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6年生「学校探検」

6年担当 瀬山 郷平、玉井 悠也、渡部 彩子

4月27日(水)に6年生が1年生に校舎内を案内して回る学校探検が行われました。「1年生が楽しく終われる学校探検」を目標に、どのように案内をしたり、案内をした場所でどんなことをしたりするのか、自主的に話し合いを重ねました。

また、この学校探検を行う前には、1週間ほど、登校してきた1年生をお出迎えして朝の準備のお手伝いをしました。1年生が安心して学校生活が送れるようサポートに努め、1年生との信頼関係を大切にしていました。

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お迎えとお手伝いの様子です。触れ合っていると1年生も6年生も自然と優しい笑顔がこぼれていました。

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準備では特別な時間は作らず、掃除を分担して時間を作り出したり、空いた時間を利用したりして、子どもたちが自ら進めていきました。

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当日は1年生と一緒に回るチームと各教室でおもてなしをするチームに分かれ、図工室やPC室、音楽室などをめぐるスタンプラリーを行いました。1年生が迷子にならないように、楽しめるように、6年生ひとりひとりが1年生の気持ちに寄り添いながら声をかけている様子が数多く見受けられました。

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子どもたちの振り返りでは、「準備は大変だったけれど、やってよかった」「一年生が楽しいと言ってくれて手ごたえが感じられた」というような内容が多く見受けられました。また、「1年生にアンケートを取ってもよかった」「もっと一年生との交流企画をつくりたい」「もっと楽しそうな雰囲気にできた方がよかった」など、次はどうした方が良いのかを振り返ることができているのは、自分たちの手で企画・実施できた手ごたえを感じることができたからだと思います。

学校探検後も、6年生のフロアに1年生が来たり、6年生が1年生のところに行ったりと、交流を続けている様子が見られています。

以上

 

 

3 年生  科学「オンライン学習~磁石の不思議~」

 3年科学担当 土居 栄秀
 オンライン授業が続く中、子どもたちの科学の学習は自宅で実験を行っています。オンライン授業では、各自家に持ち帰っている(家にあるものでもよい)磁石を使いながら、「磁石の不思議」について迫っています。実験してみることで、磁石の意外な性質も発見することができ、子どもたちも興味深々に取り組んでいます。
 また、普段から科学の授業では、「本物に触れること」「本物を観ること」を何より大事にしています。まずは、自分でいろいろ試しながら発見していくことの喜びを感じてもらいたいと思っています。

桐蔭学園でのオンライン授業期間は今年度 2 回目となります。1 回目のオンライン期間に発明品(おもちゃ)企画第 1 弾を行いました。そこで、今回、磁石を使った発明品(おもちゃ)第 2 弾を行っています。

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磁石の性質を利用して子どもたちの創造力の詰まったものが、ロイロノートの動画でたくさん送られてきています。言葉やテロップでの説明を入れたり、動画に音楽をいれて編集したりと子どもたちがタブレットを操作する技術も同時に上達しているようです。

 

自分で作った発明品をお互いに見合うことで、会いたくてもなかなか会えない友だちのことも、考えられる時間にもなってくれると嬉しいなと感じます。

 

 

3年生 算数「折ったり、区切ったりして見てみよう!~タングラムをロイロノートでやってみよう~」

3年算数担当 船曳 巧頌

3年生を対象に、オンライン期間の午後に希望者に「算数の部屋」という講座を開設しています。今回は、オンライン期間に入って、3回目の講座でした。30人の子どもたちが参加しました!

「タングラム」は、ホテルや民宿にも置いてある子どもも大人も楽しめるパズルです。これを算数的な視点から考え、いろいろな形を作っていきます。

まず、初めにA4の用紙を用意してもらい、「どんな形かな?」と復習から入りました。「2回だけ折って正方形を作ってみよう。」と投げかけたところ、「意外と難しい。」という声が子どもたちから聞こえました。
でも、正方形の特徴を思い出してみると、「すべての辺が同じ長さ」ということにたどり着きました。
「同じ辺の長さを作るには…?」
「そうだ!斜め(対角線上)に折ることで、辺が重なり4辺とも同じ長さになる♪」

