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【思考力・思いやり】2年遠足 (よこはま動物園ズーラシア)

2年生の遠足が、4月28日によこはま動物園ズーラシアで実施されました。クラス替えが行われたばかりの4月に実施された遠足でしたので、新しいクラスメイトと仲を深められる行事となりました。

ズーラシアは大変広い施設で、たくさんの魅力ある動物がいます。その園内のうち「サバンナエリア」を、自分たちで見たい動物のルートを決めて、回っていくことにしました。

まずは、「グループでなかよくこうどうしよう」を目標として、そのために気を付けたいことは何かを考えてグループ内で共有していきました。気を付けたいことを意識したことで、どのくらい時間がかかりそうかを計算しつつ、お互いが見たい動物を見られるように調節をして、動物を見るルートを決めていくことができました。

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当日は天気にめぐまれ、青空のもと実施することができました。班の仲間と一緒に見学をスタートし、サバンナエリアを巡りました。

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子どもたちは、目の前で見る動物たちに、「かわいい!」などの歓声をあげていました。また、「あっちに行こうよ。」「待って、まだ〇〇さんが来てないよ。」など、班での行動を意識した声掛けが行われていました。動物に夢中になるあまり、はぐれてしまう班もありましたが、先生たちがポイントごとに立っているので、近くにあるポイントの先生に相談しに行ったり、他の班の人から「あっちにいたよ」と教えてもらったりして、上手に合流をすることができました。みんなが安全に楽しく見学を終えることができました。

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お昼をとり終えたあとは、東南アジアの密林エリアという場所をクラスごとに見学して回りました。オランウータンやスマトラトラ、マレーバクなどの動物たちを目の前で見ることができました。ちょうど、インドゾウの場所では、ゾウが水浴びをするところを見ることができ、その迫力に子どもたちは釘付けでした。

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事後の振り返りでは、より仲良く班行動できるようになるために必要なことや、一緒に回った仲間への感謝の気持ちを書いていきました。これからの仲がより深まる楽しい遠足になったことが振り返りから伝わりました。

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【思いやり】6年生の「学校探検」を通して

4月26日に1年生と6年生とで学校探検を行いました。毎年行っている行事ですが、今回は「他者意識をもって、喜んでもらえる企画を考え、運営する。」を6年生のねらいに設定し、1年生は、「楽しみながら、学校の教室・場所について理解する。」をねらいに設定しました。

準備は、5年生の終わりから始めていましたが、担当の教員も変わり、本格的に準備を始めたのは、6年生になってからです。それでも新学期が始まってから、6年生が1年生を出迎え、学校生活について付き添う活動を行ってきたので、1年生も6年生に心を開き、休み時間になると、6年生の教室に遊びに来るくらいの関係が築かれているので、6年生も1年生の立場になって考えることができました。

6年生は、学校探検の次の日に日台交流の時間があったので、大きく2つのグループに分かれ、学校探検の担当をさらにいくつかのグループに分けて、話し合いました。コースを決める係は、密にならないように移動するコースを決め、シナリオ係は、スタートとゴールで演劇を入れて1年生が楽しめる内容を考えました。空き時間チームは、探検が早く終わったチームが時間を上手に使えるように、「折り紙」「ぬりえ」「なぞなぞ」を考えました。飾り付けチームも短い準備期間で、1年生の各教室の飾り付けをしました。

DSC_0483DSC_04686年生の「学校探検」を通して (11)6年生の「学校探検」を通して (4)6年生の「学校探検」を通して (12)

学校探検当日は、残念ながら雨が降っていて、「裏庭」や「田んぼ」など自然を楽しみながら探検するコースは中止になりましたが、その分、それぞれの場所でミッションに取り組むことで、1年生が楽しく参加できるように変更しても、6年生がうまく対応したので1年生の笑顔も絶えませんでした。

戻った6年生は、学年で再度集まり、1年生とのかかわりについて振り返ります。

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6年生の「学校探検」を通して (1)6年生の「学校探検」を通して (2)6年生の「学校探検」を通して (7)

振り返りでは、まず子どもたちが自由に書きました。以下は子どもたちが書いた振り返りです。

※水色は、「思いやり」がみてとれたところです。

1       自分が担当したこと、ここがよかったなあということ

・勇者役は、ちょっとはずかしかったけど、みんなが「勇者だあー!」って喜んでくれた。

・1年生と6年生が一緒に行動することによって、名前を覚えてくれたり、仲良くなったりしたのでよかった。

・飾り付けの時に、とても頑張って作っていたから、飾り付けチームとして貢献できたと思う。

1年生と趣味があった。

・1年生がちゃんと自分の質問に答えてくれた。

・作ったマップがわかりやすいって言ってくれた。

優しく接して、わがままにもつきあってあげた。

この企画で、さらに1年生との交流が深められたこと。小さい子に寄り添う大切さ。

トイレや水飲みの確認がきちんとできた。

1年生の要望を聞いてあげた。

2         自分が担当したことで、ここをもう少しこうしたらよかったなあということ

1年生が想像以上に活発で追いつけませんでした。そこは反省。

もうちょっと最初から声をかけられたらよかった。

トイレとか水分補給とかで、もっとたくさん声をかけてあげればよかった。

・もうすこし準備ができればよかった。

時間配分を気にしてあげればよかった。

もう少しミッションに時間をかけてあげればよかった。

もっとゲームを用意しておけばよかった。

もうちょっとゆっくり回ったほうが1年生が喜んでくれた気がする。

・自分の名前を覚えさせたほうが良かった。

もうちょっと遅く歩けばよかった。

3          全体の運営の振り返り

・みんなしっかりとやっていた。

・全体的には良かったと思う。

1年生に対してみんな優しく接していてよかった。

1年生がウルトラ楽しんでいたので良いと思う。

・劇など、うまくまわせていたと思う。

・よりよく学校探検ができるように試行錯誤していた。

・意外とマップ作りがスムーズにできた。

・集合時間に集まることができた。

・学校探検のストーリーとかすごかった。

4          相手の表情や反応はどうだった?

