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【チャレンジ力・思いやり・エージェンシー】6年生鎌倉校外学習

6年生の鎌倉校外学習では、子どもたちが自分たちで行く場所を設定し、行程を決め、見学することに挑戦しました。

ゴールデンウィーク明けに学年で集まり子どもたちに聞きました。「鎌倉への校外学習の行事があることは決まっているけれど、どんな校外学習にしたい?」すると子どもたちからはいろいろな意見が出ました。「有名な観光地に行きたい」「ただ行くだけではなくて、前もって調べたりしてわかってから見学した方がいい」「行先は自分たちで決めたい」「一般の方がいる中で、ルールやマナーを守って行動することを心がけて行きたい」…。

学年全体で話し合った結果、「自分たちで行先、行程を決めることに挑戦する」「ルールやマナーを守って見学すること」「鎌倉の歴史について学ぶ場にする」という3つが目標として決まりました。

目標が定まったので、授業ではそれぞれの事前学習・準備をすすめることにしました。「鎌倉の歴史について学ぶ場にする」については、「鎌倉の観光大使になって、鎌倉の歴史の魅力を伝えよう!」というテーマのもと、調べ学習を進めました。自分の行ってみたい場所について、まずは自分が観光客の立場として調べてみる。調べて知りえた情報を今度は、クラスや学年のみんなに紹介する立場に回ってまとめる。両者を意識して取り組むことで、子どもたちはホームページのつくりや本の工夫などにも目を向けることができていました。

「自分たちで行き先、行程を決めることに挑戦する」では、自宅の最寄り駅から鎌倉駅までの行き帰りと現地での見学の2パートにわけて準備を進めました。前者は、近隣の駅に住む児童同士で「集合班」というグループを形成し、そのグループごとにチェックポイントと現地鎌倉を目指しました。必要事項を入力するカードを用意し、それに沿って準備を進めました。活動の初めは「自分たちだけで行くのは大丈夫かなぁ」と不安がっていた児童がいましたが、準備を進めていくことで先行きが見えるようになり、安心感が生まれ、増しているような様子が見られました。

現地での「見学班」では、個人で調べた「行ってみたい場所」の情報をグループ内で共有し、「鎌倉の歴史の魅力を伝える」という大きなテーマに関連するグループごとの小テーマを設定し、班で行ってみたい場所を選定しました。そして、行ってみたい場所を巡るのに、どのような順番で回れば、効率よく行動できるのかを考えながら、当日の行程を設定していきました。Googleマップや乗換案内などを活用して、徒歩、電車、バスの3つの移動手段を駆使して行程を作っていきました。班内では、それぞれが調べるところを分担して上手に進めていきました。

「集合班カード」                 「行程表」

その活動と並行して、「行ってみたい場所」の歴史を紹介するポスターを作成しました。それぞれの場所の魅力をどのように伝えるのか、どうしたら魅力的に感じてもらえるのか、そういった見てもらう人の視点に立った思考で、子どもたちは話し合います。「文字がたくさんあってもうれしくないから、画像を入れよう」「ここは現地に行って、写真を撮って、その画像を入れよう」「ここの文字は色や大きさを変えて、より注目してもらえるようにしよう」「ポスターは要点を載せるようにして、追加情報は話して伝えられるようにしよう」といったことが、どの班でも話し合われ、グループそれぞれの特徴的なポスターが出来上がっていきました。

 

