桐蔭学園小学校では2025年度から3~6年生の総合的な学習の時間を「総合探究」としました。総合的な学習の時間をより探究的な学びとし、子どもたち一人ひとりが自律的に探究サイクルを回して学習を深められるように、というねらいを実現するための対応となります。前期総合探究・後期総合探究と活動内容を分け、前期総合探究では学年・学級単位で協働的に探究活動を行い、後期総合探究では一人ひとりの「やりたい」気持ちを原動力に、個人で探究活動を行います。それにより、チームと個人とでより主体的・対話的で深い学びが実現できるように取り組んでいます。
10月からの後期総合探究では、児童一人ひとりの興味関心に応じた探究活動を支援するために、教員の専門性を生かした11のゼミテーマを設定しました。11のゼミテーマは以下の通りです。
「マンガ・アニメ-世界に誇る日本文化-」
「くらしの中の便利なもの-未来・発明・特許など-」
「昔のくらしとしあわせ-しあわせクロニクル-」
「スポーツの力-世界をつなぐ競技-」
「桐蔭学園小学校起こし-豊かな小学校を創り出そう-」
「ひみつをときあかせ!生活の中の数と形-将来、数や形を学ぶことって、何の役に立つの?-」
「デジタルの世界-身近なデジタルのなぜ?を解き明かす-」
「口に出す言葉の力を考える-お笑いや歌詞など-」
「文字による言葉の力を考える-文学作品を中心に-」
「音ってすごい-くらしにひそむヒミツ-」
「比べてみよう日本と世界-数字や文字から考えてみよう-」
子どもたちはこれらの中からゼミを選び、そのゼミのテーマと自分の興味関心を結び付けて探究活動を進めています。探究した内容は、3・4年生は新聞の形にまとめます。5・6年生はポスターにまとめ、ポスターセッションを行うことになっています。
今回の教育実践では、「マンガ・アニメ-世界に誇る日本文化-」「ひみつをときあかせ!生活の中の数と形-将来、数や形を学ぶことって、何の役に立つの?-」「音ってすごい-くらしにひそむヒミツ-」の取り組みの様子をお伝えいたします。
①「マンガ・アニメ-世界に誇る日本文化-」
今や日本の漫画やアニメが国際的にも高い評価を受けていることは周知の事実です。そして、日本政府もコンテンツ産業として、アニメ・ゲーム・音楽などの海外展開を強力に推進しています。このゼミのテーマは、「漫画やアニメ作品に対する理解を深め、その人気に迫ることで国際的な視野を養う」ということです。
まず、好きな分野(作品、作画、アニメ制作など)に分かれて語り合う時間を設けました。自由に意見を交換することで、考え方が広がりテーマを決めるきっかけ作りができました。そのようにしてテーマを決めていく中で、ゼミの子ども達の探究するテーマは大きく二つに分かれました。「個別の作品の内容について」が8割で、「(漫画の)描き方や(アニメの)制作について」が2割です。そして、テーマ(問い)を探究するための手立てをクラゲチャートで探り、材料がそろったところで3・4年生は新聞の作成、5・6年生はポスターセッションに向けた準備に取り掛かりました。3年生にとっては4年生が、5年生にとっては6年生が、取り組みの良い刺激になっているようです。また、どの子どもたちも自分の好きなものを調べているので思い思いに集中して取り組んでいます。その姿に新しい学びの可能性を感じています。
②「ひみつをときあかせ!生活の中の数と形-将来、数や形を学ぶことって、何の役に立つの?-」
このゼミでは算数や数学を学ぶことによって、将来、何に役立つのかということを考え、調べ深めることによって、算数の知識を増やし、算数にさらに興味を持ってもらえたらと考えてスタートしました。ゼミには算数が好きな子、興味を持っている児童が多く集まり、意欲的に活動に取り組んでいます。
子どもたちは、テーマとして、今まで学習してきた算数の内容の中から興味のあるものを選びます。例えば「小数」を選び、「小数がもし無かったら」などの仮定をします。その後は、仮説を立てて、検証していくという流れになります。3~6年生での活動となるので、それぞれの学年に合った発表形式を取ることになります。現在、3・4年生は新聞作りに、5・6年生はポスターセッションに向けてポスター作りと2000文字程度の発表内容作りに取り組んでいる最中です。
ある児童は「単位とは何か?」というテーマで取り組みました。
色々な国の単位について触れ、単位の歴史について考え、どのような流れで現在使われている単位にたどり着いたのかを解き明かしていきます。
ある児童は「小数がなくなったら」というテーマで取り組みました。
世の中に小数が存在しない場合、どうなってしまうのかという疑問からスタートしています。小数が無い場合、分数でどれ位カバーできるのかについて考え、想像し、様々な角度から小数について考えています。
1/27(火)には5・6年生がゼミ内発表を行いました。
このゼミ内では、4人グループが作られています。基本的に3~6年生が一人ずつ入るようにしています。グループでは、自分が迷っている内容を相談したり、発表内容を聞いてもらってアドバイスをもらったりすることができます。それぞれの学年の子たちが自分にできることをやったり、他学年の子にアドバイス等を送って助けたりしています。どの子も自分の中間発表などを振り返り、全体発表がより良いものになるように真剣に取り組んでいます。
③「音ってすごい-くらしにひそむヒミツ-」
音は、理科、音楽、社会、環境、福祉など生活に直結しているため、問いが生まれやすく、調べたり、試したり、考えたりすることが自然につながるのではないかと考え、このテーマを設定しました。
このゼミでは、まず、人が出す音、物が出す音、機械音、自然の音など、日常の音に着目することからはじめました。心地よい音やうるさい音など気持ちとかかわってくるもの、チャイムやアラームなど、くらしでの役目があるもの、場所による音の違いなどを調べていきました。
次に、音のヒミツを体験するミニ実験を行いました。学校の中の音探し、ストロー笛を使った音の変化の実験、ティッシュを使って振動の見える化実験、キーボードの高音と低音はどちらが遠くまで響く?場所によって音の残響はどう変わる?など、簡単な実験を行う中で、自分が不思議だと思ったことや、もっと知りたいことを見つけ、自分だけの問いを考えます。その問いの内容と深め方を仲間へプレゼンすることで、自分のやりたいことが明確になり、新たな疑問も生まれてきました。今はそれぞれが新聞やポスター作りの仕上げに取り組んでおります。












