を担当している身としては、この学びの場の変化は大変刺激的で、今こそ新しいやり方を取り入れ、子どもたちが今まで以上に科学に触れ、自分で科学の世界を広げるチャンスをつかんでほしいと思っています。

9月よりオンライン授業が明け、学校に来て、対面授業をすることができるようになりました。科学は実験をして、科学現象を直接目にして、自分の感じた思いや、自分の想像との違いをまとめ、次の不思議へとつなげていく教科です。

学校では、できるだけ実験をたくさんして、仲間たちとたくさん議論して、科学の世界を深めたいと思います。しかし、基礎知識が不十分な状態での実験や話し合いは、あまり効果がありません。そこで、「活動」と「知識」の二つを満たすために、コロナ禍の2年間で得た「新たな力」を使い、反転授業を展開しています。

①学校では、できるだけたくさんの科学活動を取り入れる。

もちろん基礎実験もしますが、「子どもたちが疑問に思った点を深堀する活動」、「新しい実験の導入」なども行っています。

②科学動画を作成し、自宅学習で基礎知識の向上を目指す。

基礎知識は、撮影した科学動画をロイロノートで配信し、児童たちは自宅で閲覧し、所定の課題に取り組み、提出する。 動画にすることで、何度も見ることができ、一度止めてノートに書いたり、飛ばしたりすることもできます。

【ものの温まり方の実践例】
①学校では、できるだけたくさんの科学活動を取り入れる。

        

ベーシックな実験ももちろん行いますが、この日は、アルコールランプがどうやってアルコールを吸い上げているのかを実験しました。ポンプなどの動力を使わずどうやって液体が上昇するのかは、興味深い点です。液体の色を変えたら吸い上げる速度が変わるか?アルコールにつける紙を変化させたら吸い上げる速度が変わるか?アルコールを吸わせるものが太いのと細いのではどちらが吸い上げるのが速いか?など、子どもたちはあれこれ実験し、それをiPadでまとめ発表しました。事前学習を行い、実験時間に余裕が生まれたことで取り組めた活動です。

②科学動画を作成し、自宅学習で基礎知識の向上を目指す。

授業で取り組んだ分野の問題プリントをロイロノートで配信します。科学用語確認問題、漢字問題、記述問題など出題しました。下のように子どもたちからどんどんロイロノートで提出されてきました。

配信した問題プリントの解説動画などをロイロノートで配信します。問題の解答はもちろん、どのような表現が良いか、次の実験の注意点なども入れ込みます。これを見れば、問題が理解でき、次回の実験のポイントなども意識することができます。動画は10分程度で作成しました。

   

家に帰ってからの時間や、土日などの休日に、問題に取り組んだり、その解説を見たりすることで、限られた学校での時間をより効率的に活用することができるようになりました。

子どもたちも、この「反転授業の良さ」と、「この取り組みで気を付けること」が理解できたので、とても助かっています。学校でみんながいないとできない活動をたくさんすることができることが、大変いいところです。より効果を上げるためには、動画や課題に取り組まないと成立しないという点を十分に配慮し、気を付けなければなりません。
4年生の子たちは、よく理解し、前向きに取り組んでくれていてありがたいです。