6月30日(金)天気は曇り時々小雨という中で、鎌倉校外学習当日を迎えました。事前に準備した集合班カードに沿って、鎌倉まで全員が無事にたどり着くことができました。

現地では以下の安全対策を講じて実施しました。

①子どもたちは、事前に作成した行程表をもとに行動する。

②見学地へ到着したときとそこから出発する際に、班で1つのiPadのロイロノートを活用して現状報告を先生にする。

③グループごとにiPad、Wi-Fiルーター、GPS探知機を用意して、教員といつでも連絡がとれるように、また児童がどこにいるかがわかるようにする。

鎌倉駅西口の時計台前広場にて、学年全員がそろい、注意事項を確認した後、いよいよ出発です。

子どもたちは自分たちで作成した行程表と地図とにらめっこしながら、それぞれの行きたい場所へ移動します。

子どもたちとのやり取りカード

お昼は鶴岡八幡宮前にある峰本。グループごとに元気に昼食場所に集まってきました。おいしい天丼やお蕎麦をいただきました。「こんなおいしいそば、初めて食べました!」「天丼最高!」と料理を堪能する言葉が聞こえてきたり、「午後の行程は…だから、まず…に移動して…」「午後は時間に間に合うようにしないといけないから…」とこれからの動きを確認している言葉も聞こえてきたりしました。どの子も笑顔で過ごしているので、まずは一安心です。

お腹が膨れたら午後の活動に出発です。午前中の経験を早速生かして、行動している様子がロイロノートで来るカードから伝わってきます。最終地点は全グループ鶴岡八幡宮です。最後の集合は時間通りには集まれませんでしたが、全員が無事に集まれました。疲れた表情を見せることもありましたが、それ以上に今日一日を自分たちだけで行動できたことへの達成感や誇らしさが感じられました。クラス写真を撮影して帰り道へ。帰りも集合班で行動します。全員が安全に自宅に帰っていきました。

 

ここからは、現地で子どもたちが撮影した写真を紹介します。

戻ってきてからは、シンキングツールを使って振り返りを実施しました。振り返る観点を示すことで、子どもたちは場面ごとの様子を思い出し、次に向けた改善点を見つけていきます。その後、文章にまとめることで思考が整理された文になっていました。

【事前学習について】            【当日の活動について】

【シンキングツールで出したものを最後は文章にまとめる】

自分たちで作り上げたこの校外学習は子どもたちにとって大きな達成感を味わったようで、後日ある児童の保護者からは、「たった一日でしたが、子どもの様子が大きく変わったように感じました。それまでは甘えて手伝っていたことを『自分でする』と言った一言にその成長を感じました。」というお話をいただきました。最初は不安も多く感じていた子どもたちでしたが、今回高いハードルに挑戦することで、大きな自信を手にしたようです。

また、事前学習で行った観光客と観光大使という異なる立場で調べ・まとめたことでちがう立場の人の考えを慮ることを学んでいました。また、班内でも前向きな言葉かけが多くあったようで、グループの仲間と新たな信頼関係を築けたと喜んでいる子もいました。

この経験をもとに子どもたちは11月の京都修学旅行でも自分たちで計画して実行しようと考えているようです。ぜひ今回の経験を活かしてよりよいものになってほしいと願っております。

 

【思いやり・チャレンジ】1年生遠足 教育実践

5月12日(金)、子どもたちが楽しみにしていた小学校最初の遠足が行われました。行き先は、学校からも近い「こどもの国」です。

<事前の準備>

遠足や宿泊行事で必ずおこなう「しおりを見ての準備」も今回が初めてになります。事前に各担任の先生から、行程や持ち物のことについて説明がありました。日々の学校生活も同じですが、いままでは保護者の方主体で準備していただいていたことも、徐々に自分で準備をしていけるようになっていきます。

 

<当日>

学校から20分程度であっという間に到着しました。

最高の天気に恵まれ、いよいよ遠足のスタートです。まずはクラスごとに簡単なハイキングを行い、こどもの国の自然を楽しみました。この日は春というよりもはや初夏を感じる暑さでしたが、植物や昆虫などたくさんの発見をすることができました。ともすれば土の上をまったく歩かなくても日々の生活ができてしまう現代において、自然を満喫する良い機会となりました。

そしてハイキング終了後は、メインイベント班別スタンプラリーの開催です。

班ごとに渡されるカードにかいてある5つのチェックポイントをまわり、そこにあるミッションをクリアしていき、スタンプをあつめていきます。

限定エリア内とはいえ、1年生の子どもたちにとってはかなり広い場所を教員の手からはなれて、自分達で冒険していくことになります。私たち教員側も、いろいろな心配はありましたが、入学して1ヶ月半の成長を信じ、事前に丁寧に説明を加えた上で実施をしていきました。

