投稿者「toin-ekl02」のアーカイブ

分散登校の実践(1・2・6年)

 3・4年の分散登校の実践報告に引き続き、1年・2年・6年の様子も紹介します。

【1年】
 6月19日(金)、ついに初めての登校。しかし、残念ながら、雨の日となってしまいました。それでも、学校に到着した1年生たちの様子は、子どもたちも保護者の方も、みんな、とてもうれしそうでした。
 教室では、担任が一人一人の名前を呼ぶと、みんな元気な声で返事をしていました。出欠確認と健康チェックの後、オンライン学習の「探究」で作った「お野菜クイズ」をみんなで楽しみました。
 今週のZoomホームルームでは、他のクラスでも共有します。

      

 

【2年】

 一人一人のスピーチで「学校でやりたいこと」を大きな声でみんなに伝えました。しばらく登校できず、友だちにも会えなかったので、みんな「やりたい」ことがいっぱいあるようです。
 その後、オンライン学習で取り組んだことを基にして「探究クイズ」をしました。
 このゲームを通じて、みんなで「心が一つになる」ことの楽しさや大切さを、子どもたちも私たち教員たちも改めて感じました。

 

【6年】
 「今の気持ち~3ヶ月ぶりの登校」として、一人一人がみんなに自分の気持ちを伝えました。これまで、何気ないく当たり前と思っていた「友だちと会うこと」が、子どもたちにとってはとても大事だと気づく1日となりました。
 スピーチの後、レクリエーションをしたり、Zoomを使って分散した教室をひとまとめにして活動したりして、「クラスのつながり」を大切にしました。
 次の週は、Zoomを使用して授業を行う予定です。

 

分散登校での「探究活動」の実践(4年)

 「子どもたちが安心して登校できる」ために、「登校する前にできる」ことを考えました。4年生という年齢は、大人によくみてもらいたいと思うことよりも友だちとの関係を大切にすることに価値の重きが移行していきます。そういった気持ちの中で、しばらくの間友だちに会っていないという状況に大きな不安感を感じるであろうと考えました。そこで、「登校する前に、互いの考えていることを共有し、ある程度の共通理解がある状態で、安心して登校できるようにする」ことをねらいとして、以下の実践を行いました。

1 1週目(6/2)Zoomによるオンラインのホームルームで、『互いの想い』を出し合う。
 始めに、長い自粛期間を経て、6月中に1回、そして順調にいけば7月から登校できるようになる、という事実を話しました。そして「登校することになったとき、ワクワクすることは何ですか?」と問いかけました。子どもたちからは、「友だちに会えること」「友だちと話せること」「先生に会えること」「みんなと授業を受けること」「みんなと遊べること」といった答えが聞けました。ただ、その一方で「みんなに会えることは楽しいけれど、新型コロナウィルスのことを考えると、うまく接することができるか心配です。」「久しぶりに友だちにあったときに、うまく接することができず、誤解されてしまうのではないかと不安です。」といった、心配・不安に関する意見も出てきました。そこで教師から、「心配・不安なことはありますか?」と聞きました。「コロナウィルスにかかってしまうこと」「自分が感染して、友だちに無意識にうつしてしまうこと」「学校生活に戻れるかということ」などの意見が挙がりました。最後の方で、「心配なこともあるけれど、みんなも同じ気持ちだと分かって、少し安心しました。」と言う児童もいました。改めて、「相手の気持ちを共有する」「相手を理解する」ことが「安心」につながるということを、みんなで共有しました。

2 2週目(6/9)Zoomによるオンラインのホームルームで、『解決策』を考える。
 前回のZoomによるホームルームでは、一部の子の意見しか時間的に取り上げられなかったので、意見を出していない子も含めて、ロイロノートでみんなの「ワクワクすること」「心配なこと」の意見を出してもらいました。

≪子どもたちが提出したロイロノートのカード≫

  

  

このときのZoomによるホームルームでは、「ワクワクすることを実現するためにこれらの心配事をできる限りなくしたいよね。そのためにみんなは、どんなことを心がけるといい?どんなことができる?」と投げかけ、Zoomの「ブレイクアウトセッション」(小グループに分かれる機能)を利用して、話し合い活動を行いました。その後の発表では、「コロナウィルスに対して、すごく不安に感じている子もいるから、その子が安心して過ごせるように、ソーシャルディスタンスを守る。」「友だちがいつもと違う反応だったとしても、誤解しないようにする」などの意見が出されました。発表後、教師から「では、実際に来週の登校日に、①自分が今日のことを踏まえてどれだけ気を付けられたか?②友だちで、気をつかってくれた行動を見つけること の2点について、みんなに一言ずつ話してもらいますね。」と伝え、ホームルームを終えました。

