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「遊び」としてプログラミングを取り入れた新しい保育のカタチ

桐蔭学園幼稚園では、子どもたちが、ロボット玩具を使った遊びを通じて楽しみながら「物事」について「筋道立てて考える力」や「見通しをつける力」「想像しながら創造する力」を育てる方法の一つとして「プログラミング」を取り入れて、実践しています。
年少組は2学期から、年中組は通年で「alilo(アリロ)」を、年長組は「プログラミングカー」を使って取り組んでいます。
本園のプログラミングは、ロボット玩具を使った「遊び」の中に課題を持たせ、その中で目標を達成したり、他者との協働を図ったり、「できる・面白い・もっとやりたい」と感じることから自信・自尊心・意欲・向上心を育てたりする非認知スキルを磨く経験に結び付けることを狙いとしています。そこで、子どもたちの好奇心や関心・意欲を高めるため、どのクラスも複数名のグループによる「遊び」を中心とした協働学習として行っています。
そして、そこでは「アナログ」と「デジタル」とを融合した形の「学び」を取り入れています。まずは、課題を「お話」として聞かせ、聞いたお話の順序どおりにどう動かす(進ませる)のかをシートやマップ上で考えさせます。それを同じグループのおともだちと一緒に相談したり、確認したりしながら、ロボット玩具を動かして試します。うまくできれば、より関心も高まり、成功体験を得て自信に繋がります。うまくいかないことも大事なことで、どこで間違えたのかを探し、それに気づき、修正することで、忍耐力にも繋がり、洞察力や観察力も育てることに繋がります。こうして試行錯誤しながら思いどおりにできたことで大きな達成感も得られます。また、このロボット玩具が自分の思いどおりに動くことに、より愛着を持ち、おともだちと一緒にロボットで遊ぶ時間をもっと共有したいと思うようにもなっているようです。
年少組では、aliloに装備されているボタンを使って、順序どおりに動かしていくことでプログラミングし、順序立てた思考を経験します。
年中組では、その先の経験として、プログラムが組み込まれたパネルを並べ、どのように並べれば求められている課題がクリアできるようにaliloが動くかと順序立てを想像したり予測したりしながら見通しをつけていこうとする思考を経験します。
年長組では、プログラミングカーを使って、さまざまに提示される条件をクリアして目標を到達するように向かわせます。一つの課題には、何通りもの答えがあり、その中で、どのような道筋で、順序で、どのようにして動かせばよいかを想像したり予測したりし、多くのアウトプットをしながらより合理的な方法を創り出していこうとする思考を経験します。
このように、ロボット玩具を使った「遊び」を通じて、年少組から年長組へと段階を経ながら、楽しみながら「考える」ことを体験し、協働しながら問題を解決する経験をしています。「楽しく取り組む」ことから「好きになる」ことへと繋ぎ、やがて「できた!もっとやりたい!」という気持ちが芽生えていくことを大切にしています。

 

年中組「alilo(アリロ)によるプログラミング」
 
 
  
年長組 プログラミングカーによるプログラミング

 

5年 生き方探究(キャリア教育)の実践報告

本校の総合学習では、3つの柱を作り、取り組んでいます。その3つは、「環境・生命」「リーダーシップトレーニング」「キャリア(生き方)教育」です。5年生になると、本格的な「探究」活動が始まります。まずは、「求める」ことを大切にして、「探求」から始まります。やがて、学びが深まるにつれて、「求める」ことから「究める」ことへとつながっていきます。5年はまず「米」の学習をします。「生命」のテーマにつながる「探究」です。そして、6月には「田植え」を行い、現在も「米の調べ学習」に取り組み、深めています。秋には稲を収穫し、冬のもちつきへとつながります。
今回は、同時進行で取り組んでいる「生き方を探求しよう」という「探究活動」の実践報告です。まずは「自己理解」をしっかり行おうということから、「他の人の生き方」を参考にする「探求」が始まりました。そこで、「人生の先輩」として、音楽ディレクターの方や絵本ナビの編集者の方などから、「自分の好きなことを生かして現在の仕事をしている」というお話をビデオでいただきました。この取り組みの区切りとして、現在、テニスのトレーニングコーチをしている卒業生の小澤宏幸氏にZoomを使った生の声を聴く機会を得ました。以下、5年学年主任の吉川慎司教諭による「生き方探究」の説明と、小澤氏を迎える前説と当日の様子です。
【7月7日の実践~卒業生 小澤 宏幸氏を迎えて】
(指導概要)

