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2 2026年6月22日 【エージェンシー】運動会
3 2026年5月22日 【創造力・思いやり・エージェンシー】 2026 学校探検
4 2026年5月15日 【思いやり・エージェンシー】 他学年との関わり合いを通じて
5 2026年4月30日 【思いやり・メタ認知力・エージェンシー】6年 「1年生サポート」
 
 

【チャレンジ・思いやり】 5年生 田植え

6月2日(火)に5年生が、キーコンピテンシーの「チャレンジ力・思いやり」の育成を目指し、田植えを行いました。本校には実習田があり、この年間を通した米作り体験は、児童の主体性と社会性を育む実践の場として位置づけられています。泥に足を入れることの抵抗感を乗り越え、未知の感覚や大変な作業に対して前向きに挑戦し、最後までやり遂げるチャレンジ力、足元が不安定な環境の中で互いに声を掛け合い、助け合いながら、学年全体で一つの田んぼを作り上げる力こそ、協働性を育み思いやりの心の育成につながる大切なカリキュラムとなっています。

また科学ではお米の発芽と成長について、また社会では本やインターネットを使った調べ学習で、自分が普段食べているお米にはどのような作業が必要なのか、そしてどんな人が関わり、どのような苦労があるのか、使われている機械など、自分で調べてまとめました。

田植え一週間前には代掻き体験を行い、実習田の管理をしてくださっている営繕の方に来ていただき、稲を育てるための田んぼやその作業について、お話を伺うことができました。当日は、これまで経験したことのない泥の感触に、最初は躊躇する児童の姿が多くみられましたが、硬かった土が、トラクターを使い、代かきをおこなっていく中で、苗の育ちやすいやわらかい土に変わっていく様子を肌で感じることができました。5年生全員が営繕の方と一緒に上手にトラクターを操作することができました。

そして、迎えた田植え当日、天候に恵まれ、営繕部の方、保護者の方の準備・お手伝いのご協力もあり、無事に終えることができました。営繕の方のお話を真剣に聞き、食べ物の大切さや農業の苦労に気づき、積極的に手を挙げて質問する姿に感心しました。最初は泥に足を取られて戸惑いつつも、少しずつコツをつかみ、足が抜けなくなるトラブルに見舞われながらも、笑顔で体勢を立て直し、まっすぐ苗を植えられるようになっていく姿がとても印象的でした。翌日は台風が来る予報でしたので、深めに一つ一つ丁寧に植えていきました。実際にやってみなければ分からない経験ができたと思います。台風後も、どの苗もたくましく伸びていく姿に子供たちも安堵したようです。休み時間には田んぼ見学ツアーとして、実習田まで足を運ぶ姿も多々見られ、今後の稲の成長をとても楽しみにしていました。ミニ探究では、田んぼに来る虫や周りの自然に興味を持って調べている子供たちの姿も見られました。この体験を通して、自然や食への感謝の気もちを育んでほしいと思います。

子どもたちの日記の一部を紹介します。

「私たちの田んぼ ~どろまみれの田植え~」
私にとっては初めての田植えでした。イネを植える前には、代かきをしました。田んぼに足を踏み入れると、ありじごくにはまったように足が重かったです。代かきをしてから一週間後に田植えをしました。手作業でやるとイネが立たないときもあったので、大変でした。機械のない昔の人の大変さが味わえました。おいしいお米になってほしいです。

「楽しくて、大変だった田植え」
今回私たちは代かきと田植えをしました。最初は上手にできるか心配でしたが、やってみると、意外と簡単でした。田植えの前には代かきをしました。泥の中に入るのがいやだったけれど、入ってみると気持ちがよかったです。でも、虫に2か所もさされてしまいました。代かきのあとにはいよいよ田植えです。とても植えるのが楽しかったです。代かきの時とは少し感覚が違いました。代かきのときは、「ぐじゃっ」とした感じでしたが、田植えの時は「ねっとり」していました。植え終わったあとには、「大きく育ってほしい」と思いました。田植えが終わった翌々日に友だちと先生と一緒に田んぼを見に行きました。田植えの翌日には台風が来ていたので、倒れていないか心配していましたが、倒れていなくて安心しました。強く元気に育っておいしいお米になってほしいです。

「泥の感触」

学校の実習田で田植えを体験しました。田植えに行く前、お米や田植えについては何も知らなかったので、植えるのをとてもワクワクしていました。

まず、田んぼに入った時、足が思ったより泥にズボっと入ったので驚きました。そして、農家さんたちはこんな大量な苗を植えていることを知って、大変なんだなと思いました。

なので、お米は残さず食べようと思います。

「楽しかった田植え」                                                    今日は学校の実習田で田植えをしました。植えているときにあまり感じなかったけれど、ずっと立っていたところから動こうとすると、まるで足が吸盤にくっついたかのように足が土に張り付きました。農家さんの大変さを初めて実感しました。台風の後に見に行くと、深く植えていたので稲は倒れていませんでした。あんなに強い雨と風にさらされて大丈夫だったので、稲のたくましさに驚きました。時々田んぼに稲を見に行こうと思います。秋までに無事に育ってほしいです。