3 6/16(火)分散登校日
子どもたちは、これまでに精神的なことについて、共有したり、共通理解したりすることもあり、教室では安心して過ごしている様子が見てとれました。ホームルームの始めに、子どもたちから一言ずつ、話してもらいました。

・「あまりしゃべれないから、表情で判断した。」
・「距離をとって話すことになるが、離れたときに友だちが嫌な気持ちにならないように考えた。」
・「みんなが元気よくおはようと言ってくれたことがうれしかった。」
・「靴を履くところで、隣の人たちがあまり近づかないようにと考え、バックとか寄せてくれたことが良かったと思う。」
・「みんなが大きな声を出していないのに安心した。」
 子どもたちの発言からも、今日の登校が安心して迎えられたことがうかがい知れました。

    

 互いの気持ちを理解しながら、みんなが安心して過ごせる学級づくりに向けて、貴重な一歩を子どもたちは踏み出せたようです。7月からの登校でも、6つのキーコンピテンシーの一つ「思いやり」を育み、一人一人が輝ける学級を目指し、実践していきます。

 

分散登校での「探究活動」の実践(3年)

 6月9日(火)の5年田植え実習を皮切りに分散登校が始まりました。5年以外の学年は45分間のホームルームでしたが、どの学年もオンライン授業期間に扱っている「探究」に関わる内容を扱い、子どもたちは、日々の学習との繋がりに気づきながら、みんなで活動する楽しさを実感していたようです。
この活動の一部として、6月17日(水)に実施した3年の分散登校での実践を紹介します。

 今回の分散登校は、新学年になって初めての登校です。Zoomによるオンラインのホームルームは毎週実施していましたが、みんなが対面で直接顔を合わせるのは今回が初めてでした。この分散登校での子どもたちの学校滞在時間は45分。以下の2点をポイントとして子どもたちにとって有意義なホームルーム活動を行いました。

 ・「学校に来てよかった」と子どもたちが実感できる。
 ・「楽しい」だけでなく、今までの学習や新しい学びにつながる。

 3年生は、オンラインで行っている探究活動とホームルームで扱った内容を複合させた活動に取り組みました。その内容は、「心を一つにゲーム」と「国盗り合戦」を掛け合わせた『心を一つに 国盗り合戦』という活動です。
 現在「探究」で、「産地GO」&「産地GOパート2」という活動に取り組んでいます。子どもたちは、日本全国の食材について、ロイロノート・スクールというアプリを使い、クラスみんなで協力しながら調査し、研究しています。この活動は「探究」活動に終わらず、社会科の「わたしたちのまち みんなのまち」で学習する「市のようす」という単元や、今後学んでいく都道府県の学習ともつながっています。そこで、今、子どもたちが関心を寄せている都道府県を「国盗り合戦」という形で登場させることにしました。
 また、以前YouTubeでホームルーム動画を配信した際に行った、みんなで心を一つにし、答えを合わせる「心を一つにゲーム」は子どもたちにも大人気でした。これをZoomホームルームで扱うと、とても盛り上がり、みんな口々に「楽しかった」と好評でした。このゲームのポイントは、「他人の心を想像する心」が必要であること。この登校日までの約100日間、子どもたちはクラスメイトと生活を共にすることができませんでした。そこで、このお題さえあれば、だれとでも簡単にできるゲームを通して他人と心を合わせる楽しさや喜びを感じることができるだろうと狙いました。
 そこで、この2つの活動を複合させた活動をしました。
 『心を一つに 国盗り合戦』は、出されたお題にふさわしい回答を考え、全員が同じ回答になることを目指すゲーム活動です。一番多く人数がそろった回答の人数分の都道府県を獲得することができ、47都道府県の制覇を目指します。
 今回の活動で出したお題は、「音を聞いて擬音語を答える」お題が2題と、「絵を見て擬音語を答える」お題が2題の計4題でした。擬音語を回答に設定したのは、子どもたちが4月から毎日取り組んでいる「オンライン・プログラム」の国語授業で「擬音語・擬態語」の学習をしていたためです。これにより動画配信やプリント、ロイロノートでのやり取りだけでは見えなかった「学び」を、子ども自身が楽しみながらアウトプットしている姿から直接見て、感じることができました。

