日別アーカイブ: 2021年6月29日

ラーニングスペース、拡大中!その2

昨年度の3月に、「ラーニングスペース拡大中!その1」の教育実践記事を公開しました。それから約3か月、ラーニングスペースは、ずっと拡大し続けてきました。機能や役割的な拡大ももちろんですが、今回の3か月の間には物理的な拡大もありました。大きく変わってきたところ、ご紹介します!

まず、ラーニングスペースの面積が大幅に拡張されました。以前は廊下(マルチパーパス)部分のみがラーニングスペースだったのですが、その前にあった通常教室3教室もラーニングスペースとして活用できるようになりました。もともと各学年教室の移動計画があり、ちょうどいいタイミングでラーニングスペースもそこと絡めて計画し、この大幅な拡張へつながりました。空間として3教室使えることになり、どのように使うかを検討し、今回は2教室分の壁面を取り外し、以前からのラーニングスペース空間と一体で使えるようにしました。

写真手前の部屋と奥の2部屋の壁が抜かれ、高い天井と相まって非常に開放的な空間になりました。真ん中の部屋はいろいろ検討した結果、壁面を残し、音を遮りたいときに使用する部屋として壁を残しました。
英語で音楽を流すときや、ZOOMで子どもたちが学校外の人たちとの交流をするとき、または教員の会議時など、様々な用途に利用されています。
   

空間が広がったことで、本当に様々な用途で利用されるようになりました。本を読む、学習する、話し合いに使うなど、こちらがイメージしていたものも多くありましたが、中には異学年の待ち合わせ場所に使う、給食を食べすぎてのんびりしている、その日のスピーチの自主練に来る、裁縫や工作に使う、など、想像もしていなかった使い方がたくさん出てきました。
そして何よりいいな、と思っているのはそうしてくる子たちがみんな楽しそうであり、リラックスしている様子です。大人もそうですが、一日中、頑張り続けることはとても大変なことです。途中の息抜きはとても大切です。ほんの数分でも、クッションに座りのんびりぼーっとすることで、その先の頑張りの源になっているのだと思います。
中には、毎朝学校に来て決まったクッションに座って数分過ごして帰る子もいます。本を読むときもあればただただボーっとしているときも、話しかけられて友だちとしゃべっていることもあるのですが、きっと1時間ほどの通学時間が終わり、これから授業に入るための気持ちを落ち着けるルーティンになっているのだな、と思います。
リラックスした空気からは活発な意見交換なども生まれやすくなります。そのため、休み時間など、数人の話し合いがラーニングスペースのあちこちで見られます。中には勉強会をしている子たちもいます。
   

教員の打ち合わせも、下の写真のような様子で行われることもあります。

ラーニングスペース、前回も書かせていただきましたが、まだまだ進化し続けます。子どもたちの意見、先生たちの意見ももちろんですが、今年度より「日本学校図書館学会」の研究推進指定校にも選ばれました。そのため、外部の学校図書館の専門家の方々のご意見やアドバイスもいただきながら、よりよいラーニングスペースへと進み続けます。
次回、また「ラーニングスペース拡大中!その3」でよいご報告ができるように勧めていきますので、どうぞご期待ください!

 

3年 科学 「チョウをそだてよう」

「チャレンジ力」「思いやり」

 3年では「チョウをそだてよう」の単元でモンシロチョウの幼虫を校内のキャベツ畑にとりに行きました。グループごとにチョウの「幼虫→成虫」まで育て観察しました。3年生の子どもたちは生き物好きが多く、裏庭のビオトープへ行って虫や生き物をさがしています。中には、もちろん苦手な子もいます。しかし、観察したり、毎日キャベツをあげたり、フンをそうじしたりすることで、少しずつ愛着がわいてきている子も増えてきました。
      

 科学の授業ではできるだけ本物をみること、自ら体験することを大事にしています。実物を見ることで、新しい発見や疑問も生まれます。「幼虫がこんなにたくさんキャベツを食べると思わなかった」「食べる葉の色でフンの色が違う」「さなぎになるときに糸を出していた」など、教師が教えるのではなく、子どもたちが自ら経験し発見することで知識を得ていくのです。
   

 同時に小さな生き物の命に向き合うことも大切なことです。毎日お世話をしていると、幼虫のちょっとした変化にも敏感になります。「餌を食べない」「色が変」「動きがおかしい」など、ちょっとでも変わったことがあると子どもたちはびっくりしてとんできます。
お世話をしていく中で、アオムシコマユバチに寄生されてしまったり、うまく羽化できなかったりした幼虫を悲しそうに見つめる子や、「頑張れ!あともう少し」と蛹から出てくるモンシロチョウを緊張した面持ちで見守る子、大空に向かって元気に飛んでいくチョウに「元気でね!」と手を振る子など、小さな命と関わったことで、子どもたちの頭の片隅に少しでも生命の大切さや尊さが残ってくれればと思っています。
   

   

 

《子どもたちの日記》
〇今日、ぼくのモンシロチョウのサナギから成虫(チョウ)が出るところを見ました。出るときにおしりからオレンジのえきたいが2,3てきたれていたので、何かと思ったらそれが科学のじゅぎょうではんめいしました。
〇友だちのサナギも羽化していました。いがいでした。とてもきょうみぶかいです。
自分のチョウが羽化するのを待っています。
〇今日は科学がありました。
今日はモンシロチョウのはなしとスケッチをしました。モンシロチョウのサナギについてやいろいろなことを話してくれました。もともと私は虫がきらいですが、だんだん好きになりました。

 

家庭科室開放!「やってみたい」を大切に

「チャレンジ力」「創造力」

6月から、毎週火・木・金曜日の中休みに家庭科室を開放しています。
道具と材料を用意して、家庭科室に来た子どもたちが「好きなように好きなものを作る」という活動をしています。
主に3年生から5年生の子どもたちが来ています。女の子だけではなく、男の子も来室しています。
6年生も興味はあるようですが、現在は清掃活動や委員会活動と重なってしまい、なかなか来られないというのが現状です。しかし、時間の合間を縫ってきている子たちもみられます。

5年生は、授業では、まだ裁縫について学んでいないので、「初めて針を使う」という子どもたちがほとんどです。「できるところから始める」ということで、予め糸を通した針を用意し、「玉止め・玉結び」からやり方を教えながら教員と一緒に行っています。縫うことで何かができ上がる、ということを楽しんでいます。

「なみ縫い」や「かがり縫い」をやることを楽しんで、フェルトを使ってマスコットやミニクッションを作ったり、小さなポケットを作ったりしています。
      

   

フェルトの作品を1つ作った子は、更に薄手の布を使って枕を作ると言って、あっという間に縫い上げていました。縫い目はまだ上手くいかないようですが、「まずは楽しむこと」を主眼に置き、本人が細かく縫えばもっとでき栄えが良くなるということに段々と気づけばよいと思っています。そのころには縫う技術もきっと上がっているはずです。
   

今、楽しく裁縫活動を楽しんでいる3年生や4年生の子どもたちにとっては、1年後、2年後に家庭科を「学ぶという入り口」になり、現在、家庭科を学んでいる5年生や6年生の子どもたちにとっては、「学んだことを更に発展させる場」になると考えています。1回にできる活動は15~20分くらいですが、この時間を大切にしながら、家庭科を楽しむという気持ちを育んでいきたいと思います。