毎日の振り返りを書いている自分デザインノートには、技術的な成功だけではなく、友達が声をかけてくれたから頑張れた(他者への感謝・思いやり)や最初は怖かったけれど、やってみたら楽しかったというチャレンジ力(自己改革)のプロセスを全体の場で共有することができました。学習の成果としては、泥まみれになって実際に代掻きや田植えをする経験を通して、子供たちに「やればできる」という「挑戦」することへの自信が生まれました。その後の学校生活(委員会活動や行事など)でも新しい役割に挑戦しようという前向きな姿勢にもつながっていくと考えます。また「日常の思いやり」への昇華として、不安定な田んぼの中で培った「相手の立場に立ってサポートする」という意識が教室での班活動や、困っている友達への日常的な声掛けとして定着しつつあることに大きな成長を感じました。今回の体験で芽生えた「チャレンジ力」と「思いやり」を、秋の「稲刈り・収穫」や日々の教科学習へどのように接続的に結び付けていくか、今後のカリキュラムマネジメントに生かしていきたいと思います。

 

【エージェンシー】運動会

春開催3年目となった今年度の運動会も、「子どもたちが中心となり、子どもたちが作り上げる運動会を目指す」というコンセプトのもと実施しました。

最高学年である6年生の有志は、昨年度(5年生)の3月からいち早く実行委員会を立ち上げ、「小学校最後の運動会をどんなものにしたいか」と話し合いを重ねてきました。その中で決まった大きなテーマが「“一心同体”になれるような運動会にしたい!」という方向性です。プレイヤーも観客も全員が一つになれる運動会を目指し、実行委員全員の気持ちがまとまりました。

具体的にやりたいこととして挙がった「全員での入場」や「全校ダンス」などのアイディアをもとに、教員側の意見も取り入れながら4つのプロジェクトを立ち上げました。「開閉会式」「応援」「放送原稿・プログラム」「参加賞」の各プロジェクトでは、5年生の頃から話し合いを引っ張ってきたメンバーがそれぞれ責任者(まとめ役)となり、具体的な準備を進めました。

「開閉会式」プロジェクト

「1〜6年生が一体感を持って楽しく踊れる曲は何か?」「『桐蔭』らしさを出すアレンジや、全員が踊れるようになるための練習計画は?」と、あらゆる可能性を探りました。最終的に「ジャンボリミッキー」をアレンジした「ジャンボリTOIN」を開会式で踊ることに決定。全体練習を重ねることで、全校の一体感を高めていきました。

「応援」プロジェクト

自分たちのチームはもちろん、真剣勝負で戦う相手チームとも“一心同体”になれる運動会を目指し、「エール交換」を行うことにしました。各クラスで「応援団」を結成し、自軍を鼓舞する言葉や相手へのエールを考案。伝えるための練習に一生懸命励みました。

「放送原稿・プログラム」プロジェクト

当日のアナウンス原稿や、保護者向けのプログラム作成を担当しました。体育の先生方に根気強く取材を重ね、競技の方法や見どころをリサーチ。「読む人に競技の魅力が伝わるレイアウト」を試行錯誤した結果、非常に立派なプログラムが完成しました。

「参加賞」プロジェクト

全校児童の思い出に残る参加賞を検討し、桐蔭学園公式キャラクター「キリリン」のイラストが入った運動会仕様の「ハンドタオル」を制作することに決定。デザインを吟味したほか、配る際には「参加賞」チームの想いが一人ひとりに伝わるよう、手紙を添えて渡しました。

こうした事前のプロジェクトとは別に、当日の運営を支える「審判」「用具」「アナウンサー」「得点」「案内」「入場」「1年生サポート」「応援」の8つの係も組織されました。これらには6年生全員が所属し、事前に綿密な打ち合わせを行って仕事内容を把握した上で、予行練習と本番に臨みました。

迎えた本番。各プロジェクトや係を牽引した6年生を中心に、全校児童が“一心同体”となって競技や応援に全力で取り組み、熱い真剣勝負を繰り広げました。

特に最終種目の「騎馬戦」では、プレイヤーである5・6年生だけでなく、全校児童、そして観客席の保護者の皆様も一体となり、会場全体がまさに“一心同体”となる感動的な雰囲気に包まれました。結果は白組の優勝となりましたが、最後はお互いの健闘を称え合う姿が見られました。

※「20番写真」の脚注

「騎馬戦のときに子どもたちが作った応援旗です。運動会テーマである“一心同体”の“同”を“動”に変えて、チームで心を一つにして“動く”ことを大切に競技に取り組みました。」

この運動会を中心となって引っ張ってくれた6年生は、今後に向けて大きな成長につながる経験ができたはずです。この経験を次の活動へとつなげ、さらに飛躍してくれることを期待しています。6年生の「エージェンシー(主体性)」が最大限に発揮された、素晴らしい運動会となりました。

 

【創造力・思いやり・エージェンシー】 2026 学校探検

4月22日に学校探検が行われました。

入学して約3週間、最も身近な存在となる2年生が活動をすすめていきました。2年生は1年生の3学期から準備をしていました。

【1年生3学期】

4月になり新入生を迎えたらどのように接していけるかをシンキングツールを使いながら具体化していきました。数ヶ月前、自分たちがどのように迎えてもらったかを思い出しながら、自分たちがおこないたいことを固めていきます。

【活動の初めに書いたクラゲチャート】

今年度は、最終的には①学校探検当日にはる教室説明ポスター②学校にまつわるクイズ③学校探検に使用する地図の3つの係にわかれ準備をすすめていきました。

【2年生進級後】

2年生進級後はクラス替えもあったので、新しいメンバーで当日の動きに向けた準備を加速させていきます。昨年度中につくった地図をみながら、順路など細かなことを考えていきます。