(当日の前説プリント)


Zoomでの様子

ワークシートに書き込む

質疑応答を考える

 

登園・登校再開(幼稚園・小学校)

 7月から登園・登校が再開して1週間が過ぎました。
 笑顔の子もいれば、心配した面持ちの子もみられ、初日は様々でした。しかし、二日目になると、検温したり、ソーシャルディスタンスを守ったり、手洗いやうがいをしたりして、元気いっぱいに生活する様子が見られました。以下は、毎日の生活の中での幼稚園と低学年の担任の日誌にうかがわれる子どもたちの様子です。
 
【幼稚園】
 登校が始まって、初めての週末を迎えました。全員で過ごすと、密になる場面がいろいろあるので、どうなることかと気を揉んでいましたが、なんとか3日間を終えることができました。新しい生活様式に教員も子どもたちも、少しずつ慣れてきたと思います。今週は子どもたちも先生たちもみんな、気を張って過ごしていたので、週末にゆっくり休養して、また月曜日に元気に幼稚園生活を始められるように願っています。
 年少さんも、他のクラスの先生たちにお手伝いいただき、元気に遊び、給食をもりもり食べて帰っていきました。まだまだ朝の登園バスでお家の人と離れがたくて泣いたり、帰りに疲れて泣いてしまったりする子もいますが、保育時間中は楽しく過ごせているので、泣いている年少さんを幼稚園全体でサポートしていきます。   

 今日は、年長さんに、「バスの中で、泣いていたり困っていたりする年少さんがいたら、お世話をしたり面倒をみたりしてあげてね。」とホームルームで話すと、帰りのバスで、年長さんの中の一人が、眠いけど寝られない年少さんの頭をなでなでしてあげていたと園バス添乗の教員から報告がありました。年長さんにとっても成長のチャンスなので、異学年で関われることを増やしていきたいと思います。

      

 

【小学校】
~1年~

☆七夕の日
 今年はコロナ禍の中、例年のように「七夕子ども会」として楽しむことはできませんでした。しかし、それぞれのクラスで、短冊に願いごとを書いたり、笹竹を飾り付けたりして過ごしました。笹竹に短冊を結びつける作業を、子どもたち自身にさせてみました。すぐに助けを求める子がいるのではないかと心配していたのですが、どの子も、何とか工夫しながら笹竹に結びつけていました。自分なりの力で、あるいは友だちと力を合わせて困難に立ちむかおうとする気持ちの強さは、今後の生活に大きく影響します。
 今日は、なかなかよい感触を得ることができました。

  

 

~2年~
☆エダマメ収穫
 今日は校内にある畑に行って、エダマメの収穫を行うことができました。ところどころで霧雨になる時間がありましたが、気になるほどではありませんでした。湿度も高めで、なるべくレインコートを子どもに着させたくなかったのでよかったです。子どもたちは畑にたくさんできたエダマメに驚きながら収穫作業を行いました。初めは、おっかなびっくりだった子たちも徐々に作業に慣れていき、全員が無事収穫作業を終えることができました。学園の植栽の方々にたくさんお手伝いをいただきました。

☆七夕の日
 まず、「七夕とは何?」というところからみんなで確認を始めました。子どもたちには七夕にまつわる話を動画〈市川悦子さんのまんが日本昔話〉で見ました。七夕の成り立ちを知ってから、短冊書きと笹の飾りつけを行いました。この日は、エダマメの収穫で時間があまりなかったですが、子どもたちは七夕の雰囲気が感じられたと思います。

      

 

分散登園の実践(幼稚園)