1年生は楽しそうだった。

リアクションがすごく激しく、わかりやすかった。

めっちゃ笑顔。

結構喜んでくれた。

時間が迫っていて、急いでハモホに行ったときは、いやそうな顔をしていた。

水筒をなくした(置き忘れた)のを気づいたときに落ち込んでたから、気をつければよかった。

5          その他

・すごく大変だったけど、思い出に残って楽しかった。

・最初は、お互い緊張していてあまり話せなかったけれど、自分から話してみたらだんだんと仲が深まっていったので、とてもうれしかった。

・写真をもっととればよかった。

初めて6年生という実感を持てました。ありがとう1年生!

・ぼくが担当した1年生から手紙をもらいました。

以上の振り返りの中で、1年生と話題を合わせたり、トイレや水飲みを気にしたり、歩く速さを1年生に合わせたり・・・と6年生のめあてである「他者意識をもって、喜んでもらえる企画を考え、運営する。」は、できた子が多く、またできなかった児童も振り返りで気づいていることから、今後の1年生との交流や他学年との交流でも活かしてくれることをしています。

今回の行事で、小学校の最高学年であるという意識が持てたことは、6年生にとって大きな収穫になりました。

6年生の「学校探検」を通して (3)6年生の「学校探検」を通して (5)6年生の「学校探検」を通して (8)

 

【思いやり】2023年 6年生の「台湾の小学校との交流」を通して

4月27日(木)に、台湾の小学校を迎えて、日本と台湾の文化交流を行いました。海外の学校を迎えての交流は、コロナの影響もあり、久しぶりの実施となりました。「台湾の小学生が来て、交流できる機会があるけれど、どうしますか?」と6年生全員に聞くと、「やります!」「やってみたい!」と前向きな言葉が一斉にあがりました。

6年生は毎年実施している1年生の「学校探検」があるので、学年を半分に分けて準備を進めました。「日本の文化について知ってもらうこと」を目標に定め、そのためにどんなことをすると良いのかと考え、すぐに活発な議論になりました。

海外の人に来てもらうときには、日本の文化について考える絶好の機会です。「そもそも日本の文化って何?」「台湾と日本の違いは何?」「日常生活の中で、日本らしいものって何だろう?」いろいろな問いが自然と湧いてきました。

「水道から出る水が飲めるって世界的に見ると当たり前ではないんだ。」「アニメやマンガは日本の文化として世界に知られているらしい。」「折り紙はどうだろう?」「日本の鉄道は台湾にも導入されている。」などと、調べていく中で自分たちの国に対する理解を進んで深めている様子がそこかしこで見られました。「ソーランは日本の文化としても、桐蔭学園小学校の特徴としても外せないのでは?」という意見も出て、みな納得していました。相手がどんな人たちで、どういった情報を求めているのか。どういったことをすると喜んでもらえるのか。目的がはっきりしていることで、自然と相手意識が子どもたちに芽生えていました。

これらの取り組みと並行して、教科学習でも「異文化理解」をテーマに学習しました。道徳では、道徳教材「フーバーさん」を活用して、世界の国々の文化や歴史についてどのように考えるのかを学びました。総合的な学習の時間では、現代のニュース映像を活用して「台湾」の人々の考え方や現在の状況を学びました。そういった教科横断的な取り組みもあり、自分たちなりに「楽しく交流する」には、相手について深く知ることが必要であるということを感じていました。

文化交流企画では最終的に、「昔遊び」「ソーラン」「アニメ・マンガ」の3つのカテゴリーでおもてなしをすることにしました。台湾の方たちが、心から楽しんでもらうためには、どんな準備が必要か、どんな工夫が必要か、など常に相手意識を持った話し合いが行われていました。

当日は、英語の授業でも学んだ英会話を活用して、一生懸命にコミュニケーションをはかりました。来校した32名の台湾の人たちを3つのグループにその場で分け、グループごとに3つのカテゴリーを回ってもらうこと。日本語で伝えれば簡単だと思っていたことも、初対面の、しかも日本語が通じない人たちに説明することは本当に大変そうでしたが、臆せず自分なりの言葉で誠実に説明し、理解してもらうことができました。

3つのカテゴリー別の場では、どのようにコミュニケーションをとればいいのか、とても困惑している様子も見られましたが、「おもてなしをする自分たちから話す方がいい!」との思いからどんどん交流が生まれ、どの部屋でも台湾、日本双方の子どもたちの笑顔にあふれていました。