 


そんなところからスタートし、タングラムの理解を深めていきました。タングラムは正方形を意図的に区切った形や直角二等辺三角形や正方形、そして平行四辺形などの決まった形があります。

オンラインであったので学校に教科書を置いてしまっている子もいたので、タングラムをロイロノート上でも使えるようにしました。

 

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ロイロノートには、画像を回転させる機能があります。置きたい向きにできるように、回転させられるようにしました。回転の機能の問題上、どうしてもできない向きがあるので、その向きにできるように予備の物も用意しました。

また、子どもの中には、その形を複製の機能を使って「いくつか、使っていいならこれもできたよ!」と教えてくれました。
「先生が複製をすることを予想していなかったよ…。」
子どもたちは、大人の発想をいつも超えてきます。
子どもたちのあっぱれな取り組みでした。

 

以下のように、子どもたちはタングラムやロイロノートの機能を使って、いろいろな形作りをしました。

  

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5年総合(探究)「職業について考えてみようPart1(業界・業種)」

5年担任 渡部 彩子

2学期の総合学習では、「業界・業種」を題材に探究活動を行いました。
今回の活動のゴールは「就職説明会」です。自分が調査した業界・業種についてクラスや学年のみんなに向けて説明会を行い、その業界に就職してもらうことを目指します。

 

まずは、「興味のある、やってみたい、ワクワクする業界」について、クラスで説明会を行います。
業界の調査、資料作成と発表は、同じ業界を選択した仲間とグループを組んで取り組みます。説明を聞いてくれる人たちに「就職したい!」と思ってもらえるよう、自分たちがその業界の仕事、そして魅力を知るところからはじめました。
説明会実施にあたり、業界の魅力を説明する「就職情報誌」を作成しました。その業界で実際に仕事をしている人になりきって作成します。

 

そして、作成した「就職情報誌」をもとに、クラス内で発表を行いました。

次は「どんな魅力を感じているのか知りたい業界」について、クラスをこえて学年全体で説明会を行います。まずは、1つ目で作成した「就職情報誌」について振り返り、2回目の説明会に向けて、情報誌作成に必要な要素や魅力的な書き方について考えました。そして、次の情報誌作成にあたって取り入れたいことをロイロノートのダイヤモンドランキングにして整理しました。

次に、実際に情報誌に盛り込む内容を、どのような順で書いていくと伝わりやすいのかを考えてプロット図を作成しました。

各個人でこのような振り返りと情報誌作成に向けた下準備をしたところで、実際にグループで集まって情報収集や情報誌作成等、説明会へ向けた準備を行いました。

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いざ2回目の説明会。今回は学年全員の前での説明会です。子どもたちは、多少緊張している様子はあったものの、2回目の説明会ということで、1回目を踏まえて資料(情報誌)を作りこんだことが自信となったのか、どのグループも立派に説明することができました。

この2学期は、「まとめ・表現」、特に、「資料作成」に重きをおいて活動を行いました。今回は、「自分の業界に就職してもらうにはどうすればいいのか」を出発点とし、そこに必要な内容や表現方法について、2回の説明会を通して学習しました。3学期は、この2度の説明会を経て「就職したい!」と思った業界へ実際に就職し、その業界に属する職業について個人で探究活動を行っていきます。

 

2年生図工「わくわく おはなしゲーム ~すごろく作り~」

授業者 大井勇輝

すごろくは、「サイコロを振り、出た目の数だけ進む」という単純で分かりやすいルールで、誰でも遊ぶことができるゲームです。アイディア次第では、表現する世界を様々な方向へ広げたり、工夫して仕掛けを作ったり、おもしろさを深めたりすることができます。始めに、みんなですごろくで遊びましたが、何とこのすごろく、私(授業者)が小学生の頃に作ったすごろくなのです!初めてすごろくで遊ぶ子もいたので、ルールを確認しながら何度も遊びました。どのグループも自然と笑顔が生まれます。これもすごろくの持つ魅力のひとつなのかもしれません。