 幼稚園の園児が分散登園を行いました。保護者の方に園まで送迎していただきました。今年度に入って、年長・年中・年少組の初めての登園の様子をそれぞれ紹介します。

【年長さくら組】6/24(水)
 久しぶりに幼稚園に登園したうれしさと、年長組になったうれしさで、笑顔いっぱいのさくら組さんでした。
ソーシャルディスタンスを保ちながら過ごすことを知り、実際にマークの上に立ってみて、お友だちと離れて立つという体験をしてみました。紙芝居を見たり、みんなで手遊びをしたりして、楽しく過ごしました。動画で見ていたあさがおとも、初対面を果たし、歓声を上げていました。
 7月にクラスみんなで会うのが楽しみです。


①玄関で、先生に熱を測ってもらいました。

 

②手遊びでお友だちとエアータッチ!!

 

③ソーシャルディスタンスマークの上に立ってみました。

 

④「先生のあさがお、すごいね!」幼稚園のあさがおを観察しました。

 
 

【年中ひまわり組】6/25(木)
 久しぶりの登園に、はじめは緊張気味の子どもたちでしたが、HRを進めるにつれて朗らかな笑顔がみられました。
 コロナ禍の中での、トイレや手洗い場の使い方や正しい手洗いのやり方を学んだあとは、手遊びしたり、絵本を読んでもらったりして、楽しく過ごしました。帰る準備をしていると、「もっと、遊びたかったなぁ。」と名残惜しそうな声が聞こえてきました。
 子どもたちが7月から安心して通えるよう、私たち教員も準備をしっかりしていきます。


①初めて会う園長先生とエアーハイタッチ

 

②ソーシャルディスタンスを守って、靴の履き替え。

 

③みんなで手遊びをして遊びました。

 

④先生が読んでくれる絵本を楽しみました。

 
 

【年少ひよこ組】6/26(金)
 年少さんにとって初めての登園でした。靴を履き替えるのも、先生と会うのも初めてなので、緊張している子もいました。
 HRが始まり、ごあいさつをしたり、名前を呼ばれて大きな声で返事をしたりすると、子どもたちは元気な声とかわいい笑顔を見せてくれました。手遊びをしたり、歌を歌ったり、紙芝居を見たりして、あっという間に時間が過ぎ、楽しい時間を過ごすことができました。
 7月からの登園が楽しみです。


①靴袋の開け閉めはなかなか難しいね。

 

②シール貼り上手にできました。

 

③自分のロッカーを確かめました。

 

④みんなで楽しく手遊び♪

 

6/12(金) 1年生と6年生によるZOOMでの交流活動(探究活動)

6年生の企画により、1年生とのZOOMによる交流活動が行われました。時間帯で数グループに分けて、交流会を行いました。
6年生は、これまでリーダーシップトレーニングの一環として、1年生に「学校の魅力を伝えよう」というテーマで探究活動を行ってきました。「学校へ行くのが楽しみだな」と思ってもらえることを今回の目標にして準備をし、自分たちの取り組んできたことが1年生に伝わるように練習をしました。自分の話し方、話すスピード、表情などに工夫をしてできるように、当日に備えました。この交流会を通じて、他の友だちの様子などからの学びもたくさんあったようでした。
7月から登校を再開します。6年生は、実際に1年生に会うのが楽しみになったようでした。とてもよい経験と学びになったようです。

    

 

分散登校の実践(1・2・6年)

 3・4年の分散登校の実践報告に引き続き、1年・2年・6年の様子も紹介します。

【1年】
 6月19日(金)、ついに初めての登校。しかし、残念ながら、雨の日となってしまいました。それでも、学校に到着した1年生たちの様子は、子どもたちも保護者の方も、みんな、とてもうれしそうでした。
 教室では、担任が一人一人の名前を呼ぶと、みんな元気な声で返事をしていました。出欠確認と健康チェックの後、オンライン学習の「探究」で作った「お野菜クイズ」をみんなで楽しみました。
 今週のZoomホームルームでは、他のクラスでも共有します。

      

 