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後半は、民生小(台湾)のオーケストラと鼓笛隊・合唱団が音楽交流を行いました。民生小学校はニールセンなどの本格クラシックから台湾民謡や「名探偵コナン」などの日本のアニメ曲まで演奏してくれました。鼓笛隊は、「マツケンサンバ」「Mela」などのJPOP、合唱団は「いのちの歌」「ほらね」などの合唱曲を披露しました。お互いに知らなかった曲から知っている曲まで、子どもたちは楽しく音楽を聴きあっていました。最後には「花は咲く」を合同で演奏し音楽の感動に包まれました。演奏を聴いていた台湾の保護者の方も「your music touched my heart !(あなたの音楽が心に触れた)」という言葉を言ってくださいました。音楽に国境はないという言葉をよく聞きますが、その瞬間を台湾・日本の子どもたちが見せてくれたように感じます。

『子どもたちの振り返りより』

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【思考力・チャレンジ】4年算数~大きな数~

桐蔭学園小学校で掲げているキーコンピテンシーのうち、「思考力」「チャレンジ」を育成するための、ある4年生の3時間分の授業について紹介します。

〇導入

4年算数の最初の単元は「大きな数」です。子どもたちは授業で習う前から日常的に様々な「数」を目にしています。導入は、なるべく子どもたちの馴染みのない事象から、「そうなんだ!」を引き出したいと思い、次のような問いをしました。

「地球上でもっとも多く生息している生き物は?」

すると、「人間!!」と言う子がいました。そして「いや、もっといるよ!」「だって、人間は70億人もいるんだよ!」「アリとか多そうだよ!」と子どもたちの方で想像を膨らませていました。「調べていいですか?」と言ってきた子がいたので、もちろんOKしました。調べている間にもあれやこれやと議論をしています。すると、「ナンキョクオキアミ」にたどり着きます。正確には、総重量でみると世界一数が多いとされています。なんと、総重量およそ10億トンです。1匹あたり2g程度なので、途方もない数が生息しています。子どもたちも「えぇ~!!!」と驚いていました。

子どもの情報01子どもの情報03子どもの情報02

↑子どもが検索して出てきた情報

数の大きいクイズ

 他にも、「ディズニーランドはいくらで貸し切れるか?」や大きな数の定番「日本の面積と人口がいくつか?」をクイズ形式で問いました。

算数で大切なことの1つが、「子どもがいかに“数”に興味をもてるようになるか」だと思うので、それを引き出したいと考えています。

 

〇展開

大きな数の様々な見方を学習するために、まずは小さい数で3年での既習事項を振り返りながら次のように問いました。

「50はどんな数?」

これもやはりたくさんの意見が出てきます。

板書01

子どもが意見を出すときに大切なのは、何でも言ってOKの環境を作ることです。特に、4月の最初の段階でその環境を作れれば、自分のアイディアを生み出そうとします。先生が「それはどうかな?」と子どもの考えを取捨選択してしまったら、子どもは自分の考えではなく、「先生が求めているモノ」を考えようとしてしまいます。それでは既成概念を超えられません。今回でいうと「お父さんの年齢」や「タイヤのインチ数」などが出ました。「そういうのもありなの??」という子もいましたが、いいんです!!

 

さて、今回子どもたちから出た考えを2つに分類しながら板書しました。そして「君たちが出してくれた考えを右側と左側で分けて書きました。どう分けているでしょう?」と問いました。またしても子どもたちは様々なアイディアをぶつけてきます。一番多かったのは「計算しているかどうか」でしたが、タイヤのインチ数がその回答を邪魔してきます(笑)

答えは「ズバリ!“50”になるかどうか」です。

右と左に分けて書いていくと、どちらかが多くなって偏っていきます。すると子どもたちから「なんだか先生の板書がおかしいぞ?」や「先生、黒板のバランスが悪いです!」など、小さな疑問を持ち、「なんでかなぁ~?」とつぶやくと、「何か意味があるのかも!」と子どもたちは考え始めます。こういうところでも子どもたちの思考力をくすぐれればと思います。

 

そして、準備が整いましたので大きな数に突入です。

「640000はどんな数?」

「ただし、考えるのはさっきの左側「ズバリ!640000」になる数だよ」と焦点を絞ります。

個→協同→個のアクティブラーニングの流れにそって、まずは個人で考えを巡らせました。しばらくしてから班で意見を集約します。

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そして、

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〈600000+4000〉〈65万から1万を引いた数〉〈320000×2〉などの計算

〈1が64万集まった数〉〈1万を64集めた数〉などの単位量を決めてそれが何個分か考える

〈十万の位が6で一万の位が4の数〉などの位に注目する

〈6400000の 〉〈64の10000倍〉などの10倍や などの位を上げたり下げたりする

などの意見が出てきます。

その中で、間違っているものには「それはズバリ!の答えじゃないよ!」や「答え間違ってない?」など子ども同士で修正しあいます。子ども対先生で修正していくよりも、近くの友だち同士で話をすることで、一人一人が自分の考えがどうだったかをより考えやすくなることがあります。

ここでの考えを共有した後に、「自分の考えになかったものはノートに記録しておこう!」と伝え、そのノートを写真に撮ってロイロノートに提出してもらいます。うまくつかめていないような子には個別で対応します。

 

 