やはり実際新1年生の姿をみることで、昨年度中は「想定」であったイメージがより具体化していきます。「手をつないであるく」「せかさない」「ただしいことをおしえる」「たのしいはなしをする」「ちゃんとまってあげる」など、当日に向けた心構えができてきました。

【お弁当会】

本番1週間前には顔合わせもかねて当日のペアで一緒にお弁当会を行い、親睦を深めました。最初は緊張もありましたが、たくさんお話をしながら打ち解けることができました。

【当日の様子】

いよいよ待ちに待った本番当日となりました。2年生は朝から何度もペアの子の名前を口に出して間違えないようにしている子がいたりルートの確認をしたりなど準備に余念がありませんでした。

学校探検中は元気いっぱいの1年生を前に体力を使い果たしてしまう2年生もいましたが、事前の準備で意識してきたことを忘れずに、しっかりと2年生としての役目をはたすことができていました。1年生は入学して3週間、担任からもさまざまな学校の説明はきいてきましたが、やはりお兄さんお姉さんとの時間は心に届くようで、より学校の情報を理解する機会となりました。

異学年交流の機会はこれからも様々な場面でありますが、最も身近な隣の学年の仲間はこれからもずっと続いていく関係となります。1・2年生お互いに学びの多かった今回の学校探検を通じて生まれたたくさんの交流がより深まっていけばと考えています。

 

【思いやり・エージェンシー】 他学年との関わり合いを通じて

桐蔭学園小学校では昨年度より1年生から6年生までの全学年の子どもたちがそれぞれ同じくらいの人数ずつ分かれて班を編成し、他学年の子どもたちと交流を図ることで学校内で挨拶や会話をし合える関係性をつくることを目的として「たてわりタイム」を行っています。

1年生は同じチームにどんな上級生がいるのかを知っていくために、2年生から5年生は同じチームの1年生が安心して話そうと思える空間をつくるために、6年生は1年生や2年生以上の学年のメンバーが交流することのできるような企画や空間をつくるために活動する中で、お互いのことを知るきっかけの機会となっています。

今回は2026年度では初めての「たてわりタイム」ということで、第一部では新たに桐蔭学園小学校の仲間となった1年生を全校でお迎えし、第二部では各たてわりチームでの顔合わせをして、6年生の子どもたちが中心となって企画した名前やお互いのことが分かるような活動・アイスブレイクを通して交流しました。6年生の子どもたちと全学年の教員が関わり合ってたてわりチームでの活動していく中で、子どもたちを中心としてキーコンピテンシーを育むことを目指しています。

 

たてわりタイムの当日は6年生と一緒に1年生が体育館へ入場し、2年生以上の子どもたちが歓迎をしました。1年生はドキドキしながらワクワクしながらも、上級生の前に堂々と立つ姿が見られました。6年生の子どもたちから歓迎の言葉が伝えられ、上級生からも歓迎を受けて、1年生は笑顔で嬉しそうに過ごしていました。

2時間目からは6年生による誘導で1年生は各教室へと移動し、それぞれのたてわりチームでの活動となりました。上級生は1年生のことをあたたかく迎え入れて、目線を合わせて優しく声を掛けたり、アイスブレイクをなどの企画を楽しみながら交流をする場面が多く見られました。

たてわりタイムを通じて、これからの学校生活の中で他学年の仲間とどのように関わり合うことができるかを考えたり、関わりを持つ良さに気付き、思いやりを持つことの大切さを感じる時間となりました。

 

 

【思いやり・メタ認知力・エージェンシー】6年 「1年生サポート」

さわやかな晴れた空のもと、新1年生が入学式を迎えました。これから始まる桐蔭学園小学校での生活に胸を高まらせている様子でした。さっそく初めての登校日には、新6年生たちが 1 年生のスクールバスが到着するのを待ち受けていました。わくわくした気持ちの反面、きっと不安な気持ちもあるであろう1年生を明るく笑顔で、6年生たちが歓迎しました。最初の1週間は、毎朝6年生たちがお出迎えをして、朝の準備の仕方を伝えていきました。自然と優しい声になったり、目線を合わせて話しかけたりするなど、どうすれば1年生が安心できるのかそれぞれが工夫と協力をしていました。

給食の場面でも、1年生をサポートしています。いずれ1年生も自分たちで配膳や片付けができるように、4人1組で給食の手伝いをしに行っています。食べる量も食器の受け取り方の上手さも、自分たち6年生とは大きく異なるので、1年生の目線に立ってやっていかなければなりません。これは、6年生としてもとても良い経験になっていると思います。
配膳が終わったら、1年生と一緒に給食を食べ、片付けまでサポートしていきます。6年生の頑張りは、きっと1年生にも届いていると思います。

また、1年生が在校生みんなと顔を合わせる縦割り活動というものがあります。体育館に2~6年生が集まり、1年生が入場してくるのを盛大な拍手で迎えました。1年生はどこか恥ずかしそうに、でもとても嬉しそうに入場してきました。6年生は各クラスで考えた1年生への歓迎の言葉を伝えました。
その後、グループに分かれて1~6年生で交流を深める縦割り活動を行いました。6年生は全員が仲良くなれる企画を考え、どのグループも親交を深めることができました。

子どもたちの書いた振り返りにはやはり、1年生に伝わるように伝えることの難しさや、日常的な関わり方の大切さにふれる内容がいくつも見られました。1年生の成長をサポートしていくことを、6年生が自分たちの成長に繋げていけるようにこれからも支援していきたいと思います。