この日の園内は20団体以上の利用があり、かなり混雑をしていて見通しも効きづらい場所もありましたが、青空のもと、チームで協力しながら先生たちが待つチェックポイントをまわっていくことができていました。

「○○せんせいやっとみつけた〜!!」というホッとした子どもの笑顔からは、「自分たちでがんばった」という自信が伝わり、見守るわたしたちもとても頼もしく感じました。

ちなみに6年生は鎌倉の遠足や修学旅行で班別自由行動が組まれていますが、今回の1年生のスタンプラリーもやがてはそういった広範囲での活動につながっていく第一歩となります。教員がしっかり寄り添う場面と、一歩引いて見守る場面、両方を設定しながら子どもの成長をサポートしていければと考えています。

スタンプラリーが無事に終わったあとは、お弁当タイムです。

午前中思いっきり動き回ったので、お腹もへっており、あっという間に食べ終わってしまう子がたくさんいました。

その後は少し自由時間をとり、アスレチック遊びを楽しみ帰路へと着きました。

<ふりかえり>

学校に戻った後は、スタンプラリーの班でふりかえりの絵をかきました。各班楽しそうに思い出をふりかえりながら絵を描いていました。

思えば、今年の新入生の児童は幼稚園保育園時代がコロナ禍直撃の世代となりました。「みんなで出かける」ことに色々な制限がついてきたこともあった中で、ようやく子どもたちも本格的な集団活動を楽しむことができるようになりました。

時にうまくいかないこともあるかもしれませんが、それもまた経験ととらえ、今後の行事でもより充実した活動となるよう計画をすすめていきたいと考えます。

 

 

 

【チャレンジ力・思いやり・エージェンシー】小学校 スポーツフェスタ

5月11日(木)は小学校の行事「スポーツフェスタ」でした。

「スポーツをとおして友だちやクラスとの交流を深め、スポーツを楽しむ1日にする」というテーマです。

以前は全校での縦割りの行事でしたが、学年別への行事に移行してきました。また、「何をやるのかも考えてみんなで楽しむ日」へと変わってきています。

午前の1~4年生は熱中症が心配されるほどの暑さの中でした。

1,2年生はかけっこ、障害物競走、サッカー、フリスビー的当て、なわとび&フラフープ、バスケゴール入れ、アスレチックからやりたい種目を選んで行います。同じ種目に夢中になったり、いろいろな種目を選んだりとそれぞれです。最後は時間の少なさを残念がるほど夢中に楽しんでいました。

4年生が3年生と楽しめる種目というテーマで企画。ドッジボール、リレー、障害物走の3種目から選択しました。その後は全員での壮大な鬼ごっこ(どろけい)を行いました。

4年生27人の実行委員を中心に自分たちで一から企画して行う初めての行事となりました。準備の大変さを感じながら3年生が楽しめたのだろうか気にしながらも成長した姿が見られました。

午後の5,6年生は一転して小雨の降るなかでした。

5年生は、全員での鬼ごっこではじまり、その後「リレー、ドッジボール、バスケットボール」をグループごとに全種目実施。

種目やルールから実行委員を中心に考えて、友だちと楽しみました。

6年生は実行委員の考えた新種目2つです。1種目はテレビさながらの逃走中です。広いサッカー場を使って、担任の先生たちがハンターとなり色々なミッションをクリアしながら逃げます。2種目は3クラスでの三角形ドッジボールを考案。「いつもと違うドッジボールをやりたい」「全クラスでやりたい」という何気ない意見から考えが出ました。この種目は雨のため長い時間できなくて後日行いました。各クラス間での同盟・裏切りなど三国志さながら…とはいきませんでしたが、自分たちで考えたものを形にできたことはとても素晴らしいことです。

それぞれ2時間ほどのイベントでしたが、スポーツを通じて友だちとの交流を深めることができ、コロナ禍からの新たなスポーツ交流のスタートを切ることができました。

 

