日別アーカイブ: 2025年5月9日

【思いやり・メタ認知・エージェンシー】1 年生サポート

4月5日(土)に桐蔭学園小学校にニコニコの笑顔でピかピカの1年生が入学してきました。小学校での生活にドキドキ、ワクワクを胸いっぱいに詰め込んで登校してきた1年生。でも、きっとそこには不安や心配もあったことでしょう。
そんな入学したての1年生を安心させてくれ 1日も早く学校に慣れてくれるようにとサポートしてくれるのが最高学年である 6 年生です。6
6 年生のスタートは4月7日(月)の始業式。もちろん進級した6年生にとっても新クラス、新担任と新しい環境での生活がスタートです。ワクワク、ドキドキは1年生同様に6年生にもありました。そんな状況の中、初日に登校してすぐにお願いされるのが1年生サポートです。5 日の入学式を経て、1 年生が小学校に登校するのがこの日が初日です。
「どこに座るの?」「かばんはどこ?」「制服は?」「トイレはどこ?」などなど、1年生にとってははじめてのことだらけ。友だちもまだいないし、誰に聞いたら良いのか不安いっぱいの中、近くで声を掛けていろいろと教えてくれ、手伝ってくれる6年生の存在は1年生にとって大きな存在だったことでしょう。

新年度初日から始まった1年生のサポートですが、実は昨年度の5年の3学期に、お昼の時間に幼稚園に行き園児と一緒に遊んでいた経験がありました。その経験もあってか、1年生の子どもたちへの関わりも比較的スムーズに出来ていたようです。しかし、1年生を目の前にどのように接してよいのか戸惑っている子も中にはいます。そんな子も、誰かに助けを求めるのではなく、他の人の1年生への接し方をヒントに、自分なりに試行錯誤しながら少しずつ距離を縮められるようにと努力していました。「誰かのために自分ができること」の意識を6年生それぞれが持ち、1年生の表情や行動をよく観察しながら、何をすべきなのかを判断しながら関わってくれています。

ここで、6年生の子どもたちにここまで1年生をサポートしてきた感想を聞いてみました。

Q、1年生のサポートをしてうれしいと感じたりやりがいを感じたりする時はどんな時ですか。

・自分の名前を覚えて呼んでくれるようになった時
・「ありがとう」と言ってくれた時
・1年生が自分と一緒にいて笑ってくれた時
・1年生が自分でできるようになり自分たちの仕事がだんだんなくなってきた時(1年生の成長を感じた時)
・話をよく聞いてくれた時

Q、1年生をサポートをしていて、どんなことを難しい・大変と感じますか?

・1年生の子が一斉に話しかけてきてどれに返せばいいのかわかならない時。
・話していることが意味のわからいことがある。
・マナーやルールを教える時。
・気づいたらどこかにいってしまう時。
・暴れている子やダメなことをしている子に注意したいのだが注意の仕方が難しい。
・1年生についていくのが体力を使う
・どれくらいの距離感で接するべきかわからない。
・何を考えているのか、何がしたいのかがわからない。
・警戒されていると感じるので接し方が難しい。
・話題が浮かばない。

Q、1年生サポートをやる前と後で変わったことは何ですか。

・最初は不安だったのが、今は1年生のところに行くのが楽しみになった。
・お母さんや先生方の苦労がわかった。
・私たちはコロナだったので6年生にやってもらった経験がないので、1年生が羨ましく感じた。
・もともと小さい子との関わりが苦手だったのが少しずつ慣れてきた。
・自分も1年生の時はまだまだ子供だったんだなと感じた。
・自分たちの行動を真似するということがわかった。行動をしっかりしないといけないと感じた。

というように、やりがいや嬉しいこと以外にも、大変だったり難しいことだったりも当然あるようです。ただ、その大変なことや難しいことに向き合い、それを乗り越えようとすることで個々が成長していくものだと感じます。これからも、6年生の成長をサポートしていきます。

 

新たな探究学習「桐蔭学園探究の時間」について

桐蔭学園小学校は、2025年度より新たな探究学習「桐蔭学園探究の時間」を実施することを発表します。この探究学習では、実社会の課題解決を目指したり、自分が選択したテーマについて学び深めたりと、児童の主体的な学びを進めます。

 

〇桐蔭学園小学校の教育

本校では、すべての教育プログラムで「自ら考え 判断し 行動できる子」の学校教育目標達成に向けて「6つのキーコンピテンシー」(思考力、創造力、メタ認知力、チャレンジ力、思いやり、エージェンシー)の育成を掲げております。それぞれの教科学習や行事において、具体的にどのコンピテンシーに重点を置いて育成をするのかを「単元シラバス」や「ルーブリック評価」を用いて具体化して「児童を中心とした学び」を実施しております。そうした教科の学びを各教科や桐蔭学園探究の時間と横断的なものとし、社会で生き抜くための力を養います。

〇桐蔭学園探究の時間について

どの教科においても探究学習を取り入れていく中で、桐蔭学園探究の時間については、「総合探究」と「情報探究」の2本柱とし、探究学習を進めていきます。

「情報探究」では、探究学習の4つのサイクルのうちの「情報収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の3つの過程における素地を養います。具体的には、「デジタルモラル」「デバイス・アプリスキル」「情報活用能力」の3つを探究的に扱いながらすべての教科での学びの基礎を育成します。

「総合探究」では、今後より多様化する社会を見据え「多様性」を軸に、クラスやグループで探究学習を展開する「全体探究」の前期と、個別にテーマを設定し同じテーマを選択した異学年でゼミを形成し、少人数としたゼミ内の中で個々人が設定したテーマについて探究的な学びを展開する「個別探究」の後期に分けて実施いたします。

自己のやりたいことを追究することによって、児童一人ひとりが確実に探究的な学びのプロセスを通り、学び方を身につけていくことができます。特に昨今「課題を設定する力」が社会において重要視されてきております。なぜならば、学力がたとえ高くても自分自身で問いや疑問を持てなければ予測困難と言われているこれからの未来を自分自身で切り開いていく思考が身についていかないからです。だからこそ、自らの課題と何度も向き合い、自分の「課題」が何であるか、それを解決するためにどうするのかに取り組み、自分の未来を切り拓いていく思考を身につけます。