 

【思いやり・チャレンジ力】4年生上郷宿泊学習

4年生は2月12日(木)・13日(金)に一泊二日で、横浜市栄区にある上郷森の家で宿泊学習を行いました。9月に行った鎌倉での宿泊では「海」をテーマとしたのに対して、今回は「山と森」をテーマにし、初日は三浦半島にある大楠山のハイキングを行い、宿泊地に到着後はダンスを通じたチームビルディング研修、レク係による学年レクリエーションを楽しみました。2日目は宿泊地内の施設で飯盒炊爨でのカレー作りを体験した後に、金沢動物園の見学を行いました。

今回の宿泊では「自分たちのことは自分たちでしっかり行う」「協力」を目標にして、各活動を行いました。1日目のチームビルディング研修プログラムでは、ペアやグループで「協力」して課題に取り組みました。最初は恥ずかしがっていた児童もテンポ良い流れやスタッフの方の場を盛り上げる声掛けもあり、徐々に慣れてきて「自分たちでグループになってダンスを創作する」ことで自己表現することを楽しんでいました。

宿泊場所はホテルではなく研修施設なので、ベッドメイキングも自分たちでやらなければいけません。食事のときにはお水やスープの配膳手伝いもしました。食後も個人で食器を種類ごとに片づけ、ゴミを種類ごとに分別して捨てることもしましたが、普段の給食でも継続して行っていることもあり円滑に行うことができました。9月の宿泊の振り返りを活かしてスケジュールを自分たちで守ることや整理整頓など、声を掛け合って取り組む様子が見受けられました。

夕食後はレクリエーション係の主催でレクを学年全員で行いました。事前にレク係を募集して学校生活の休み時間など限られた時間の中で企画と練習に取り組んできました。レク係は司会進行やゲーム説明を役割分担して盛り上げようと頑張っていました。その熱量に押されて他の児童たちも○×ゲームなどで大いに学年全体で盛り上がり、楽しい時間を過ごしてよい1日を終えました。

2日目は部屋の片付けと荷物出しの後、今回の宿泊行事の最大イベントである飯盒炊爨を行いました。事前にカレーの作り方を調べたり、実際に家で料理に挑戦したりした取り組みを実際に試してみる場となりました。カレー作りは全てを自分たちで行わなければなりません。手分けして作業をする中で自然と「○○やっておくね」「手伝おうか?」「切るのが上手だね」と協力をしたり、相手の良さを認めたりする言葉が聞こえてきました。飯盒炊爨について教えてくださった宿舎の方からも、「協力する姿勢がとても良いですね。」と言っていただけました。宿泊後の振り返りでは、特に飯盒炊爨を通じて、協力の大切さに触れている内容が多く見受けられました。ここで培った自立心と協力する姿勢を活かし、4月から始まる高学年としてのさらなる飛躍を期待しています。

 

【思考力・メタ認知力・エージェンシー】後期総合探究③

前回の教育実践に引き続き、今回は「デジタルの世界-身近なデジタルのなぜ?を解き明かす-」「文字による言葉の力を考える-文学作品を中心に-」「比べてみよう日本と世界-数字や文字から考えてみよう-」の3つのゼミの取り組みについてご紹介いたします。

①「デジタルの世界-身近なデジタルのなぜ?を解き明かす-」ゼミ

本ゼミでは、小学3~6年生までの児童が「自分の興味関心×デジタルの世界」という共通テーマのもと、各自が設定した独自の問いに対して探究活動を行いました。活動の指針として、実社会から問いを見出し、情報を整理・分析して自分なりの解決策を表現することを目指しました。

子どもたちの取り組みは非常に多岐にわたり、それぞれの発達段階や興味に応じた多様な切り口が見られています。3・4年生では、プログラミングの仕組みや歴史、CPU・メモリといったコンピュータの基礎知識を深掘りする子どもたちが目立ちました。一方で5・6年生になると、単なる知識の習得に留まらず、社会課題との掛け合わせが顕著になります。具体的には、AIを医療分野の改善に役立てる提案や、量子コンピュータを活用して教育環境を整え貧困問題を解決しようとする壮大な試みが見られました。

また、生活に密着した視点からの探究も活発に行われました。スマートフォンの長時間利用による健康被害を分析し、逆に健康を増進させるための活用法を模索するグループや、インターネット上の「チート」行為に対する対策と未来を予測する児童など、デジタル社会の光と影を鋭く捉えた探究が進められています。

表現の面でも、「絵が苦手な人が自信を持てるアプリ」の考案や、「VRを用いたボカロライブの再現」など、クリエイティブな発想が随所に光っています。児童たちは「探究学習ポートフォリオシート」を活用しながら、自らの考えを俯瞰的に振り返るプロセスを実践し、デジタルの可能性を自らの手で切り拓こうとする主体的な取り組みの様子が見られています。

 

 

 

 

②「文字による言葉の力を考える-文学作品を中心に-」ゼミ

本ゼミでは、読書を通じて本に親しみ、その魅力や価値を共有しながら、一冊の本を起点とした「探究活動」を展開しました。初回の授業で「読書が好きな人」と問いかけたところ、全員の手が挙がるという非常に意欲的な形でのスタートとなりました。