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本題材で作るのは「ただマス目を進ませるすごろく」ではなく、マス目にストーリーのある『おはなしゲーム』です。ルールはすごろくと同じですが、自分で考えたお話をきっかけに、マスの内容やもっと面白くなる工夫を取り入れられるように子どもたちが考えられるようにしました。そこで、今回使用したのがシンキングツール【フィッシュボーン】です。フィッシュボーンを使って、自分で作ったお話に合ったマスの内容や工夫を考えました。「すすむマス」「もどるマス」「やすむマス」「もっと楽しんでもらう工夫」という4つの観点に分けて多面的にゲームの内容を考えていきます。友だちとシンキングツールを見せ合いながら、自分たちが作ったお話について自然と相談する姿が見られました。
 

次の授業では、家でマスが進む設計図を考えてきた子、家で作ってきたすごろくで遊ぶ子、マスの内容だけではなく形や色も工夫している子、マスの順番を考えながら並べる子、様々な子どもたちの姿が見られました。まだ作り始めたばかりですが、「作る⇔遊ぶ」を繰り返しながら試行錯誤し、よりよい作品を作りたいという思いが、子どもたちの中で広がっているようです。完成に向け、もっと楽しんで取り組みたいと思います。

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3年国語「班で意見をまとめよう」~進行を考えながら話し合おう~

実践者:三年三組担任/三年国語担当 平岡 拓

本単元は、「班で意見を出し合う過程を学習する」ことと、「司会を立ててお互いの意見を聞き合い、まとめていく」ということが目標です。各自一冊ずつの絵本を持ってきて、その中から自分たちで話し合った「決め方」に沿って『班の一冊』を選びました。そして、その一冊を一年生に向けて読むときにどのような工夫をしたらいいか話し合い、実際に二十分の時間の中で読み聞かせをし、交流活動を行いました。

今回の話し合いでは、初めて司会を立てて進行をしました。子どもたちの中には戸惑いを見せる子もいましたが、話を進めていく中で「進行の助けとなる人」や「うまい言葉を使うこと」が話し合いをスムーズに進めてくれることを実感している様子でした。「絵や文字をきれいだったり、絵本の中の文字が大きかったりしたらいいんじゃない?」「一年生だから短い時間で読める本がいいよね!」「一年生に集中してもらうためにダンスをしてみよう!/かぶりものをしてみよう!」「読むときは目線を合わせたほうがよくない?」「最後に感想を聞く時間を取ろう!」など、子どもたち同士で話している様子は、どれも三年生らしく、よく考え、相手(一年生)のことを思いやろうとする、大変優しさのあるものばかりでした。

☆話し合いの様子


 

 

実際に行った「一年生への絵本の読み聞かせ」では、三年生の一班(3~4人)と一年生の一班(同じく3~4人)とがペアとなり、行いました。自分たちが話し合った成果を出すために意気込んで向かう姿は、大変微笑ましく感じました。
最後には「緊張した!でも、一年生がよろこんでくれていたからよかった!」「ぼくの/わたしの話を一生懸命聞いてくれてうれしかった」「自分の話し方がよくないことが分かったし、〇〇くんを見習いたい」「たくさん話し合った成果が出てよかった」など、たくさんの声が聞かれ、経験したからこそ得られることがたくさんあったようです。今回の授業を通して、話し合いの難しさやみんなで創っていくことの楽しさ、そして他学年と交流できたことによって、次につながる新しい学びを得ることができたと思います。

☆一年生へ読み聞かせの様子

 
  
 

教科横断的なiPadの活用(動画撮影)

