6月9日(火)の5年田植え実習を皮切りに分散登校が始まりました。5年以外の学年は45分間のホームルームでしたが、どの学年もオンライン授業期間に扱っている「探究」に関わる内容を扱い、子どもたちは、日々の学習との繋がりに気づきながら、みんなで活動する楽しさを実感していたようです。
この活動の一部として、6月17日(水)に実施した3年の分散登校での実践を紹介します。
今回の分散登校は、新学年になって初めての登校です。Zoomによるオンラインのホームルームは毎週実施していましたが、みんなが対面で直接顔を合わせるのは今回が初めてでした。この分散登校での子どもたちの学校滞在時間は45分。以下の2点をポイントとして子どもたちにとって有意義なホームルーム活動を行いました。
・「学校に来てよかった」と子どもたちが実感できる。
・「楽しい」だけでなく、今までの学習や新しい学びにつながる。
3年生は、オンラインで行っている探究活動とホームルームで扱った内容を複合させた活動に取り組みました。その内容は、「心を一つにゲーム」と「国盗り合戦」を掛け合わせた『心を一つに 国盗り合戦』という活動です。
現在「探究」で、「産地GO」&「産地GOパート2」という活動に取り組んでいます。子どもたちは、日本全国の食材について、ロイロノート・スクールというアプリを使い、クラスみんなで協力しながら調査し、研究しています。この活動は「探究」活動に終わらず、社会科の「わたしたちのまち みんなのまち」で学習する「市のようす」という単元や、今後学んでいく都道府県の学習ともつながっています。そこで、今、子どもたちが関心を寄せている都道府県を「国盗り合戦」という形で登場させることにしました。
また、以前YouTubeでホームルーム動画を配信した際に行った、みんなで心を一つにし、答えを合わせる「心を一つにゲーム」は子どもたちにも大人気でした。これをZoomホームルームで扱うと、とても盛り上がり、みんな口々に「楽しかった」と好評でした。このゲームのポイントは、「他人の心を想像する心」が必要であること。この登校日までの約100日間、子どもたちはクラスメイトと生活を共にすることができませんでした。そこで、このお題さえあれば、だれとでも簡単にできるゲームを通して他人と心を合わせる楽しさや喜びを感じることができるだろうと狙いました。
そこで、この2つの活動を複合させた活動をしました。
『心を一つに 国盗り合戦』は、出されたお題にふさわしい回答を考え、全員が同じ回答になることを目指すゲーム活動です。一番多く人数がそろった回答の人数分の都道府県を獲得することができ、47都道府県の制覇を目指します。
今回の活動で出したお題は、「音を聞いて擬音語を答える」お題が2題と、「絵を見て擬音語を答える」お題が2題の計4題でした。擬音語を回答に設定したのは、子どもたちが4月から毎日取り組んでいる「オンライン・プログラム」の国語授業で「擬音語・擬態語」の学習をしていたためです。これにより動画配信やプリント、ロイロノートでのやり取りだけでは見えなかった「学び」を、子ども自身が楽しみながらアウトプットしている姿から直接見て、感じることができました。
活動の最中には、子どもたちの「九州と四国が制覇できた!」「長野県まで進めたよ!」といった声や、「擬音語って『どきん』で学習したね!」「○○県は△△がたくさん収穫できるんだよね。」という声が聞こえてきて、楽しみながらも学びにつながっている様子が見られました。
このように、探究と社会、国語、食育、そしてホームルーム活動と、横断的に複合した協働的な「探究活動」が実践でき、子どもたちの日々の学習の成果を垣間見ることができました。
7月からは登校が再開します。クラスのみんなが同じ教室で授業を受けたり、給食を食べたりすることが始まります。今回のホームルーム活動のように、さまざまな学びが横断的且つ複合的にいろいろな授業と結びついたり、「探究」で学んだことが多くの教科での学びや日常的な給食の食材と結びついたりするような「新しい学び」ができる場を作りたいと考えています。
そして、このような学習活動が、本校の目指す6つのキーコンピテンシー(資質・能力)を育む「学び」に繋がっていくように実践していきます。