【創造力】 造形遊びの日

6月6日と7日に「造形遊びの日」がありました。この行事は、今年で12回目を数える図工科の行事です。素材ととことん向き合い、文字通り「遊び」ながらの造形表現活動を通して、児童の表現力を豊かにしていくことがねらいです。各学年の様子をご覧ください。

 

【1年生】  『いろみずあそび』 『おおきくかこう』

1年生は2本立てで行いました。『いろみずあそび』では水性絵の具と食紅を使用して、さまざまな色の調合に挑戦しました。何度も繰り返しながら色をつくっていくことで、色相、彩度、明度といったことを感覚的に感じられるようになっていったのではないかと考えます。『おおきくかこう』では、校内のスクールバスロータリーにある大きな壁にチョークでのびのびと絵を描きました。全身を使って表現する面白さ、楽しさを感じながら、壁いっぱいに絵を描くことができました。

 

【2年生】  『だんボールに はいってみると?!』

段ボール箱に触ったり中に入ったりして、素材の特徴を体で感じ取り、その特徴を生かしながら造形活動に展開していくことがねらいです。子どもたちは大小様々な段ボール箱から好きなものを選び、最初は中に入ってみたり、頭から被ってみたり、友達の箱と組み合わせたりしていました。しばらくすると、段ボールカッターで箱をどんどん切り始め、思い思いの活動に入っていきました。友達と協力して大きな家をつくる子や、乗り物づくりに挑戦する子、ロボットのようなものをつくって自分がその中に入って歩き回る子など、アイディアの豊富さに目を見張るものがありました。活動場所のラーニングスペースが、みるみるうちに子どもたちの熱気と造形物で満たされていきました。

 

【3年生】  『ひもひもオーナメント』 『ひもひもワールド』

3年生がとことん向き合う材料は「ひも」です。材料に触れながら「!」と「?」を大切にし、自分のやりたいことを見つけよう!と意気揚々に活動が始まりました。

『ひもひもオーナメント』では、自然のものとひも(毛糸)を組み合わせて“いい感じ”のかざりをつくろうという活動をしました。まずはみんなで、小学校の周りに落ちているいい感じの枝を探しにいきました。みんなでひもの結び方を確認し、つくり始めました。色の組み合わせを工夫する子、みんなで大きい枝に挑戦する子、枝を組み合わせて立体的な形をつくる子、活動はどんどん広がっていきます。手編みができる子の周りに集まって、自然と手編み教室も開店しました。ひもの結び方、ひもの可能性や美しさをみんなで共有しました。

『ひもひもワールド』では、「教室をひもで結び、変身させよう」を合言葉に、自分たちの教室の各所にひも(スズランテープ)を張っていきます。ものすごい勢いで教室がひもで埋め尽くされ、活動の場は教室の外まで広がっていきました。「クモの巣みたい!」「オーロラみたいだね。」「ここで寝転ぶといい感じ!」子どもたちのつぶやきも聞こえてきました。高いところは先生の力も借りて、子どもたちも大人たちも息を切らしながら取り組みました。心も身体も全部使って、終わった時はみんなヘトヘト…。最後の力を振り絞り、みんなで協力して片付けをすることができ、創造力だけではなく思いやりも発揮することができました。

 

【4年生】  『ここにいたい』

校内の身近な場所をお気に入りの場所につくりかえることがねらいです。材料は段ボールとガムテープというシンプルなものでしたが、子どもたちのアイディアで校内の色々な場所に「秘密基地」がつくられていきました。4年生くらいの児童にとって「秘密基地」をつくるのは大変楽しい活動です。自分たちの体くらいある段ボールの束を一生懸命運んでいる姿は、微笑ましくも頼もしい光景でした。お昼にはそこでお弁当を食べたり、友達の基地を訪問したりと楽しく過ごしていたようです。片付けには一苦労しましたが、この活動が身の回りの物事、さらには社会をより良いものにつくり変える将来への活動に繋がっていくことを願います。

【5年生】  『ミラクルレンズ』 『光と場所のハーモニー』

『ミラクルレンズ』では初めに、様々な材料が入ったファイルを子どもたちの机上に配布しました。「見て、眼鏡みたい!」「キラキラしているね。」など様々なつぶやきが聞こえてきました。仲間分けしているグループもありました。カラーセロファンやミラーシート、ホログラムシートなどの透過性や反射性のある材料を組み合わせて、レンズフィルターをつくる活動を提案しました。紙コップの穴の形を工夫した子、カラーセロファンを重ねて自分だけの光の色を表現しようとする子など、形や色を工夫しようとする子どもたちの様子が見られ、そのうちミラーシートを三角柱の形状に組み立てレンズをつくった子が現れました。途中結果をみんなで共有すると「わぁ、きれい!」「万華鏡みたいだね。」というつぶやきが聞こえてきました。試行錯誤を経て完成したレンズ。最後はiPadにレンズを装着し、屋外で光を撮影しました。

『光と場所のハーモニー』では、光と材料を合わせて、ハーモニーホールを変身させる活動をグループで行いました。ハーモニーホールに入ってきた子どもたちは、目の前の様々な材料や光源に興味津々でした。材料を自由に使うと思いきや、なんとチケットと交換制!一人2枚のチケットを配布した後、買い物が始まりました。この空間で光と組み合わせたときの様子を想像しながら、材料を吟味する表情が印象に残っています。友達の持ってきた材料と組み合わせることで、新たな表現を見付けることができたグループもありました。材料を返品しながら、様々な材料と光を組み合わせ、試行錯誤をしていく子どもたち。次第に自分たちが表現したいことが見えてきました。自分たちが考える和風を表現したグループ、海のような空間をつくりあげたグループ、なんだかホッとするような空間をつくりだしたグループなどがありました。中には寝転びながらボーっとしている子もいました。最後はみんなで鑑賞タイムを設けました。いつもとは違うハーモニーホールを堪能しました。

 

【6年生】  『学校のある場所を〇〇な××にかえてみよう~インスタレーションに挑戦~』

6年生は「インスタレーション」に挑戦しました。インスタレーションの定義はさまざまですが、今回は「空間ごと作品にしよう」をテーマにしています。難しいテーマではありましたが、普段は手元サイズの作品では考えない大きなスケールでの表現に取り組もうとしたことに意義があったと考えます。また、グループ制作も、自由度の高い題材である分、意見の食い違いなどがあり、それを乗り越えていくことも良い経験となりました。例えば文化祭など、進学後は授業以外でもグループ制作をする場面が増えていきます。自分の役割をみつけ、チームのためになにができるかを考えられるためにはこういった経験も生きてくるはずです。