〇補足

このように全員で楽しみながら算数的思考を深めていけるように、提示や問いかけ・取り組み方を工夫しています。また、このあと出てくる3位数×3位数以上の計算も子どもたちがつまずきやすいところなので、虫食い算や計算アプリで取り組みます。計算力を高めるにはやはり数をこなすしかないので、苦手な子もチャレンジを続けられるよう個別対応していきます。

 

【メタ認知力】6年生の「1年生お手伝い」を通して

4月6日にシンフォニーホールにて入学式を迎えた1年生。4月7日(金)に初めて小学校校舎に登校してきました。最寄り駅からのスクールバスに乗って小学校まで来ましたが、そこから下足箱はどこか?教室はどこか?学校に到着してから何をするのか?などすべて初体験で右も左もわかりません。

そのため、本校では6年生が登校初日から1年生を出迎え、学校生活について付き添う活動を行っています。

6年生へはまず、1年生が登校する前に学年集会で「1年生が困っているのでぜひ助けてほしい」と伝えました。初めて登校して何もわからない1年生の様子を知った6年生からは「助けてあげたい!」「お迎えします!」という前向きな声が聞こえてきました。6年生としても、1年生と初めて関わるので、「どんなこと話したらいいのかな?」「うまく対応できるかな?」という不安の声もありました。そういう気持ちに共感しつつ、まずは自分たちにできることを考えて実践してみよう、と声をかけて1年生のお迎えに向かいました。

1年生が乗ったスクールバスが到着する下足箱へ行き、待ち受けます。6年生にとっても登校初日の朝でもあり、少しテンションの高い様子がうかがえました。

 

そして、1年生が到着。すると積極果敢な子からどんどん1年生の前に行き、互いの名前を紹介する様子が見られました。そこから1年生を連れて、下足箱、そして教室へ誘導します。教室では、朝準備の仕方について、1年生の担任の先生と確認しながら6年生が1年生をサポートします。準備が終わった後、そのまま1年生とコミュニケーションをとる6年生もいれば、うまくコミュニケーションが取れずにその場を離れてしまう6年生もいました。1年生の朝準備が終わると、6年生は1年生とお別れして、6年生教室に戻ります。

戻った6年生は、学年で再度集まり、1年生とのかかわりについて振り返ります。

6年生の引率16年生の引率01

 

 

 

 

 

 

 

 

振り返りでは、まず子どもたちに自由に書かせました。以下は子どもたちが書いた振り返りです。

振り返り01

振り返り02

振り返り03

 

内容を見てみると、自分の接し方について全体的に振り返っている子もいれば、「良かったところ・なおしたいところ」と観点を分けて書いている子や、6年生全体の動きについても振り返っている子もいました。

ここで近くの友だちと共有タイムを設けました。友だちがどんな観点で書いているのか、互いに伝えあいます。友だちがどんなことを書いているのか、子どもたちも興味津々なので、積極的にやりとりしていました。そして、書いている観点を全体で共有します。

観点01

共有した上で、自分の振り返りカードに追記しておきたいことを赤字で書き加えました。友だちから、自分とは違う観点の振り返りがあることで、見方が広がったと感じる子もいました。

見方の広がり01見方の広がり02見方の広がり03

最後に、翌日以降の1年生のお手伝いに向けて、改善点や変更点を全体で話し合いました。最初は、関わりに不安がある子のために、どのような関わり方があるのか、互いに意見を出し合いました。

「朝準備の手伝いをしてあげる、持ち物の整理整頓してあげる、本を読んであげる、…」などの意見が出ました。関わり方に不安を感じている子にとって、これらの話は非常に助かったようで、「そっかぁ」とつぶやく声が聞こえてきました。全体で共有した意見は下のカードです。1年生の安心感のためにサポートしてあげることはもちろん、その後の生活を考えて、自分でできるものは見守るという意見も出ており、1年生のことをしっかりと考えた意見が共有されました。

次回に向けて01

 

そして迎えた2日目。昨日の経験と今日のめあてを個々に持って1年生のお迎えに向かいます。

昨日一日経験したことで自信をつけた子が多くいました。また、友だちからのアドバイスを活かして、本の読み聞かせをしてあげる6年生もたくさんいました。前日に振り返ったことをしっかりと活かして取り組んでいる子がたくさん見られました。

それだけではなく、さらに下足箱のところでは、1日目の反省を踏まえて自主的に交通整理をしてくれている6年生もいました。また、教室では1年生の様子を見て回り、困っている様子の1年生にすかさずサポートしてあげている6年生もいました。前日の様子から自分なりに考え、自分にできることに進んで取り組んだ子がいたことはとても素晴らしいことだと感じました。

6年生と1年生の写真差し替え6年生の取り組み02

6年生の取り組み03

2日目の朝のお手伝いを終えて、再び個人で振り返りました。2日目の振り返りを書いたのち、1日目の振り返りと比較しました。自分なりに変化したと思うところに蛍光線を引きました。すると子どもたちからは「前日できなかったことができた!」「成長してる!」といった前向きな言葉が出ていました。「自分の変化を感じた人?」との問いかけに多くの子が手を挙げ、「振り返りを書いたことで成長したことがはっきりわかりました。」という意見も出ました。

1年生の振り返り01

1年生の振り返り03

 

1年生の振り返り02

活動に取り組むだけでなく、しっかりと振り返り、次なる活動に向けて自分なりにめあてを持って取り組むこと。そうすることでより大きく変化し、それを自分自身が実感できる。PDCAサイクルを回すことの良さを子どもたちは感じているようでした。

