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1 2025年7月11日 【思考力・思いやり】2年生-遠足
2 2025年7月4日 【チャレンジ力・思いやり】1年生-遠足
3 2025年6月27日 【チャレンジ力・思いやり】田植え
4 2025年6月20日 【エージェンシー】運動会
5 2025年6月13日 【創造力、思いやり、エージェンシー】2年生学校探検
 
 

【思考力・思いやり】2年生-遠足

今年度も2年生の遠足がよこはま動物園ズーラシアで実施されました。(実施日 5月9日)

事前に生活の授業で「マイアニマル」を決めて下調べをする活動と班活動の準備を行いました。

1、事前準備

①マイアニマルをしらべよう

 事前に渡されたズーラシアの地図を見ると、どこに何の動物が飼育されているかがわかります。すぐにわかる動物もいれば、名前は聞いたことあるな、はじめて聞く名前だな、と色々な種類の動物がいることが分かりました。今回はそのなかから1つ動物を選び、事前の下調べを行いました。調べた豆知識と、今自分が気になっていることをロイロノートでまとめて提出し、クラス全体で共有しました。

こうして調べた上で実際の動物に会いに行ったことで、よりしっかりと観察をすることができました。また、それぞれのマイアニマルについて共有することで、1人では気がつかなかったこと、調べなかったことに触れることができるので遠足当日も広い視野を持つことができました。

②班行動の準備

 遠足当日は指定エリア内で班別の自由散策となります。クラス替えから1ヶ月弱での行事なので、新しいメンバーでの活動が良いものとなるよう事前のコミュニケーションを重ねながら当日の散策ルート決めを行なっていきました。お互いのマイアニマルを見に行くことができるように配慮しながらルートを決める様子もあり、思いやりの気持ちも育まれていきました。

2、遠足当日

 当日は晴天に恵まれ、午前中はそれぞれの班ごとにアフリカゾーンで散策を行いました。これまで下調べをしてきたマイアニマルに出会えたときには、嬉しさのあまり思わず駆け寄る姿も見られました。同じ班の友だちのマイアニマルにも興味津々で、お互いの豆知識を披露しあって盛り上がっていました。

 しかし、複雑な道ではないですが、実際に班ごとに歩き出すとズーラシアの広大な敷地ではいろいろなことが起こります。「あれ?まだつかないな」「通り過ぎたかもしれない!」「あれ?○○さんがいない!」など、その度に地図をみながら班で話し合って解決しながら進んで行きました。

1年生の遠足でも班別行動を行いましたが、1年の頃よりも心も身体も成長し、コミュニケーション力も成長してきたことを感じます。こうした校外での経験が5年生宿泊行事のペンション分散宿泊や、6年生修学旅行の京都班別行動へとつながっていきます。

 昼食をはさみ、今度はズーラシア西側のエリアを3つにわけ希望するエリア別に自由散策を行いました。

 午前午後を通していろいろな動物と対面し、観察したり説明の看板を読んだりする中で、多くのことを学ぶことができました。マイアニマルのお気に入りポイントと他の動物のそのポイントを比較する表に記録をしていくことで、一層細かいところまで観察することができ、気づくことも多かったようです。特に本物のマイアニマルと対面した際は、調べた知識と自分で観察して発見したことが組み合わさることで、より深く動物について理解することができたようでした。

3、事後のまとめ

 学校へ帰ってきたあとは、アニマル新聞をつくろうという形式でまとめを行いました。実物をみたときの驚きや嬉しさなどを思い出しながら取り組みました。新聞なので「誰かに読んでもらう」ことが前提になっており、より真剣に取り組むことができたのではないかと考えます。

 行く前に園内マップを見ながら自分なりに疑問をもちそれを調べる、そして実際に現地で本物を見てより自分の考えや知識を深める、さらにそれをクラスで共有することで自分の世界をひろげていくという流れは、今後の探究の取り組みにも生きてくると考えています。

iPadで多くのことにふれることができる世界にはなりましたが、やはり本物にふれてこそ多くのことを学ぶことができます。新クラスのメンバーで充実した1日をすごすことができました。

 