しかし、単に読書を楽しむだけでは「探究」まで深めることは難しいため、導入として2年生の国語の教科書教材である『お手紙』を題材に選び練習を行いました。「登場人物」「表現の工夫」「お気に入りのポイント」といった共通のテーマで考察・発表を行うことで、いきなりの探究に戸惑いを見せていた児童たちも、次第に「読むべきポイント」を理解し、自身の視点を持てるようになっていきました。その際、教員側も『スイミー』を用いて同様のテーマでモデル発表を行い、活動の具体的なイメージを持てるよう配慮しました。

探究テーマを決定する段階では、まず「この本が好き!」という素直な感情から出発しました。当初はそこからどう問いを立てるか苦慮する様子も見られましたが、他の本との関連性を考えたり、周辺情報を調べたりすることで、各々の探究が深化していきました。

以下、児童が取り組んでいる探究の例です。

想像から科学的考察へ: 物語に登場する「架空の巨大なタコ」の大きさに興味を持った児童が、実際のタコの生態を調べるうちに、比較対象としてクジラの大きさについても調査を広げ、生物学的な視点から考察を深める姿が見られました。

歴史の謎への挑戦: 『坂本龍馬は名探偵!!』という本をきっかけに、幕末の「近江屋事件」について詳細に調べ、当時の関係図や暗殺の実行犯について多角的に分析する児童もいました。

社会問題への接続: 物語の主人公の境遇から「クラスメイトがいなくなったらどう思うか」というアンケートをゼミ内で実施。そこから「いじめ」という社会的なテーマにまで視野を広げ、文部科学省のデータなどを用いて加害者・被害者の心理について深く考察するまでになりました。

最終的には、物語の枠を超えてアンケート分析を行ったり、作品背景を深掘りしたりと、一人ひとりが自ら見つけたテーマに基づいて主体的に活動することができました。

また、異学年間の交流も大きな成果を生みました。5・6年生が下級生に適切なアドバイスを送り、3・4年生がそれを受けて作品をブラッシュアップしていく姿は非常に印象的でした。自分たちの「好きな本」を起点としたことで、最後まで前向きに、かつ粘り強く取り組むことができたと考えております。

③「比べてみよう日本と世界-数字や文字から考えてみよう-」ゼミ

本校は、建学の精神として5つの項目を掲げていますが、その項目の1つに、「自然を愛し、平和を愛する国際人たれ」というものがあります。これからのグローバルな社会を生きていく子どもたちにとっても、大切な資質の1つになっていくと思われましたので、本ゼミを通して、そんな第一歩を踏み出してほしいとの願いも込めて、活動をスタートしました。

まず、「数と英語(外国語)」について、自分の思いつくものを、ウェビングを用いて書き出させ、本テーマへの関心を深めさせました。普段は何気なく使っている言葉や数字について、あらためて見つめることで、探究活動に向けての視点が芽生え、それが今後の各自のテーマを決める上でのヒントになっていたようでした。また、本活動を単なる調べ学習で終わらせないために、調べ学習と探究学習の違いを、ベン図にまとめあげました。そうすることで、これから半年間の活動への見通しを立てることができました。

毎回のゼミ授業前半には、少人数に分けたグループ毎にそれぞれの考えを共有する時間も設けるようにしました。3年生から6年生が集まっての活動ということで、少し不安そうにしていた3年生も、場数を踏むことで上級生からアドバイスを受け、徐々に伝えたいことを上手に話せるようになっていく様子が感じられました。

毎回のゼミ授業後半には、各自で探究活動をすすめました。インターネットを駆使したり、ラーニングスペースに赴き資料を探したりと、それぞれが自分の興味関心から導き出した問いから考えをどんどん深めるとともに、さらなる問いを生み出して探究活動は続いていきました。

使用している言語や文字、数字などの違いを調べていくことで、それぞれの国の成り立ちや歴史への知識を深め、同時に日本について再認識していった子、身近な観点である食事やマナーの違いをきっかけとして、文化的側面や社会背景へと踏み込んでいった子、「人種差別」や「刑罰」の視点から、それぞれの国の考え方の違いから生じる社会構造について、考察を深めている子など、ゼミのテーマの性質上、子どもたちの探究活動は多岐に渡り、豊かな創造力と思考力を発揮して充実した内容となっていて、ゼミの時間ごとに嬉しい驚きと感動をもたらしてくれました。

年明けからは、年度末の発表に向けての準備が始まりました。自分が探究したことを、3・4年生は新聞形式に、5・6年生はポスター形式にまとめています。それと同時に、発表の流れをプロット図にまとめ、発表全体のイメージをつかませるようにしました。

 

【思いやり・チャレンジ力】6年生修学旅行

6年生は、2月4日(水)から6日(金)まで、京都への修学旅行へ行ってきました。この行事に向けて、児童は2週間ほど前から事前学習や行程づくりに取り組み、歴史やマナー、班での役割について考えを深めてきました。

1日目は新横浜から新幹線で京都へ向かい、金閣寺、二条城、平安神宮を見学しました。雲一つない青空のもと、金閣寺がよりいっそう輝いて見えました。実際の建物や空間に触れることで、子どもたちも机上学習だけでは得られない歴史の重みを実感しているようでした。

2日目は、グループごとの自由行動です。事前に自分たちで立てた計画をもとに、伏見稲荷や嵐山、祇園など、思い思いの場所を巡り、時間管理や公共交通機関の利用など、主体的に判断し、行動する力が試されました。事前にオンラインでミーティングを行った、京都文教大学の学生4名も現地でサポートしてくださいました。京都で出会った外国人観光客に英語で話しかける活動にも挑戦し、学校で学んだ英語が実際に通じる喜びを味わいました。