1年生との交流01

 

 

 

1年生との交流02

 

 

 

【創造力 チャレンジ力 メタ認知力 思いやり】  教育実践「音楽会」~みんなで一つの作品を創りあげよう~

2月24日(金)に「音楽会」を実施しました。当日はインフルエンザの影響で学級閉鎖をしている学年もあったため、ひとまず3,5,6年生の演奏を発表しました。日を改め、1週間後の3月2日に1,2,4年生、3日に合唱団と鼓笛隊の発表となりました。

以前シンフォニーホールで開催していた「送別音楽会」がコロナ禍で中止となって早4年。歌うことも楽器を演奏することも制限され、授業のスタイルも大きく様変わりした中で、音楽科としても新しいカタチの音楽行事を模索してきましたが、原点に立ち返り普段の授業で取り組んでいることを互いに発表しあうことで、学校生活に溶け込んだありのままの児童の姿を見ていただきたいと考え、会場も高学年が普段授業をしているハーモニーホールでの発表となりました。本番の鑑賞は児童のみでしたが、後日保護者の皆様に限定配信でご覧いただきました。

1年生は、「はるなつあきふゆ」と「きらきら星」を演奏しました。今回の音楽会では授業での積み重ねてきたものを発表するといった視点をとても大切にしたため教科書にある曲から選びました。子どもたちは1年間を通して身に付けた力を最大限生かして自分たちの演奏を振り返りながら改善点を探して表現を深めていきました。子どもたちは「この部分は高音だから思いがいっぱいあるように演奏したい」や「最後は、夜の静けさを表現したいから優しく演奏したい」など様々な創造力を発揮してくれていました。最終的に、「早く本番で演奏したい!!」とやる気いっぱいの気持ちを見せてくれて本番を迎えることが出来ました。

音楽会01 - 1年

2年生は、「こぎつね」と「手のひらを太陽に」を演奏しました。2年生になると学びの積み重ねも広がり、「このフレーズは次に向かうように演奏したい」「休符には、次に進みそうな休符と終わりそうな休符があるから意識したい」「強弱の違いをもっとこだわりたい」「伴奏は電子ピアノではなくて実際のピアノの音色がいい!」などたくさんのこだわりを持って表現を深めてくれました。一つのこだわりからチャレンジ心が生まれてきて、創造力は広がり、友達との演奏にも歩み寄っていける様子が大変嬉しく感じる時間でした。

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3年生は「よろこびの歌」,4年生は「オーラリー」の合唱奏を行いました。子どもたちは、ドイツ語や英語の歌詞をあっという間に覚え、ゴスペルやジャズの世界観も短い時間で自分のものにしていきました。リコーダーの音にも最後までこだわって練習を重ねました。子どもたちの可能性の大きさを、あらためて実感した音楽会でした。この素晴らしい力を、今後もいろいろな場面で発揮していってほしいと思います。

音楽会04 - 3年 音楽会05 - 4年

5年生は2部合唱「マイバラード」と器楽合奏「威風堂々」に取り組みました。合奏では使う楽器をあえて指定せず、旋律と伴奏のパートそれぞれに合う楽器を自分で試しながら、考えていきました。木琴や鉄琴でも音域によってマレットを選び音色を変えてみることで、自分たちだけのアンサンブルを創ることが出来ました。

音楽会06 - 5年

6年生にとっては小学校生活最後となる演奏ですが、今まで学年全体で音楽を作る経験があまりなかったため、とても不安でした。基本に立ち返り「ふるさと」で伝えたい思いをていねいに合唱しました。そして「木星」では各パートの役割を考えながらバランスを工夫し、曲想にあったテンポになるよう演奏しました。また、卒業学年ということで特別に保護者の方に来場して鑑賞していただくことが出来ました。自分の演奏に夢中になりながらも指揮に合わせて合奏することは、これからの学校生活でも大きく役立つ何かを感じ取ることが出来たのではないでしょうか。

音楽会07 - 6年① 音楽会09 - 6年②

合唱団では「にじ」「たいこをたたきましょう」を演奏しました。アカペラコンテストの直前のなか、別の曲にも挑戦し発表できたことが大変価値ある時間となりました。合唱団では「一人一人が輝ける合唱団」を目標に日々活動に取り組んでいます。どこまで作品にこだわれるか、その結果どれだけ輝けるかは子どもたち次第です。作品の表現もそれによって大きく変わってきます。「『たいこをたたきましょう』がまだ深まってない!」と練習で伝えてくれた6年生の声をきっかけに練習がより深まり、作品が変化していきました。このようなプロセスが素敵な演奏を導き、素敵な音楽会を創り上げてくれたように感じます。

 

鼓笛隊は「マツケンサンバⅡ」、「ぼよよん行進曲」、「新時代」を演奏しました。最近は録音や録画が多く、ようやく生演奏に慣れてきたメンバーですが、各パートの個性を発揮しながらもまとまりのある演奏を目指しました。やはり友だちに聴いてもらうことがとてもうれしく、ライブならではの迫力ある発表となりました。