 

【思考力・思いやり】2年遠足 (よこはま動物園ズーラシア)

2年生の遠足が、4月28日によこはま動物園ズーラシアで実施されました。クラス替えが行われたばかりの4月に実施された遠足でしたので、新しいクラスメイトと仲を深められる行事となりました。

ズーラシアは大変広い施設で、たくさんの魅力ある動物がいます。その園内のうち「サバンナエリア」を、自分たちで見たい動物のルートを決めて、回っていくことにしました。

まずは、「グループでなかよくこうどうしよう」を目標として、そのために気を付けたいことは何かを考えてグループ内で共有していきました。気を付けたいことを意識したことで、どのくらい時間がかかりそうかを計算しつつ、お互いが見たい動物を見られるように調節をして、動物を見るルートを決めていくことができました。

2年遠足 (2)2年遠足 (3)

当日は天気にめぐまれ、青空のもと実施することができました。班の仲間と一緒に見学をスタートし、サバンナエリアを巡りました。

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子どもたちは、目の前で見る動物たちに、「かわいい!」などの歓声をあげていました。また、「あっちに行こうよ。」「待って、まだ〇〇さんが来てないよ。」など、班での行動を意識した声掛けが行われていました。動物に夢中になるあまり、はぐれてしまう班もありましたが、先生たちがポイントごとに立っているので、近くにあるポイントの先生に相談しに行ったり、他の班の人から「あっちにいたよ」と教えてもらったりして、上手に合流をすることができました。みんなが安全に楽しく見学を終えることができました。

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お昼をとり終えたあとは、東南アジアの密林エリアという場所をクラスごとに見学して回りました。オランウータンやスマトラトラ、マレーバクなどの動物たちを目の前で見ることができました。ちょうど、インドゾウの場所では、ゾウが水浴びをするところを見ることができ、その迫力に子どもたちは釘付けでした。

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事後の振り返りでは、より仲良く班行動できるようになるために必要なことや、一緒に回った仲間への感謝の気持ちを書いていきました。これからの仲がより深まる楽しい遠足になったことが振り返りから伝わりました。

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【思いやり】6年生の「学校探検」を通して

4月26日に1年生と6年生とで学校探検を行いました。毎年行っている行事ですが、今回は「他者意識をもって、喜んでもらえる企画を考え、運営する。」を6年生のねらいに設定し、1年生は、「楽しみながら、学校の教室・場所について理解する。」をねらいに設定しました。

準備は、5年生の終わりから始めていましたが、担当の教員も変わり、本格的に準備を始めたのは、6年生になってからです。それでも新学期が始まってから、6年生が1年生を出迎え、学校生活について付き添う活動を行ってきたので、1年生も6年生に心を開き、休み時間になると、6年生の教室に遊びに来るくらいの関係が築かれているので、6年生も1年生の立場になって考えることができました。

6年生は、学校探検の次の日に日台交流の時間があったので、大きく2つのグループに分かれ、学校探検の担当をさらにいくつかのグループに分けて、話し合いました。コースを決める係は、密にならないように移動するコースを決め、シナリオ係は、スタートとゴールで演劇を入れて1年生が楽しめる内容を考えました。空き時間チームは、探検が早く終わったチームが時間を上手に使えるように、「折り紙」「ぬりえ」「なぞなぞ」を考えました。飾り付けチームも短い準備期間で、1年生の各教室の飾り付けをしました。

DSC_0483DSC_04686年生の「学校探検」を通して (11)6年生の「学校探検」を通して (4)6年生の「学校探検」を通して (12)

学校探検当日は、残念ながら雨が降っていて、「裏庭」や「田んぼ」など自然を楽しみながら探検するコースは中止になりましたが、その分、それぞれの場所でミッションに取り組むことで、1年生が楽しく参加できるように変更しても、6年生がうまく対応したので1年生の笑顔も絶えませんでした。

