『一人一台のタブレット端末で、Zoomとロイロノートで行う双方向授業』+『学校預かりシステムによる居場所確保』
8月24日より始まったパラリンピックの開会式のテーマは「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」でした。空を飛ぶことを恐れる片翼の少女が、多くの仲間たち、周りの支えもあり、勇気をもって飛び立つというストーリーに、私は胸が打たれました。
桐蔭学園の校名にある「桐」には瑞鳥・鳳凰が宿るとされています。その鳳凰が千里万里を天翔る前に、その力を養うのが桐樹の蔭なのです。そのように、「これから羽ばたく子どもたちが力を育む場所になる」という願いが込められたのが「桐蔭」の由来です。
この学校に通うすべての子どもたちが、一人一人どのような飛び方でもいい。全員が、自分の飛ぶ力に自信を持ち、仲間たちから刺激を受け、自由に、夢に向かって飛んでいってほしい。そんな想いと重なり、パラリンピック開会式は記憶に残る思い出となりました。
子どもたちがこれから羽ばたこうと練習をする空は、「晴天のとき」もあれば、「嵐のとき」もあります。新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年春からは、まさに嵐の日々でした。今まで当たり前にできたことが、できなくなり、子どもたちの飛ぶ練習、つまり「学び」が止まる危機でもありました。
その中でも桐蔭学園小学校が挑み続けてきました。
★ステップ1→TOINスタートアッププログラム(2020年4月13日~)
・「できない」ではなく、「やる」が合言葉・1本以上の動画配信(YouTubeを用いて)➡学校紹介や楽しい話題で動機づけ
・郵送での課題のやり取り➡一方向性のコミュニケーション
★ステップ2→TOIN GW プログラム(2020年4月27日~)
・複数の動画配信(YouTubeを用いて)
・ライブ配信(Zoomを使用)への挑戦
・ロイロノートを使い、双方向性の試行
★ステップ3→TOIN オンラインプログラム(2020年5月11日~6月30日)
・ALを止めない!
・Zoomによる朝のHRを行い、通常授業に挑戦。
・全教科動画配信開始(YouTubeを用いて)。 動画総数➡1500本以上
・ロイロノートにより、「課題提出+フィードバック」が可能になる。
※2020年7月より分散登校が始まり、9月より通常登校再開。
9月より全授業で一人一台のタブレット端末を活用した教育を実施。
このように、新型コロナウイルス感染症拡大の状況の中、教員たちが協力し、新しい方法を日々試行錯誤し、保護者の皆さまの支えもあり、進化することができました。ステップ1から3までを実践してきた桐蔭小にとって、フルオンライン授業への切り替えは、いたって自然に選べる選択肢となってきていました。
今回は、ステップ4として始動します。
子どもたちが飛ぶ空が「嵐」であったとき、「不安だ けど 十分に気を付けて飛ぶ。」「木の蔭でもできることがある。」ということを、自信をもって選択できる 環境 があること。これが子どもたちの学びを守ることになります。
現在、9月1日から始まるオンライン授業(ステップ4)にむけて、以下の準備を全力準備中です。
①オンラインならではの体験を!
→毎日午前中3教科ずつ、Zoomによる双方向授業の時間割を作成し、学びを確保。
ロイロノートを用いて、教材の配付、回収をリアルタイムで実施。
→午後は、午前中に学んだ活用・探究の時間に当てるほか、学年全体に学習指導要領を超えたいろいろなオンライン授業ならではの学びへの挑戦。
②オンライン期間における児童の居場所確保
→ご家庭によっては、共働きや医療従事者といったオンライン授業に満足に対応できないと不安をお持ちの場合もあるので、校舎を開き、感染症対策を行い、子どもたちを預かるプログラムで支援。
今後、各学年、どういう取り組みをしたのかを、こちらでどんどん報告させていただきます!
「コロナだから何もできない…」ではなく、「こんな状況だからこんなことができた!」と子どもたちの記憶に残る時間を目指して、教員一同励みます!
●以下、2学期開始のオンライン学習(ステップ4)のフレームワークです。
【2学期オンライン学習のフレームワーク(ステップ4)】
※9/1(水)始業式➡9/2(木)zoomHR➡9/3(金)オンライン授業開始
『オンライン学習のフレームワーク』
・オンライン学習でも,「個-協働-個」の流れをなるべく踏襲。
・必ず個人の理解度を測るために,児童の成果物をロイロで提出するデザインにします。
・提出された課題は,必ず個別または全体にフィードバックします。
以下の組み合わせの中で授業方法を選んでください。基礎的な方法は以下のとおりです。ただし、こればかりではありません。
①Zoomで授業配信+課題+提出+フィードバック(協働がないパターン)
②Zoomで授業を配信+課題+ブレイクアウトルームで協働+課題再考+提出+フィードバック
※基本,双方向性が担保できる学習デザインをご検討ください。
・学習の流れは,『話を聞く(自分で考える)⇒自分でやってみる⇒友達とシェアする⇒もう一度自分でやってみる⇒ロイロで提出⇒先生からフィードバック』を基本とします。
・教材や授業内での確認は、ロイロノートを使用。
〈期間〉9/3(金)~9/14(火)の12日間(このうち、授業日は8日間)
〈授業時程〉
・HRに出欠確認を行う(ロイロノート使用)。8:00~8:15までの全員入室確認の朝読書。
・1校時は、8:45に開始,1~4年20分間,5・6年30分間。各学年3校時行います。
・休み時間は、1~4年15分間,5・6年20分間。
・フリータイムは、「子どもたち同士でコミュニケーションをとれる時間」に使用。
・午後には、学年を問わず参加できる「講座」を2コマ行います。
〈その他〉
・フリーな時間も作り、子どもたち同士 のコミュニケーションも大切にしましょう。(少人数ブレイクセッションなど)
・午前中はライブで授業。午後はそれぞれの教科から出た課題・調べ学習などに取り組み、次の日の学習サイクルを作りましょう。