年別アーカイブ: 2020年

3年科学「光を反射し、お宝をGETしよう!!」

鏡を使って、光の入射角と反射角が同じであること学ぶ単元。
懐中電灯の光を太陽光として、その光軸を考えて手鏡を使い反射していく実験です。

教員が導くのではなく、自分たちで気が付くためには、思考のストーリーが大切です。

そこで、この授業は、全員に「インディージョーンズ」になってもらいました。

「君たちは、考古学者。(考古学とは…)」
「この宝石(ビー玉)に、太陽の光が当たるとき、古代エジプトの財宝が手に入るであろう!」
「この宝石は堅牢な洞窟(段ボール箱)の中に隠されている。さぁ未来の考古学者たちよ。知恵を絞り、仲間と協力しmissionをクリアしたまえ!」

太陽と洞窟の入り口には4つの難易度があり、それぞれの班が一つずつクリアを目指します。
   
「よ~し!やるぞ!」「どうやってやる?」と子どもたちは謎解きにのめり込んでいきました。
実際に鏡を動かして、光がどのように反射されるのかを体験しながら学んでいき、それを自分の知恵としてみるみる活用していきます。
「先生!できました!」→「まだまだ光が足りぬ。」→「え?まだまだ明るくなるの?」
試行錯誤の繰り返し……
「本当だ!すごく宝石が輝いた!」「よし!mission2へ行こう!」
   
「光が直進する」ことと「入射角と反射角が同じなる」という知識を、自分たちで考えて活用した結果、生きた知識として身に付けることができたようです。
仲間の小さなひらめきや工夫が自分の良い刺激になる経験も、実験の良さです。

一度成功したmissionも、「ちがうルートの光の道も探してみよう!」と貪欲に挑戦する姿は、まさに小さな考古学者でした。

子どもたちの創造力を育むためには、授業の設定と思考のストーリーが大切だと思います。

 

4年・5年・6年 課外活動 合唱団 「コロナ禍においてもできること」

例年、合唱団ではさまざまな「対面での発表」を行っていました。しかし、今年度は新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響で、そのような発表が難しい状況です。そこで、「今の状況でもできること」と題して子どもたちにも企画を考えてさせながら、活動を継続しています。そこで大きな役割を果たしてくれたのがタブレット端末を使った「ロイロノート」での取り組みです。「ロイロノート」を使って企画を提出することでみんなの意見を共有し、共に考えていくことができます。さまざまな企画から、「すぐできるもの」、「時間をかけて行うもの」と分けて考えていきました。

第一弾として「自分たちの歌声を録音したものをお昼の放送で流す」という企画を実施することになりました。放送委員の子どもたちを中心に団員みんなと企画を共有し、その後「録音と同時に録画も行い、動画も制作しよう!」と企画が広がっていきました。今回の録音曲は「地球星歌」という曲です。「あなたの毎日が世界をつくり、愛する想いが地球へと広がる。」という、この歌詞に一人一人の想いをのせて無事にやり遂げることが出来ました。
今回の活動で、子どもたちが「自分たちで企画を考えて、共有し、実行し、やり遂げることができた」という流れができたことが一番の収穫でした。活動を振り返り、第2弾の企画へとつながるよう子どもたちと活動していきたいと感じました。

      

 

6年国語『鳥獣戯画』を読む

この単元では、
・筆者のものの見方を捉え、自分のものの見方を広げる。
・筆者の文章内での表現の工夫に気付く。
という2点を単元目標として掲げて学習を進めました。
最後に「絵から読み取ったことや感じたことをもとに、鑑賞文・解説文を書く。」という活動を行うために、文章の読み取りをしたり、考える練習をしたりしていきました。

① 教科書の「鳥獣戯画」の挿絵を、シンキングツールのXチャートを使い、4つの観点で情報を集め、自分なりの解説文を書く活動を行いました。
   

② 教科書の本文を読み、①で題材にした挿絵について、自分が着目した点と筆者が着目した点とを見比べ、筆者の絵に対する着眼点を読み取りました。また、その絵に対して筆者がどのような解釈をしたりどのような考えを持ったりしているかが分かる部分を探し、読み取りをしました。

③ ②で筆者の着眼点がどこであったかを確認したところで、別の絵を使って、グループごとに絵から情報を集める練習をしました。
   

④ 本文中で読者に興味を持って読んでもらうために、筆者が、どのような表現の工夫をしているかを読み取りました。まずは各自で表現の工夫をしているところを見つけ、その後、ロイロノートで意見を提出し、クラス全体で意見の共有を行いました。
   

⑤ 単元の最後の活動である「鑑賞文・解説文」を書くために、週末の宿題として材料集めに取り組みました。
今回は、「東海道五十三次」の3つの絵を提示し、その中から自分が興味を持ったものについて、着眼点や絵の説明、考えをまとめてきました。そして、そのワークシートを授業内で共有し、自分が見つけた着眼点以外に、友だちの考えで「なるほど」と思った点を加え、各自の考えを深めていきました。