戻った6年生は、学年で再度集まり、1年生とのかかわりについて振り返ります。

6年生の「学校探検」を通して (13)6年生の「学校探検」を通して (14)

6年生の「学校探検」を通して (1)6年生の「学校探検」を通して (2)6年生の「学校探検」を通して (7)

振り返りでは、まず子どもたちが自由に書きました。以下は子どもたちが書いた振り返りです。

※水色は、「思いやり」がみてとれたところです。

1       自分が担当したこと、ここがよかったなあということ

・勇者役は、ちょっとはずかしかったけど、みんなが「勇者だあー!」って喜んでくれた。

・1年生と6年生が一緒に行動することによって、名前を覚えてくれたり、仲良くなったりしたのでよかった。

・飾り付けの時に、とても頑張って作っていたから、飾り付けチームとして貢献できたと思う。

1年生と趣味があった。

・1年生がちゃんと自分の質問に答えてくれた。

・作ったマップがわかりやすいって言ってくれた。

優しく接して、わがままにもつきあってあげた。

この企画で、さらに1年生との交流が深められたこと。小さい子に寄り添う大切さ。

トイレや水飲みの確認がきちんとできた。

1年生の要望を聞いてあげた。

2         自分が担当したことで、ここをもう少しこうしたらよかったなあということ

1年生が想像以上に活発で追いつけませんでした。そこは反省。

もうちょっと最初から声をかけられたらよかった。

トイレとか水分補給とかで、もっとたくさん声をかけてあげればよかった。

・もうすこし準備ができればよかった。

時間配分を気にしてあげればよかった。

もう少しミッションに時間をかけてあげればよかった。

もっとゲームを用意しておけばよかった。

もうちょっとゆっくり回ったほうが1年生が喜んでくれた気がする。

・自分の名前を覚えさせたほうが良かった。

もうちょっと遅く歩けばよかった。

3          全体の運営の振り返り

・みんなしっかりとやっていた。

・全体的には良かったと思う。

1年生に対してみんな優しく接していてよかった。

1年生がウルトラ楽しんでいたので良いと思う。

・劇など、うまくまわせていたと思う。

・よりよく学校探検ができるように試行錯誤していた。

・意外とマップ作りがスムーズにできた。

・集合時間に集まることができた。

・学校探検のストーリーとかすごかった。

4          相手の表情や反応はどうだった?

1年生は楽しそうだった。

リアクションがすごく激しく、わかりやすかった。

めっちゃ笑顔。

結構喜んでくれた。

時間が迫っていて、急いでハモホに行ったときは、いやそうな顔をしていた。

水筒をなくした(置き忘れた)のを気づいたときに落ち込んでたから、気をつければよかった。

5          その他

・すごく大変だったけど、思い出に残って楽しかった。

・最初は、お互い緊張していてあまり話せなかったけれど、自分から話してみたらだんだんと仲が深まっていったので、とてもうれしかった。

・写真をもっととればよかった。

初めて6年生という実感を持てました。ありがとう1年生!

・ぼくが担当した1年生から手紙をもらいました。

以上の振り返りの中で、1年生と話題を合わせたり、トイレや水飲みを気にしたり、歩く速さを1年生に合わせたり・・・と6年生のめあてである「他者意識をもって、喜んでもらえる企画を考え、運営する。」は、できた子が多く、またできなかった児童も振り返りで気づいていることから、今後の1年生との交流や他学年との交流でも活かしてくれることをしています。

今回の行事で、小学校の最高学年であるという意識が持てたことは、6年生にとって大きな収穫になりました。

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【思いやり】2023年 6年生の「台湾の小学校との交流」を通して

4月27日(木)に、台湾の小学校を迎えて、日本と台湾の文化交流を行いました。海外の学校を迎えての交流は、コロナの影響もあり、久しぶりの実施となりました。「台湾の小学生が来て、交流できる機会があるけれど、どうしますか?」と6年生全員に聞くと、「やります!」「やってみたい!」と前向きな言葉が一斉にあがりました。