【チャレンジ力・思いやり】1年生-遠足

1年生の遠足の「舞台」は、「子どもの国」でした。

当日は天気にも恵まれ、桐蔭小の児童の目指す「6つのキーコンピテンシー」の中の、特に「チャレンジ力」と「思いやり」を育む目的で行いました。

そのコンピテンシー「チャレンジ力」と「思いやり」を仲間と楽しみながら育むイベントとして、今年も、「シールラリー」を行いました。

しかし、これは、1年生にとって、ただの「シールラリー」ではありません。

これは、

①.広い「子どもの国」(の一部分)を範囲とし、
②.引率の先生たちが点在して「安全確保」はする中で、
③.しかし、1年生(の背丈の)目線では、「他の小学校や幼稚園の人たちも大勢いる中で、常に自分の学校の先生たちが見えている訳ではない」という状況で、
④.「シールラリー」の範囲の「地図」と
⑤.「シールラリー」直前に「下見」も兼ねてクラスで散歩したときに見た「光景」を頼りに、
⑥.「次は、こっちだよ。」とか「あそこじゃない?」などと話し合いながら、
⑦.先生のいる4地点の「ミッション」をこなして回る「先生たちオリジナル」のイベント

なのです。

私たち引率者は、⑦を作るに当たって、次のように考えました。

・③の「困難な」状況を乗り越える経験が、貴重な経験となる。そのためには、①と②も併せた環境が必要。

・そんな状況で頼りになるのが④や⑤、であることを体感して欲しい。

・①~⑤があるからこそ、⑥の「話し合い」がリアルなもの、絶好の経験になる。

 

そのために、「出来合い」の「遠足メニュー」ではなく、「ねらい」を達成するための「先生たちオリジナル」のメニューを用意しました。

さらに、

⑧.約 1時間の時間を設定し、伝え、

⑨.グループの中で「早く先に行きたい。」「どんどん行こうよ。」という考えの人も大事な「エンジン」になりますし、込み具合などで回る順番を改めて考えるなど慎重に広い視野で見られる人の「役割」も大事になってくる、

ようにしました。

実際に、その「協力」や「葛藤」の様子が、「小1の最初」という段階でも結構見られ、いい「グループワーク」になっていました。

1年生にとっても、私たち引率教員にとっても、中身の濃い「ドキドキ」「ワクワク」の約1時間でしたが、結果、すべてのグループが時間内に 4つのミッションを回り切ってゴール地点に戻ってきてくれました。

今回の経験が、今後さまざまな場面で活きてくれることを願っています。

 

【チャレンジ力・思いやり】田植え

5月28日(火)に5年生が田植えを行いました。まず、1週間前に代かきを経験しました。田んぼに裸足で入るという経験は初めてというお子さんが多く、最初はおそるおそる入っていた子どもたちも徐々に足の感触に慣れてきました。普段できないことにチャレンジする機会は非常に大切です。

そして、迎えた田植え当日、天候に恵まれ、営繕部の方、保護者の方の準備・お手伝いのご協力もあり、無事に終えることができました。最初は泥に足を取られて戸惑っていた子どもたちも、少しずつコツをつかみ、まっすぐ苗を植えられるようになっていく様子がとても印象的でした。また、お話を真剣に聞き、食べ物の大切さや農業の苦労に気づく姿にも感心しました。この体験を通して、自然や食への感謝の気持ちを育んでほしいと思います。

田植えが終わり、子どもたちと今日の田植えについて振り返りを行いました。

「今日の田植えの広さでどれくらい収穫できると思う?」と聞くと、「10㎏」「20㎏」「100㎏」と色々な予想をしていました。実際は40~50㎏らしく、それを聞いた子どもたちは「へえ~」と驚いていました。

では、50㎏はどれくらいなのか確認してみました。

5㎏4000円を超えたと話題になっているお米です。

お米一袋が5㎏と分かると、子どもたちは計算を始めます。

「ということは今日の量で4万円くらい?」

「4万円あればたくさん遊べるね」

「でも、結構大変だったよ」

「稲刈りまでするんだよね」

「え。それじゃ安いね・・・」

などなど、自分なりに思考を膨らませていました。

「みんなは観察や稲刈りなどをこのあとするけど、実は雑草をとったり、水の管理をしたりと営繕部の方が色々と手間暇をかけてくれてくれているんですよ。」

「運んだり、お店で売ったりする人にもお金を払うので、農家の方にそのままお金が入るわけではないよ」

「農家の方はもっと広い田んぼで機械使って行うので、実際は今日ほど大変ではないかもね」

など、今日の経験だけでは分からないことを伝えました。

すると、「やっぱり大変だ!」「お米を大切に食べないと」「もう少しやってみないと分からないよ」などと、色々な感想を持つことができたようです。実際に体験してみることで、本や映像で見ていただけのことが本当はどうなのかということを知り、また自分なりの疑問や課題を持ち、多角的に見ることで、「思いやり」の気持ちにつながって欲しいと願っています。

