11月20日(月)~11月22日(水)にかけて、6年生の修学旅行が実施されました。今年の目的地も京都です。
修学旅行での目標は以下の3つです。
①日本の文化遺産を実際に自分の目で見て、自分の足で歩いて確かめ、今後の歴史の学習に役立てる。
②規則正しく楽しい生活ができるように、各自が責任を持った行動をとる。
③思いやりのある思考・行動を心がけて、友だちや現地の方、支えてくださる方などと互いに気持ちよく過ごせるようにする。
今年の6年生は、1・2年生で宿泊学習を経験した後、コロナ禍となり、3・4年生では宿泊学習にいけませんでした。5年生のときには、農業を体験することをねらいとして、農家のお家や近くのコテージに少人数で宿泊しました。したがって、今回の修学旅行は学年全員で同一の宿舎に泊まってすごすのは本当に久しぶりの体験であり、子どもたちにとって②、③を積極的に意識して取り組む絶好の機会となりました。
今年度の修学旅行は、1日目に三十三間堂、二条城、金閣寺、3日目に清水寺、平安神宮、銀閣寺を全体で見学し、2日目は5・6人の小グループにて自分たちで見学地を設定し、行程表を作成、見学しました。
まずは歴史の学習を活かして、京都の史跡について個人で調べ学習を進めました。全体で見学する史跡を例にとり、調べ方・まとめ方を全体で確認。その後に自分たちが調べた史跡について、その由来や歴史的意義、豆知識などの情報を集めて、個人で見学地の候補を選定しました。選定した候補地について、小グループ(行動班)で集まって、それぞれプレゼンテーションを行いました。友だちのプレゼンテーションを受けて、その中から実際に行動班で見学する場所を決定していきました。
子どもたちが見学場所を選定する上で次のことをルールとして話し合ってもらいました。
①午前・午後それぞれ3つのエリアの中から一つずつエリアを選び、そのエリア内で見学計画を立てること。
②午前と午後の活動時間を示し、その中で見学できる順番・場所を選定すること。
こうして、行動班で見学する場所が決定しました。その後は、当日見学する行程表を作成していきました。知らない土地のことを考えて見学計画を立てるのは、旅行の計画を立てることと一緒であるため、子どもたちはワクワクして学習を進めていきました。
また、今年度も京都文教大学の学生さんのお力を借りて行動計画を作成しました。オンラインで京都文教大学の学生さんとつなぎ、自分たちの行程表を発表しました。その後、学生さんからそれぞれの場所の見所や行程表に関するアドバイスをいただきました。
見学班での行程表作成と並行する形で、集合班の打ち合わせも加わりました。今回の京都へは新幹線を利用しましたので、旅行初日の学年全体の集合場所は新横浜駅でした。6月の鎌倉への遠足の際も、公共の交通機関を利用しての現地集合でしたが、今回も、新横浜までは子どもたちだけで向かいます。住んでいる場所をもとに3~5名程度で小グループを作り、途中のチェックポイントを経て新横浜まで移動しなくてはなりません。不測の事態への対応も考え、各グループの状況を教員が確認したり、予想外のトラブルに速やか対処したりできるようにしました。集合班での話し合いでは、集合時刻までに新横浜に到着するためには、何時の電車に乗り、どこで乗り換えなければならないのか、乗り遅れると次の電車は何時なのか等、様々な角度からシュミレーションしていました。その上で、それぞれの班が集合時刻や場所を決め、カードを仕上げていきました。
修学旅行に向けて、3か月近くをかけ、以上のような準備をすすめてきました。自由散策である2日目は、子どもたちだけで行動する点で少なからず子ども自身、保護者の方が心配していました。
この点については、以下のことに取り組むことで、子どもたちの不安を少しずつ自信に変えていくことができました。
①6月の鎌倉校外学習で今回同様に自由散策を実施したこと。
②事前に入念な行程表を作成したこと。
③Wi-Fiルーターを各グループに1台持たせ、ロイロノートで現在の場所をリアルタイムで本部教員に報告し、やり取りしたこと。
➃緊急時の対応をマニュアル化したこと。
⑤GPS探知機をグループに1台持たせ、位置情報をリアルタイムで確認できる状況にしたこと。
⑥子どもたちの準備の過程を保護者の方にもお伝えし、ご理解・ご協力をいただいたこと。
⑦現地の大学である京都文教大学と連携し、当日お手伝いとして参加していただいたこと。
①~⑥については、鎌倉校外学習のときにも同様に実施したことで、子どもたちはこれらの過程を見通しを持って取り組むことができ、安心度合いを増して、当日の活動に入ることができました。
保護者の方や宿泊・見学先の方々のご配慮、京都文教大学の学生の方のご協力により、無事に終えることができました。帰路の新幹線の中での子どもたちの表情からは、今回の旅行に対する満ち足りた思いが伝えわってきました。