3日目は、銀閣寺、清水寺、三十三間堂を見学し、清水坂でのフリータイムでは班ごとに最後の交流を深めました。体調不良や疲れが見られる友だちを気遣い、声を掛け合う姿や、班行動の中で互いに譲り合う姿などから、思いやりや協力の大切さを改めて学んだ3日間となりました。

【修学旅行を終えての子どもたちのふり返り】

京都といえば歴史的な建物のイメージが強かったが、私は駅に着いた瞬間、八つ橋だらけのポスターを見て「京都に来たんだな」と実感した。印象に残っているのは、京都でしか見ることのできないオオサンショウウオ。生きた化石とも呼ばれるオオサンショウウオは、図鑑から飛び出してきたみたいだった。

また、行動班のメンバーと電車を使わずに50分歩いたことも忘れられない。川のそばや京都らしい街並みを歩き、楽しすぎて疲れを感じなかった。目的地に向かうだけでなく、その過程を楽しむことで、たくさんの未知の経験ができると気づくことができた。中等に上がってまたこういった宿泊行事があれば、今度は全部歩いて回ってみたいと思う。

今回の修学旅行は、歴史を中心に学べた気がしました。金閣寺を作った時のその時代の人々の気持ちや、金閣寺からわかるその時代の特徴や時代の流れをかんじることができました。卒業が近くなる中、こういう貴重な体験ができたことを嬉しく思います。また、お寺や神社でなくても京都の山、川などの自然からも京都の歴史が感じられ、京都の良さをしれました。京都という街は、神奈川とは違う空気を持っていて、京都ならではの言葉や建物、食べ物や自然などがあってとっても楽しかったです。次、京都に行ったら今度は建物の歴史を知って、自分の視野を広げていきたいです。

2月4日〜2月6日まで待ちに待った修学旅行がありました。1日目に行った二条城が印象的です。床がうぐいすのようにキュッキュッと鳴って、とても不思議な感覚でした。

今回の旅行で、みんなで時間配分を考えて計画を立てて協力して行動することが大切だと思いました。2日目の自由行動では、とても混んでいるところがあったので、みんなで声をかけながら協力してまとまって動きました。そのおかげで迷子になったりはしなかったです。

外国人のインタビューではいい人に声をかけられたし、笑顔で話せたのでよかったけれど、

もう少し順序よく、もっとスラスラと話せればもっとよかったと思いました。あと、宿泊場所の「お宿いしちょう」で話を聞くときに話している人に体を向けることができていなかったので、今後は話している人に体を向けようと思います。

小学校生活最後の宿泊イベントは、いい経験だったと思います。今書いたような経験を中学校で活かせるといいです。

 

【思考力・思いやり】2年 移動動物園

 今回、移動動物園が桐蔭小に来てくださる、ということで、2年生では生活科を中心に移動動物園に来る動物たちの飼育環境について事前学習し、来てくれた当日に動物たちが過ごしやすくなる環境を準備して臨む活動を行いました。その中で、生き物の生態や飼育環境に関心を持って働きかけることができるようになり、生命あるものへの親しみを持ち、大切にしようとする気持ちに気づけるようにすることを目標としていました。その取り組みについてご紹介いたします。

① 国語の授業からの導入

 国語の授業で『どうぶつ園のじゅうい』という説明文を読みました。そこには動物園で働く獣医さんの仕事に対しての工夫や気をつけていることが書かれています。それを基に、動物のサポートをする人の姿勢や心構えについて考え、移動動物園に来てくれる動物たちにとって短時間でも過ごしやすい環境はどういった環境なのかを考えていくことにしました。

② 生活の授業での展開

 移動動物園にやってくる動物たちを紹介しました。名前は聞いたことがあるけれど、どのぐらいの大きさなんだろう?どんなところで育ったんだろう??子どもたちからは「?」がたくさん出てきました。「過ごしやすい環境づくり」をするためには、まずその動物のことを知らなくてはならないことに気づいた子どもたち。ラーニングスペースにある本やインターネットの情報を使って担当の動物についての調べを進めていきます。

③ 情報共有

 各クラスで調べを進める中でわかったことをロイロノートのカードにまとめ、それを印刷して廊下の掲示板に貼って共有することにしました。休み時間にはその掲示板に書かれた内容を熱心に読んでいる姿も…。担当ではない動物についても知ることができ、当日に向けての意識が高まっていきました。

④ 環境づくり

 いよいよ準備に取り掛かります。クラスの枠を越えて担当の動物のすごしやすい環境を作るために材料集めや制作をしていきます。真冬の実施ということで、寒さへの対策も必要と考え、その上でどんなものがあったらいいのかを相談していきました。段ボールでお家を作ったり、水遊びするためのたらいを借りてきたり、営繕部の方から藁をいただいたり……いろいろな方の協力ももらって準備を進めてきました。

⑤ 移動動物園当日

 朝からワクワクした様子の子どもたち。自分たちの用意した環境に動物たちはどんな反応をするのかな?使ってくれるのかな?気に入ってくれるかな?と落ち着かない様子でした。準備を頑張ってきたからこそ、動物たちの過ごし方が自然と気になり、当日の熱心な観察や探究心につながります。1年生同様、ただ「かわいかった!」という感想で終わらず、動物たちの様子をじっくりと観察していました。また、移動動物園の最中にも「こうしたら喜んでくれるかな?」などと試行錯誤して接する姿が見られました。