子どもたちの日記の一部を紹介します。

「田植え」

今日はいい天気でした。代かきの時よりも土がやわらかくなっていたので、転びそうになりました。植えるのは簡単ですが、位置が定められている上、田んぼ全体に植えないといけない仕事をやると思うと、足が棒になりそうです。大変な作業を通して、1年間もかけてお米が育っているので、改めてありがたく食べようと思いました。

「田植え」

今日は田植えでした。最初に田んぼに入った時は、土がとてもやわらかくて、意外と深くて驚きました。バランスが大事で、最初はおそるおそる歩きました。植え方を教えてもらったときには、何本かならできそうですが、全部は大変だと思いました。農家さんのすごさを改めて知りました。

「田植え」

今日は田植えをしました。土に苗を植えるのが難しかったです。最初に土に触れたときにあまり慣れていなくて、声を出してしまいました。お母さんもぼくも初めての経験なので色々と難しいことはありましたが、楽しかったです。ぐんぐん育ってほしいです。

 

【エージェンシー】運動会

今年度の運動会も「子どもたちが中心となり、子どもたちが作り上げる運動会を目指す」というコンセプトのもと実施しました。6年生が昨年度5年生の3月から実行委員会を立ち上げ、小学校最後の運動会をどんな運動会にしたいか話し合いを進めました。その実行委員会の話し合いの中で、大きなテーマとして「オリンピックのような運動会にしたい!」ということになりました。観客も含めて温かい雰囲気の中、フェアプレーを大切にしながら、全力で競技に取り組めるというような運動会。こんなコンセプトで運動会を作っていきたいと実行委員会みんなの気持ちがまとまりました。オリンピックのような運動会で実際にやりたいこととして、「入場」「聖火」「応援」などが挙がりました。その後、教員側の意見も入れながら具体的なプロジェクトを立ち上げました。「開閉会式」「応援」「放送原稿・プログラム」「参加賞・軽食」の4つのプロジェクトを作成し、運動会に向けて具体的な話し合いや準備を進めていきました。このプロジェクトのまとめ役は、5年生から運動会実行委員として頑張ってくれているメンバーに任せました。

「開閉会式」では、実行委員会での話し合いでやっていきたいという意見が出ていた「入場」「聖火」について、実際にどのようにしたら実行していけるのか、教員のサポートのもと考えていきました。「入場」の雰囲気は、オリンピックの開会式の入場みたいにしていきたい。そのためにはどうしたらよいか試行錯誤しました。オリンピックでは国旗を持って入場する人がいる。運動会ではクラス旗を作って入場するのはどうか。そのクラス旗に意気込みを書いてもらったらさらにみんなのやる気がアップするのでは?などと考えを巡らせていき、クラス旗を作成しました。「聖火」はどうしたらよいか。実際に危険が伴うため火は使えない。火を使わないで「聖火」のようなことができないか…。火が使えないのなら大玉を掲げるのはどうか?各クラスカラーの大玉を聖火台のようなところに掲げれば「聖火」っぽくなるのでは?そしたら「聖火」ではなく「聖玉(せいたま)」?「聖火」の点火だから、「聖玉」の点玉??「聖玉 点玉式」だ!というようなひらめきで「聖火」ならぬ「聖玉」のアイディアが膨らんでいきました。競技中の温かい雰囲気を出すために観客の保護者に対して「応援メッセージ」を募るのはどうか?それをアナウンサーが読めば、会場の観客も巻き込んでの一体感を出すことができるのでは?と考えて準備を進めていきました。

「応援」は、運動会で応援を盛り上げて一体感を出していくにはどうしたらよいか、どういう応援があるのかなどを考えたり、調べたりするところから始め、応援団を結成するという流れになりました。各クラス応援団と団長を決定し、どんな応援をするか話し合いや練習が始まりました。応援団で考えた応援を縦割りチームの他の学年のクラスにも伝えていくために、応援のやり方を動画で撮り、それを各クラスで見て応援を覚えてきてもらうことになりました。プログラムにも応援合戦を組み込み、競技の前にチームの一体感を出していくこと、各学年1競技目が終わったあとに途中応援を入れて、もう一度全校の気持ちを引き締めてから後半の競技に全力で向かうようにしていくということになりました。

「放送原稿・プログラム」は、当日アナウンサー係が読むための原稿作りや保護者にも配信するプログラムの作成を進めていきました。各学年の競技を担当している体育の先生に根気強く聞きに行き、競技のやり方や見どころなどを探っていきました。6つのコンピテンシーを大切にしながら運動会に取り組もうということで、それをわかりやすくするために運動会のロゴも作成しプログラムに取り入れました。プログラム作成は〆切に追われながらも、最後までやり遂げ、とても立派なプログラムが完成しました。