【2年】

 一人一人のスピーチで「学校でやりたいこと」を大きな声でみんなに伝えました。しばらく登校できず、友だちにも会えなかったので、みんな「やりたい」ことがいっぱいあるようです。
 その後、オンライン学習で取り組んだことを基にして「探究クイズ」をしました。
 このゲームを通じて、みんなで「心が一つになる」ことの楽しさや大切さを、子どもたちも私たち教員たちも改めて感じました。

 

【6年】
 「今の気持ち~3ヶ月ぶりの登校」として、一人一人がみんなに自分の気持ちを伝えました。これまで、何気ないく当たり前と思っていた「友だちと会うこと」が、子どもたちにとってはとても大事だと気づく1日となりました。
 スピーチの後、レクリエーションをしたり、Zoomを使って分散した教室をひとまとめにして活動したりして、「クラスのつながり」を大切にしました。
 次の週は、Zoomを使用して授業を行う予定です。

 

分散登校での「探究活動」の実践(4年)

 「子どもたちが安心して登校できる」ために、「登校する前にできる」ことを考えました。4年生という年齢は、大人によくみてもらいたいと思うことよりも友だちとの関係を大切にすることに価値の重きが移行していきます。そういった気持ちの中で、しばらくの間友だちに会っていないという状況に大きな不安感を感じるであろうと考えました。そこで、「登校する前に、互いの考えていることを共有し、ある程度の共通理解がある状態で、安心して登校できるようにする」ことをねらいとして、以下の実践を行いました。

1 1週目(6/2)Zoomによるオンラインのホームルームで、『互いの想い』を出し合う。
 始めに、長い自粛期間を経て、6月中に1回、そして順調にいけば7月から登校できるようになる、という事実を話しました。そして「登校することになったとき、ワクワクすることは何ですか?」と問いかけました。子どもたちからは、「友だちに会えること」「友だちと話せること」「先生に会えること」「みんなと授業を受けること」「みんなと遊べること」といった答えが聞けました。ただ、その一方で「みんなに会えることは楽しいけれど、新型コロナウィルスのことを考えると、うまく接することができるか心配です。」「久しぶりに友だちにあったときに、うまく接することができず、誤解されてしまうのではないかと不安です。」といった、心配・不安に関する意見も出てきました。そこで教師から、「心配・不安なことはありますか?」と聞きました。「コロナウィルスにかかってしまうこと」「自分が感染して、友だちに無意識にうつしてしまうこと」「学校生活に戻れるかということ」などの意見が挙がりました。最後の方で、「心配なこともあるけれど、みんなも同じ気持ちだと分かって、少し安心しました。」と言う児童もいました。改めて、「相手の気持ちを共有する」「相手を理解する」ことが「安心」につながるということを、みんなで共有しました。

2 2週目(6/9)Zoomによるオンラインのホームルームで、『解決策』を考える。
 前回のZoomによるホームルームでは、一部の子の意見しか時間的に取り上げられなかったので、意見を出していない子も含めて、ロイロノートでみんなの「ワクワクすること」「心配なこと」の意見を出してもらいました。

≪子どもたちが提出したロイロノートのカード≫

  

  

このときのZoomによるホームルームでは、「ワクワクすることを実現するためにこれらの心配事をできる限りなくしたいよね。そのためにみんなは、どんなことを心がけるといい?どんなことができる?」と投げかけ、Zoomの「ブレイクアウトセッション」(小グループに分かれる機能)を利用して、話し合い活動を行いました。その後の発表では、「コロナウィルスに対して、すごく不安に感じている子もいるから、その子が安心して過ごせるように、ソーシャルディスタンスを守る。」「友だちがいつもと違う反応だったとしても、誤解しないようにする」などの意見が出されました。発表後、教師から「では、実際に来週の登校日に、①自分が今日のことを踏まえてどれだけ気を付けられたか?②友だちで、気をつかってくれた行動を見つけること の2点について、みんなに一言ずつ話してもらいますね。」と伝え、ホームルームを終えました。

3 6/16(火)分散登校日
子どもたちは、これまでに精神的なことについて、共有したり、共通理解したりすることもあり、教室では安心して過ごしている様子が見てとれました。ホームルームの始めに、子どもたちから一言ずつ、話してもらいました。