6年生は毎年実施している1年生の「学校探検」があるので、学年を半分に分けて準備を進めました。「日本の文化について知ってもらうこと」を目標に定め、そのためにどんなことをすると良いのかと考え、すぐに活発な議論になりました。

海外の人に来てもらうときには、日本の文化について考える絶好の機会です。「そもそも日本の文化って何?」「台湾と日本の違いは何?」「日常生活の中で、日本らしいものって何だろう?」いろいろな問いが自然と湧いてきました。

「水道から出る水が飲めるって世界的に見ると当たり前ではないんだ。」「アニメやマンガは日本の文化として世界に知られているらしい。」「折り紙はどうだろう?」「日本の鉄道は台湾にも導入されている。」などと、調べていく中で自分たちの国に対する理解を進んで深めている様子がそこかしこで見られました。「ソーランは日本の文化としても、桐蔭学園小学校の特徴としても外せないのでは?」という意見も出て、みな納得していました。相手がどんな人たちで、どういった情報を求めているのか。どういったことをすると喜んでもらえるのか。目的がはっきりしていることで、自然と相手意識が子どもたちに芽生えていました。

これらの取り組みと並行して、教科学習でも「異文化理解」をテーマに学習しました。道徳では、道徳教材「フーバーさん」を活用して、世界の国々の文化や歴史についてどのように考えるのかを学びました。総合的な学習の時間では、現代のニュース映像を活用して「台湾」の人々の考え方や現在の状況を学びました。そういった教科横断的な取り組みもあり、自分たちなりに「楽しく交流する」には、相手について深く知ることが必要であるということを感じていました。

文化交流企画では最終的に、「昔遊び」「ソーラン」「アニメ・マンガ」の3つのカテゴリーでおもてなしをすることにしました。台湾の方たちが、心から楽しんでもらうためには、どんな準備が必要か、どんな工夫が必要か、など常に相手意識を持った話し合いが行われていました。

当日は、英語の授業でも学んだ英会話を活用して、一生懸命にコミュニケーションをはかりました。来校した32名の台湾の人たちを3つのグループにその場で分け、グループごとに3つのカテゴリーを回ってもらうこと。日本語で伝えれば簡単だと思っていたことも、初対面の、しかも日本語が通じない人たちに説明することは本当に大変そうでしたが、臆せず自分なりの言葉で誠実に説明し、理解してもらうことができました。

3つのカテゴリー別の場では、どのようにコミュニケーションをとればいいのか、とても困惑している様子も見られましたが、「おもてなしをする自分たちから話す方がいい!」との思いからどんどん交流が生まれ、どの部屋でも台湾、日本双方の子どもたちの笑顔にあふれていました。

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後半は、民生小(台湾)のオーケストラと鼓笛隊・合唱団が音楽交流を行いました。民生小学校はニールセンなどの本格クラシックから台湾民謡や「名探偵コナン」などの日本のアニメ曲まで演奏してくれました。鼓笛隊は、「マツケンサンバ」「Mela」などのJPOP、合唱団は「いのちの歌」「ほらね」などの合唱曲を披露しました。お互いに知らなかった曲から知っている曲まで、子どもたちは楽しく音楽を聴きあっていました。最後には「花は咲く」を合同で演奏し音楽の感動に包まれました。演奏を聴いていた台湾の保護者の方も「your music touched my heart !(あなたの音楽が心に触れた)」という言葉を言ってくださいました。音楽に国境はないという言葉をよく聞きますが、その瞬間を台湾・日本の子どもたちが見せてくれたように感じます。

『子どもたちの振り返りより』

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【創造力 チャレンジ力 メタ認知力 思いやり】  教育実践「音楽会」~みんなで一つの作品を創りあげよう~

2月24日(金)に「音楽会」を実施しました。当日はインフルエンザの影響で学級閉鎖をしている学年もあったため、ひとまず3,5,6年生の演奏を発表しました。日を改め、1週間後の3月2日に1,2,4年生、3日に合唱団と鼓笛隊の発表となりました。