「参加賞・軽食」は、全校児童が参加する運動会でどんな参加賞をもらえたら嬉しいか、競技中にどんな軽食があればその後の競技も全力で頑張れるかを考えていきました。話し合いの結果、参加賞は桐蔭学園公式キャラクター「キリリン」がハチマキをして応援旗とバトンを持っている「アクリルキーホルダー」、軽食はアレルギー成分がなくエネルギーチャージに適した「INゼリー」になりました。その後は、「入場門」「横断幕」プロジェクトの追加があり、そちらの準備も進めていきました。

事前のプロジェクトとは別に、運動会当日の係も決めていきました。「審判」「用具」「アナウンサー」「得点」「案内」「入場」「1年生サポート」「応援専属」「応援メッセージ」の9つの係です。これらの係には6年生が全員所属し、当日の運営にあたりました。「案内」係は、予行練習のときにそれぞれの競技がどの場所が見やすいかを記録し、それを図示して保護者に知らせるような取り組みもしました。

今年度の運動会は、事前プロジェクトと当日の係に携わった6年生を中心に、全校児童が一丸となって競技や応援に全力で取り組むことができました。結果は、まさかの全チーム(赤・白・緑)同点優勝という奇跡!!桐蔭学園小学校運動会史上初めてのことだったのではないでしょうか。この運動会を中心で引っ張っていってくれた6年生は大きな成長を遂げることができました。6年生のエージェンシーが最大限発揮された運動会になりました。

 

【創造力、思いやり、エージェンシー】2年生学校探検

4月23日、学校探検が行われました。これまでは、6年生が1年生を迎える様々な活動の一環として行ってきた行事ですが、昨年度から、最も身近な先輩である2年生の行事として実施をしています。さて、今回の学校探検は1年生の3学期から準備をしてきました。

大きく成長した1年間のなかで子どもたちは紹介したい場所がたくさんあります。その、たくさんの想いをシンキングツールをつかい、希望する場所、その場所への熱量などをまとめていきました。どこか1ヶ所だけでなく3つの場所を比較しながらまとめることで、それぞれの教室の特徴もより自覚できるようになりました。下準備が終わったあとは、紹介したい場所によって分けたグループで、映像撮影チームとポスターチームに分かれて準備活動を行いました。希望したい場所によってわけているので、このグループはクラスの枠を超えたチームとなり、迎える自分達にとっても新しい仲間との関係を作っていく良い機会となりました。動画撮影はクラスを超えてはじめてのチームで活動をし、事前にシナリオ制作を行った上で撮影を行いました。動画は他教科でも撮影する機会が多くありますが、年をおうごとに子ども達のタブレット操作、そして、カメラ前でのパフォーマンスになれている児童が多くなってくることを感じます。ポスターにもこだわりのアングルで撮った写真を載せて詳しく説明できるように工夫をしました。伝える必要があることは何か、どんな説明が分かりやすいのか、チームで話し合いを重ねていきました。2年生進級後はクラス替えもあるので、新クラスの仲間と共に準備を続けていきました。実際に一年生と一緒に歩くルートの相談や、当日どのような説明をするかを具体的に考えていきました。やはり進級して目の前に後輩がいるようになったことで、意欲も高まり、より具体的な言葉がけの内容などにも気を配れるようになっていきました。当日、ペアごとに校内を移動しましたが、時に手をつなぎながら一生懸命案内をしていく様子が見られました。自分たちが用意したポスター、そして各場所紹介のショート動画を一緒に見ながら、学校生活について伝えていました。一年生もしっかりと聞いてくれて、その姿に充実感を得ることができたようです。

入学から約2週間が経ち、1年生も教員からのいろいろな学校紹介はきいていますが、やはり子どもたちからの言葉というのはより深く心に届くようで、今年の2年生も準備中に「去年はお兄さんたちがこんなことをしてくれた!」と去年のことを覚えている子が多数いました。最後のお弁当タイムが終わったあとも、一緒に遊んだりお話をしたりあっという間に時間が過ぎていきました。終了後は、シンキングツールを使用しながら振り返りを行いました。項目ごとに焦点を当てながら振り返ることで、単に「たのしかった」ではない、それぞれの子どもなりの記録を残すことができたのではないかと考えています。その内容を一部ご紹介いたします。