⑥ ⑤で集めた情報をもとに、鑑賞文・解説文をまとめました。教科書の本文からの読み取りや、自分が集めた材料を、自分なりの表現の工夫をしながら書いていました。
   

6年生全員で、タブレット端末を使い、情報共有や考えの整理を行っていきました。他の友だちの意見をすぐに共有したり見返したりすることができ、困ったときには友だちの考えからヒントをもらいながら、自分なりの表現でまとめることができました。

 

ホームルーム活動(4年) 『Trick or Treat!』 ハロウィーン企画

4年の子どもたちからの発案で、ハロウィーンにちなんだ企画が行われました。
3組は、2日間にわたってスタンプラリーを行いました。
企画した子どもたちはこれまでに3週間ほど、休み時間に話し合い、準備を進めました。その話し合いの中で、
「ただスタンプを集めるだけでは面白くないかも…」
と話し合いが進み、ラリーを謎解き形式に変更したり、企画を行うときに企画者が仮装をして雰囲気づくりをしたりする意見が出ました。試行錯誤を重ね、実行することになりました。準備不足かもしれないと不安を抱えながら、当日を迎えました。

   

初日の企画後、クラスからは「もう終わり!?」「楽しかった!」「もう少しやりたい!!」という声が聞こえ、参加者も企画者も大満足の様子でした。ただ、その後、今回の企画を振り返り、参加者からも意見をもらうと、やはりまだまだ改善の余地があることが判明しました。企画したメンバーは次の休み時間にすぐに集まって、明日に向けての作戦会議を始めました。

      

「事前に説明していたからスムーズに始められてよかった!」
「謎解きが難しすぎた…?」
「隠していた紙がわかりづらかったね…」
良い意見も厳しい意見も素直に受け止め、翌日に向けて改善できるところがないか探っている様子でした。
そして2日目。企画者は変更点や昨日の様子を踏まえた注意点を伝えてスタート!
前日に比べると周りのことを見ながらチームで協力して謎を解いていく姿が見られました。

休み時間はあっという間にすぎ、ハロウィーン企画は無事に終了しました。
その後の振り返りでは、今回うまくいったところやうまくいかなかったことを踏まえて、今度の遠足やクリスマス子ども会に生かせそうな提案を出している子がいました。今回のイベントは、子どもたちにとって気づきの多い時間になったようでした。また、今回の企画者たちへクラスの子どもたちから労いの言葉も多く、企画した子どもたちは大きな達成感を得た様子でした。

      

   

 

5年 稲刈り「鎌のザクザク感が、何とも言えないです!」

今年度は、新型コロナウィルス感染症の感染防止の観点から、学年を2つに分け、前半に2組と3組の半分、後半に1組と3組のもう半分が行いました。6月に行った「田植え」で、自分が植えた辺りを刈り取ることにしました。このような分け方をすることで、密になるのを避けることができました。


(実習田の稲の様子)

   
(植栽部の方に半分ずつ説明を聞く)

稲刈りは、天候に恵まれ、怪我もなく、皆、いい経験になったようでした。
植栽部の方に説明を受けて、さっそく作業に取り掛かりました。
稲刈りは、移動や準備、片付け、説明の時間も込みで、2校時分の時間(1時間半)で行いました。子どもたちの取り組む時間としては、ちょうど良い長さだったと思います。

      

ザクザクと鎌で刈ること自体が「気持ちいい。」という声が多く聞かれました。また、腰をかがめるので、「農家の方々は結構大変だね。」という声も多く聞かれました。
刈った稲穂を束にして結び、「天日干し」の竿まで運ぶ作業も、皆積極的に行っていました。
一部山側の部分は、ぬかるんでいて、長靴の足がとられ、楽しそうでもあり、大変そうでもありました。

      

稲刈りの振り返りは、シンキングツールの「XYWチャート」を使って行いました。

   

   

   

田植えから稲刈りまでを手伝ったり協力してくださったりした植栽部、営繕部の方々、先生方のお陰で、子どもたちによい経験をさせることができました。
田植えから稲の生長の観察、そして稲刈りを通じて、子どもたちにはさまざまな学びを得ることができたようです。

 

課外活動(5・6年) 『伝えたい!』 鉄~KUROGANE~

5・6年の希望者で構成されているソーランチーム「桐蔭学園小学校 鉄~KUROGANE~」です。今年度の練習方法、発表の場に当初は苦労していました。しかし、タブレット端末との親和性がとても高く、練習方法を工夫するようになってからは、活動の幅が広がりました。