2年 図工『コマどりアニメーション』, 国語『お手紙』

授業者 大井勇輝,田中史彦

〇9月のオンライン学習時

「実は、大井先生は魔法を使うことができます…。」

そのようなことを導入で話しながら提示したのが、キャップが勝手に動き出す動画です。子どもたちからは、「ひもで引いている!」「磁石の力で動かしている!」「絶対CGだ」など様々な予想が飛び交う中、「写真をとってつなげている」と教えてくれた子がいました。「なるほど~」と仲間からの声が出てきました。
今回の活動は、ロイロノートを使用して『コマどりアニメーションの制作』を行うことを子どもたちに伝えました。そこで、こちらで準備した資料も交えながら、作り方をみんなで共有しました。
子どもたちは、ロイロノートを普段から使い慣れている分、飲み込みも早い印象でした。
制作時間に入ると、コマドリ写真を撮るシャッター音が聞こえてきました。「あーずれた…」「倒れちゃった~」という声が聞こえてきました。提出された作品を見ると、集中して取り組んでいるのが画面越しからも伝わってきました。
「友だちの作品も見てみたい!」と子どもたちからたくさんの声が聞かれたので、完成した作品をみんなで共有しました。中にはストーリー性のある作品も見られました。オンラインだからこそ、自宅にあるものを活用し、制作に没入する子もいました。
オンライン授業終了後、「すごいのができたよ!」と見せてくれたのが、写真230枚のコマどりアニメーション作品です!
 

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音読劇

アーノルド=ローベル作の『お手紙』を読み、音読劇を行いました。
「今回の音読劇はチームで分かれて動画撮影をします!」と、
子どもたちに伝えると、普段から動画に親しんでいる子たちは大張り切りでした。
動画の良さを生かして、何度も取り直しをしたり、撮影のアングルを変えたり、工夫して取り組んでいました。
「よーい、スタート!」「オッケー」等、さながら映画撮影の様な声も飛び交っていました。
いざ、発表になると、動画編集したかの様なものまで飛び出しました。よくよく聞いてみると、「図工で習いました!」とのことでした。図工で取り組んだ『コマ撮りアニメ』の技術を応用して動画の作品に仕上げていました。子どもたちの発想や成長には日々驚かされます。

動画の一部の画像をご紹介します。どこまで、作品の正解に近づけることができたかな?
 

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「造形遊びの日」

 桐蔭学園小学校では「造形遊びの日」という行事を実施しています。
 「造形遊び」とは表現活動の一つで、作品の完成を目的とせず、「子どもたちが、遊ぶように」造形活動を行う中で、素材の扱い方や表現の工夫などを自ら発見し、表現を深めていくことを目的とした活動になります。
 本校図工科では「五感を育てる」ことをテーマにこの活動に取り組んでいます。
 昨年度からは、それに加え6つのキーコンピテンシーのひとつである「創造力」を育む場のひとつとして活動内容もさらに検討を重ねています。
 ICTを多様に活用するようになった教育現場の中で、手を動かし、素材と格闘し、仲間と相談しながら一つの活動に取り組むことは、私たち人間に備わった「創造力」を育てる格好の機会でもあります。
 今年度は天候に恵まれず、多くの学年が室内活動となりましたが、それでも子どもたちは思う存分活動をし創造力を発揮していました。
 将来、どのような職業につき、どのような活動をするにしても、何かを「表現をする」場面は必ず訪れます。自らが作り手とならずとも、「ものづくりの楽しさ」を理解しているかどうかは、社会を生きる上で大切な要素だと私たちは考えます。その心構えを少しずつ学校生活の中で育めればと思います。
 ひたすら新聞紙と格闘すること、真っ暗な教室でライトを灯してみた時に見えた美しさ、自分の作品が陽光の下で風に舞う美しさ、そういった心の動く体験を幼少期にたくさんしていることは心の奥底で表現力の基盤をり、成長してからも大きく役立つと考えています。

当日の活動の様子を一部ご紹介します。ご覧ください。

【1年】色水あそび
 ペットボトルに赤・青・黄の三原色の絵の具をといてオリジナルの色水を制作しました。
また、もう一本は色ペンで絵を描きました。その後、2本のペットボトルを建物に見立て、街をつくっていきました。(後日晴れた日にグラウンドで並べてカラフルな影を楽しむ予定です)

      
 

【2年】新聞紙遊び・地球と教室に描いてみよう
①ラーニンスペースに設置されたスズランテープを起点に、新聞紙をちぎってつなげていきました。普段見慣れた場所が大きく変わっていく面白さに、子どもたちの制作スピードも加速していきました。
②校舎裏の駐車場や教室で大きな絵を描きました。巨大なキャンパスなので手先ではなく体をつかって絵を描くことができました。

      
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【3年】つなげてみよう
本来は屋上で行う予定でしたが、悪天候のため室内で実施しました。不織布をつなげて教室をカラフルに彩りました。