音楽会10 - 合唱団 音楽会11 - 鼓笛隊

新たな音楽会を経て感じたことは普段の学びがどれだけ大切かということです。これまでは大きな音楽会だったこともありたくさんの練習時間を費やしその日の成功のためにひたすらに練習するという印象がありました。しかし、基本的には授業内で準備をするといった流れで迎える音楽会では普段の授業での積み重ねが大変重要になってきます。

今回の音楽会で子どもたちが精いっぱい演奏できたのは、日ごろから一生懸命授業に取り組んでくれた証であるように感じています。また、一つの発表といった共通の目標を学年全体で持ち、目には見えない「音楽」という作品を創り上げるために前向きな気持ちをもって何度も自分たちの演奏を振り返り、創造力を駆使して作品をつくりかえていく時間はコンピテンシーそのものを育てている時間であることを体感いたしました。

これからも「子ども中心」といった視点を大切に音楽科一同、音楽教育を研鑽していきたいと思います。

 

【チャレンジ力・創造力】冬キャンプで開花したもの

今年度の4年生には2回の宿泊行事がありました。

1回目は10月に行った「夏キャンプ」(1泊)。

これは新型感染症の影響で2年間中止になっていた久しぶりの宿泊行事で、子どもたちにとっては、1年生の夏のサマーキャンプ以来となります。夏キャンプでは、宿泊するために何が必要か、学校生活との違いは何か、実際にやってみようということを意識して行事を組み立てました。

夏キャン1 夏キャン2

 

2回目は2月に行った「冬キャンプ」(1泊)

夏キャンプで培った経験を土台として「自分たちで作っていくキャンプ」を目標に班決めからレクレーションまで、多くのチャレンジを行いました。

 

今回は、その中でも4年生の子どもたちの隠れていた「能力」が開花した件についてお伝えしたいと思います。

ゴミとハイキング1 ゴミとハイキング2 ゴミとハイキング3

「プレパークさかえ」でのゴミ学習、「自然観察の森」でのハイキングの後、大きなホールで「TO MY HERO」というダンスプログラムを実施しました。これは、体全体で自分の気持ちを表現することを目指し「株式会社トゥーマイヒーロー」さんが展開する自己表現プログラムです。

 

始まる前、子どもたちから、「ダンスはちょっと苦手だな…」、「この後は踊りか~ う~ん」のような声が漏れ聞こえてきていました。その気持ちもよく分かります。体を全部使って表現するということは、子どもにとっては高いハードルになることもあると思います。

 

しかしインストラクターの方と事前に打ち合わせをして、「桐蔭の子たちならヤル気に火がついてくれるはず!」と信じていました。

それぐらい、TO MY HEROさんのプログラムは素晴らしいものでした。

 

①今日、この時間でみんなが目指す目標の確認

→各班の班長さんが話し合って決めた「キャンプの目標」を意識することになりました。

Dance① (1) Dance① (2) Dance① (3)

 

 

②様々なアイスブレイクゲームで、子どもたちの表現力と創造力が開放されていく。

→日ごろのペアーワーク、班活動などの経験も生かされ、さまざまな組み合わせの仲間たちと交流することができました。相手の良いところをマネして自分の表現に組み込むチャレンジ力や、表現しても受け入れてもらえる雰囲気を仲間たちが作ってくれている安心感などが相まって、全身を使って表現することって楽しいという気持ちがすくすくと伸びていくことを感じました。

 

Dance② (1) Dance② (2) Dance② (3) Dance② (4) Dance② (5)

 

 

③メインのダンス習得プログラム

→曲に合わせて振りを覚えていきます。この段階では体を動かすことや、気持ちを表現することなどの敷居が低くなってきていて、学年のほぼすべての子が汗だくになりながら踊りを覚えていきました。

 

 

④自作のダンス作り

→ダンスの一部を自分たちで作ってみようという時間もありました。曲に合わせて「こういうものはどうか?」「その要素と、この要素を足してみよう!」など、誰がリーダーということではなく、一人一人が主体的に意見を言い、振りが混ざっていく様子は、見ていてとても素晴らしい状態だと思いました。最終的には各チーム1つの振りに決まっていきますが、そこに至るまでのステップがとても大切な時間だったと思います。

Dance③ (1) Dance③ (2) Dance③ (3) Dance③ (4) Dance③ (5) Dance③ (6) Dance③ (7) Dance③ (8) Dance③ (9)

⑤終わってみて

120分のプログラムはあっという間に終わり、多くの子が笑顔で終えることができ、桐蔭小の子たちの、チャレンジ力と、創造力が存分に発揮された空間となり、とても有意義な時間となりました。

また、TO MY HEROの方からの感想を頂いた時、「桐蔭小の子たちは、とても活発で自主的でとても良かったです。」や、「先生たちも一緒に全力でプログラムに参加してくれることはとてもうれしいことです」という言葉を頂きました。先生たちも一緒に楽しむというのは桐蔭小の良いところの一つだと私も思います。

今後も、子どもたちがのびのびと挑戦できる環境を大切にして参りたいと思います。

 

 

 

 

 

熱く語れるポスターセッション 自分の興味関心と社会とのつながりを考えよう~SDGsを参考に~

『今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開』(文部科学省,教育出版2011)では、探究的な学習について以下に書かれています。