⑥ ふり返り

 今回の取り組みをしっかりとふり返りカードに書いてふり返ります。「こんな場所が落ち着いたようだった」「思っていたよりもよく動いていた」「今は放っておいてという感じだった」などと動物たちの些細な様子にも目を向けた感想が多く聞かれました。「用意したけれど使ってもらえなかったのはなんでだろう?」と次の課題を早速発見している子もいました。「ほかにもできたことはあったかな?」と考えることで、今回の探究学習がまた次の探究心につながっていきます。

今回、「どうぶつ村」の皆さんと動物たちに協力していただき、子どもたちが動物と一緒に生活するということについて学び考える貴重な機会をいただきました。移動動物園で触れ合っている最中、手の上でうんちをされてしまうという子もいました。また、片づけをしている最中には糞尿に気づいたり、動物たちが遊んでくれて濡れてしまった新聞紙や藁を処理したりと、きれいな部分だけではないことも実感することができ、命あるものと共に生きていくには「かわいい」だけではない側面も見ることができました。こういった気づきが積み重なっていくことで、子どもたちの3年生以降の探究学習がより一層気づきの多い活動になっていくことを期待しています。

 

【思考力 メタ認知力 エージェンシー】後期総合探究

前回の教育実践に引き続き、今回は「昔のくらしとしあわせ-しあわせクロニクル-」「スポーツの力」「桐蔭小起こし」「口に出す言葉の力を考える」の4つのゼミの取り組みについてご紹介いたします。

①「昔のくらしとしあわせ」

このゼミは社会科と特に関連の深いゼミとして、今の自分が“しあわせ”を感じるものについて、歴史的な視点を持って探究的にアプローチしていくゼミです。例えば野球が好きであれば、野球がいつどのようにして始まりどんな変化をして現代の野球に辿り着いたかを調べる中で、昔の人が感じていた野球への思いにも触れていきます。自分の好きな野球が過去、人々にどんな影響を与え発展をしていったのかを調べ考えることで、野球の普遍的な魅力のようなものを自分なりに考えることになると思います。このように、好きなものを歴史的な視点を持って探究することを通じて、“しあわせ”な生き方を考えるきっかけになって欲しいと考えています。

ゼミの取り組みとしては、まずは自分の興味関心の深ぼりをすることから始めました。一人ひとりが自分自身と対話しながら、テーマを設定していきました。また、異学年でのゼミという点を生かして、自分の取り組み状況の報告や困っていることの相談など異学年間で行い、上の学年は下の学年にアドバイスを送れるように努め、下の学年は上の学年の取り組みの仕方を学べるように、3年生から6年生を1名ずつ配置した小グループを設定し、活動を行っています。探究のサイクルを行っていく中で、湧き上がってくる疑問や関心に基づいて自分で調べたり、友達に聞いたりする子どもたちの様子が見られ、探究活動がどんどん深く、広くなっていきました。この探究活動の終着点は新聞作成、またはポスター作成&発表です。調べ進めたものをどのように自分の言葉にして書き、自分の言葉で話すのか、最後まで学びが続いていきます。

②「スポーツの力」

スポーツにはどんな力があるのか。見ること、すること、支えること、知ることなど、スポーツでは自分の適性に応じて、多様な関わりをすることができます。見ることで感動をもらったり、することで達成感やチームでの喜びを味わったり、支えることでチームに貢献する気持ちが芽生えたり、知ることでよりスポーツの世界が広がったり…。スポーツには人を動かす力があります。そんなスポーツの力を、世界で取り組まれている競技を軸に探究し、その魅力を探っていこうというテーマでこのゼミがスタートしました。このゼミのメンバーにはスポーツが大好きな子どもたちが多く集まりました。そのメンバー一人ひとりが自分の大好きな競技を軸にしながらスポーツの力に迫っていく探究を進めていきました。

まず、自分自身がどんなスポーツに興味があるのか、また興味があるスポーツの中でも特にどんなことに関心があるのか調べ考えていきました。またその中でもよりイメージが広がりやすい事柄を取り出し、そこから第1段階の探究テーマを設定し、そのテーマついて調べ深め、自分の考えを書く活動を行っていきました。一つのテーマで探究をしていく中で、新たな疑問や関心が浮かび上がることを大切にしながら、次の探究へとつなげていきました。

ある児童は、自分の好きなスポーツ選手を調べ深めていく中で、その選手の生活スタイルに興味関心をもち、その中でも特に気になった食生活を探究しました。また、スポーツごとに大切にする食生活は違うのかなど他のスポーツとの比較を行っていました。

ある児童は、自分の好きなスポーツは世界で競技人口が多いということがわかったので、反対に競技人口が少ないマイナーなスポーツは何なのか、そしてなぜその競技が取り組まれているのかというような方向性で探究を深めていっていました。

1/27(火)に5・6年生がゼミ内発表を行いました。今まで取り組んできた探究の内容をまとめ、自分の提案や考えをポスターセッション形式で発表しました。その発表を聞いた3・4年生はスポーツに関する新たな視野が開けたようでたくさんの気付きがあったようです。5・6年生は実際に聞いてもらう活動をとおして、自分のポスターや原稿を改善していくことによって、より多くの人たちに自分の探究内容がもっと効果的に伝わるものになるのではないかと感じた人が多くいたようでした。5,6年生に関しては全体発表が残されています。より多くの人たちにスポーツの力が伝わるような発表内容になるように一人ひとりが早くもポスターや原稿内容の改善に励んでいます。