      
 

【4年】新聞紙あそび
「異世界へ」をテーマに、毎日使用している教室を変身させていきました。

      
 

【5年】光のキレイをさがそう
ハーモニーホールの照明を落とし、その中で活動を行いました。
光と素材を組み合わせることでうまれる様々な光を生かして造形物を制作しました。

      
 

【6年】風の通り道
見えない風を可視化する活動です。校舎内の様々な「風が通る場所」を探し、そこに造形物を設置することで風の動きを表現しました。

      

 

3年 科学「音の大科学実験から生まれる子どもたちの発想力!」

生活するうえで、「音」は科学を理解するのにとても大切な要素です。音は、私たち人間にはコミュニケーションや表現方法として「言葉」や「音楽」として使われます。目には見えない「音」をどのように感じるか。身近なものを解き明かすのが3年科学の大切な要素です。

●糸電話による学習
「糸電話」という教材は、音を伝えるのに「糸」という一つの素材に絞ることで、特性に気が付きやすい教材の一つです。まずは、友だちと一対一で糸をどのような状態にすると、音が相手にうまく届くかを調べました。
2人で相談しながら「一番よく聞こえる状態」を目指して試行錯誤しました。
「糸をしっかり張ると良く聞こえる。」
「話しているとき、糸に触るとビリビリしている。」
「ゆるむとダメだね…」

   

そして、自然と「糸電話同士を合わせると、みんなで聞こえるんじゃない?」という意見が出ました。それは、糸が振動していることを実感するからこそ生まれる発想です。
「糸を絡ませると、みんなで聞こえるようになる!」

   

振動する糸によって声が相手に伝わるということを確認したら、次は、糸の素材を変えてどのように変化するか体験してみました。用意したのは「たこ糸(綿糸)」「銅線」「ビニールひも」です。それぞれ協力して制作し、思うまま実験をしては、結果をタブレットPCへとまとめていきます。

   

   

「銅線にすると、お風呂で話しているみたい!」「すごく響いてい聞こえるね」「土管の中みたいだね」「銅線がたるんでも少し聞こえる!」
「ビニールひもは音がきれいだ!」「クリアに聞こえる!」

      

自分の声がさまざまな素材を介して相手に届く感覚を得た子どもたちに、いよいよ本題を提示しました。

「今、話をしている先生の声は、どうやって君たちの耳に届くでしょう?」

 

●音の大科学実験
この問題に答えるために、次の実験を行いました。
①クラスの半分が一列に並ぶ。
②笛の音が聞こえたら、すぐに手に持っているスモックを上げる。
③その様子をタブレット型PCで撮影する。
実験班と撮影班を入れ替えながら、それぞれどのように音が伝わるのかを確認しました。

   

   

   

「笛の音が聞こえたら、すぐに振り上げようね!いくよ~」「ピッ!!」 バサバサ!
「おわぁぁ! 波みたいに順番に上げていく!その様子が動画でとれたぞ!」
「しまった!この角度の撮影だとわかりづらい!先生、もう一回やってください!」
実験での撮影方法の詳細は教えず、自分たちでどうやったら現象をわかりやすくGETできるか、試行錯誤するチャンスとしました。
「こっちの角度のほうが、全体が見えてわかりやすい!」「僕は一直線に映るようにするから、キミは真横から撮って!」「スローモーション撮影するとわかりやすいかも!」

実験は何度も繰り返し、音が伝わる様子を最も上手にGETできたものをロイロノートで共有し、みんなで分析し、考察を考えました。

 

●テストでの発想力
このように、子どもたちが実際の体験で感じ取った知識は、決められた問題を解決するだけでなく、ほかの発想を生み出し、応用していく「エージェンシー」につながります。

以下の問題は、3年生が3月に行ったテストの一部です。

この問題で重要な問題は(4)です。
「A君からD君の4人が同時に旗を上げるためには、先生と4人をどのように並べればよいか、図を描きなさい。」

実験を踏まえて、音が伝わる様子のイメージが強くついている子からは、新しいアイディアがたくさん出てきます。
まずは、「横に並べば、音は同時に伝わる」と、知識を変換することができたチーム。