【シンキングツール・ふりかえり1】

 

「たのしい学校たんけん」

きょう、学校たんけんをしました。1年生と学校たんけんです。1年生かわいいな、すごい いい子だなとおもいました。でも、すごくおもしろいこととかいっていて、おもしろいなとおっていました。 いろんなことおしえたくて、すごくたくさんおしえちゃいました。げんきでおもしろいから、ついわらっちゃいました。ひる休みの時、その子とえ本をよみました。がんばって じぶんでよんでいて いい子だなとおもいました。わかんないときは、「わかんない、おしえて」っていうからおしえてあげました、そしたらすごいにこにこえがおでかわいかったです。

【シンキングツール・ふりかえり2】

「うれしかった学校たんけん」

手をつないでいろんなところをしょうかいして、1年生とかいわできた。「どこをまわりたい?」ときいたらわかりやすくこたえてくれた。1年生がよそういじょうにわらってくれたから学校たんけんしてよかったとおもった。さいごに わかりやすそうにうなずいてくれて「つたわったな」とおもった。2年生にとって1年生は、これから5年間ともに小学校生活をすごす大切な仲間になります。今回のことをきっかけに良い関係を作っていってくれたらと願っています。

学校紹介を通し、子どもたちは自分たちで決める場面が何回かありました。場所選定はもちろんのこと、紹介する内容、校内をまわる順番、一緒に遊ぶ方法など、子どもたちのアイデアを軸にすすめていく機会をもうけています。これは今後の校外学習や桐蔭まつりなどにもつながる大切な要素のひとつとなります。今回の経験を生かしながら、今後もさまざまな行事に積極的に取り組んで行ってもらえればと考えています。

 

 

 

【思いやり・エージェンシー】たてわりタイム

 桐蔭学園小学校では、これまで方面別に1年〜6年の縦割りのチームに分かれて、集会や清掃、下校訓練などを取り組んできた「地区別活動」がありましたが、今年度からは方面別ではなく、どの学年の児童も同じくらいの人数がいる「たてわりタイム」の活動となります。

 たてわりタイムでも、6年の働きがポイントになってきます1年生から6年生の6学年の子たちが、今後、小学校内で他学年の児童が互いに関わりを持ち、気軽にコミュニケーションを取っていくためのきっかけを作っていく時間を計画していきます。

子ども向け「たてわりタイム」の活動目的とそのねらい

目的:他学年との交流を図り、学校内で挨拶や話をし合える関係をつくること

ねらい:遊びや読み聞かせなど、グループの子どもたちが企画し、異学年の児童が自分たちで考えた内容でともに過ごすことにより、互いのことをさらに知ることができる機会にすること

学年ごとの「たてわりタイム」の活動目的のイメージ

〔1年〕:同じチームに、どんな上級生がいるか、知っていこう。

〔2年〜5年〕:1年の子たちが安心できたり、話したりしたいと思える空間をつくろう。

〔6年〕:1年と2年以上の子が交流できるような企画や空間をつくろう。

 今回は、2025年度最初のたてわりタイムのため、全体で1年生をお迎えすること、たてわりチームの中での顔合わせ、そしてアイスブレイクをしていく中で、これからこのたてわりチームで活動していくために、お互いを知ることをねらいにして、活動計画をたてました。活動計画は、それぞれのたてわりチームの6年生が計画を立てていき、それをたてわりチーム担当の先生と最終確認を行います。6年の児童や教員だけでなく、全学年の教員が6年と一緒にたてわりタイムについて見つめたり、キーコンピテンシーを育んでいったりしていきます。

 4月21日(月)、たてわりタイムの日がやってきました。1時間目には、1年生は6年生と一緒に体育館に入場し、2年生以上の子たちに迎えてもらいました。1年生はドキドキしながらも、6年のお兄さん、お姉さんの手をしっかり握り、上級生の方を向くことができました。2年生以上の子たちは手をふったり、「1年生だ!!かわいい」と言ったりして、自然と笑顔になっている姿が見られました。6年児童に挨拶も伝えてもらい、1年生の子たちはほっこりしました。

 2時間目には、全部で18チームのたてわりチームが、1年1組から6年3組の各チームの集合場所に分かれました。1年生の子たちは、誘導担当の6年児童と一緒にたてわりチームの集合場所に向かいました。合流してからも、2年生上の子たちは1年生の子たち温かく迎え入れていました。その後は、各チームで自己紹介をしたり、アイスブレイクなどの企画を通したりして、初めての交流会を終えました。