★タブレットを使った「新しい活動!」
70名のメンバーは、1人1台のタブレットを持っていて、ロイロノートというソフトでお互いの意見を交換することができます。ソーランを踊るときのポイントや、新しい企画、本番演舞の反省や振り返りなどを、ロイロノートに提出して、それぞれの意見を共有しています。

「今回の演舞は、この点が良かったけれど、この部分が良くなれば、相手にもっと伝わる演舞になる。」➡「その部分を良くするためには、このような練習方法を導入してはどうか?」
➡「その方法は、こんなデメリットがあるので、この方法はどうか?」

のようにタブレット上でメンバーが意見交換をしています。
今では、

「次の目標は〇〇で行きましょう!」➡「そうすると、こんな企画をするのはどうだろう?」➡「それならこんなことも出来るかもしれない!」

と子どもたち同士でやり取りをしています。

ソーランという共通のつながりがある子たちなので、意見を共有してからの多様性の豊かさと、行動につなげる推進力がとても高く、タブレットは彼らのそういった力を「具現化」させてくれる強いツールとなっています。
10/26(月)からの練習では、子どもたちの投票(ロイロノートのアンケート機能)によって決まった新曲の発表があり、さっそく踊りの練習をしました。

   

5年生と6年生とがペアになり、それぞれが持っているタブレットを見ながら、どういう振りなのかを子どもたち自身が分析していく活動をしています。

ロイロノートの中に資料箱という共有できる場所があります。そこに演舞の動画を入れておき、子どもたちは自分のタブレットにダウンロードして視聴します。子どもたちは、リピートして何度も観たり、再生速度を変えて分析したりするなど、あっという間に機能を使いこなしています。

実際の合同でのペア練習は20分ほどでしたが、驚くほど新曲が踊れるようになっていました。先生が全体に教えるより、はるかに早く習得していました。

「この振りはどうやって体をうごかせばいいんだ?」「ここは右手が上かな」「この決めポーズ合ってる?」

という、自分たちでの教え合いが始まっていました。

   

総勢70名の35ペアで、35台のタブレットがフル稼働です。
これも新しい「鉄~KUROGANE~」のカタチです。新しい「子どもたちの勢い」を感じる今日この頃です。

 

改革仕事人登場!桐蔭学園小学校の挑戦

桐蔭学園小学校では,コロナ禍を代表する急激な社会に子どもたちが対応し,「豊かに生き抜く力」の育成を目指しています。具体的には,10年後の2030年に子どもたちが身に付けるべき資質・能力を「6つのキーコンピテンシー」として取りまとめました。「思考力,チャレンジ力,創造力,メタ認知力,思いやり,エージェンシー」です。そして校長,教頭,カリキュラムマネージャーを中心に,実際にそれらを身に付ける教育プログラムの開発・見直し・評価を行うべく,20のプロジェクトを立ち上げました。教職員一同,オール桐蔭で取り組んでまいります。


(左:カリキュラム・マネージャー,中:校長,右:教頭)


(会議の様子)

授業システム向上 シンキングツール
教育実践/HP ブレンド型学習
幼小入試改革 探究学習
個人面談 キャリア教育
登下校・バス運行 小中プログラミング
アフタースクール 小中英語教育
行事再編 授業改革(在り方・進め方・協働学習)
児童が前向きな気持ちで自発的・意欲的になる活動 カリキュラム・マネジメント/3つのポリシー(AP・CP・GP)/カリキュラム・ツリー/チェックリスト
ラーニングスペース ICT教育/メディアリテラシー
図書推進 クラス作り

(20のプロジェクト)

 

具体的なプロジェクトは,「シンキングツール・プロジェクト」をはじめ,「キャリア教育プロジェクト」や「探究プロジェクト」など,授業に関係があるものから,「ラーニングスペースプロジェクト」など授業外での学びを豊かにする取り組みのほか,今のあり方を見直す「行事整理プロジェクト」などもあります。それぞれプロジェクトリーダーの先生方を中心にICTを活用したSlackで情報を共有しながら先生方もエージェンシーを発揮しています。
今後,この教育実践内でもプロジェクトの様子をお知らせいたします。


(Slackでのやりとり)

 

5年算数「あっ、ぴったり重なる!~合同な図形~」

単元『合同な図形』
(ねらい)
・合同な図形(色紙)を敷き詰めることで、綺麗な模様になることを確かめる。
・幾何学的な綺麗さに気づく。
・特徴のない四角形を敷き詰めることができるか、予想をたてた上で実際に取り組む。
・敷き詰めができる理由をみんなで考える。

(流れ)
①ロイロノートのアンケートカードを使用して、見通しを立てさせてから実際にやってみるという活動を行ってみました。初めに、寄木細工の写真を見せ、「どんなところに綺麗さを感じるのか」ということを考えていきました。
   

~子どもたちの意見~
・同じ形がたくさん並んでいる。
・綺麗に整列している。
・三角形や四角形がたくさんある。

②綺麗だと感じる理由を確認したところで、どうして綺麗に敷き詰めることができるのか?