以前シンフォニーホールで開催していた「送別音楽会」がコロナ禍で中止となって早4年。歌うことも楽器を演奏することも制限され、授業のスタイルも大きく様変わりした中で、音楽科としても新しいカタチの音楽行事を模索してきましたが、原点に立ち返り普段の授業で取り組んでいることを互いに発表しあうことで、学校生活に溶け込んだありのままの児童の姿を見ていただきたいと考え、会場も高学年が普段授業をしているハーモニーホールでの発表となりました。本番の鑑賞は児童のみでしたが、後日保護者の皆様に限定配信でご覧いただきました。

1年生は、「はるなつあきふゆ」と「きらきら星」を演奏しました。今回の音楽会では授業での積み重ねてきたものを発表するといった視点をとても大切にしたため教科書にある曲から選びました。子どもたちは1年間を通して身に付けた力を最大限生かして自分たちの演奏を振り返りながら改善点を探して表現を深めていきました。子どもたちは「この部分は高音だから思いがいっぱいあるように演奏したい」や「最後は、夜の静けさを表現したいから優しく演奏したい」など様々な創造力を発揮してくれていました。最終的に、「早く本番で演奏したい!!」とやる気いっぱいの気持ちを見せてくれて本番を迎えることが出来ました。

音楽会01 - 1年

2年生は、「こぎつね」と「手のひらを太陽に」を演奏しました。2年生になると学びの積み重ねも広がり、「このフレーズは次に向かうように演奏したい」「休符には、次に進みそうな休符と終わりそうな休符があるから意識したい」「強弱の違いをもっとこだわりたい」「伴奏は電子ピアノではなくて実際のピアノの音色がいい!」などたくさんのこだわりを持って表現を深めてくれました。一つのこだわりからチャレンジ心が生まれてきて、創造力は広がり、友達との演奏にも歩み寄っていける様子が大変嬉しく感じる時間でした。

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3年生は「よろこびの歌」,4年生は「オーラリー」の合唱奏を行いました。子どもたちは、ドイツ語や英語の歌詞をあっという間に覚え、ゴスペルやジャズの世界観も短い時間で自分のものにしていきました。リコーダーの音にも最後までこだわって練習を重ねました。子どもたちの可能性の大きさを、あらためて実感した音楽会でした。この素晴らしい力を、今後もいろいろな場面で発揮していってほしいと思います。

音楽会04 - 3年 音楽会05 - 4年

5年生は2部合唱「マイバラード」と器楽合奏「威風堂々」に取り組みました。合奏では使う楽器をあえて指定せず、旋律と伴奏のパートそれぞれに合う楽器を自分で試しながら、考えていきました。木琴や鉄琴でも音域によってマレットを選び音色を変えてみることで、自分たちだけのアンサンブルを創ることが出来ました。

音楽会06 - 5年

6年生にとっては小学校生活最後となる演奏ですが、今まで学年全体で音楽を作る経験があまりなかったため、とても不安でした。基本に立ち返り「ふるさと」で伝えたい思いをていねいに合唱しました。そして「木星」では各パートの役割を考えながらバランスを工夫し、曲想にあったテンポになるよう演奏しました。また、卒業学年ということで特別に保護者の方に来場して鑑賞していただくことが出来ました。自分の演奏に夢中になりながらも指揮に合わせて合奏することは、これからの学校生活でも大きく役立つ何かを感じ取ることが出来たのではないでしょうか。

音楽会07 - 6年① 音楽会09 - 6年②

合唱団では「にじ」「たいこをたたきましょう」を演奏しました。アカペラコンテストの直前のなか、別の曲にも挑戦し発表できたことが大変価値ある時間となりました。合唱団では「一人一人が輝ける合唱団」を目標に日々活動に取り組んでいます。どこまで作品にこだわれるか、その結果どれだけ輝けるかは子どもたち次第です。作品の表現もそれによって大きく変わってきます。「『たいこをたたきましょう』がまだ深まってない!」と練習で伝えてくれた6年生の声をきっかけに練習がより深まり、作品が変化していきました。このようなプロセスが素敵な演奏を導き、素敵な音楽会を創り上げてくれたように感じます。