 「誰かのために自分ができること」の意識を6年生それぞれの子が持ち、1年生の表情や行動をよく観察しながら、何をすべきなのかを判断しながら関わり始めていますが、この「たてわりタイム」で1年生だけでなく、2年生から5年生の子たちも意識した関わりについて、考え始めた1日になりました。

 

 

【思いやり・メタ認知・エージェンシー】1 年生サポート

4月5日(土)に桐蔭学園小学校にニコニコの笑顔でピかピカの1年生が入学してきました。小学校での生活にドキドキ、ワクワクを胸いっぱいに詰め込んで登校してきた1年生。でも、きっとそこには不安や心配もあったことでしょう。
そんな入学したての1年生を安心させてくれ 1日も早く学校に慣れてくれるようにとサポートしてくれるのが最高学年である 6 年生です。6
6 年生のスタートは4月7日(月)の始業式。もちろん進級した6年生にとっても新クラス、新担任と新しい環境での生活がスタートです。ワクワク、ドキドキは1年生同様に6年生にもありました。そんな状況の中、初日に登校してすぐにお願いされるのが1年生サポートです。5 日の入学式を経て、1 年生が小学校に登校するのがこの日が初日です。
「どこに座るの?」「かばんはどこ?」「制服は?」「トイレはどこ?」などなど、1年生にとってははじめてのことだらけ。友だちもまだいないし、誰に聞いたら良いのか不安いっぱいの中、近くで声を掛けていろいろと教えてくれ、手伝ってくれる6年生の存在は1年生にとって大きな存在だったことでしょう。

新年度初日から始まった1年生のサポートですが、実は昨年度の5年の3学期に、お昼の時間に幼稚園に行き園児と一緒に遊んでいた経験がありました。その経験もあってか、1年生の子どもたちへの関わりも比較的スムーズに出来ていたようです。しかし、1年生を目の前にどのように接してよいのか戸惑っている子も中にはいます。そんな子も、誰かに助けを求めるのではなく、他の人の1年生への接し方をヒントに、自分なりに試行錯誤しながら少しずつ距離を縮められるようにと努力していました。「誰かのために自分ができること」の意識を6年生それぞれが持ち、1年生の表情や行動をよく観察しながら、何をすべきなのかを判断しながら関わってくれています。

ここで、6年生の子どもたちにここまで1年生をサポートしてきた感想を聞いてみました。

Q、1年生のサポートをしてうれしいと感じたりやりがいを感じたりする時はどんな時ですか。

・自分の名前を覚えて呼んでくれるようになった時
・「ありがとう」と言ってくれた時
・1年生が自分と一緒にいて笑ってくれた時
・1年生が自分でできるようになり自分たちの仕事がだんだんなくなってきた時(1年生の成長を感じた時)
・話をよく聞いてくれた時

Q、1年生をサポートをしていて、どんなことを難しい・大変と感じますか?

・1年生の子が一斉に話しかけてきてどれに返せばいいのかわかならない時。
・話していることが意味のわからいことがある。
・マナーやルールを教える時。
・気づいたらどこかにいってしまう時。
・暴れている子やダメなことをしている子に注意したいのだが注意の仕方が難しい。
・1年生についていくのが体力を使う
・どれくらいの距離感で接するべきかわからない。
・何を考えているのか、何がしたいのかがわからない。
・警戒されていると感じるので接し方が難しい。
・話題が浮かばない。

Q、1年生サポートをやる前と後で変わったことは何ですか。

・最初は不安だったのが、今は1年生のところに行くのが楽しみになった。
・お母さんや先生方の苦労がわかった。
・私たちはコロナだったので6年生にやってもらった経験がないので、1年生が羨ましく感じた。
・もともと小さい子との関わりが苦手だったのが少しずつ慣れてきた。
・自分も1年生の時はまだまだ子供だったんだなと感じた。
・自分たちの行動を真似するということがわかった。行動をしっかりしないといけないと感じた。

というように、やりがいや嬉しいこと以外にも、大変だったり難しいことだったりも当然あるようです。ただ、その大変なことや難しいことに向き合い、それを乗り越えようとすることで個々が成長していくものだと感じます。これからも、6年生の成長をサポートしていきます。

 

新たな探究学習「桐蔭学園探究の時間」について

桐蔭学園小学校は、2025年度より新たな探究学習「桐蔭学園探究の時間」を実施することを発表します。この探究学習では、実社会の課題解決を目指したり、自分が選択したテーマについて学び深めたりと、児童の主体的な学びを進めます。

 