探究的な学習とするためには、学習過程が以下のようになることが重要である。

 ①【課題の設定】体験活動などを通して、課題を設定し課題意識をもつ

 ②【情報の収集】必要な情報を取り出したり収集したりする

 ③【整理・分析】収集した情報を、整理したり分析したりして思考する

 ④【まとめ・表現】気付きや発見、自分の考えなどをまとめ、判断し、表現する

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こうしたことと、桐蔭学園小学校で掲げている6つのキーコンピテンシー(思考力、創造力、チャレンジ力、メタ認知力、思いやり、エージェンシー)とを意識して探究活動に取り組むように考え、教科の「総合」の探究的な学びについて、昨年度よりカリキュラムを再編成して取り組んできました。今年度の6年生は再編成したカリキュラムで取り組んで2年目となります。

ポスターセッションに至るまでの今年度の6年生の総合(探究)の歩みを少しご紹介します。6年生では、それぞれが興味・関心あることについて、そこに関わる社会的な問題にどのようなものがあるのかを調べ、その問題に対して、どういった解決方法があるのかを自分なりに主張することにしました。

探究的な学びを深めていくためには、「課題の設定」。つまり子ども自身の「問い」がどういったものになるのか、ということが非常に大切です。「問い」については、まずオープンエンドになっていることが必要です。社会の中に存在する様々な課題は、いろいろな要素が複雑に絡み合ったものであり、単一の答えが出るものではありません。そういったことを踏まえ、探究では問いづくりを最も大切にしています。

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ここからは、思考の流れを追うためにある児童の探究的な学びに焦点を絞って説明します。

まずは、子どもたちに学習の見通しが持てるように、図1を提示しました。こうしたものを示すことによって、自分が今どの段階を取り組んでいるのか、それがこの先どのように進んでいくのか、ということ常にイメージしながら進めていけるようになります。

次に、自分の興味・関心について掘り下げていくために、自分についての分析を行いました(図2)。パッと思いつくことを1つ挙げることは、子どもたちにとって簡単なことです。しかし、様々な観点から問いかけていくことで、改めて自分の中にどんな興味・関心があるのか、自覚することができます。

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そして、それをもとに曼荼羅チャート(図3)を使って、どうして自分はそれに興味・関心があるのかを整理することで、より強く興味・関心があるものはどれなのかを可視化することができ、自分の興味・関心がどのような共通性をもっているのかなど、より大きな視野で考えることができるようになります。また、こうして複数の興味・関心を挙げることにより、実際にそれが社会的な問題・課題とどのようにつながっているかを考えたとき、最初に挙げた興味・関心のあるものとのつながりが見出せない場合でも、自分の中に課題設定をする選択肢が持てます。この取り組みによって、子どもたちの問いは似通ったものからより多様なものに変化していきました。この児童は、最初に文房具やハワイ、赤ちゃんなどを書いていましたが、複数書いていくことで社会的な問題・課題とつながって学習を進めていくのにより自分にふさわしいテーマとして「発酵」を選択しました。こういった変化が多くの子どもたちの中で起きていました。図4-1では、自分の設定した興味・関心がテーマ(SDGs)とどう関わりそうなのか見通しを立て、図4-2で探究をし始める最初の問いを明確化することができ、探究への計画を持てるようになっていきました。

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次に実際に探究をしていく流れについてです。ここからは、【課題の設定】→【情報の収集】→【整理・分析】→【まとめ・表現】→【課題の設定】→…と個人内で探究的な学びのサイクルを回していきます。図5-1、5-2ように、「探究学習シート」というものを使って、1人1人が、探究的な学びのサイクルを進めていきます。ここで大切なのは、シートの最後にある「次なる問い」の部分です。調べたことをさらに深掘りをしたり、別の観点から調べたりすることで探究のサイクルが繰り返され、より深い学びにつながります。また、調べ学習が不十分であったり、調べた内容を自分なりに解釈できていなかったりする場合、「次なる問い」を生み出すことが難しくなるので、1人1人に助言を適宜することが大切です。そうして、個人で探究的な学びを進めた先に2学期は、小論文形式で【まとめ・表現】するようにしました。9月にスタートして、12月に小論文の形でまとめることができました(図6)。

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3学期は、ポスターセッションで表現するための、アウトプット、つまり【まとめ・表現】することに焦点化して学びを進めました。自分が考えたことをいかに人に伝わるようにするのか、ということについて考えを深めるために、聞き手としてどういった観点で見るべきか、発表者としてどういったことを大切にして取り組むべきか、子どもたちと教員が話し合いながら、評価ルーブリックを作成しました(図7)。そのルーブリックを基に、自分の発表を振り返ったり、当日のみんなの発表を自分たちで評価したりするようにしました。

図7に示したのは実際に児童が練習時に友だちの発表を評価したものです。当日も同じルーブリックを使用して、お互いの発表を聞き合うようにしました。

こうした学びを経て、2月17日(金)に大学のクリエイティブスタジオにて、ポスターセッションを実施しました。これまで学んだことを発表する場ということで、当日は、保護者や学園関係者に招待状を出して聞いてもらうようにしました。5年生もその様子を見に来てくれました。子どもたちは普段あまり関わりのない人や面識のない人にも自分たちの学びを聞いてもらうことで、緊張感を持って取り組むことができたようです。また、保護者の中には、それぞれの分野を専門とする方もいらっしゃり、調べたことについて助言をしてくださったり、交流したりする様子も見られました。これは子どもたちにとっては非常に大きな学びであったようで、そういった交流をした児童は、その様子を活き活きと話してくれました。