③「桐蔭小起こし」

「豊か」と聞いたときに、皆さんは何を想像しますか?辞書で調べると、「ゆとりが見えるほど満ち足りた状態であること。」と出てきます。子どもたちからは「自然、落ち着く場所、人がたくさんいること、平和、お金があること、くろがねの森、おいしいご飯を食べること」など、様々な意見がありました。このように、「豊か」と言っても感じ方、考え方、重視することが人によって異なります。

このゼミでは、異なる人がたくさん集まる「桐蔭学園小学校」を豊かにするために、自分たちでできることを考え、探究し、実行していきます。

初めてのゼミでは1枚の絵からスタートしました。絵を見て「見てわかること(see)・思ったこと(think)・不思議に思ったこと(wonder)」の3点を全体でKWL(シンキングツール)にまとめました。次は個人で、学校内で豊かだと思うところを探しKWL(シンキングツール)にまとめました。それぞれの目の付けどころが異なり、価値観や考え方・考え方の違いに気が付くことができました。そして、裏庭に焦点を絞り、「豊かにするために自分がやりたいこと」を考えました。

自分がやりたいことをグループ内で発表し、それぞれのグループでやりたいことを絞りました。実現するために必要な情報を収集し、整理分析し、まとめとして 「企画書」を作成しました。

ベンチづくり・花壇の復活・ビオトープ復活・看板づくりの4つを実行することにしました。子どもたちの「やりたい」気持ちを尊重しつつ、現実的に可能かどうかを厳しく吟味しています。「桐蔭学園小学校を豊かにする」ということは学校にいる全員に関わる活動になるので、子どもたちが自分の活動に責任感を持って取り組めるかが大切です。

実際の活動に入ると、子どもたちは目を輝かせながら一生懸命に活動に取り組んでいました。ビオトープでは余分な竹を切ったり、落ち葉を集めたりと汗をかきながら一生懸命に活動していました。

ある一人の児童が「この竹で何か作れるかも?」と言い、アイパッドで「竹で作れるおもちゃ」を調べ、早速作っていました。それが豊かにつながるか聞くと「いらなくなったものを再利用することは地球にとって豊かだと思うし、このおもちゃで喜んでくれる人がいたら学校は豊かになると思う!」と伝えてくれました。彼は竹トンボを作成しているのですが、なかなかうまく飛ばず、飛ぶためにどのようにすればよいかを調べていました。これがまさに探究なのではないかを思いました。

また、実は、花壇の復活は途中からでたアイデアです。ビオトープの復活のために伐採をしていたところ、花壇が発見されたのです。「こんなところに花壇があったんだ!」「ここに花を植えたら自然が豊かになって見栄えも良くなる!」という発言から、花壇を復活させることになりました。ただ、花を植えるだけではなく、「科学に活用したり、花をしおりにして配ったりすることで自分たちの学びに繋がり豊かになる」と考えたそうです。

現在、子どもたちはメンテナンス時期や方法、ルール、怪我の防止など様々な問題に直面し、豊かを継続させるためにどのように進めていくかを考えています。また、豊かになったかどうかをどのように調べるかも検討しています。

自分たちの学校は自分たちで豊かにする。その為には自分の意見を持ち、尚且つ、他者の考え方や感じ方に目を向ける必要があります。また「自分たちでできた!」という成功体験が、今後の未来を担っていく子どもたちの探究心にもつながると考えました。ゼミの児童を中心にみんなで桐蔭学園小学校をもっと豊かにしていきたいです。

 

 

④「口に出す言葉の力を考える-お笑いや歌詞など-」

わたしたちは毎日、友だちと会話したり音楽を聴いたりして、たくさんの言葉にふれて生活をしています。言葉は、人の気持ちを動かしたり、考えを広げたりと様々な力を持っています。子どもたちも、色々なところで受け取った言葉に背中を押されたり元気をもらったりする経験があると思います。なぜ、言葉だけで人の感情を動かしたり考えを広げたりすることができるのか、言葉が持つ不思議な魅力について考え、その力について自分なりの考えを持てるようになることを目指し、日々の学習に取り組んでいます。

まずは、「言葉の力とは何か」について、これまでの自分自身の経験をもとに考えをまとめ、異学年グループで共有することで、多様な視点に触れる機会を取りました。その後、「友だちの言葉でうれしかった経験」を共通課題にして自分が言葉によって心を動かされた経験をふり返りました。自分が感じた思いについて、「なぜ」そう思ったのか、その答えに対してさらに「なぜ」を繰り返して深く自分の考えを掘り下げていくことで、探究の問いの立て方について、みんなで考えていきました。

その後、自分が探究したいテーマについてウェビングを用いて関心を広げ、その中から自分が突き詰めていきたい問いを見つけ出していきました。これらの活動は個人での思考とグループでの共有や意見交換を行き来しながら考えを深めていきました。

個人で深めたい問いが決まった後は、情報の集め方についての確認も行いました。様々な情報収集の方法を挙げ、そのメリット・デメリットを検討し、自分が必要だと思う方法でそれぞれ情報収集を行い、自分の考えを深めるための材料を集めました。また、その集めた材料を使い、子どもたちが立てた問いについて、仮説を立てる、比較する、分類する、歴史的背景を調べる、因果関係を考えるなど、問いを深めるための思考方法について共有しました。また、定期的にグループ内で進捗状況を確認し合ったり、中間発表としてここまでの成果を発表し、フィードバックを送り合う機会を取ったりして各自の探究の深め方を考えていきました。