〇桐蔭学園小学校の教育

本校では、すべての教育プログラムで「自ら考え 判断し 行動できる子」の学校教育目標達成に向けて「6つのキーコンピテンシー」(思考力、創造力、メタ認知力、チャレンジ力、思いやり、エージェンシー)の育成を掲げております。それぞれの教科学習や行事において、具体的にどのコンピテンシーに重点を置いて育成をするのかを「単元シラバス」や「ルーブリック評価」を用いて具体化して「児童を中心とした学び」を実施しております。そうした教科の学びを各教科や桐蔭学園探究の時間と横断的なものとし、社会で生き抜くための力を養います。

〇桐蔭学園探究の時間について

どの教科においても探究学習を取り入れていく中で、桐蔭学園探究の時間については、「総合探究」と「情報探究」の2本柱とし、探究学習を進めていきます。

「情報探究」では、探究学習の4つのサイクルのうちの「情報収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の3つの過程における素地を養います。具体的には、「デジタルモラル」「デバイス・アプリスキル」「情報活用能力」の3つを探究的に扱いながらすべての教科での学びの基礎を育成します。

「総合探究」では、今後より多様化する社会を見据え「多様性」を軸に、クラスやグループで探究学習を展開する「全体探究」の前期と、個別にテーマを設定し同じテーマを選択した異学年でゼミを形成し、少人数としたゼミ内の中で個々人が設定したテーマについて探究的な学びを展開する「個別探究」の後期に分けて実施いたします。

自己のやりたいことを追究することによって、児童一人ひとりが確実に探究的な学びのプロセスを通り、学び方を身につけていくことができます。特に昨今「課題を設定する力」が社会において重要視されてきております。なぜならば、学力がたとえ高くても自分自身で問いや疑問を持てなければ予測困難と言われているこれからの未来を自分自身で切り開いていく思考が身についていかないからです。だからこそ、自らの課題と何度も向き合い、自分の「課題」が何であるか、それを解決するためにどうするのかに取り組み、自分の未来を切り拓いていく思考を身につけます。

 

【エージェンシー・メタ認知力】6年 修学旅行

1月29日(水)から31日(金)にかけて、6年生が修学旅行に行きました。目的地は京都です。今年度も昨年度と同様に、2日目は小グループに分かれて自分たちで見学地を設定し、行程表を作成、見学しました。

1日目は、日本の文化遺産である金閣寺、二条城、平安神宮を自分の目で見て、自分の足で歩き、歴史的建造物の迫力に圧倒されていました。子どもたちは社会の授業で知っている知識以上のものを目や耳で感じ取っていました。

2日目は、自分たちが話し合って決めた見学地を巡りました。総合の時間を使い、「京都といえば…」ということを考えたり、社会の授業内で京都の有名な見学地について下調べをしたりしました。また、今年度も京都文教大学の学生さんにもお力をお借りました。京都在住の学生さんたちが、「〇〇×京都」という、それぞれが興味・関心を持ったテーマとかけ合わせ、そのテーマについて深く学べたり感じられたりする京都の観光地を紹介してくださりました。色々な情報を集めたうえで、行動班に分かれ、行程表づくりに向かいました。途中で一度、学生さんたちに自分たちが作った行程表についてのアドバイスをもらう機会を作りました。学生さんからは、見学ルートや回るときの移動手段など、子どもたちが気づいていなかった点についてアドバイスをいただき、行程表をアップデートしていきました。

*行程表

当日は、以下のような安全対策をしながら、各グループに分かれて散策を行いました。

・Wi-Fiルーターを各グループに1台持たせ、ロイロノートで現在の場所をリアルタイムで本部教員に報告し、やり取りをする。

・GPS探知機をグループに1台持たせ、位置情報をリアルタイムで確認できる状況にする。

・引率教員が各所に散らばり、緊急時に対応できるようにし、緊急時の対応を全員で共有する。

・事前学習でもご協力いただいた京都文教大学と連携し、当日もお手伝いとして参加していただき、子どもたちと一緒に見学地を回ってもらう。

 

いざ、自分たちで考えた行程表で散策してみると、時間が足りなくなったり、移動時間が長いものになってしまったりと不具合も出てきました。一方で、班の仲間と協力して、目的地にたどり着いたり、おみあげを楽しそうに選んだりと和気あいあいとした雰囲気で京都を満喫することができました。その日の夜の振り返りで、「実際に考えて、実行するということは難しい」といった意見があり、自分たちの課題を再認識し、成長していこうという姿が見られました。