(子どもたちへ質問)

→綺麗な形(直角二等辺三角形、正方形など)だからという意見が出てきました。
その後、アンケートカードを使って、「特徴のない四角形だったらどうなるかな?」と聞いてみました。
③予想はほぼ半々に分かれました。
そして、実際に手を動かしてやってみて、試行錯誤し、できるということに気づくことができました。

(子どもたちの予想)

   

④最後には、どうして「きれいに敷き詰めることができるのか」を考えて、「合同な図形だから同じ長さの辺がある。」「四角形の角の総和は360°だからぴったりひと回りする。」ということに気付いて共有することができました。
   

(まとめ)
ロイロノートでカードを提出したり、アンケート機能を使ったりすることで、自分の考えや予想がはっきりとするので、自発的に授業を受ける児童が増えました。

 

小学校『ラーニングスペース、開設中!』

昨年度より小学校4年以下で読書の授業、今年度より幼稚園で絵本の時間が始まり、子どもたちの読書活動推進活動を行っています。
しかし、昨年度末より新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、図書室は入室禁止になっています。本年度の図書室は、自由に開閉できる窓がなく、短時間での換気が難しいためです。このままでは「子どもたちの自由な読書活動の早期再開が難しい」と考え、思い切って図書室を引っ越しすることにしました。
図書室の引っ越しは、今回のこととは関係なく以前から計画していました。「より開かれた場所」として、「意識しなくても学校の中心に常にある存在」としての学校図書館を目指していたので、引っ越し先やその際のプランなども検討していました。
そこで、夏休み明けからすぐに動き出しました。場所の確保が終わり、仮の本棚としてカラーボックスを購入してみんなで組み立て、せっせと本を運び込み……。9月17日に多くの人の協力のもと、図書室出張所としての「ラーニングスペース」が開設しました!
とは言え、運動会までの期間は練習スペースにもなっていたので仮の本棚と蔵書の一部を置いただけの簡易的スペースでした。運動会終了後は本棚やワークスペースなどを増やし、「読書・学び・情報の中心地」となるべく少しずつ進化していくことでしょう。
桐蔭の子どもたちとともに進化を続けるラーニングスペース、どのようなものになるのか、とても楽しみです。


教室4つ分の広いスペースを使っています。(今はがらんとしていますが……)


休み時間にはたくさんの児童たちが集まります。


ベンチに座ってたり、床に座ったり。


ラーニングスペースで読書の授業もしています。この日は階段に座って読み聞かせを聞きました。


授業でおすすめ本に帯を作りました。みんなの作品で、ラーニングスペースがにぎやかになってきました。

※10月16日(金)に運動会が終わったので、本格的にスペースを作成しています。
また、ご報告いたします!

 

4年国語「いつも使っている紙は奥深いな…~世界に誇る和紙~」

シンキングツールを使って、説明文をうまく読み深められるように取り組んでいます。今回は、「対比」について明確化して、文章内容の理解を深めました。

説明文『世界に誇る和紙』
(学習のめあて)
・これまで学習してきたつなぎ言葉(接続語)に注目して、文章の構成に気づけるようにする。
・対比関係を明確にし、筆者の主張の読み取りに生かす。
・筆者の主張を読み取り、要約する。

★使用したシンキングツール・・・ベン図、クラゲチャート、ピラミッドチャート
★目的・・・対比関係の明確化
   

(授業展開)
①文章を読み、形式段落やつなぎ言葉(接続語)、わからない言葉については初読でチェックをします。
②つなぎ言葉(接続語)に注目し、その働きを復習しながら、文章の細部がどのような構成になっているのかに目を向けさせます。
③「いっぽう」から対比の関係を明確にし、「和紙」と「洋紙」が対比されていることを確認し、ベン図を用いて各自「和紙」と「洋紙」の情報の整理をします。
    

④班で情報を持ち寄り、読み取りを深めます。
   

⑤和紙の情報から、自分たちの和紙に対しての考えを持ちます。
⑥発表して、クラスで共有します。

    

⑦和紙と洋紙の情報のどの部分が対比になっているのかを全員で確認します。(対比になっていない情報や、その情報が書かれていることの意味に気づかせる)。
⑧筆者が和紙について伝えたいことがいくつあるのかをまとめます。

(次の展開)新たなシンキングツールを使って深めます。
⑨クラゲチャートを用いて筆者の主張を各自でまとめます。
⑩班で主張を持ち寄り、読み取りを深め、クラスでも共有します。
⑪ピラミッドチャートを用いて要点から自分が考えたことについて掘り下げていきます。