・「あまりしゃべれないから、表情で判断した。」
・「距離をとって話すことになるが、離れたときに友だちが嫌な気持ちにならないように考えた。」
・「みんなが元気よくおはようと言ってくれたことがうれしかった。」
・「靴を履くところで、隣の人たちがあまり近づかないようにと考え、バックとか寄せてくれたことが良かったと思う。」
・「みんなが大きな声を出していないのに安心した。」
 子どもたちの発言からも、今日の登校が安心して迎えられたことがうかがい知れました。

    

 互いの気持ちを理解しながら、みんなが安心して過ごせる学級づくりに向けて、貴重な一歩を子どもたちは踏み出せたようです。7月からの登校でも、6つのキーコンピテンシーの一つ「思いやり」を育み、一人一人が輝ける学級を目指し、実践していきます。

 

分散登校での「探究活動」の実践(3年)

 6月9日(火)の5年田植え実習を皮切りに分散登校が始まりました。5年以外の学年は45分間のホームルームでしたが、どの学年もオンライン授業期間に扱っている「探究」に関わる内容を扱い、子どもたちは、日々の学習との繋がりに気づきながら、みんなで活動する楽しさを実感していたようです。
この活動の一部として、6月17日(水)に実施した3年の分散登校での実践を紹介します。

 今回の分散登校は、新学年になって初めての登校です。Zoomによるオンラインのホームルームは毎週実施していましたが、みんなが対面で直接顔を合わせるのは今回が初めてでした。この分散登校での子どもたちの学校滞在時間は45分。以下の2点をポイントとして子どもたちにとって有意義なホームルーム活動を行いました。

 ・「学校に来てよかった」と子どもたちが実感できる。
 ・「楽しい」だけでなく、今までの学習や新しい学びにつながる。

 3年生は、オンラインで行っている探究活動とホームルームで扱った内容を複合させた活動に取り組みました。その内容は、「心を一つにゲーム」と「国盗り合戦」を掛け合わせた『心を一つに 国盗り合戦』という活動です。
 現在「探究」で、「産地GO」&「産地GOパート2」という活動に取り組んでいます。子どもたちは、日本全国の食材について、ロイロノート・スクールというアプリを使い、クラスみんなで協力しながら調査し、研究しています。この活動は「探究」活動に終わらず、社会科の「わたしたちのまち みんなのまち」で学習する「市のようす」という単元や、今後学んでいく都道府県の学習ともつながっています。そこで、今、子どもたちが関心を寄せている都道府県を「国盗り合戦」という形で登場させることにしました。
 また、以前YouTubeでホームルーム動画を配信した際に行った、みんなで心を一つにし、答えを合わせる「心を一つにゲーム」は子どもたちにも大人気でした。これをZoomホームルームで扱うと、とても盛り上がり、みんな口々に「楽しかった」と好評でした。このゲームのポイントは、「他人の心を想像する心」が必要であること。この登校日までの約100日間、子どもたちはクラスメイトと生活を共にすることができませんでした。そこで、このお題さえあれば、だれとでも簡単にできるゲームを通して他人と心を合わせる楽しさや喜びを感じることができるだろうと狙いました。
 そこで、この2つの活動を複合させた活動をしました。
 『心を一つに 国盗り合戦』は、出されたお題にふさわしい回答を考え、全員が同じ回答になることを目指すゲーム活動です。一番多く人数がそろった回答の人数分の都道府県を獲得することができ、47都道府県の制覇を目指します。
 今回の活動で出したお題は、「音を聞いて擬音語を答える」お題が2題と、「絵を見て擬音語を答える」お題が2題の計4題でした。擬音語を回答に設定したのは、子どもたちが4月から毎日取り組んでいる「オンライン・プログラム」の国語授業で「擬音語・擬態語」の学習をしていたためです。これにより動画配信やプリント、ロイロノートでのやり取りだけでは見えなかった「学び」を、子ども自身が楽しみながらアウトプットしている姿から直接見て、感じることができました。