3日目は、銀閣寺、清水寺、三十三間堂を散策し、帰路につきました。帰りの新幹線では、この3日間の思い出を友だちと嬉しそうに話していたり、「もう帰らなきゃいけないのか」と名残を惜しむ声が聞こえたりする様子がありました。6年生最後の大きな行事でしたが、子どもたちにとってはとても充実し、新たな学びがたくさんあった、思い出に残る3日間となったようです。

保護者の方々や宿泊・見学先の方々のご配慮、京都文教大学の学生の方々のご協力により、無事に終えることができました。ご協力ありがとうございました。

 

【創造力・チャレンジ力・メタ認知力・思いやり】教育実践「音楽会」~思いを音楽で表そう~

音楽会は、2月14日(金)~2月28日(土)に行われました。

今年も、保護者の皆様に直接ご覧いただくことができ、子どもたちの喜びも大きかったと思います。ありがとうございました。

 

1年生にとって、はじめての音楽会でした。曲は「はるなつあきふゆ」と「きらきら星」です。音楽の授業でこれらの教材を深めていき、子どもたちは「もっと小さい部分を弱くしたい」「もっと弾んで演奏したい」など、どんどん発想が広がっていきました。音楽会のことは少し秘密にしておき、作品にどんどんこだわりが生まれたときに「実はお父さんお母さんにも聴いてもらえる音楽会があるよ」と伝えました。その時の子どもたちが大喜びしていた笑顔は忘れられません。当日は心のこもったこだわりの演奏を披露してくれました。

2年生は、「ゆうやけ こやけ」の様子を思い浮かべて歌いました。1番と2番で違う情景を声に表せるように工夫しました。また、「アイアイ」では楽しい歌声と鍵盤ハーモニカなどの合奏で演奏しました。いろいろな楽器を聴き合いながら音を合わせるのは、なかなかうまくいきませんでしたが、練習をくりかえしていくうちにそれぞれの役割を考えてできるようになってきました。最後に「勇気100%」を元気いっぱいに歌い、みんなで仲良く発表する喜びを味わうことができました。

3年生は、「エーデルワイス」と「ミッキーマウスマーチ」の合唱奏を行いました。エーデルワイスの歌は、真っ白でかわいらしい花のイメージには、どのような声がふさわしいかを考え、裏声で美しく歌えるよう、練習を重ねました。ミッキーマウスマーチの合奏は、雰囲気をがらりと変えて、楽しくてはずむような演奏の仕方や歌い方を目指しました。本番は、自分たちのイメージする世界を、しっかりと表現できたと思います。

4年生は、「オーラリー」の二部合唱と「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」の合唱奏を行いました。合唱は、美しい響きをみんなで追求しました。合奏は、リコーダーと鍵盤ハーモニカのバランスが整うよう、全員が納得するまで何度も調整を重ねました。拍にのって楽しい雰囲気で演奏し、歌うことができたと思います。

 

5年生は、「君をのせて」の二部合唱にチャレンジしました。美しい旋律をいかしてフレーズを考えながら、強弱の変化やハーモニーの美しさを表現できるように練習しました。また合奏「アフリカン シンフォニー」では、リコーダーと鍵盤ハーモニカをていねいに練習し、木琴やアコーディオン、低音楽器などと合わせて迫力ある演奏を目指しました。特にボンゴやコンガなどの打楽器は曲の雰囲気をつくる大切なパートですから、はっきりとしたアクセントになるよう何度も繰り返して練習したので、自信を持って発表できたと思います。

 

6年生は、最後の音楽会で「木星(合奏)」と「明日という日が(合唱)」を演奏しました。どちらも授業をベースに作品に取り組みました。子どもたち一人一人が、作品の特徴を捉えながら自分の課題と向き合い、少しずつ成長していく姿は音楽表現をどんどん変化させてくれました。子どもたちの中に「〇〇のような表現をしたい」が生まれてきたときに、音楽的な技能も知識も深まっていき表現が広がっていきました。音楽会を通して子どもたちが我々大人に、深まっていくことの大切さを教えてくれるような素敵な演奏となりました。

音楽会では、子どもたちはみな堂々と精いっぱいの自己表現ができました。これは、保護者の皆様のご協力はもちろん、子どもたち自身が、普段の授業をしっかり積み重ねてきた証です。

保護者の皆様へ1年間の学習の成果をお見せする、という目標に向かって、みんなで意見を出し合いながら練習を積み重ねてきました。子どもたちにとって、とても大きな力になったと思います。

これからも子どもたちのコンピデンシーの育成のために、音楽科は尽力してまいります。