 

鼓笛隊は「マツケンサンバⅡ」、「ぼよよん行進曲」、「新時代」を演奏しました。最近は録音や録画が多く、ようやく生演奏に慣れてきたメンバーですが、各パートの個性を発揮しながらもまとまりのある演奏を目指しました。やはり友だちに聴いてもらうことがとてもうれしく、ライブならではの迫力ある発表となりました。

音楽会10 - 合唱団 音楽会11 - 鼓笛隊

新たな音楽会を経て感じたことは普段の学びがどれだけ大切かということです。これまでは大きな音楽会だったこともありたくさんの練習時間を費やしその日の成功のためにひたすらに練習するという印象がありました。しかし、基本的には授業内で準備をするといった流れで迎える音楽会では普段の授業での積み重ねが大変重要になってきます。

今回の音楽会で子どもたちが精いっぱい演奏できたのは、日ごろから一生懸命授業に取り組んでくれた証であるように感じています。また、一つの発表といった共通の目標を学年全体で持ち、目には見えない「音楽」という作品を創り上げるために前向きな気持ちをもって何度も自分たちの演奏を振り返り、創造力を駆使して作品をつくりかえていく時間はコンピテンシーそのものを育てている時間であることを体感いたしました。

これからも「子ども中心」といった視点を大切に音楽科一同、音楽教育を研鑽していきたいと思います。

 

【6つのキーコンピテンシーを育むPC授業】

小学校では全学年、毎週1回「PC」の授業があります。この「PC」は主に1人1台個人持ちのiPadを用いて行っています。

 

「PC」は、使用するアプリの基本的な操作方法の確認をして、あとは子どもが自ら試行錯誤し、気づき、展開していく授業になっています。また、『個➝協働➝個』のアクティブラーニング型の流れの中で、子どもたち同士で、学び合い・教え合いをしながら進んでいきます。

デジタルネイティブな子どもたちは、そこから「習うより慣れよ」で様々な活用方法を見つけていきます。

まずはアクティブラーニングの「個」ができあがります。ただ、これはまだ途中段階です。

 

「個」の段階⇒自分はこのアプリでこういったものをつくりたい(主に創造力、思考力、チャレンジ力)

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次に「協働」という学び合い・教え合いの段階になります。友だちに伝えることや教えてもらうことが学び合い・教え合いになり、自分で気がつくことで可能性が大きく広がります。

 

「協働」の段階⇒人に伝えること(主に思いやり)

学び合い(主にエージェンシー、メタ認知力)

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そして、また「個」に戻り、新たに得た情報や材料を駆使して試行錯誤を行っていきます。

この流れを何度か繰り返していきます。

 

 

ここからは、今1年生が取り組んでいる授業の様子を紹介します。

今回のミッションは、「この1年間で学んだことをクイズにして、みんなで解き合う」です。各教科の復習になり、Springin’Classroom(アプリ)を使用して制作するのでプログラミングの学習にもなります。

子どもたちは、どんな問題を作ろうかなと一生懸命に考えます。また、友だちに楽しんでももらいたいので出題の仕方や演出を工夫していきます。

まずは「個」の段階。自分で考えます。

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次に「協働」の段階。友だちに教えたり、教えてもらったりして、自分のクイズにつけ加える材料を見つけます。

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最後に「個」に戻って作業をします。早速、友だちに教えてもらった出題の仕方や演出などを参考にさせてもらいます。

子どもたちからは、「自分のクイズが少し前より良いものになった。」という声が上がりました。また、「友だちにもう一度自分のクイズに挑戦してもらって、感想や意見を聞きたい。」という声も聞こえてきました。共に制作するという意識が芽生えてきています。

 

「個」➝「協働」➝「個」を3回繰り返したあとに中間報告したもの

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子どもたちは、友だちと学び合い・教え合いながら、自ら試行錯誤し、みんなでより良いものを目指しています。

今後もこのように取り組んでいきます。