    

 活動の最中には、子どもたちの「九州と四国が制覇できた!」「長野県まで進めたよ!」といった声や、「擬音語って『どきん』で学習したね!」「○○県は△△がたくさん収穫できるんだよね。」という声が聞こえてきて、楽しみながらも学びにつながっている様子が見られました。
 このように、探究と社会、国語、食育、そしてホームルーム活動と、横断的に複合した協働的な「探究活動」が実践でき、子どもたちの日々の学習の成果を垣間見ることができました。

 7月からは登校が再開します。クラスのみんなが同じ教室で授業を受けたり、給食を食べたりすることが始まります。今回のホームルーム活動のように、さまざまな学びが横断的且つ複合的にいろいろな授業と結びついたり、「探究」で学んだことが多くの教科での学びや日常的な給食の食材と結びついたりするような「新しい学び」ができる場を作りたいと考えています。
 そして、このような学習活動が、本校の目指す6つのキーコンピテンシー(資質・能力)を育む「学び」に繋がっていくように実践していきます。

 

小学校5年総合学習【実習】田植え

 5年生は、総合学習の一環で毎年学園の実習田で田植えの実習を行います。
 学園職員による田起こしの見学から、イネについての調べ、田植えの実習、生長の観察・記録、稲刈りまで行います。育てる稲は「もち米」で、12月のもちつき会でお餅になって振舞われます。自分たちの手で植え、育つ様子を楽しみにしながら観察し、刈り取って、もちつきをして食す、この流れの中で子どもたちは多くのことを学びます。
 しかし、今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から6月いっぱい自宅学習期間となりました。そこで、オンライン授業での「探究」で「米の調べ学習」に取り組んできました。
 そのうえで、6月9日(火)、小学校5年児童は保護者送迎の協力の下、分散・時差登校し、学園内の実習田で田植えを行いました。この日は30℃超えの快晴となり、コロナ対策はもちろん、併せて熱中症対策も行いながら実施しました。
 例年は、上下二段の実習田に分かれ、田植えの実習とスケッチや観察をクラスで交代しながら行っていますが、今年は、コロナ対策で1クラスを半分に分けての6グループ時差登校とし、更にクラスの半分の人数を上下二段の田んぼに分けて10人程度ずつで田植えのみを行いました。
 コロナ禍による長い自宅学習期間を日々オンライン授業で過ごす子どもたちにとって、この田植え実習はとても充実した活動になったようです。
 実習前は、初の田植えになんとなく緊張感も漂い、水田に足を踏み入れた時は何とも言えない感触を得たようでした。実際に、水田に入って田植えを始めると、みんな笑顔になり、とても楽しそうでした。何よりも、自分の手でひと苗ずつ植えていく苦労を実感できたことと、自分たちが調べている米を育てていく過程に携わっている実感を得られたのは、とても貴重な経験とよい学びとなったと思われます。
 子どもたちは、すでに秋の稲刈りと冬の餅つきを楽しみにしているようでした。
 今後は、その楽しみを胸に抱きながら、登校再開後の科学(理科)や社会、総合学習の授業での学習や観察等をとおして、米を育てることの苦労と大切さを学んでいくことでしょう。

    

 

オンライン授業・プログラム2020②

前回紹介した動画に引き続き、園児・児童に配信している「オンライン授業・プログラム」についての動画を3本公開しました!
今回の動画は、「オンライン授業・プログラム」の配信についてや、学校再開に向けてなど、先生たちへのインタビューも盛り込まれています。
ぜひご覧ください!

 

「桐蔭学園幼稚園 2020オンラインプログラムダイジェスト Vol.1」
https://www.youtube.com/watch?v=LZRsU28NE-c

 

「桐蔭学園小学校 2020オンラインプログラムダイジェスト Vol.2 低学年編」
https://www.youtube.com/watch?v=ZNDpjS26mVU

 

「桐蔭学園小学校 2020オンラインプログラムダイジェスト Vol.3 高学年編」
https://www.youtube.com/watch?v=ckB017r2YEI

 

「学校説明動画」を公開しました!