    

 活動の最中には、子どもたちの「九州と四国が制覇できた!」「長野県まで進めたよ!」といった声や、「擬音語って『どきん』で学習したね!」「○○県は△△がたくさん収穫できるんだよね。」という声が聞こえてきて、楽しみながらも学びにつながっている様子が見られました。
 このように、探究と社会、国語、食育、そしてホームルーム活動と、横断的に複合した協働的な「探究活動」が実践でき、子どもたちの日々の学習の成果を垣間見ることができました。

 7月からは登校が再開します。クラスのみんなが同じ教室で授業を受けたり、給食を食べたりすることが始まります。今回のホームルーム活動のように、さまざまな学びが横断的且つ複合的にいろいろな授業と結びついたり、「探究」で学んだことが多くの教科での学びや日常的な給食の食材と結びついたりするような「新しい学び」ができる場を作りたいと考えています。
 そして、このような学習活動が、本校の目指す6つのキーコンピテンシー(資質・能力)を育む「学び」に繋がっていくように実践していきます。

 

小学校5年総合学習【実習】田植え

 5年生は、総合学習の一環で毎年学園の実習田で田植えの実習を行います。
 学園職員による田起こしの見学から、イネについての調べ、田植えの実習、生長の観察・記録、稲刈りまで行います。育てる稲は「もち米」で、12月のもちつき会でお餅になって振舞われます。自分たちの手で植え、育つ様子を楽しみにしながら観察し、刈り取って、もちつきをして食す、この流れの中で子どもたちは多くのことを学びます。
 しかし、今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から6月いっぱい自宅学習期間となりました。そこで、オンライン授業での「探究」で「米の調べ学習」に取り組んできました。
 そのうえで、6月9日(火)、小学校5年児童は保護者送迎の協力の下、分散・時差登校し、学園内の実習田で田植えを行いました。この日は30℃超えの快晴となり、コロナ対策はもちろん、併せて熱中症対策も行いながら実施しました。
 例年は、上下二段の実習田に分かれ、田植えの実習とスケッチや観察をクラスで交代しながら行っていますが、今年は、コロナ対策で1クラスを半分に分けての6グループ時差登校とし、更にクラスの半分の人数を上下二段の田んぼに分けて10人程度ずつで田植えのみを行いました。
 コロナ禍による長い自宅学習期間を日々オンライン授業で過ごす子どもたちにとって、この田植え実習はとても充実した活動になったようです。
 実習前は、初の田植えになんとなく緊張感も漂い、水田に足を踏み入れた時は何とも言えない感触を得たようでした。実際に、水田に入って田植えを始めると、みんな笑顔になり、とても楽しそうでした。何よりも、自分の手でひと苗ずつ植えていく苦労を実感できたことと、自分たちが調べている米を育てていく過程に携わっている実感を得られたのは、とても貴重な経験とよい学びとなったと思われます。
 子どもたちは、すでに秋の稲刈りと冬の餅つきを楽しみにしているようでした。
 今後は、その楽しみを胸に抱きながら、登校再開後の科学(理科)や社会、総合学習の授業での学習や観察等をとおして、米を育てることの苦労と大切さを学んでいくことでしょう。

    

 

オンライン授業・プログラム2020②

前回紹介した動画に引き続き、園児・児童に配信している「オンライン授業・プログラム」についての動画を3本公開しました!
今回の動画は、「オンライン授業・プログラム」の配信についてや、学校再開に向けてなど、先生たちへのインタビューも盛り込まれています。
ぜひご覧ください!

 

「桐蔭学園幼稚園 2020オンラインプログラムダイジェスト Vol.1」
https://www.youtube.com/watch?v=LZRsU28NE-c

 

「桐蔭学園小学校 2020オンラインプログラムダイジェスト Vol.2 低学年編」
https://www.youtube.com/watch?v=ZNDpjS26mVU

 

「桐蔭学園小学校 2020オンラインプログラムダイジェスト Vol.3 高学年編」
https://www.youtube.com/watch?v=ckB017r2YEI