日別アーカイブ: 2020年11月16日

3年算数「不思議な四角形が見えるかな」

3年算数「タングラム」の学習です。この「タングラム」は、ホテルや民宿にも置いてある子どもも大人も楽しめるパズルです。これを算数的に見て、いろいろな形を作っていきます。
前回までに正方形に補助線を引いていくことで、「すべての形は三角形がもとになっている」ことを学びました。
   
今日は、タングラムの中に不思議な四角形(台形)が入っていることが見えるようになるために、不思議な四角形(台形)に注目しました。

長方形に1本補助線を入れたり、正方形と直角三角形を組み合わせたり、もう一つの四角形(平行四辺形)と直角三角形を組み合わせたりしてみました。

「えー!そんな形見えないよ~」、「いやいや!!見えてきたぞ!!」、「これとこれを合わせると…?なったー!」
   
という声が聞こえてきました。そうやって、不思議な四角形を作り出すことができました。


「すべての形は、三角形がもとになっている」
そのことに、違う角度からまた少し気付ける授業となりました。

 

3年科学「私が出題者!光の反射をフル活用!」

「光の反射冒険」→「鏡文字の世界」→「ミラーアーティスト」という流れで、光の性質を学んできた3年生たちは、興味・関心の高まりとともに知識もどんどん増えてきています。

ここで、ペーパーテストをすれば、個々の知識の定着は測れますが、一人一台タブレットPCがある今なら、それ以外の選択肢もあります。

「今日は、皆さんに、先生になってもらいます!」
「君たちの資料箱には懐中電灯とクリスタルの画像データを入れておきます。」
「懐中電灯の光をクリスタルに当てるという活動は2週間前に実際にやりましたね!」(※教育実践「3年・光を反射し、お宝をGETしよう!!」参照)

「今日はロイロノートを使い、光の反射問題を作ってもらいます!」
「おお!やった!どんな問題にしよう??」
「条件は懐中電灯とクリスタルは所定のデータを使うこと。鏡は青線、光軸は蛍光ペンの黄色。それ以外の工夫は全てきみたちに任せます。」

「まずは、問題作成タイム!開始!」
   

   
子どもたちは、今までの実験結果を基に、光の直進と鏡の入射角、反射角が同じという特徴を上手に使いながら、問題を作成していきます。

「ここをこうして、一度光をまげてもらおう!」
「これは難しすぎるかな?これだと問いてもらえないかも…」


(5分後)「一度終了。そこまでで出来た問題をロイロノートで提出しましょう。」
「では、友だちの問題に挑戦タイム!開始!」
子どもたちは、友だちが作った問題を開き、盛り上がりました。
「〇〇さんの問題、難しい! …でもできた!やった!」
「〇〇君の問題、かっこいいな どうやってそのマーク作るの?」

自分が作った問題と友だちが作った問題とを見比べて、良いところを吸収し、さらに新しい工夫を思いつく瞬間です。この時間がとても大切です。
「個→協働→個」の流れの中で、なぜ仲間のアイディアを吸収したいと心が動くのか?それは、自分が主体的に問題をつくり友だちに届けようと気持ちが前を向いているからです。

「それでは、2回目の問題作成タイムです!開始!」
ここから先、子どもたちの作った問題の内容は、多様性が一気に上がります。
まさに百花繚乱!

学んだ知識を「問題作成」という形で具現化し、さらに仲間の工夫に刺激を受けて創造力を上げていく取り組みになりました。

この反射問題は、授業終了後も、たくさん提出されました。
「先生、土日に問題作って提出しました! 海に沈んだクリスタルをタコとイカをよけながらGETする問題です!」
   

子どもたちの創造力は無限大ですね。

 

3年科学「誕生!ミラーアーティスト」

鏡の導入の授業です。

今日は皆さんには「ミラーアーティスト」になってもらいます!
そう伝えると、子どもたちは「はて?ミラーアーティスト????」と不思議そうな顔をしていました。

そこで、合わせ鏡の中に一本線を引く様子を、タブレットPCのライブカメラで見せました。

すると、「おぉ凄い!線は何本にも見える!」
線をふやすと「きれい!」という声が上がりました。

二人で合わせ鏡をつくり、角度を変えながら、どのような世界が広がるか確認してみよう!
そして、「これはクラスのみんなと共有したい」と思う作品ができたら、ロイロノートで提出するよう、呼びかけました。それは即座に電子黒板に映るので、みんなにとっていい刺激となります。

この説明をしている段階で、子どもたちはやりたくてウズウズしている様子。
「では、ミラーアーティストのみなさん!みんなが感動する作品をめざして、鏡の世界へ入っていきましょう!」の合図で、実験開始。
   
「先生!角度を狭くすると、たくさん増えます!」→「カメラに撮ってみんなに見せてあげよう!」
「きれいなのできました!」→「ロイロノートで提出し、みんなと共有しよう!」→「〇〇さんのコレ、きれい!真似しよう!」→「真似することは第一歩として大切です!そして自分のアイディアも出せたらさらに素敵です!」
   

ここでは一人一台のタブレットPCとロイロノートが効果的に子どもたちの創造力を刺激します!
ものの数分で、提出箱は無数のアイディアで溢れかえりました。
さらに、これも!これも!と仲間から刺激を受けた自分のアイディアをどんどん投稿してきました。

鏡の世界は左右が反対になること。二枚の鏡の角度が小さくなると、反射する像の数が増えること。
   


そういった科学的知識は、自分たちで活動しながら、自然と身についていきます。中には、鏡の中でしか読めない字を書いて、それをなぞなぞにして友だちに出している子もいました。
あふれる子どもたちの創造力には毎回驚かされます。

 

3年科学「光を反射し、お宝をGETしよう!!」

鏡を使って、光の入射角と反射角が同じであること学ぶ単元。
懐中電灯の光を太陽光として、その光軸を考えて手鏡を使い反射していく実験です。

教員が導くのではなく、自分たちで気が付くためには、思考のストーリーが大切です。

そこで、この授業は、全員に「インディージョーンズ」になってもらいました。

「君たちは、考古学者。(考古学とは…)」
「この宝石(ビー玉)に、太陽の光が当たるとき、古代エジプトの財宝が手に入るであろう!」
「この宝石は堅牢な洞窟(段ボール箱)の中に隠されている。さぁ未来の考古学者たちよ。知恵を絞り、仲間と協力しmissionをクリアしたまえ!」

太陽と洞窟の入り口には4つの難易度があり、それぞれの班が一つずつクリアを目指します。
   
「よ~し!やるぞ!」「どうやってやる?」と子どもたちは謎解きにのめり込んでいきました。
実際に鏡を動かして、光がどのように反射されるのかを体験しながら学んでいき、それを自分の知恵としてみるみる活用していきます。
「先生!できました!」→「まだまだ光が足りぬ。」→「え?まだまだ明るくなるの?」
試行錯誤の繰り返し……
「本当だ!すごく宝石が輝いた!」「よし!mission2へ行こう!」
   
「光が直進する」ことと「入射角と反射角が同じなる」という知識を、自分たちで考えて活用した結果、生きた知識として身に付けることができたようです。
仲間の小さなひらめきや工夫が自分の良い刺激になる経験も、実験の良さです。

一度成功したmissionも、「ちがうルートの光の道も探してみよう!」と貪欲に挑戦する姿は、まさに小さな考古学者でした。

子どもたちの創造力を育むためには、授業の設定と思考のストーリーが大切だと思います。