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探究的な学びを進めていくためには、本校が掲げている6つのキーコンピテンシー(思考力、創造力、チャレンジ力、メタ認知力、思いやり、エージェンシー)を活用して取り組むことになります。授業者として、コンピテンシーの育成を意識して取り組んできました。教員も、児童への発問や助言、関わり方、その一つ一つを大切にするように変化しました。すると、子どもたちもじっくりと思考して取り組むようになったり、難しい調べ学習にもあきらめず挑戦したりするようになり、1人1人の創造的で多様な考えを生むことにつながりました。

探究的な学びの発表をポスターセッションで実施したのは今回が初めてとなります。今後は本校6年間の学びのまとめとして、この取り組みを継続していきます。

また、桐蔭学園では中等・高校ともに「探究」を学びの3本柱のひとつに位置付けており、「未来への扉」(=みらとび)と呼んでいます。こうした学びを、小学校の先のステップでも引き続き取り組み、さらに探究的な学びのプロセスを習得し、社会で活躍できる子どもたちになっていくことを願っています。

文責 玉井 山尾 瀬山

 

 

 

 

 

 

【6つのキーコンピテンシーを育むPC授業】

小学校では全学年、毎週1回「PC」の授業があります。この「PC」は主に1人1台個人持ちのiPadを用いて行っています。

 

「PC」は、使用するアプリの基本的な操作方法の確認をして、あとは子どもが自ら試行錯誤し、気づき、展開していく授業になっています。また、『個➝協働➝個』のアクティブラーニング型の流れの中で、子どもたち同士で、学び合い・教え合いをしながら進んでいきます。

デジタルネイティブな子どもたちは、そこから「習うより慣れよ」で様々な活用方法を見つけていきます。

まずはアクティブラーニングの「個」ができあがります。ただ、これはまだ途中段階です。

 

「個」の段階⇒自分はこのアプリでこういったものをつくりたい(主に創造力、思考力、チャレンジ力)

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次に「協働」という学び合い・教え合いの段階になります。友だちに伝えることや教えてもらうことが学び合い・教え合いになり、自分で気がつくことで可能性が大きく広がります。

 

「協働」の段階⇒人に伝えること(主に思いやり)

学び合い(主にエージェンシー、メタ認知力)

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そして、また「個」に戻り、新たに得た情報や材料を駆使して試行錯誤を行っていきます。

この流れを何度か繰り返していきます。

 

 

ここからは、今1年生が取り組んでいる授業の様子を紹介します。

今回のミッションは、「この1年間で学んだことをクイズにして、みんなで解き合う」です。各教科の復習になり、Springin’Classroom(アプリ)を使用して制作するのでプログラミングの学習にもなります。

子どもたちは、どんな問題を作ろうかなと一生懸命に考えます。また、友だちに楽しんでももらいたいので出題の仕方や演出を工夫していきます。

まずは「個」の段階。自分で考えます。

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次に「協働」の段階。友だちに教えたり、教えてもらったりして、自分のクイズにつけ加える材料を見つけます。

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最後に「個」に戻って作業をします。早速、友だちに教えてもらった出題の仕方や演出などを参考にさせてもらいます。

子どもたちからは、「自分のクイズが少し前より良いものになった。」という声が上がりました。また、「友だちにもう一度自分のクイズに挑戦してもらって、感想や意見を聞きたい。」という声も聞こえてきました。共に制作するという意識が芽生えてきています。

 

「個」➝「協働」➝「個」を3回繰り返したあとに中間報告したもの

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子どもたちは、友だちと学び合い・教え合いながら、自ら試行錯誤し、みんなでより良いものを目指しています。

今後もこのように取り組んでいきます。

 

英検Day 2回目

今年度から新たな取り組みとして始まった「英検Day」の2回目が、1月20日(金)5・6時間目に行われました。

 

英検Dayとは、4・5・6年生の全児童が、英検の本試験にチャレンジするか、自分のレベルに合った英検の練習問題に挑戦するか、どちらかを行う日です。

桐蔭学園小学校では、小学校を卒業するまでに英検4級までを全員が取得できるように日々取り組んでいます。

 

 

この日も多くの子どもたちが、英検の本試験にチャレンジしました。

 

まず一足先に、本試験を受ける児童が試験教室に移動します。

残る子どもたちからは、「行ってらっしゃい!」「頑張ってねー!」とたくさんのエールを受け取りました。

 

今回本試験を受験しない児童は、それぞれ指定された教室で、英語科の準備したオリジナル練習問題に挑みます。

持参したイアホンとiPadを準備し、自分の挑戦したい級の英検問題をiPadのロイロノートから選びます。

 

こちらも本番さながら、抜群の集中力で課題に向き合います。

本試験同様、筆記とリスニングです。

問題は全てロイロノートのファイルに準備されているので、子どもたちは好きな級を選び何度も挑戦できます。

 

同じ級を2回チャレンジする子もいれば、2回目からは上の級にチャレンジする子など、自分に合った取り組み方をします。

 

今回も、「思ったよりもできた!」「もうちょっと聞き取れるようになりたい。」など、様々な感想が聞かれました。

 

子どもたちが「英語が前よりも理解できて面白い!楽しい!」と実感できる時間を今後も多く積み重ねていきたいです。

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