新型コロナウイルスの感染拡大により、5月21日(木)・6月18日(木)に校内で開催を予定していた「学校説明会・予約相談会」が中止となってしまいました。
その代替として桐蔭学園公式YouTubeに「学校説明動画」を配信いたしましたので、ぜひご覧ください!
 

#1「桐蔭学園小学校の新型コロナウイルスに伴う自宅学習対応」
https://youtu.be/eNnUqdioHVY

#2「桐蔭学園小学校の新たな挑戦~6つのキーコンピテンシー~」
https://youtu.be/_3o7g2U2YFg

 

また、6月20日(木)に「学校説明会・予約相談会(オンライン)」を開催することとなりました。
よろしければこちらも合わせてご確認ください。
https://toin.ac.jp/timeline/gakuen/21422/

 

桐蔭学園 幼稚園・小学校の新しい学び

 桐蔭学園幼稚園・小学校は、これまでの教育改革をさらに加速し、子どもたちの主体的な力をより伸ばすために、子どもたち中心とした学びにつながる教育活動を推進していきます。

 そして、この活動によって、次の6つのコンピテンシーを身につけさせます。

①思考力
簡単に言えば「考える力」。頭の中にあるいくつかの情報を結び付け、新たな情報を作り出す力。

②創造力
「新しいものを創り出す力」で、「既存の考えを越えられる」ように考えを巡らせ、新たな発見ができる力。

③チャレンジ力
「困難に立ち向かう力」で、「やれることではなく、やりたいことに向かえる」ように学習や生活に臨ませながら、これからの世の中を生き抜いていく姿勢や力。

④メタ認知力
客観的に「自分自身の思考や行動を振り返る」ことで、「失敗を修正して活かし、成功の糧にできる」力。

⑤思いやり
「他の人や相手の心情に心を配る」こと、つまり「互いに思いやり、相手を大事に思って尊重し、認め合い、共感し、信頼関係を築く」力。

⑥エージェンシー
自己の成長や成功だけで満足せず、うまくいったことを他の人とも共有し、いろいろな人たちと協力し合って、よりよく、より上手くいくように前進できる力のこと。つまり、子どもたちが「自分で身につけた力を、他の人と協力しながら、自分のクラス、学校、家族、そして、社会をより良くするために活用できる力」として育成する。

 この6つの大きな資質・能力を子どもたちに育成させるために、今年度から「シンキングツール」を基盤とした授業を積極的に展開します。「シンキングツール」とは、自分が考えていることを模式化し、可視化するものです。ただ考えるだけ、イメージするだけでなく、「模式化・可視化」することによって、自分で考えていることをうまく整理できるようになり、これまで取り組んできたアクティブラーニング型授業の中でも大いに役立ちます。
 これまで取り組んできたアクティブラーニング型授業とは、「一方向的な知識伝達型な講義を聴くという受動的学習」ではなく、「児童と教師との双方向的・能動的学習」のことです。主として知識習得を目指す伝統的な「教師主導」の学習ではなく、子どもたちが主体的に学習活動に参加する「児童主体」の学習となります。
これによって、「個→協働→個」、つまり、自己の思考からグループで共有し合う学びへとつながり、そこで得た知識や思考から、さらに自己の学びに向かう手助けになり、最終的には自己の考えがまとまり、「学び」が深まっていきます。
 このような教育を通じ、「子どもたちを中心とした学び」を展開していきます。

 

「桐蔭学園小学校・幼稚園で育む6つのキーコンピテンシー」
https://www.youtube.com/watch?v=hZk0IP-z9D4
https://www.youtube.com/watch?v=hZk0IP-z9D4

 

「桐蔭学園小学校・幼稚園 教育実践」

森校長

桐蔭学園小学校は,2020年度より新体制となり、新たな教育展開を始めました。

新型コロナウイルス感染拡大に象徴されるような予測不可能な世の中にも,迅速かつ的確に対応できる子どもたちを育成するために,これまで以上に教育改革を推し進めています。具体的には,学園の教育ビジョンである「自ら考え 判断し 行動できる子どもたち」の育成を具現化するために,新たに鍵となる資質・能力(以下,キーコンピテンシー)を6つ定め,子どもたち同士の関わり,学問との対話,社会への参加を通じて,それぞれの力を育成する特徴ある教育プログラムを構築していきます。

(本サイトを通じて,その一部を紹介します)