   

縦に並ぶのではなく、「横に並べばよい」ということをテスト中に思いつき、しっかりと記述されています。
しかし、多くの子はこの発想では止まりませんでした。「この4人は本当に同じ距離なのか…。」と、さらに深めました。
そして、たどり着いた答えが以下のようなものです。

      

   

つまり、等距離になるように先生を中心に円を描くということです。

この思考までたどり着いたグループの考え方は、横一直線の解答から、まずは、少しカーブさせてくるようになっています。そして、「ハッ!」とひらめき、「先生から同じ距離の集まりは円になる!そうか、この答えは、『円を描く』ということなのだ!」というゴールにたどり着いたのでした。
実際に体験し、タブレット型PCで動画を撮り、みんなでじっくりと振り返る活動を通して、「音は空気が震えて、波のように伝わる」性質を持っているということを実感し、それを3年生ながらしっかりと活用することができました。この音の問題の正答率は80%を超えていました。

「見えないものを見えるように工夫する」ことで、子どもたちの身の回りにあるさまざまなものが不思議に見え、もっともっと知りたいという好奇心が湯水のように湧き上がってきます!

 

「図工・作品展示会鑑賞」

本校では例年1月下旬の授業参観に合わせて「展覧会」を実施しています。在園、在校生の保護者をはじめ、一般の方にも本園、本校の1年間の教育の成果をご覧いただいています。今年度は残念ながら新型コロナウィルス感染症拡大のため、保護者の方のご来校と一般公開ともにかないませんでした。しかしながら、児童の鑑賞の場として平面作品のみ展示しました。

昨年までも鑑賞の際に、以下のワークシートを用いて各学年とも文章で自分の感想をまとめることを行ってきました。

※昨年までのワークシート

今年度は児童用iPadが導入されたので、ロイロノートというソフトを活用し、新しい鑑賞の方法を取り入れました。

ステップ1:「これは良い絵です」というのは簡単だけれど、「何が、どこが」良いのかという理由がわかると相手にも伝わるし、自分の作品作りにも生かされます。そこで、この「理由」を想像して、作品の良いところを表す言葉をたくさん考えてみよう、という問いをしました。まず、各自が思いつく「作品をプラス評価する言葉」を挙げてロイロノートで提出をしました。

   

   

ステップ2:ロイロノートは、提出されたカードが共有されるので、自分の考えた言葉だけでなく、友だちが考えた言葉も使いながら、自分が作品を鑑賞するときの4つの観点を決め、シンキングツールのXチャートに設定をしました。
観点を決める際、どうしても教員は定型の言葉を使ってしまいますが、子どもたちが自分で観点を設定することで、より自分の想いに沿った鑑賞ができたのではないかと思います。

ステップ3:ここまでの準備ができたら実際に作品を鑑賞します。まずはiPadに頼らず、自分の「眼と心で感じる」時間をつくり、その後、自分の心に響いた作品を自分のiPadで撮影し、Xチャート上に配置しました。

      

   

   

ステップ4:完成したチャートを見ながら、自分が特に気に入った作品を選び、文章で感想をまとめました。

   

鑑賞の授業は、「見る」活動は楽しくても、「感想を発表する」活動が児童によってはハードルが高くなる場合があります。今回、シンキングツールを用い、4つの観点を子どもたち自身が設定して鑑賞に臨んだことで、積極的に鑑賞に臨む児童が増えたように感じました。まとめの文章も、例年より子どもらしい自然な表現の文章が多くみられました。
作品を「眼と心で感じた」ときの第一印象を、シンキングツールを用いたことで具体的に言語化することができるようになったのではないかと思います。
図工は「制作」「鑑賞」の両面を学ぶ授業であると、子どもたちによく話しています。この特別な1年の中で、週1回の授業も例年とは進行が大きくことなりましたが、最後に鑑賞の時間をもつことができたことで有意義な時間と貴重な経験を得ることができました。
子どもたちの生活も制限がつづく日々ではありますが、鑑賞の眼を養うことで日常の中から小さな喜びを発見していける心を育てていきたいと考えています。